司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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(民法の改正(その千百八十一)

(関連論点)
詐欺をした第三者が代理人その他の相手方が責任を負うべき者である場合法人の従業員等,その行為につき相手方が責任を負うべき者がした詐欺については,相手方が自ら詐欺をしたのと同視されてもやむを得ないとして,相手方が詐欺の事実を知っていたかどうかにかかわりなく,取消しを認めるべきであるという考え方が提示されているが,どのように考えるか。

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(民法の改正(その千百八十)

(2) 第三者による詐欺
第三者が詐欺を行った場合においては,相手方がその事実を知っていたときに限り,表意者はその意思表示を取り消すことができるとされている(民法第96条第2項)。しかしながら,学説上は,相手方がその事実を知っていたときのみならず,知ることができたときにも,表意者がその意思表示を取り消すことができるものと解すべきであるという考え方が有力である。
そこで,第三者が詐欺を行った場合について,相手方がその事実を知ることができたときにも,表意者はその意思表示を取り消すことができることを条文上明確にすべきであるという考え方があるが,どのように考えるか。

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(民法の改正(その千百七十九)

部会資料12-1

5 詐欺又は強迫(民法第96条)
(1) 沈黙による詐欺
積極的な欺罔行為をするのではなく,告げるべき事実を告げないことで,表意者を錯誤に陥れ,意思表示をさせた場合(沈黙による詐欺の場合)にも,学説上,事情によっては,民法第96条の詐欺に当たると解されており,判例にも,信義則上相手方に告知する義務がある事実を黙秘した場合には,沈黙も欺罔行為になり得るとしたものがある。
そこで,沈黙による詐欺について明文規定を設けるべきであるという考え方があるが,どのように考えるか。

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(民法の改正(その千百七十八)

○スイス債務法
第28条
(1) 契約を締結した者が、相手方の詐欺によって契約を締結させられたときは、それにより惹起された錯誤が重大でない場合であっても、契約は同人に対して拘束力を有しない。
(2) 第三者が詐欺を行った場合、詐欺の被害者は契約に拘束される。ただし、契約締結時に相手方が詐欺を知り、または知ることができた場合は、この限りでない。

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(民法の改正(その千百七十七)

○オランダ民法
第3編第44条
(1) 前記第1.2(2)(比較法)参照。
(2)(略)
(3) ある者が相手方に故意に誤った情報を伝えることにより、その者が知らせる義務を負っている事実を故意に隠すことにより、またはその他の術策により、一定の法律行為を締結させたときは、詐欺が存在する。一般的な言葉による推奨は、それが真実でない場合でも、それ自体は詐欺とはならない。
(4)(略)
(5) 前記第1.2(2)(比較法)参照。
第6編第228条第1項 前記4(比較法)参照。

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(民法の改正(その千百七十六)

○フランス民法
第1109条 前記4(比較法)参照。
第1116条
(1) 詐欺は、当事者の一方が行った術策が、それがなければ他方当事者が契約を締結しなかったであろうことが明らかであるような場合には、合意の無効原因である。
(2) 詐欺は、推定されず、証明されなければならない。
第1117条 前記4(比較法)参照。
○フランス民法改正草案
○カタラ草案1111条 前記4(比較法)参照。
○カタラ草案1111-1条 前記4(比較法)参照。
○カタラ草案1113条
詐欺とは、契約の一方当事者が他方当事者の同意を術策または虚言により騙取する行為である。
○カタラ草案1113-1条
契約の一方当事者が、もし他方当事者が知っていたならば、少なくとも合意された条件で契約することを思いとどまったであろう事実を、意図的に隠ぺいした場合も同様に、詐欺となる。
○カタラ草案1113-2条
詐欺が、契約相手方の代理人、事務管理者、被用者、または請合人porte-fortにより生ぜしめられた場合、並びに、契約相手方に教唆を受けた、または契約相手方と共謀した第三者により生ぜしめられた場合も同様に、詐欺となる。
○カタラ草案1113-3条
詐欺により生じた錯誤は、常に宥恕される。それは、たとえ目的物の価値を対象とするものであっても、単なる契約の動機を対象とするものであっても、無効原因となる。
○カタラ草案1115条 前記4(比較法)参照。
○カタラ草案1115-1条 前記4(比較法)参照。

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(民法の改正(その千百七十五)

