司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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(民法の改正(その千百五十一)

要件について
・ 相手方が別の事実を表示しなかったために、総合して事実と異なることを表示することになる場合も含むと規定すべきである。(コンビニ問題弁連)
・ 不作為による不実表示も含まれるならば、その点を条文上明記すべきではないか。(西川シドリー)
・ 表意者側の正当を要件とすべきである(早大、日本GE)
・ 相手方の帰責事由を要件とすべきである。(日本GE)
・ 不実表示においては、第三者による不実表示や「相手方が責任を負うべき者」による不実表示も問題となるので、この場合についても取消しできる旨の規定を設けるべきである。(早大、日弁連消費者委、埼玉青年書士、日司連、大阪弁、群馬弁、個人)

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(民法の改正(その千百五十)

【その他の意見】
錯誤等他の制度との関係について
・ 詐欺の規定及び消費者契約法4条1項1号に重ねて規定を設ける必要性に疑問を呈する意見やこれらの規定との関係を整理する必要があるとの指摘があった。(最高裁)
・ 表意者の意思表示の瑕疵に、相手方の不実表示の要素を加味する点で、木に竹を接ぐ感が残る。むしろ、(2)ア・イを合わせて、「目的物の性質、状態その他の意思表示の前提となる事項にについて表意者に錯誤があり、かつ、そのことを相手方が知り、または知りえた場合において、当該錯誤がなければ表意者はその意思表示をせず、かつ、通常人であってもその意思表示をしなかったであろうと認められるときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができるものとする。」と規定してはどうか。(慶大)
・ 不実表示は、錯誤と詐欺の間に位置する法理として錯誤とは別個に規定し、それに適切な取消要件を与えるべきである。(早大)
・ 相手方の表示した事実が真実と異なっていたり、相手方が有利な事実のみを告げてこれと表裏一体の関係にある不利益な事実を告げなかったりするような場合には、その契約の効力を否定できるのが取引正義にも適う。「不実表示」はそのような取引
正義の観点から出発した考え方であるので、錯誤の一部ではなく、錯誤の規定と詐欺の規定の間に独立した条文として配置し、適切な取引の監視役として機能できるようにすべきである。(全青司協)

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(民法の改正(その千百四十九)

その他
・ 不実表示は錯誤とは性質が異なり、規定するとしても、錯誤の箇所に入れるのはおかしい。
・ (2)イは、「相手方が事実と異なることを示した」場合には、そのことをもって、処理をするべきであり、表意者の錯誤で処理する必要はない。
・ 消費者法に定めるべきであり、私法の一般法に設けるべきではない。
・ 重要な事項の錯誤により意思表示をした場合で、契約を取り消すことができる範囲や無効となる対象が限定されすぎている。

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(民法の改正(その千百四十八)

規定を設けた場合の弊害を理由とする意見
・ 相手方が事実と異なる表示をしたために錯誤に陥った場合でも、表意者から相手方に対する損害賠償を認め、表意者の過失については過失相殺の枠組みを用いて考慮したほうが柔軟で妥当な解決を導くことができる。法的安定性の観点から、取消しの対象とすべきではない。
・ 錯誤取消しを主張することができる場合を拡大することにより、取引の安全を害したり、自由で活発な取引を委縮させるおそれがある。
・ 濫用的な錯誤主張がされるおそれがある。
・ 「表明保証」が用いられた場合の違反の効果は損害賠償又は一定の補償とすることが通常であるのに、表明保証違反に対して取消しまで認めてしまう可能性が生ずるなど、現在行なわれている事業者間取引の安定性を大きく損ねることになると思われる。
・ 取消権は追認できる時から3年、行為の時から10年間行使可能になるが、消費者契約では追認できる時から6か月、行為の時から5年間である。改正提案では現行民法より錯誤の要件が緩和され消費者保護が強化されるため、消費者の利益の擁護を目的とする消費者契約法との関係、保護のバランスについても考慮する必要があると考えられる。
・ 情報力・交渉力において劣位にある中小企業や消費者が不実表示をした場合にも取消権が認められると、かえって劣位にある者にとって不利になる。
・ 採用面接時に応募者が労働能力とは直接関係のない事柄(思想・信条等を含む)について事実と異なる表示をしたことを理由として、使用者が労働契約締結後に採用取消しを行う危険があり、労働者の雇用保障及び思想・信条の自由やプライバシー、人格権の保障が後退する懸念がある。

