司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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民法の改正(その七百八十八)

要綱案のたたき台・部会資料69A--P63

14 損害賠償及び費用償還の請求権に関する期間制限(民法第621条、第600条関係)
民法第621条(同法第600条の準用)の規律を次のように改めるものとする。
(1) 契約の趣旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償は、賃貸人が賃貸物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。
(2) 上記(1)の損害賠償の請求権については、賃貸人が返還を受けた時から1年を経過するまでの間は、消滅時効は、完成しない。
(3) 賃借人が支出した費用の償還請求権に関する期間制限の部分を削除するものとする。

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民法の改正(その七百八十七)

(2) 上記(1)の損害賠償請求権については,賃貸人が賃貸物の返還を受けた時から1年を経過するまでの間は,消滅時効は,完成しないものとする。

【意見】
賛成する。
【理由】
賃貸人が賃借人の用法違反の事実を知らない間に消滅時効が進行し,賃貸人の賃借人に対する損害賠償請求権が消滅時効にかかるのは不当であり,そのような事態に対処するための規律として合理性が認められる。

(3) 賃借人が支出した費用の償還請求権に関する期間制限の部分を削除するものとする。

【意見】
賛成する。
【理由】
他の費用償還請求権との平仄を合わせることには合理性が認められる。

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民法の改正(その七百八十六)

中間試案に対する日弁連意見は次のとおりてせす。

14 損害賠償及び費用償還の請求権に関する期間制限(民法第621条,第600条関係)
民法第621条(同法第600条の準用)の規律を次のように改めるものとする。
(1) 契約の趣旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償は,賃貸人が賃貸物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならないものとする。

【意見】
賛成する。
【理由】
現行法の規律を実質的に維持するものであり,また,早期の法律関係の安定化という趣旨にも合理性が認められる。

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民法の改正(その七百八十五)

【要綱仮案】

民法第621条(同法第600条の準用)に次の規律を付け加えるものとする。

 民法第621条が準用する同法第600条に規定する損害賠償の請求権については、賃貸人が返還を受けた時から1年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

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民法の改正(その七百八十四)

(損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限)
第600条
契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。

(損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限)
第621条
第600条の規定は、賃貸借について準用する。

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民法の改正(その七百八十三)

(概要)

本文(1)は,民法第621条(同法第600条の準用)の規定のうち賃借人の用法違反による賃貸人の損害賠償請求権に関する期間制限(除斥期間と解されている。)の部分の内容を維持しつつ,同法第600条の「契約の本旨に反する」という表現を「契約の趣旨に反する」という表現に改めるものである。「本旨」という言葉は法令によっては「本質」といった意味で用いられることがあり,そのままでは賃借人による用法違反の態様等を限定する趣旨に誤読されるおそれがあるとの指摘があるため(前記第10,1(1)参照),そのような誤読を避けることを意図するものである。
本文(2)は,賃借人の用法違反による賃貸人の損害賠償請求権に関する消滅時効(民法第167条第1項)について新たな停止事由を定めるものである。この損害賠償請求権は,賃貸人が賃貸物の返還を受けた時から起算される1年の除斥期間(本文(1))のほかに,賃借人が用法違反をした時から起算される10年の消滅時効(民法第167条第1項)にも服するとされており,長期にわたる賃貸借においては,賃貸人が賃借人の用法違反の事実を知らない間に消滅時効が進行し,賃貸人が賃貸物の返還を受けた時には既に消滅時効が完成しているといった事態が生じ得る。本文(2)は,このような事態に対処する趣旨のものである。
本文(3)は,民法第621条(同法第600条の準用)の規定のうち賃借人の費用償還請求権に関する期間制限(除斥期間と解されている。)の部分を削除するものである。賃借人の費用償還請求権(同法第608条)と同様の法的性格を有する他の費用償還請求権(例えば同法第196条,第299条等)についてはこのような期間制限がなく,賃借人の費用償還請求権についてのみこのような期間制限を設ける必要性,合理性は乏しいと考えられることを理由とする。

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民法の改正(その七百八十二)

中間試案

14 損害賠償及び費用償還の請求権に関する期間制限(民法第621条,第600条関係)

民法第621条(同法第600条の準用)の規律を次のように改めるものとする。
(1) 契約の趣旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償は,賃貸人が賃貸物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならないものとする。
(2) 上記(1)の損害賠償請求権については,賃貸人が賃貸物の返還を受けた時から1年を経過するまでの間は,消滅時効は,完成しないものとする。
(3) 賃借人が支出した費用の償還請求権に関する期間制限の部分を削除するも
のとする。

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民法の改正(その七百八十一)

以上、概観したところ、中間試案、要綱案ともに内容的ら同趣旨であり、経年劣化に伴う損耗部分についての賃借人に対する現状回復特約を無効とする規定が採用されなかった点を除き、筆者は要綱案に賛成します。

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民法の改正(その七百八十)

参照条文

(使用貸借の規定の準用)
第616条 第五百九十四条第一項、第五百九十七条第一項及び第五百九十八条の規定は、賃貸借について準用する。

(借主による収去)
第598条 借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。

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民法の改正(その七百七十九)