○ドイツ民法
第123条(詐欺および強迫による取消し)
(1) 詐欺または違法な強迫によって、意思表示をさせられた者は、その意思表示を取り消すことができる。
(2) 相手方に対してなす意思表示で、第三者が詐欺を行ったときは、相手方が詐欺を知りまたは知り得たときに限り、これを取り消すことができる。意思表示の相手方以外の者が、当該意思表示を原因として直接権利を取得したときは、同人が詐欺を知り、または知り得たときに限り、これを取り消すことができる。

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(民法の改正(その千百七十四)

ユニドロワ国際商事契約原則2004
第3.8条(詐欺)
言語もしくは行為を含む相手方の詐欺的な表示によって,または,公正な取引についての商取引上の合理的な基準によれば相手方が開示すべきであった事情の詐欺的不開示によって,当事者が契約を締結したときは,その当事者が契約を取り消すことができる。
第3.11条(第三者)
(1) 詐欺,強迫,過大な不均衡,または当事者の一方の錯誤が,第三者に起因する場合または第三者がこれを知りもしくは知るべき場合であって,相手方がその第三者の行為につき責任を負うときには,契約は,その第三者の行為や知識が相手方自身のも
のであったのと同様にこれを取り消すことができる。
(2) 詐欺,強迫,または過大な不均衡が,その行為につき相手方が責任を負わない第三者に起因する場合において,相手方が,その詐欺,強迫,もしくは不均衡を知りもしくは知るべきであったとき,または取消時までに契約を信頼した合理的な行動をしていなかったときは,契約はこれを取り消すことができる。

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(民法の改正(その千百七十三)

(比較法)詐欺
○ヨーロッパ契約法原則
4:107条 詐欺
(1) 当事者は,言葉によるものであれ行為によるものであれ相手方の詐欺的な告知によってまたは信義誠実および公正取引によれば開示すべきであった情報の詐欺的な不開示によって契約を締結させられた場合には,当該契約を取り消すことができる。
(2) 当事者の告知または不開示は,欺罔の故意をもってされた場合には,詐欺的である。
(3) 当事者がある情報を開示するよう信義誠実および公正取引が要求しているか否かについて判断する際には,次に掲げるものを含むあらゆる事情が考慮されなければならない。
(a) その当事者が特別な専門性を有していたか否か
(b) その当事者が当該情報を取得するために支払った費用
(c) 相手方が合理的に独力でその情報を得ることができたか否か
(d) 相手方にとってその情報の明白な重要性

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(民法の改正(その千百七十二)

(補足説明)
民法第96条第3項は,詐欺による意思表示の取消しは,「善意の第三者」に対抗することができないとしており,条文上,無過失を要求していない。
この点については,現行法の解釈として,民法第94条第2項と同様に,取引の安全のため表意者より第三者を強く保護してよいとして,無過失までは不要とする見解がある。その理由は,無過失を要求すると,第三者に詐欺の有無についての調査義務を課すことになるが,調査をしなかったから過失があるとするのは妥当ではないからである。
これに対して,民法第96条第3項の基礎には権利外観法理があると理解し,外観に対する信頼が保護されるためには,その信頼が正当なものであることを要するとして,無過失であることを要求する見解が有力となっている。この立場は,民法第94条第2項の第三者については無過失が不要であるとしても,通謀虚偽表示に
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関する同項に比べ,本人の帰責性の少ない詐欺に関する同法第96条第3項においては,第三者の無過失を必要とし,被詐欺者と第三者の利益のバランスを図ることが相当であるとする。
そこで,このような学説の状況も踏まえた上で,詐欺による意思表示があった場合の第三者保護規定では,第三者の善意無過失を要することを条文上明確にすべきであるという考え方があるが,どのように考えるか。
なお,強迫については,民法第96条第1項において詐欺と併せて規定されている一方,同条第2項及び第3項では専ら詐欺のみに適用される規定が置かれており,これらの規律内容は大きく異なっている。このため,そもそも別の条文で規定すべきであるという指摘があるが,どう考えるか。

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(民法の改正(その千百七十一)

(3) 第三者保護規定
民法第96条第3項は,詐欺による意思表示の取消しは,「善意の第三者」
に対抗することができないとしており,条文上,無過失を要求していない。しかしながら,学説上は,この規定の基礎には権利外観法理があると理解し,外観に対する信頼が保護されるためには,その信頼が正当なものであることを要するとして,無過失であることを要求する見解が有力である。
そこで,詐欺による意思表示があった場合の第三者保護規定では,第三者の善意無過失を要することを条文上明確にすべきであるという考え方があるが,どのように考えるか。