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(民法の改正(その千百四十七)

取消しの要件が不当であることを理由とする意見
・ 誤った事実を表示したことについて相手方に(重)過失がない場合にも取り消すことができるのは相手方にとって酷であり、双方の利益のバランスを適切に取ったものとは言えない。
・ 表見代理の要件を比較すると、「相手方は自ら誤った事実を表示して表意者の錯誤を引き起こした以上、取消しを受忍するのもやむを得ない」という考え方は自明のものではなく、むしろ、現行法や中間試案における類似の状況に関する規定が示す価値判断と必ずしも整合していないと言える。
・ 本来、「相手方が事実と異なることを表示した」ことに起因して錯誤に陥った表意者を保護するかどうかは、相手方の帰責性を考慮する詐欺の範疇で処理されるべき問題であり、表意者の認識が「法律行為の内容」になっていない場合にまで、錯誤取消を認めるべきではない。
・ 何について不実表示があった場合に契約が取り消され得るのかが不明確であり、景品表示法上問題のないイメージアップ文言等から勘違いが生じた場合であっても、不実表示に基づく要素の錯誤に該当する可能性は否定できない。
・ 不実表示が意思決定に及ぼす影響は個別具体的な事情により様々であるため、意思表示の効力を否定することができるような不実表示の要件を一律に定めることは困難である。
・ 表意者が相手方の表示を信じたことに正当な理由(無過失)を要求すべきである。
・ 相手方による不実の表示と表意者の意思表示の間に因果関係を要求すべきである。
・ 不実表示の規定を設けるとしても、事業者間取引に適用があるとするのは妥当ではない。
・ 「事実と異なること」の範囲・程度が不明確である。

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(民法の改正(その千百四十六)

従来の裁判例と異なることを理由とする意見
・ 従来の裁判例は、相手方に惹起された動機の錯誤の事例においても、「動機が表示されていること」、「動機が法律行為の内容となっていること」等の要件を求めることが通常である。動機の錯誤が相手方の表示によって引き起こされた場合に、「法律行為の内容になる」などの要件を満たさなくても錯誤無効が認められるという規律が従来の判例法理であるとは言えない。

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(民法の改正(その千百四十五)

【反対(注の考え方に賛成)】
長野弁、経団連、同友会、日商・東商、一弁、TMI、森濱田松本、連合、立大、静岡書士、生保協、貿易会、西村あさひ、愛知弁司法制度調査委、長島大野常松、堂島、日大、全銀協、不動協、オリックス、流通系クレ協、サービサー協、ガス協、経済法令研、
全宅連、損保協、改正研、不動産証券化協、電情産協、クレ協、クレカ協、信販協、流動証券協、日証協、JCFA、全中、貸金業協、改めて見直す会、車販協、金融法委個人4名

規定を設ける必要性がないことを理由とする意見
・ 改正する必要はない。従前の判例解釈で十分である。
・ 相手方が事実と異なる表示をしたことにより錯誤に陥った場合については、消費者契約においては消費者契約法、事業者間契約においては表明保証条項と前提条件・解除条件・損失補償条項等を契約に盛り込むことにより、適切に対応できており、民法に重ねて規律を設ける必要はない。

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(民法の改正(その千百四十四)

