司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

民法の改正(その四百八十五)

(説明)

1 現行の規定及び問題の所在
(1) 民法は、雇用契約における報酬の支払時期についての規律(民法第624条)を置くものの、労働者が中途で労務を履行することができなくなった場合に労働者が使用者に対して報酬を請求することができるか否かについては、明文の規定を置いていない。
雇用契約は、原則として、労務の履行に対し、その履行の割合に応じて報酬が支払われる契約類型である。そのため、労務の履行が中途で終了した場合であっても、既に労務が履行された部分については、労働者は、その履行した割合に応じて算出される金額を報酬として請求することができると考えられている(委任に関する民法第648条第3項参照)。そこで、このような規律を明文化し、労働者が中途で労務を履行することができなくなった場合に関する報酬請求権の帰趨について明確にする必要があると考えられる。

スポンサーサイト

PageTop

民法の改正(その四百八十四)

ところで、民法(債権関係)部会資料73A・民法(債権関係)の改正に関する要綱案のたたき台(7)の1の1には、次のように記されています。

報酬に関する規律(労務の履行が中途で終了した場合の報酬請求権)
労務の履行が中途で終了した場合の報酬請求権について、次のような規律を設けるものとする。
(1) 労務を履行することができなくなったときは、労働者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
(2) 労務を履行することができなくなったことが契約の趣旨に照らして使用者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、労働者は、報酬の請求をすることができる。この場合において、労働者は、自己の債務を免れたことにより利益を得たときは、これを使用者に償還しなければならない。
○中間試案第42、1「報酬に関する規律(労務の履行が中途で終了した場合の報酬請求権)」
(1) 労働者が労務を中途で履行することができなくなった場合には、労働者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができるものとする。
(2) 労働者が労務を履行することができなくなった場合であっても、それが契約の趣旨に照らして使用者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、労働者は、反対給付を請求することができるものとする。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを使用者に償還しなければならないものとする。
(注)上記(1)については、規定を設けないという考え方がある。

PageTop

民法の改正(その四百八十三)

(理由)
従来の議論では、雇用において、「労務の履行ができなくなった場合」全般の報酬請求権についての条文を整備することを目的として議論が積み重ねられてきた。
そして、中間試案において、第一に、労務を履行することができなくなった場合全てについて、労働者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができること、第二に、契約の趣旨に照らして使用者の責めに帰すべき事由により労務を履行することができなくなった場合について、労働者は、報酬の請求をすることができ、労働者は自己の債務を免れたことにより利益を得たときは、これを使用者に償還すること、という構造の条文とすることとなり、部会資料73Aの第1の1「報酬に関する規律(労務の履行が中途で終了した場合の報酬請求権)」も同様となっていた。
ところが、今回、この条文の構造が大幅に変更され、「使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき又は雇用が履行の中途で終了したとき」は、労働者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができることのみが規定され、「使用者の責めに帰すべき事由により労務を履行することができなくなった場合の報酬請求権」についての規定は全て削除され
ることになった。そして、「使用者の責めに帰すべき事由により労務を履行することができなくなった場合の報酬請求権」は、契約総則の
536条2項の規律を実質的に維持する条文に委ねることとされている。
雇用の章に536条2項の規律を置くことについては、解雇無効の場合等における報酬請求権の発生根拠を明示するということで審議の過程でもほぼ異論がなかった。それだけに、今回の変更は、これまでの議論の結果を大きく外れる変更と受け止めている。
部会資料は、民法536条2項の規律によって請求しうる報酬の範囲が不明確であると説明しているが、現行法はこれで処理しており、不明確とは思われない。
今回の変更では、「労務の履行ができなくなった場合」全般の報酬請求権についての条文の整備という目的は達成されず、また、「使用者の責めに帰すべき事由により労務を履行することができなくなった場合の報酬請求権」の規律が不明確となり、この点大幅に後退するものであると考える。

PageTop

民法の改正(その四百八十二)

ところが、安永貴夫委員より次のような意見が提出されています。

民法(債権関係)部会資料81「要綱仮案の原案(その3)」についての意見
委員 安永 貴夫

(意見)
今回の提案は、従前の検討の成果を覆して、根本的な修正を行うものと考えられるため、容認し難い。すべて、部会資料73Aの第1の1「報酬に関する規律(労務の履行が中途で終了した場合の報酬請求権)」に戻すべきである。

PageTop

民法の改正(その四百八十一)