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(民法の改正(その千百七十)

(補足説明)
相手方に対する意思表示について,第三者が詐欺を行った場合においては,相手方がその事実を知っていたときに限り,表意者はその意思表示を取り消すことができるとされている(民法第96条第2項)。詐欺を行ったのが相手方ではなく第三者である場合には,相手方にとってその意思表示は,表意者の錯誤による意思表示としての意味を持つにすぎず,その錯誤が他人の欺罔行為によって生じたか,あるいは表意者自身の誤解によって生じたかは関知するところではない。そこで,同項は,このような相手方の利益と,詐欺による意思表示をした表意者の保護とを調整するために,相手方が悪意か否かによって取消しの可否を決めることとしたものであると説明されている。
しかしながら,表意者が自ら心裡留保による意思表示をした場合であっても,相手方が表意者の真意を「知ることができたとき」は,意思表示が無効となること(民法第93条)との比較から,第三者が詐欺を行った場合についても,相手方がその事実を知ることができたときは,表意者がその意思表示を取り消すことができると解すべきであるという考え方が,現行法の解釈論としても,有力である。
そこで,第三者が詐欺を行った場合において,相手方がその事実を知っていたときのみならず,知ることができたときも,表意者はその意思表示を取り消すことができることを条文上明確にすべきであるという考え方があるが,どのように考えるか。
(関連論点)
詐欺をした第三者が代理人その他の相手方が責任を負うべき者である場合
例えば,代理人が相手方を騙して本人との間の契約を締結させた場合には,代理人の詐欺は,本人の詐欺と同視されるので(民法第101条),第三者の詐欺に該当せず,相手方は,本人が善意でも無条件で意思表示を取り消すことができると解されている(大判明治39年3月31日民録12巻492頁)。この考え方を発展させて,法人の従業員等,その行為につき相手方が責任を負うべき者がした詐欺については,相手方が自ら詐欺をしたのと同視されてもやむを得ないとして,相手方が詐欺の事実を知っていたかどうかにかかわりなく,取消しを認めるべきであるという考え方(参考資料1[検討委員会試案]・32頁)が提示されているが,どのように考えるか。

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(民法の改正(その千百六十九)

(2) 第三者による詐欺
第三者が詐欺をした場合について,相手方が第三者による詐欺の事実を知っていた場合だけでなく,知ることができた場合にも,表意者はその意思表示を取り消すことができるものとしてはどうか。
また,法人が相手方である場合の従業員等,その行為について相手方が責任を負うべき者がした詐欺については,相手方が詐欺の事実を知っていたかどうかにかかわりなく取消しを認めるものとする方向で,相手方との関係に関する要件等について更に検討してはどうか。
【部会資料12-2第3,5(2)[44頁]】

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(民法の改正(その千百六十八)

(補足説明)
詐欺とは,他人を欺いて錯誤(要素の錯誤でなくてもよい)に陥らせ,その錯誤によって意思を表示させる行為をいうなどと説明される。そして,詐欺による意思表示(民法第96条第1項)の要件は,①相手方を欺こうとする意思と,欺くことによってその意思を表示させようとする意思(二段の故意),②事実を隠したり虚構したりして表示する欺罔行為,③これによって相手方が錯誤に陥ったこと(因果関係),④その錯誤によって意思表示をしたこと(因果関係)及び⑤詐欺の違法性であると説明される。
このうち,②欺罔行為については,告げるべき事実を告げないことにより,表意者を錯誤に陥れ,意思表示をさせた場合(沈黙による詐欺の場合)にも,事情によっては詐欺に当たると解されている。一方,社会一般の常識や信義則に照らし相当と認められる程度の沈黙は,仮に十分な事実を告げなかったとしても違法性を欠き,詐欺には当たらないと解されている。
判例には,信義則上相手方に告知する義務がある事実を黙秘した場合には,沈黙も欺罔行為になり得るとしたものがある(大判昭和16年11月18日法学11巻617頁)。
そこで,このような判例・学説を踏まえ,沈黙による詐欺について明文規定を設けるべきであるという考え方がある(参考資料1[検討委員会試案]・32頁)が,どのように考えるか。
この考え方に対しては,一般論として沈黙による詐欺があり得るとしても,実際にどのような場合に信義則による告知義務を認めるべきかを明らかにすることは困難であり,従って,条文に一般原則を掲げるのは時期尚早であるとの指摘があり得る。
なお,沈黙による詐欺という法的構成では,前述の故意(二段の故意)の立証が困難であるという問題を避けられないため,表意者の救済に限界があるという問題が指摘されている(このような問題意識については,後記「6 意思表示に関する規定の拡充」参照)。