(2)イについて
【賛成】
日弁連、沖縄弁法制委、大阪弁、東弁、横浜弁、札幌弁、大分弁、福岡弁、東弁全期会、親和会、平田総合、消費者支援関西、日弁連消費者委、NACS、コンビニ問題弁連、全信保連、群馬弁、埼玉青年書士、日司連、消費者機構日本、二弁、個人15名
・ 詐欺の故意(二段の故意)の立証は困難である一方、錯誤無効の要件充足が難しい事案も存することが指摘されており、相手方の不実表示によって錯誤に陥った者の救済が必要である。
・ 相手方の不実表示により表意者が動機の錯誤に陥った場合には、それ以外の動機の錯誤の場合に比べて表意者の帰責性が小さいから、表意者を契約の拘束力からの解放を認める必要がある。相手方には錯誤の原因を作った(不実表示)という帰責性があるため、その動機が法律行為の内容とならない場合でも、意思表示を取り消されてもやむを得ない。
・ 下級審判例の中で機能している動機の錯誤のサブルールを抽出するものとして賛成できる。
・ 消費生活相談の場では、相手方の不実表示により意思表示したが取り消したいと言うケースも多いので、条文に記載があれば使いやすい。
異なる要件を提案する意見
・ 民法に規定を設けると、格差がない関係にも適用されるため、その範囲を適正に限定する必要があり、信頼の正当性を要件とするなど、規範性、評価性の高い要件を付加することを検討すべきである。
・ 「相手方が事実と異なることを表示したため」ではなく、「相手方が表意者の事実誤認を惹起する表示をしたため」に変更すべきである。不実表示に限定すると、抽象的、多義的、学術的表現などが用いられた場合、一般消費者には知識等の不足のために誤認をするおそれがあるが、専門的な知識や経験に基づいて解釈すれば不実表示とまではいえないとされるおそれがある。

補足意見
・ 相手を特定した誘引の方法(1対1)であるのDM や電子メールの他に、不特定多数へ向けた新聞広告やインターネット上のHP 広告のようなものも対象にしてほしい。
・ 相手方が不実表示を行った場合に限らず、相手方から契約の締結について媒介をすることの委託を受けた者、相手方の代理人、又はその行為について相手方が責任を負うべき者が不実の表示をしたときも取消しを認めるべきである。

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(民法の改正(その千百四十三)

その他
・ 法律行為の当事者の属性に関する錯誤についても、一定の要件の下で錯誤取消しが認められるべきであると考えられるが、(2)の定式は、「目的物の性質、状態」を例示することにより、合意の対象となる事項に限定される印象を与える結果になっているのではないか。(個人)

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(民法の改正(その千百四十二)

【その他の意見】
「意思表示の前提となる事項」という表現について
・ 「前提となる事項」の意味するところが不明瞭であることから、長く使われてきた「動機」という言葉を使うほうがよいようにも思われる。(早大、日大)
・ 動機を「目的物の性質、状態その他の意思表示の前提となる事項」と言い換えることに反対する意見があった。(最高裁)
・ 目的物の性質や状態とは無関係な事項について錯誤があった場合も、「意思表示の前提となる事項」に錯誤がある場合と言えるか不明確である。(西川シドリー)動機の表示について
・ 判例法理は動機の表示が重視されていると理解すべきであるから、「意思表示の前提となる当該事項に関する表意者の認識(動機)が表示されること」を要件とすべきである。(日弁連、大分弁、埼玉青年書士、日弁連消費者委、コンビニ問題弁連)
「法律行為の内容になった」という要件について
・ 契約内容化要件の具体的意味内容を明確化すべきである。例えば、「意思表示の前提となる当該事項に関する表意者の認識に錯誤があれば契約を取り消すことができるものとすることに相手方の(明示又は黙示の)同意があるとき。」とすることが考
えられる。(森濱田松本、流動証券協)
・ 当事者間に動機の錯誤のリスクを転嫁する合意がある場合にはそのリスクが表意者から相手方に転嫁されると考えてよいが、消費者を含めてすべての表意者にこのような自己防衛を期待することはできない。他方、個別的なリスク転嫁の合意が存在しなくても、法律行為の性質から「法律行為の内容になっている」ことが認められる場合がある。このように、「法律行為の内容になっている」という状況は、法律行為の当事者の知識、経験や契約の性質を考慮して判断されるべきであるから、これを、例えば、「法律行為の性質、当事者の知識及び経験、その他当該意思表示に関する一切の事情に照らし、法律行為の内容になっているとき」と改めることが考えられる。(早大)
・ 「法律行為の内容になる」という要件の具体的中身は明確でない。例えば、「甲による表明保証事項と異なる一定の事由が取引実行前に発覚した場合には、乙は本契約を解除することができる」旨の定めがあったとしても、「甲による表明保証事項と異なる一定の事由が取引実行後に発覚した場合には、乙は甲に対し損失の補償を求めることができる」旨の定め(すなわち、契約を維持することを前提とする定め)がある場合には、当該表明保証事項は法律行為の内容とならないと理解してよいか。
(長島大野常松)
・ 表意者の認識が法律行為の内容となっている場合には、単に一方的な認識ではなく、その認識が法律行為の中に取り込まれているのであるから、もはや法律行為の当事者とは無関係の通常人がどのように判断するかは重要ではなく、当事者は認識と事実の間の不一致の危険を共有しており、錯誤取消しが認められるべきである。
(個人)