「使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき」とは、当事者双方の責めに帰することができない事由によって履行不能となった場合及び労働者の責めに帰すべき事由によって履行不能となった場合を指す。また、「雇用が履行の中途で終了したとき」とは、契約期間の満了及び契約で定められた労務が終了した場合を除く原因によって雇用が終了した場合を指す。具体的には、雇用が解除された場合や、労働者の死亡によって雇用が中途で終了した場合などがこれにあたると考えられる。
2 部会資料73Aでは、使用者の責めに帰すべき事由によって労働に従事することができなくなった場合について、実質的に民法第536条第2項の規律を維持しつつ、同項とは別に報酬請求権の発生根拠となる規定を設けることとしていた(部会資料73A第1、1(2))。もっとも、この規律によって請求することができる報酬の範囲が必ずしも明確ではないなどの問題があることから、素案では、この規定は設けず、引き続き同項に委ねることとしている(部会資料81-3第10、1の説明部分参照)。

PageTop

民法の改正(その四百八十)

ところで、民法(債権関係)部会資料 81-3・民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案の原案(その3)補充説明においては、次のような説明がなされています。

第12 雇用(報酬に関する規律(労働に従事することができなくなった場合等の報酬請求権))
労働に従事することができなくなった場合等の報酬請求権について、次のような規律を設けるものとする。
使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき又は雇用が履行の中途で終了したときは、労働者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。


(説明)
1 部会資料73A第1、1(1)では、この規律が適用される場合を「労務を履行することができなくなったとき」としていたが、具体的にどのような場合がこれに含まれるのかをより明確にするため、素案では、「使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき又は雇用が履行の中途で終了したとき」と改めた。(続く)

PageTop

民法の改正(その四百七十九)

この部分に対応する中間試案は次のとおりです。

第42 雇用
1 報酬に関する規律(労務の履行が中途で終了した場合の報酬請求権)

(1) 労働者が労務を中途で履行することができなくなった場合には,労働者は,既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができるものとする。

PageTop

民法の改正(その四百七十八)

次は「雇用」てです。

要綱仮案

第37 雇用

1 報酬に関する規律(労働に従事することができなくなった場合等の報酬請求権)

労働に従事することができなくなった場合等の報酬請求権について、次のような規律を設けるものとする。
使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき又は雇用が履行の中途で終了したときは、労働者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

PageTop

民法の改正(その四百七十七)

破産管財人の解除権に関しては、筆者も次の見解に同意します。

「破産管財人の解除権については現状を変更していない。注文者が破産手続開始の決定を受けた場合における破産管財人の解除権については、民法第642条が破産法第53条の特則であり、民法第642条のみが適用されると解されていることから、素案の規律と破産法第53条の関係も同様に解されることになる。」

PageTop

民法の改正(その四百七十六)

なお、この結論に関しては、下級審の裁判例が次のように述べています。
(東京地裁24.3.1)(判タ1394-366)

「民法642条の趣旨は、請負人は仕事が完成して初めて報酬を請求することができるため(民法633条参照)、注文者の破産手続きが開始した場合にも依然として仕事を完成しなければ報酬を請求できないとすると請負人に酷であるから、請負人に解除権を認めるなどして保護することにあり、請負契約の注文者が破産手続き決定を受けた時に請負人の仕事が完成していた場合には、民法642条の適用はない。」

PageTop

民法の改正(その四百七十五)

説明の以下の部分に関しては、筆者も全面的に賛成します。
仕事の完成後にまで請負人に解除権を認める必要はありません。
売買契約の場合との平仄が合います。


「仕事が既に完成し、引渡しだけが未了の場合は、売買契約において双方の債務の履行が未了の場合と状況が類似しているが、双方未履行の売買契約において買主が破産手続開始の決定を受けた場合には、破産法第53条第1項により買主の破産管財人にのみ解除権が認められ、売主には解除権が認められないこととの均衡からしても、仕事の完成後にまで請負人に解除権を認める必要はないと考えられる。」

PageTop

民法の改正(その四百七十四)

2 改正の内容

素案は、民法第642条第1項前段の規律を改め、注文者が破産手続開始の決定を受けた場合に請負人が契約の解除をすることができるのは、請負人が仕事を完成しない間に限るとするものである。
なお、破産管財人の解除権については現状を変更していない。注文者が破産手続開始の決定を受けた場合における破産管財人の解除権については、民法第642条が破産法第53条の特則であり、民法第642条のみが適用されると解されていることから、素案の規律と破産法第53条の関係も同様に解されることになる。
契約が解除された場合には、請負人は既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用の請求権を破産債権として行使することができる(民法第642条第1項後段)。
そして、既にされた仕事の結果は注文者の破産財団に帰属すると考えられる(最判昭和53年6月23日金融法務事情875号29頁)。

PageTop

民法の改正(その四百七十三)