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(民法の改正(その千百六十七)

(1) 沈黙による詐欺
沈黙による詐欺については,規定を設けないこととしてはどうか。
○ 中間的な論点整理第30,4(1)[93頁(229頁)]積極的な欺罔行為をするのではなく,告げるべき事実を告げないことで表意者を
錯誤に陥れて意思表示をさせることも,詐欺に該当することがあるとされている。
そこで,このことを条文上明記すべきであるという考え方があるが,これに対しては,現行の詐欺の規定があれば足りるとして規定を設ける必要性を疑問視する指摘もある。このような指摘を踏まえ,沈黙による詐欺に関する規定の要否や設ける場合の規定内容(沈黙が詐欺に該当する範囲等)について,更に検討してはどうか。
【部会資料12-2第3,5(1)[43頁

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(民法の改正(その千百六十六)

 本文(3)は,第三者による詐欺が行われた場合に表意者が意思表示を取り消すことができるのは,相手方本人が第三者による詐欺を知っていたときだけでなく,知ることができたときも含むこととするものである。第三者の詐欺について善意の相手方に対して意思表示を取り消すことができないこととするのは,当該意思表示が有効であるという信頼を保護するためであるから,その信頼が保護に値するもの,すなわち相手方が無過失であることが必要であると指摘されている。また,表意者の心裡留保については,相手方が善意であっても過失があれば意思表示が無効とされることとのバランスから,第三者の詐欺による意思表示についても,相手方本人がそれを知ることができたときは取消しが認められるべきであるという指摘がある。本文(3)は,これらの指摘を理由とするものである。
 本文(4)は,詐欺による意思表示を前提として新たに法律関係に入った第三者が保護されるための要件について,第三者の信頼は保護に値するものである必要があり,第三者の無過失を要するという学説の多数に従い,善意無過失という要件に改めるものである。

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(民法の改正(その千百六十五)

(概要)

 本文(1)は,民法第96条第1項を維持するものである。
 本文(2)は,相手方のある意思表示において,相手方の代理人が詐欺を行った場合には相手方本人が悪意であるかどうかにかかわらず意思表示を取り消すことができるという判例法理(大判明治39年3月31日民録12輯492頁)を明文化するとともに,相手方から契約締結の媒介の委託を受けた者が詐欺を行った場合にも,同様に,相手方本人が悪意であるかどうかにかかわらず意思表示を取り消すことができる旨の新たな規定を設けるものである。相手方から媒介の委託を受けた者が詐欺を行った場合に相手方の悪意を要件とせずに取消しを認めるのは,この場合も,代理人の場合と同様に相手方が契約の締結に当たって使用した者であることから,相手方が詐欺を知らなかったことを理由に取消権の行使を阻むのは公平に反すると考えられるからである。さらに,媒介受託者及び代理人に限るのでは狭すぎるとして,相手方が当該意思表示に関して使用した補助者としての地位にある者が詐欺を行った場合には,相手方本人が詐欺を行った場合と同視すべきであるという考え方があり,この考え方を(注)で取り上げている。もっとも,この考え方を採るのであれば,相手方本人の詐欺と同視し得る者の基準が明確になるよう,更に検討が必要である。

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(民法の改正(その千百六十四)

中間試案

3 詐欺(民法第96条関係)
 民法第96条の規律を次のように改めるものとする。
 (1) 詐欺又は強迫による意思表示は,取り消すことができるものとする。
 (2) 相手方のある意思表示において,相手方から契約の締結について媒介をすることの委託を受けた者又は相手方の代理人が詐欺を行ったときも,上記(1)と同様とする(その意思表示を取り消すことができる)ものとする。
 (3) 相手方のある意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては,上記(2)の場合を除き,相手方がその事実を知り,又は知ることができたときに限り,その意思表示を取り消すことができるものとする。
 (4) 詐欺による意思表示の取消しは,善意でかつ過失がない第三者に対抗することができないものとする。

(注)上記(2)については,媒介受託者及び代理人のほか,その行為について相手方が責任を負うべき者が詐欺を行ったときも上記(1)と同様とする旨の規定を設けるという考え方がある。

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(民法の改正(その千百六十三)

要綱仮案

2 錯誤(民法第95条関係)