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(民法の改正(その千百四十一)

【反対】
長野弁、一弁、改正研、改正研、改めて見直す会、個人4名
・ 改正する必要はない。従前の判例解釈で十分である。
・ 中間試案は、合意と現実の不整合が錯誤顧慮の原理であり、動機が法律行為(契約)内容になることで錯誤のリスクを相手方に転嫁できるという考え方を基礎にしている。しかし、第1に、合意と事実の不整合を問題とするなら契約責任が優先的に問題になるはずである。第2に、性状錯誤の特殊性を考慮していない。性状錯誤は目的物との密接関連性を有するため、その顧慮原理は他の動機錯誤とは異なるべきである。第三に、誤解のリスクが相手に移転されることが錯誤顧慮につながる理由が不明である。当事者の合意を尊重するなら、むしろこれは契約を維持する方向に働くと思われる。以上から、中間試案の考え方は支持できない。
・ 動機が表示されることを要件とすべきである。「法律行為の内容となっている」では、法律行為の定義が分からないことから、どういった事情を主張・立証し、また争点として形成されるのかが曖昧となり、十分な審理ができなくなるおそれがある。
・ 「法律行為の内容になっている」という要件は従来の判例法理を適切に表現しているとはいえず、「意思表示の内容として表示されているとき」等とすべきである。
・ 「表意者の認識が法律行為の内容になっているとき」は、要するに表示の錯誤であるか、意思表示の一致がなかったとういことであるので、あえて定義する必要はない。
・ 「当該錯誤がなければ表意者はその意思表示をせず、かつ、通常人であってもその意思表示をしなかったであろうと認められるときは」は削除されるべきである。
・ 若干細かすぎ、解釈に委ねてよい。

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(民法の改正(その千百四十)

(2)アについて
【賛成】
日弁連、沖縄弁法制委、大阪弁、東弁、横浜弁、札幌弁、労働弁、ドイツ研、愛知弁司法制度調査委、東弁全期会、堂島、親和会、平田総合、NACS、群馬弁、日司連、二弁、個人8名
・ 判例法理の明文化であり、妥当である。
・ 動機が法律行為の内容とされた場合に限り、その動機に関する錯誤のリスクを相手方に転嫁することが正当化できる。
・ 判例は表示されればどのような動機でも顧慮するのではなく、性状の錯誤又はそれに等しい重要な部分に関する錯誤に限定している。また、動機の表示の有無は動機が「法律行為の内容となったこと」かどうかの判断の一要素に位置づけられている。
・ 動機が明示的に表示されることは実際には考え難く、黙示の表示という構成で保護を図ってきたのが実態であり、「表示」を要件としなのが相当である。
・ 最判平成5年12月16日家月46巻8号47頁は、遺言書が存在することを認識せずに遺産分割協議が行われた事案に関して、遺産分割協議の無効主張を認めなかった原審判決を破棄して、錯誤無効の可能性を認めたものと解されるが、この事案の場合、共同相続人は、遺言が存在することを認識していなかった以上、「遺言書が存在しないので」という動機を表示することも考えられない。しかし、遺産分割協議が、遺言書が存在しないという共通前提の下に行われているのであるから、錯誤無効(中間試案では錯誤取消し)の主張が認められるべきである。このような場合を考えると、動機表示の要件を立てることは単に不必要であるだけでなく、不相当でもあると考えられる。