(説明)
1 現行の規定及び問題の所在
報酬の支払は、仕事の目的物の引渡しと同時履行の関係とされており、仕事の完成は報酬の支払に対して先履行とされている(民法第633条)。そのため、請負人は、注文者が破産手続開始の決定を受け、報酬の支払が危殆化した場合であっても、なお仕事を続け、これを完成させない限り、報酬を請求することはできないのが原則である。
しかし、それでは請負人が多額の損害を受けるおそれがあることから、同法第642条第1項前段は、請負人を保護するため、破産管財人のみならず請負人にも解除権を与えている。
もっとも、民法第642条第1項前段が上記のような趣旨に基づく規定であることからすると、注文者が破産手続開始の決定を受けた時点において、仕事が既に完成してる場合にまで、請負人に解除を認める必要はないと考えられる。なぜならば、仕事が既に完成し、引渡しだけが未了の場合における請負人は、もはや仕事を継続する必要はなく、上記の趣旨は妥当しないからである。
また、仕事が既に完成し、引渡しだけが未了の場合は、売買契約において双方の債務の履行が未了の場合と状況が類似しているが、双方未履行の売買契約において買主が破産手続開始の決定を受けた場合には、破産法第53条第1項により買主の破産管財人にのみ解除権が認められ、売主には解除権が認められないこととの均衡からしても、仕事の完成後にまで請負人に解除権を認める必要はないと考えられる。

PageTop

民法の改正(その四百七十二)


この問題については、民法(債権関係)部会資料72Aが次のように述べています。

注文者についての破産手続の開始による解除(民法第642条関係)

民法第642条第1項前段の規律を、次のように改めるものとする。
(1) 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、破産管財人は、契約の解除をすることができる。
(2) 上記(1)に規定する場合には、請負人は、仕事を完成しない間に限り、契約の解除をすることができる。

○中間試案第40、3「注文者についての破産手続の開始による解除(民法第642条関係)」
民法第642条第1項前段の規律のうち請負人の解除権に関する部分を改め、注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人が仕事を完成しない間は、請負人は契約の解除をすることができるものとする。

PageTop

民法の改正(その四百七十一)

参照条文

破産法

(双務契約)
第53条  
1.双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。
2.前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。
3.前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第631条 前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第642条第1項 前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。

PageTop

民法の改正(その四百七十)

因みに,大阪弁護士会の意見は次のとおりです。

[意見]
賛成する。ただし,破産法第53条との関係に留意する必要がある。
[理由]
規定を設けること自体は合理性があると考える。
もっとも,本試案においては,仕事完成後引渡前に注文者が破産手続開始の決定を受けた場合に,破産管財人は,履行を選択して引き渡しを受け,請負代金を支払うということになるものと考えられるが,この場合破産管財人は目的物を結局処分するしかない。
かかる結論が妥当でない場合も考えられる。
以上より,本試案の考え方に基づいた場合に解除できない場合の目的物の処遇等については,双方未履行の双務契約の処遇について定めた破産法53条との関係にも留意して規定を整備する必要があると考える。

PageTop

民法の改正(その四百六十九)

東京弁護士会の意見は次のとおりです。

【意見】
賛成する。
【理由】
注文者についての破産手続開始による解除を認めるのは,請負人が仕事を完成しない間に限るのが妥当である。

PageTop

民法の改正(その四百六十八)

中間試案に対する日弁連の意見は次のとおりです。

【意見】
賛成する。
【理由】
仕事完成後引渡前に注文者が破産した場合は,売買契約の目的物引渡前の買主破産と同じ状況にあるので,現行642 条による解除を認めないという規律に合理性がある。

PageTop

民法の改正(その四百六十七)

《参考・現行条文》
(注文者についての破産手続の開始による解除)
民法第642条
注文者が破産手続開始の決定を受けたときは,請負人又は破産管財人は,契約の解除をすることができる。この場合において,請負人は,既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について,破産財団の配当に加入することができる。
2 前項の場合には,契約の解除によって生じた損害の賠償は,破産管財人が契約の解除をした場合における請負人に限り,請求することができる。この場合において,請負人は,その損害賠償について,破産財団の配当に加入する。

PageTop

民法の改正(その四百六十六)

これに対応する中間試案の部分は次のとおりです。

3 注文者についての破産手続の開始による解除(民法第642条関係)
民法第642条第1項前段の規律のうち請負人の解除権に関する部分を改め,注文者が破産手続開始の決定を受けたときは,請負人が仕事を完成しない間は,請負人は契約の解除をすることができるものとする。

PageTop

民法の改正(その四百六十五)

要綱仮案

3 注文者についての破産手続の開始による解除(民法第642条関係)

民法第642条第1項前段の規律を、次のように改めるものとする。
(1) 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、破産管財人は、契約の解除をすることができる。
(2) (1)に規定する場合には、請負人は、仕事を完成しない間に限り、契約の解除をすることができる。