民法第95条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 意思表示は、次のいずれかの錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
 ア 意思表示に対応する意思を欠くもの
 イ 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反するもの
(2) (1)イの錯誤による意思表示の取消しは、当該事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
(3) (1)の錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次のいずれかに該当するときを除き、(1)による意思表示の取消しをすることができない。
 ア 相手方が、(1)の錯誤があることを知り、又は知らなかったことについて重大な過失があるとき。
 イ 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
(4) (1)による錯誤による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

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(民法の改正(その千百六十二)

錯誤に関するその他の意見
・ (1)における「錯誤」が真意と表示行為との食い違いを意味するのに対し、(2)の「錯誤」は、事実と認識との食い違いを意味しており、同一の文言が異なった意味で用いられるのは適切ではない。(愛媛法学会、日大)

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(民法の改正(その千百六十一)

【その他の意見】
・ 不実表示による錯誤の場合は、一般の錯誤に比べて表意者の帰責性が弱く、詐欺に近い類型であるので、第三者の悪意、有過失の立証責任についても、詐欺と同様にするのが妥当である。(日弁連、大阪弁、東弁、東弁全期会)
・ 柔軟な解釈の余地を残すため、「善意の第三者に対抗することができない」とするにとどめるべきである。(慶大)
・ 第三者の範囲や意味について、「その意思表示を前提にして新たに法律関係に入った第三者(あるいは「利害関係を有した第三者」)」のように明確に規定すべきである。(広大)

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(民法の改正(その千百六十)

【反対】
長野弁、堂島、改めて見直す会、個人2名
・ 改正する必要はない。従前の判例解釈で十分である。
・ 錯誤の場合、表意者は、詐欺の被害者でない限り帰責性が大きいので、第三者が保護される要件に無過失は不要である。
・ 無効はレアケースであり、第三者は保護されないことで現行民法の整合性は取れており、第三者保護規定を設けることは民法の整合性を壊すものである。
・ 第三者保護規定であることから善意無過失の第三者に対抗できないことに賛成するが、錯誤者に過失があることを考えると(1)および(2)アの場合は、善意の第三者に対抗できないとすべきである。錯誤の場合、通常錯誤者に過失があり、第三者にも過失があった場合、どちらを保護するかであるが、取引の安全を重視し、第三者を保護することとした方が良く、(1)(2)アの場合は、第三者の善意だけで良い。イの場合は、必ずしも錯誤者の過失といえないので第三者保護の原則に従って、第三者に善意無過失を求めるべきである。(個人)

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(民法の改正(その千百五十九)

(4)について
【賛成】
日弁連、沖縄弁法制委、大阪弁、東弁、一弁、横浜弁、札幌弁、大分弁、愛知弁司法制度調査委、早大、親和会、平田総合、日弁連消費者委、日司連、二弁、最高裁(多数)、個人2名
・ 第三者が保護されるのはその信頼が正当な場合であるから、善意・無過失を要件とすべきである。
・ 善意無過失を要件とすることにより、表意者保護と取引の安全保護のバランスを適切に取ることができる。
・ 一般的な理解に合致したものである。

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(民法の改正(その千百五十八)

・ (2)アは、表意者の認識が法律行為の内容となっている場合に関わるものであり、この場合、たとえ表意者に重大な過失があったとしても、法律行為の内容となっていることを優先して、錯誤取消しを認めるべきである。この点は、当事者が目的物の契約適合性について合意していたときは、買主が契約適合性がないことについて重大な過失があったときでも、不履行責任を問うことができるとする考え方と親和的である。また、(2)イは、相手方が不実表示を行うことにより表意者の錯誤を惹起しているのであるから、自己の不実表示にもかかわらず、相手方の重大な過失を理由としてその責任を免れるとすることは相当とはいえない。したがって、(2)の場合にも重大な過失があれば錯誤取消しができないとすることには反対する。(個人)
・ 共通錯誤の場合には、(2)のア、イに包含されるから、この場合に、重大な過失があっても錯誤取消しが妨げられない。他方、(1)について「共通錯誤」といえる場合には、契約解釈のレベルで、当事者の共通に誤解した意味にしたがって契約内容が確定されるから、そもそも錯誤の問題とはならない。したがって、イについて、(1)の場合を掲げるのは疑問である。(個人)

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(民法の改正(その千百五十七)