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(民法の改正(その千百三十九)

【その他の意見】
・ 効果を取消しに変更する場合、破産手続開始前に破産者が有していた取消権を破産管財人が行使できるものとすべきである。(東弁倒産法)
・ 「錯誤」という文言も改めるべきである。「意思表示に錯誤があった」と規定するよりも「真意と異なることを知らずに真意と異なる意思表示をした」、「目的物の性質、状態その他の意思表示の前提となる事項に錯誤があり」と規定するよりも「目的物の性質、状態その他の意思表示の前提となる事項を誤って認識して意思表示をした」と規定してはどうか。(福岡弁)
・「要素」の要件を明確化することで、かえって実務に混乱をきたさないか懸念がある。端的に「要素」という用語を使えばよい。(日大)
・ 「表意者が自分の真意と異なることを知る」は分かりにくく、「表意者が錯誤に気づいていれば意思表示せず」というような平易な表現にすべきである。(全宅連)
・ 錯誤を取消しにするとワンクリック詐欺は錯誤を論拠には無視できなくなる。錯誤を取消しに直すならインターネットの場合は例外的に無効にするといった措置を設けるべきである。(個人)
・ 「通常人」という文言が適切かどうかについてさらに検討すべきである。(日弁連、全宅連、個人)
・ 「通常人であってもその意思表示をしなかったであろうと認められるとき」という要件を「一般取引の通念に照らし妥当と認められるとき」とすべきである。(日司連)
・ 動機の錯誤を明文化することには賛成する。動機が表示されていれば顧慮されることとすべきである。(個人)
・ 性状の錯誤と瑕疵担保責任との関係については議論があるが、特別法が一般法に優先するという理由に基づき、または、瑕疵担保責任の規定の方が、細やかな判断と多様な救済手段(代金減額、損害賠償、解除)が用意されているという理由に基づき、瑕疵担保責任の規定を適用すべきであり、動機の錯誤の規定は適用されないとすべきである。 動機の錯誤については、瑕疵担保責任との関係において、以上のような、制限規定を設けることが必要と考える。(個人)

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(民法の改正(その千百三十八)