PageTop

民法の改正(その四百六十四)

筆者の意見では、この「雨水の浸入を防止する部分」に加えて、「水回り部分の漏水を防ぐ部分」も規定に盛り込むべきです。
特に「壁内排水管の瑕疵による漏水」にも同様な性質保証期間を設けるべきだと思料します。
この内部的な水漏れは、建物に甚大な損傷を与え、改修工事には相当の費用が必要となるからです。

PageTop

民法の改正(その四百六十三)

なお、同項に対応する施行令は次のとおりです。

(住宅の構造耐力上主要な部分等)
第5条  
1.法第94条第1項の住宅のうち構造耐力上主要な部分として政令で定めるものは、住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものとする。
2.法第94条第1項 の住宅のうち雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一  住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具二  雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分

PageTop

住宅資金贈与、非課税枠3千万円に拡大へ

 政府・与党は2016年10月から、親や祖父母から住宅購入資金をもらった際にかかる贈与税の非課税枠を、現在の1000万円から3000万円に拡大する方針を固めました。

3000万円の非課税枠は、これまでで最大となります。

これは、17年4月に消費税率を10%へ引き上げる際、住宅需要が落ち込むのを防ぐのが狙いです。

PageTop

民法の改正(その四百六十二)

「理由」に述べられているように、この部分は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」第94条1項の文言を引用したものです。

参照
(住宅の新築工事の請負人の瑕疵担保責任の特例)
第94条  
1.住宅を新築する建設工事の請負契約(以下「住宅新築請負契約」という。)においては、請負人は、注文者に引き渡した時から十年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの(次条において「住宅の構造耐力上主要な部分等」という。)の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。次条において同じ。)について、民法(明治二十九年法律第八十九号)第634条第1項 及び第2項 前段に規定する担保の責任を負う。

PageTop

民法の改正(その四百六十一)

筆者も、大阪弁護士会意見と同様に、本条を削除し、建物その他の土地の工作物又は地盤に瑕疵がある場合の請負人の責任について、新たに性質保証期間に関する規定を新設すべきだと思います。
もっとも、「引渡し時を起算点とし,原則を5年とし,」の部分については同意しますが、「構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分」の文言にもう少し工夫を要すべきものと思料します。

PageTop

民法の改正(その四百六十)

[理由]
1 前記(3)において,期間制限を消滅時効の一般原則に委ねた場合,現行民法第638条を期間制限の規定と捉えた場合には,消滅時効の規定より短い期間制限を設ける意義はないものと考える。

2 他方で,土地工作物において,消滅時効の規定とは異なる性質保証期間の規定を設けることについては,性質保証期間内に発見した瑕疵については,引渡時に存在していた瑕疵と推定するものであって,注文者の権利救済に資するものと考えられる。
具体的な性質保証期間については現行民法第638条本文にならい原則5年とすべきであり,例外として,住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条と同様に特に重要な構造・雨漏りの瑕疵については性質保証期間を10年とすべきである。
性質保証期間について消滅時効の期間より短いケースも生じるが,性質保証期間は各目的物の性質に応じて引き渡し時に存在していた瑕疵と推定する規定であって,矛盾するものではないと考える。

PageTop

民法の改正(その四百五十九)

大阪弁護士会は次のような意見を提出しています。

[意見]

削除すること自体は賛成する。ただし,同条を削除する一方で,建物その他の土地の工作物又は地盤に瑕疵がある場合の請負人の責任について,引渡し時を起算点とし,原則を5年とし,「構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分」については性質保証期間を10年とするという規定を新たに設けるべきである。

PageTop

民法の改正(その四百五十八)

因みに、東京弁護士会は反対意見を表明しています。

【意見】
反対する。

【理由】
土地の工作物等について,引渡しからの一定の期間経過により,請負人の仕事の目的物が契約の趣旨に適合しない(現行民法では「瑕疵がある」)ことに対する注文者の権利が消滅するという現行民法の制度を廃止する必要はない。実際にも,建築請負業者等は,本条を参考にして建築物の保証書を策定しており,これを廃止することによる混乱は大きいと思われる。

PageTop

民法の改正(その四百五十七)

この部分について、日弁連は次のような意見を提出しています。

【意見】
賛成する。

【理由】
上記2(3)につき乙案とするならば,期間の起算は「契約の趣旨に適合しないことを注文者が知ったとき」になるため,土地工作物についてのみ,期間を伸長する合理的理由はない。
もっとも,土地工作物の耐用年数が長期化している現状を指摘し,「性質保証期間」の規定ないし一般の消滅時効期間より長期の期間を設けるべきとする反対意見も強い。

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。