ところで、要綱案においては、下記の使用貸借終了後の収去義務及び原状回復義務の規定を援用することになっています。

4 使用貸借終了後の収去義務及び原状回復義務(民法第598条関係)
民法第598条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う。ただし、借用物から分離することができない物又は分離するのに過分の費用を要する物については、この限りでない。
(2) 借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができる。

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民法の改正(その七百七十八)

この提案が、現行法の規律を明確化するとともに,判例法理を明文化する点を評価します。
また、本文(3)の規律に反する特約を無効とせよとする日弁連意見にも賛意を表します。

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民法の改正(その七百七十七)

本文(2)(3)に対する日弁連の意見は次のとおりです。
(2) 賃借人は,賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において,賃貸借が終了したときは,その損傷を原状に復する義務を負うものとする。
この場合において,その損傷が契約の趣旨に照らして賃借人の責めに帰することができない事由によって生じたものであるときは,賃借人は,その損傷を原状に復する義務を負わないものとする。
(3) 賃借人は,賃借物の通常の使用及び収益をしたことにより生じた賃借物の劣化又は価値の減少については,これを原状に復する義務を負わないものとする。

【意見】
賛成する。
【理由】
現行法の規律を明確化すると共に,判例法理を明文化するものであり,これらの規律自体に特段異論はない。
また,とりわけ消費者が賃借人である場合に,上記(3)の規律に反する特約によって賃借人が不利益を受けることのないよう,上記(3)の規律に反する特約は無効とすべきである。

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民法の改正(その七百七十六)


目的物を賃貸する場合、賃借人が社会通念に従って通常の使用したとしても、賃貸物が経年変化し古くなるのは仕方のないことです。
そのため、このような場合には、賃借人に目的物を当初の状態に戻して返還する義務はないとされています。
経年変化、自然の劣化、通常使用に伴う損耗による目的物の価値減少分については、賃貸人が賃料収入によってカバーするべきだと考えられています。

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民法の改正(その七百七十五)

具体的には、賃借人が設置した家電や家具類を取り外してから返還することになります。
しかし、フローリングや絨毯等の通常使用に伴い生ずる損耗等についてまで、賃借人の原状回復義務が及ぶかどうかについては問題があります。

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民法の改正(その七百七十四)

中間試案本文(2)(3)は、賃借人の原状回復義務について触れたものです。
賃借人の原状回復義務とは、賃借人が賃貸借契約終了時に貸家、貸室を返還するに際し、それに附属せしめた物を収去し、原状に復して返還する義務のことです(民法616条、598条)。

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民法の改正(その七百七十三)

本文(1)は,民法第616条で規定する賃借人の収去義務及び収去権利の内容を一般的理解に即して明文化したものであり、筆者としても全く異論はありません。

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民法の改正(その七百七十二)

中間試案に対する日弁連意見は次のとおりです、

13 賃貸借終了後の収去義務及び原状回復義務(民法第616条,第598条関係)
民法第616条(同法第598条の準用)の規律を次のように改めるものとする。
(1) 賃借人は,賃借物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において,賃貸借が終了したときは,その附属させた物を収去する権利を有し,義務を負うものとする。ただし,賃借物から分離することができない物又は賃借物から分離するのに過分の費用を要する物については,この限りでないものとする。

【意見】
賛成する。
【理由】
現行法の規定を明確化するものであり,一般的な理解にも沿った規律である。

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民法の改正(その七百七十一)

参照判例

事件番号
平成16(受)1573

事件名
 敷金返還請求事件

裁判年月日
 平成17年12月16日

法廷名
 最高裁判所第二小法廷

裁判種別
 判決

結果
 破棄差戻

判例集等巻・号・頁
 集民 第218号1239頁

原審裁判所名
大阪高等裁判所

原審事件番号
平成15(ネ)2559

原審裁判年月日
平成16年5月27日

判示事項
 1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う場合
2 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が成立していないとされた事例

裁判要旨
 1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負うためには,賃借人が補修費用を負担することになる上記損耗の範囲につき,賃貸借契約書自体に具体的に明記されているか,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識して,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約が明確に合意されていることが必要である。
2 建物賃貸借契約書の原状回復に関する条項には,賃借人が補修費用を負担することになる賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗の範囲が具体的に明記されておらず,同条項において引用する修繕費負担区分表の賃借人が補修費用を負担する補修対象部分の記載は,上記損耗を含む趣旨であることが一義的に明白であるとはいえず,賃貸人が行った入居説明会における原状回復に関する説明でも,上記の範囲を明らかにする説明はなかったという事情の下においては,賃借人が上記損耗について原状回復義務を負う旨の特約が成立しているとはいえない。


参照法条
 (1,2につき) 民法597条1項,民法598条,民法616条

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民法の改正(その七百七十)

中間試案(概要)