【反対】
長野弁、立大、生保協、ファンの会、改正研、改めて見直す会、個人4名
要素の錯誤の内容を規定することについて
・ 改正する必要はない。従前の判例解釈で十分である。
・ 判例に統一性が見出せず、学説も収斂していない現況にかんがみると、現時点ので規律は早計である。
・ 国民は後から幾らでも自分の真意を変更することができる。
・ 売主が代金を300 万円と表記するつもりで30 万円と表記して申込みを行い、この表示内容にしたがって契約が成立した場合に、この錯誤が要素の錯誤に当たり、売主が錯誤取消しを主張できることについては異論がないが、売主が310 万円と表記するつもりで300 万円と表記した場合、軽微な錯誤であり要素の錯誤とはいえないと解されているのではないか。ところが、(1)の定式をそのまま当てはめると、この場合にも、錯誤に気づいていれば、表意者だけではなく、通常人であってもやはり300 万円の意思表示はしなかったと思われる。そうすると、「その意思表示」を「300万円の代金で売る」と解釈すると、錯誤の要素性はつねに認められることになりかねない。重要な部分に関する錯誤に限って取り消すことができるという趣旨を的確に表す表現に改めるべきである。
効果を取消可能とすることについて
・ 錯誤の効果を取消しに改める一方、同じく意思の欠缺である心裡留保、虚偽表示の効果については無効が維持されており、意思理論をどのように考えているのか不
明である。
・ 効果を取消可能とした場合、取消期間が経過すると保護が及ばなくなるおそれがある。
・ 錯誤の効果を取消しに変更すると、取消権の消滅をめぐって紛争が生じたり錯誤者側に立証の負担が生じたりする。
・ 取消しの意思表示を要求することが酷な場合もある。
・ 長期間継続する契約には、取消期間が経過した時点でなお未履行・未発生の債権・債務が存在している場合がある。そのような場合においても、表意者が契約に拘束されるのは不合理である。
・ 95条ただし書きを見れば、相手方からも主張ができることは明らかであり、錯誤無効の主張を表意者のみができるという解釈は誤りである。そうでなければ、利益が出れば有効、損失が出れば無効という使い分けが可能になってしまう。
・ 通常人とはどのような者か分からない。
・ 錯誤があって意思の合致がない場合であれば当然無効であるべきなのに、取り消されるまで有効というのはあり得ない。

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(民法の改正(その千百三十七)

中間試案に寄せられた意見

(1)について
【賛成】
日弁連、沖縄弁法制委、大阪弁、東弁、一弁、横浜弁、札幌弁、慶大、大分弁、労働弁、愛知弁司法制度調査委、東弁全期会、堂島、親和会、平田総合、日弁連消費者委、NACS、二弁、最高裁(比較的多数)、個人8名

要素の錯誤の内容を規定することについて
・ 確立した判例に従った定式化であり、分かりやすい民法の実現に資する。
・ 方針に賛成するが、「通常人」がどういった人を指すのか、一概には分からないので何らかの前提を付すべきである。
効果を取消可能とすることについて
・ 錯誤による無効は判例上相対的無効とされており、実質的に取消しと類似している。
・ 詐欺、強迫についての効果が取消しであることと比べて表意者の帰責性が強いと考えられる錯誤の効果が無効であるというのは均衡を失している。
・ 錯誤と詐欺の効果の違いを合理的に説明することは困難であることから、取消とすべきである。
・ 効果を取消しにする必要性が見出しがたいが、反対まではしない。

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(民法の改正(その千百三十六)

○部会資料78A

第1「錯誤」

民法第9 5条本文を次のように改めるものとする。
1 意思表示に錯誤があり、その錯誤がなければ表意者は意思表示をしていなかった場合において、その錯誤が意思表示をするか否かの判断に通常影響を及ぼすべきものであるときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができる。
2 ある事項の存否又はその内容について錯誤があり、その錯誤がなければ表意者は意思表示をしていなかった場合において、次のいずれかに該当し、その錯誤が意思表示をするか否かの判断に通常影響を及ぼすべきものであるときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができる。
ア 表意者が法律行為の効力を当該事項の存否又はその内容に係らしめる意思を表示していたこと。
イ 相手方の行為によって当該事項の存否又はその内容について錯誤が生じたこと。

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(民法の改正(その千百三十五)

 本文(4)は,民法第95条に,錯誤による意思表示を前提として新たな法律関係に入った第三者が保護されるための要件に関する規定を新たに設けるものである。これは,自ら錯誤に陥った者よりも詐欺によって意思表示をした者のほうが帰責性が小さく保護の必要性が高いのに,第三者が現れた場合に錯誤者のほうにより厚い保護が与えられるのはバランスを失することを理由に,民法第96条第3項を類推適用する見解に従い,これを明文化するものである。詐欺については,学説の多数に従って善意無過失の第三者を保護することを提案しており(後記3),錯誤による意思表示を前提として新たに法律関係に入った第三者についても,善意無過失であることを要件として保護するものとしている。

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(民法の改正(その千百三十四)