【その他の意見】
・ 相手方が表意者の錯誤を引き起こした場合については、重過失要件を不要とすべきである。(日弁連、大阪弁、日弁連消費者委)
・ 錯誤の効果を取消しにするとしても、「相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき」は、意思表示は無効と規定すべきである。(慶大)
・ 二重否定が分かりにくいので、「次のいずれかに該当するときを除き」を削除し、まず、原則を記載した後に、例外を記載するようにすべきである。(個人)
・ 悪意と重過失のある善意とは、民法上は、常の同一の効果を生じるものとされているので、悪意について、わざわざ重過失のある善意を規定する必要はない。
「ア 相手方が、表意者が上記(1)又は(2)の意思表示をしたことを知っていたとき」
とすべきである。(個人)

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(民法の改正(その千百五十六)

【イに反対】
長野弁、森濱田松本、流動証券協、改正研、改めて見直す会、車販協、個人3名
・ 改正する必要はない。従前の判例解釈で十分である。
・ 共通錯誤の場合に一律に無重過失要件を不要とする規律の導入については、無重過失要件の認定に慎重に意を用いている裁判例や、反対論が存在することを前提に慎重な検討が必要である。
・ 共通錯誤の教室事例はハイリスク・ハイリターンの投資行為であり、このような事例で、投資(ギャンブル)に外れたらなかったことにすることができるという規定を設ける必要はない。
・ 不実表示の規律と共通錯誤の規律を同時に導入することには、問題が大きい。不実表示が問題となる事例の多くでは表意者の相手方も共通錯誤に陥っているから 、仮に不実表示の規律を設け、同時に、共通錯誤の規律を設ける場合、一段と表意者に有利な規律となる 。
・ 判例に統一性が見出せず、学説も収斂していない現況にかんがみると、現時点ので規律は早計である。
・ 極めてまれにしか適用されないし、意思表示の解釈や重過失の判断と重複することにもなるので、規定を設ける必要はないという意見が複数あった。
・ 複数人が関与することが多い販売実務において、あるスタッフが勘違いしていた事項につき、具体的な説明状況から表意者が錯誤に陥ることに重過失があったと判断される場面おいても錯誤主張がなされる可能性があるとしたら、法的安定性が損なわれ取引安全を図ることができない。

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(民法の改正(その千百五十五)

【イに賛成】
日弁連、沖縄弁法制委、大阪弁、東弁、一弁、横浜弁、札幌弁、大分弁、愛知弁司法制度調査委、東弁全期会、堂島、親和会、平田総合、日弁連消費者委、NACS、日司連、二弁、最高裁(複数)、個人4名
・ 支配的見解の明文化であり、妥当である。
・ 相手方も同一の錯誤に陥っている場合には、法律行為の効力を維持して保護すべき正当な利益が相手方にあるとは言えない。
・ 表意者と相手方の保護のバランスを合理的に図ることができる。

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(民法の改正(その千百五十四)

【アに反対】
長野弁、改正研、改めて見直す会、車販協、個人1名
・ 改正する必要はない。従前の判例解釈で十分である。
・ 判例に統一性が見出せず、学説も収斂していない現況にかんがみると、現時点ので規律は早計である。
・ 双方重過失の場合には、何らかの合意をしたという事実を重く見れば、取り消しまで認めるのはややいきすぎであり、損害賠償で調整すれば足りる。
・ 極めてまれにしか適用されないし、意思表示の解釈や重過失の判断と重複することにもなるので、規定を設ける必要はないという意見が複数あった。
・ 顧客が錯誤に陥っていることについてうっかりして気がつかなかったという場合にまで契約が取り消されるとされることは、取引の安全を害し、更に、取消しに対する懸念から検討コストや販売工数が増大し、取引の迅速性が阻害される。

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(民法の改正(その千百五十三)

(3)について
【アに賛成】
日弁連、沖縄弁法制委、大阪弁、東弁、一弁、横浜弁、札幌弁、慶大、大分弁、愛知弁司法制度調査委、東弁全期会、堂島、親和会、平田総合、日弁連消費者委、NACS、日司連、二弁、最高裁(複数)、個人4名
・ 支配的見解の明文化であり、妥当である。
・ 相手方にも重過失がある場合には、相手方に保護されるべき信頼がなく、表意者に重過失があっても錯誤無効の主張が制限されるべきではない。

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(民法の改正(その千百五十二)

その他
・ 消費者が事業者に対して不実表示をした場合において事業者による意思表示の取消しを一切認めないなどの片面的な内容とすべきでない。(損保協)

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