本文(1)は,民法第616条(同法第598条の準用)の規定のうち収去義務及び収去権に関する規律の内容を明確にするものであり,賃借人の収去義務及び収去権に関する一般的な理解を明文化するものである。

本文(2)(3)は,民法第616条(同法第598条の準用)の規定のうち原状回復義務に関する規律の内容を明確にするものであり,賃借人の原状回復義務に関する一般的な理解を明文化するものである。このうち本文(3)は,いわゆる通常損耗(経年変化を含む。)の回復は原則として原状回復義務の内容に含まれないとする判例法理(最判平成17年12月16日集民218号1239頁)を明文化するものである。

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民法の改正(その七百六十九)

参照条文

民法(借主による収去)
第598条借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。

(使用貸借の規定の準用)
第616条第594条第1項、第597条第1項及び第598条の規定は、賃貸借について準用する。

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民法の改正(その七百六十八)

要綱案

13 賃貸借終了後の収去義務及び原状回復義務(民法第616条・第598条関係)

民法第616条(同法第598条の準用)の規律を次のように改めるものとする。
(1) 第34の4(1)及び(2)の規定は、賃貸借について準用する。
(2) 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この(2)において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

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民法の改正(その七百六十七)

次に移ります。

中間試案

13 賃貸借終了後の収去義務及び原状回復義務(民法第616条,第598条関係)
民法第616条(同法第598条の準用)の規律を次のように改めるものとする。
(1) 賃借人は,賃借物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において,賃貸借が終了したときは,その附属させた物を収去する権利を有し,義務を負うものとする。ただし,賃借物から分離することができない物又は賃借物から分離するのに過分の費用を要する物については,この限りでないものとする。
(2) 賃借人は,賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において,賃貸借が終了したときは,その損傷を原状に復する義務を負うものとする。
この場合において,その損傷が契約の趣旨に照らして賃借人の責めに帰することができない事由によって生じたものであるときは,賃借人は,その損傷を原状に復する義務を負わないものとする。
(3) 賃借人は,賃借物の通常の使用及び収益をしたことにより生じた賃借物の劣化又は価値の減少については,これを原状に復する義務を負わないものとする。

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民法の改正(その七百六十六)

賃貸借の目的物たる建物が滅失したり、朽廃しその効用を失つた場合には、賃貸借の趣旨は当達成できなくなりますから、これによって賃貸借契約は当然に終了するものと解することは自然です。
したがって、筆者もこの提案に全面的に賛成します。

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民法の改正(その七百六十五)

日弁連も、この中間試案に賛意を表しています。
【意見】
賛成する。
【理由】
判例法理を明文化するものであり,一般的な理解にも沿った規律である。

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民法の改正(その七百六十四)

つまり、判旨は「賃貸借の目的物たる建物が朽廃しその効用を失つた場合は、目的物滅失の場合と同様に賃貸借の趣旨は達成されなくなるから、これによつて賃貸借契約は当然に終了するものと解するのを相当とする」としているのです。

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民法の改正(その七百六十三)

参照判例

事件番号
昭和31(オ)225

事件名
建物収去土蔵敷地明渡請求

裁判年月日
 昭和32年12月3日

法廷名
 最高裁判所第三小法廷

裁判種別
判決

結果
棄却

判例集等巻・号・頁
民集 第11巻13号2018頁

原審裁判所名
 仙台高等裁判所

原審裁判年月日
昭和30年12月15日

判示事項
建物の朽廃した場合と建物賃貸借の終了の有無

裁判要旨
 建物が朽廃してその効用を失つたときは、その建物の賃貸借は当然終了するものと解すべきである。

参照法条
民法第3編第2章第7節第3款(賃貸借の終了)

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民法の改正(その七百六十二)

中間試案の概要は次のように述べています。

賃借物の全部滅失その他の賃借物の全部の使用収益をすることができなくなったことを賃貸借の終了事由とするものであり,判例法理(最判昭和32年12月3日民集11巻13号2018頁,最判昭和36年12月21日民集15巻12号3243頁等)を明文化するものである。

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民法の改正(その七百六十一)

次に「賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了」へ移ります。

中間試案
12 賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了
賃借物の全部が滅失した場合その他の賃借人が賃借物の全部の使用及び収益
をすることができなくなった場合には,賃貸借は,終了するものとする。

要綱案
12 賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了
賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了について、次のような規律を設けるものとする。
賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する。

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民法の改正(その七百六十)

前記のように、賃貸借契約における賃借人の基本的義務は賃料を支払うことです。
賃貸人・賃借人間のトラブルもこの点に関して最も多く発生しています。
しかし、賃借人の義務は、その他にも善管注意義務、用法遵守義務等が存在します。
その中で、賃料支払義務だけを特別扱いする判例法理には、やや頭を傾げざるを得ません。
日弁連意見中の異論に、筆者も賛同します。

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民法の改正(その七百五十九)

それでは、どの程度の賃料滞納があれば信頼関係を破壊されたといえるかについての明文の規定は存在しません。
したがって明確な基準と言うものはありません。
実務上は、3か月分の賃料滞納が一つの目安(相場)として採用されています。

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