 本文(3)は,表意者に重過失があったときは錯誤を主張することができないという民法第95条ただし書を原則として維持するとともに,その例外として,相手方が表意者の錯誤について悪意又は重過失がある場合と共通錯誤の場合には,表意者に重過失があっても錯誤を理由として意思表示を取り消すことができるとするものである。これらの場合には,表意者の錯誤主張を制約する必要はないという有力な見解に従うものである。

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(民法の改正(その千百三十三)

このほか,詐欺(後記3(2)及びその(注))におけるのと同様に,相手方と同視される者が事実と異なる表示をしたことによって錯誤が生じた場合について規定を設けるという考え方がある。

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(民法の改正(その千百三十二)

 また,本文(2)イでは,表意者の錯誤が相手方が事実と異なる表示をしたことによって引き起こされたときにも誤認のリスクは相手方が負うべきであるという考え方に従い,このような場合にも,表示行為の錯誤と同様に,主観的因果性と客観的重要性という要件を満たせば意思表示を取り消すことができることとしている。これに対し,相手方が事実と異なる表示をしたからと言って誤認のリスクが常に相手方に転嫁されるべきではないなどとして,このような規定を設けるべきではないという考え方があり,この考え方を(注)で取り上げている。

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(民法の改正(その千百三十一)

 本文(2)は,いわゆる動機の錯誤について規定を設けるものである。
 動機に錯誤があったとしても意思表示の効力は妨げられないのが原則であるが,一定の場合には動機の錯誤が顧慮されることには判例上も学説上も異論がない。本文(2)アは,判例(最判昭和29年11月26日民集8巻11号2087頁等)は,動機が法律行為の内容になっていることを重視しているという理解に従い,動機すなわち意思表示の前提となる事項が法律行為の内容になっていたときは,表示行為の錯誤と同様に,主観的因果性と客観的重要性という要件を満たせば取消可能であることを明示することとしている。

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(民法の改正(その千百三十)

(概要)

 本文(1)は,いわゆる表示行為の錯誤について,要素の錯誤がある場合にはその意思表示の効力が否定されるという民法第95条の規律内容を基本的に維持した上で,「要素の錯誤」の内容を判例法理に従って規定上明確にするものである。「要素の錯誤」について,判例(大判大正7年10月3日民録24輯1852頁等)は,その錯誤がなかったならば表意者は意思表示をしなかったであろうと考えられ(主観的因果性),かつ,通常人であってもその意思表示をしないであろうと認められる(客観的重要性)ものをいうとしており,このような定式化は学説上も支持されている。
 また,本文(1)では,錯誤による意思表示の効果を取消しに改めている。判例(最判昭和40年9月10日民集19巻6号1512頁)は,原則として表意者以外の第三者は錯誤無効を主張することができないとしており,相手方からの無効主張をすることができない点で取消しに近似している上,無効を主張すべき期間についても取消しと扱いを異にする理由はないと考えられるからである

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(民法の改正(その千百二十九)

中間試案

2 錯誤(民法第95条関係)
  民法第95条の規律を次のように改めるものとする。
 (1) 意思表示に錯誤があった場合において,表意者がその真意と異なることを知っていたとすれば表意者はその意思表示をせず,かつ,通常人であってもその意思表示をしなかったであろうと認められるときは,表意者は,その意思表示を取り消すことができるものとする。
 (2) 目的物の性質,状態その他の意思表示の前提となる事項に錯誤があり,かつ,次のいずれかに該当する場合において,当該錯誤がなければ表意者はその意思表示をせず,かつ,通常人であってもその意思表示をしなかったであろうと認められるときは,表意者は,その意思表示を取り消すことができるものとする。
  ア 意思表示の前提となる当該事項に関する表意者の認識が法律行為の内容になっているとき。
  イ 表意者の錯誤が,相手方が事実と異なることを表示したために生じたものであるとき。
 (3) 上記(1)又は(2)の意思表示をしたことについて表意者に重大な過失があった場合には,次のいずれかに該当するときを除き,上記(1)又は(2)による意思表示の取消しをすることができないものとする。
  ア 相手方が,表意者が上記(1)又は(2)の意思表示をしたことを知り,又は知らなかったことについて重大な過失があるとき。
  イ 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
 (4) 上記(1)又は(2)による意思表示の取消しは,善意でかつ過失がない第三者に対抗することができないものとする。
(注) 上記(2)イ(不実表示)については,規定を設けないという考え方がある。

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(民法の改正(その千百二十八)

要綱案

1 心裡留保(民法第93条関係)

民法第93条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
(2) (1)ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

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(民法の改正(その千百二十七)

要綱仮案

1 心裡留保(民法第93条関係)

 民法第93条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が、その意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
(2) (1)による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

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(民法の改正(その千百二十六)

(2) 改正の内容
表意者が第三者に対して心裡留保の意思表示の無効を対抗することができるかどうかは、この意思表示が有効なものと扱われることによって権利を失ったり義務を負担したりすることになる表意者と、権利を取得する第三者との利害をどのように調整す
るかという問題である。心裡留保の意思表示においては、表意者自身が、その意思表示が真意と異なったものであることを知っており、虚偽の意思表示をしたことについて帰責性が大きい。これは、表意者自身が内心の意思と異なる表示をしていることを
認識している点で、虚偽表示と共通しており、表意者と第三者との利害調整の在り方としても、虚偽表示と同様に扱うのが適当である。虚偽表示と同様に扱うのは、上記昭和44年最判とも整合的である。
そこで、素案(2)では、表意者が第三者に対して心裡留保による意思表示の無効を対抗することができないための第三者の主観的要件として、民法第94条第2項と同様に、「善意」と定めることとしている。

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(民法の改正(その千百二十五)

2 素案(2)について
(1) 問題の所在
民法第93条には、民法第94条や第96条と異なり、効力を否定される意思表示を前提として新たに法律上利害関係を有するに至った第三者の保護については規定が設けられていないため、第三者がどのような要件の下で保護されるか、解釈上の疑義が生じている。
この点について、判例は、心裡留保の意思表示を前提として新たに法律上利害関係を有するに至った第三者について民法第94条第2項を類推適用するとしており(最判昭和44年11月14日民集23巻11号2023頁)、同項の「善意」について、善意であれば足り、無過失であることを要しないとしている(大判昭和12年8月10日法律新聞4181号9頁)。

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(民法の改正(その千百二十四)

(2) 改正の内容

相手方が表意者の真意の内容までは知らなかったとしても、相手方が真意と異なる意思表示をしていることを知り、又は知ることができた場合には、その意思表示が不完全なものであることについての認識又は認識可能性があったのであるから、その意思表示の有効性に対する相手方の正当な信頼があるとは言えない。民法第93条ただし書の趣旨からすれば、このような場合にも心裡留保の意思表示の効力を否定してよいから、このような場合も、「真意を知り、又は知ることができた」に含まれると解釈するのが相当であると考えられる。そこで、素案(1)は、この点をより明確にするため、同ただし書を「真意を知り、又は知ることができた」から「その意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができた」に改めるものである。

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(民法の改正(その千百二十三)

(説明)

1 素案(1)について
(1) 問題の所在
民法第93条ただし書については、相手方が表意者の真意の内容を知っていた場合だけでなく、その意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができた場合も、「真意を知り、又は知ることができたとき」に含めて解釈すべきであるとの指摘がある。この点については、確立した判例法理もなく、解釈上の疑義が生じている。

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(民法の改正(その千百二十二)

部会資料 66A
第1 意思表示
1 心裡留保(民法第93条関係)
民法第93条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられないものとする。ただし、相手方が、その意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とするものとする。
(2) 前記(1)による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができないものとする。

○中間試案第3、1「心裡留保(民法第93条関係)」
民法第93条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられないものとする。ただし、相手方が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とするものとする。
(2) 上記(1)による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができないものとする。

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