司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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民法の改正(その二百四十六)

ドイツ民法(約款規制法)

第305c条 (不意打ち条項および多義的な条項)

(1) 約款中の条項であって,諸事情とりわけ契約の外形から受ける印象に照らして,約款使用者の契約相手方が考慮に入れておく必要がないほどに異常なものは,契約の構成部分とならない。

(2) 約款解釈上の疑義は,約款使用者の負担に帰する。

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民法の改正(その二百四十五)

ところで、「交渉の経緯等からは消費者が予測することができないような契約条項(不意打ち条項)は,契約内容とならない」という規定を設けることが提案された背景には、ドイツや韓国の約款規制法に盛り込まれている不意打ち条項規制が参考にされています。

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民法の改正(その二百四十四)

要綱仮案では、次のような表現になっています。

合理的に予測し得ない事項に関する契約条項

定型条項の契約条項については、それが契約の主たる給付の内容、同種の他の契約の内容その他の事情及び取引上の社会通念に照らしてその契約の内容となることを合理的に予測し得ないと認められる事項に関するものであって、相手方に新たに義務を課すものであるときは、2を適用しない。
ただし、相手方が、当該事項に関する契約条項があることを知り、又は容易に知り得たときは、この限りでない。

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民法の改正(その二百四十三)

不意打ち条項については、中間試案は次のように提案しています、

「約款に含まれている契約条項であって,他の契約条項の内容,約款使用者の説明,相手方の知識及び経験その他の当該契約に関する一切の事情に照らし,相手方が約款に含まれていることを合理的に予測することができないものは,前記2によっては契約の内容とはならないものとする。」

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民法の改正(その二百四十二)

そのため、組入れ要件を満たし、契約に組み入れられた条項であっても、その約款に含まれているとは合理的に予測できない条項があるときは、その条項を組入れの合意が及んでいないと考え、効力を否定する規定です。

このような規制を受ける条項のことを不意打ち条項と呼んでいます。

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民法の改正(その二百四十一)

次は不意打ち条項規制に入ります。

組入れ要件の一つである「知る機会」が与えられた場合でも、約款使用者の相手方が与えられた約款を逐一読んでいないという事態は容易に想像できます。

そのような場合、相手方の心理状態は、その約款にはこの種の取引においての一般的な内容のみが規定されているだろうとの思い込みがあるはずです。

このような「期待」は、実務上、あながち非難されなければならないものではありません。

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民法の改正(その二百四十)

約款条項についての不当規定を設けける場合には、まず包括的な一般規定を置く必要があります。

なぜなら、将来起こりうるとされるケースをあらかじめ想定し、それらを網羅するような規定を設けることは困難を極めるからです。

したがって、民法90条を約款向きに特化した一般規定が求められることになります。

すなわち、同条の有する抽象性を約款用にやや具体化した一般規定は不可欠となります。

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民法の改正(その二百三十九)

裁判官の裁量の余地を減らすために考えられているのが、明らかに不当な事項については、法律の中に予めそのリストを書き込んでおく方法です。

ヨーロッパでは使われている、立法的なコントロ-ルの手法です。

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民法の改正(その二百三十八)

報道によりますと、「法制審議会」の民法部会は26日、債権に関する規定の抜本改正案を大筋で了承しました。

したがって、約款についての基礎となる規定を民法に定めることは規定の事実となったことを前提として以後の論述を続けたいと思います。

わが国では、これまで民法90条の条文を適用して不当な条項の効力を否定してきました。

今回の改正により、約款に即した形での不当な条項を無効にできる条文が設けられることになるのですが、それでも裁判官の裁量的判断という側面は残ってしまいます。

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法相の諮問機関「法制審議会」の民法部会は26日、債権に関する規定の抜本改正案を大筋で了承しました。

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民法の改正(その二百三十七)

前者の立法例としては、ヨーロッパ契約法原則があります。

同法は不公正条項を規制していますが,当事者が商人か非商人であるか,約款が使用されているかどうか等によってその適用範囲を限定していません。

また、後者の例としては、ドイツ民法があります。

同法307条以下は,約款について不当条項を規制しています。

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民法の改正(その二百三十六)

司法的なコントロールの方法とは、裁判所がコントロ-ルをするわけですから、そのためには、不合理な条項を否定するための手掛かりとなる条文を規定しておかなければなりません。

この司法判断の基礎となる条文については、不当条項一般について定める方法と約款に限定して不当条項は無効であると定める方法とがあります。

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民法の改正(その二百三十五)

コントロールの方法としては、行政的・司法・立法的の三種が考えられます。

行政的コントロールとは、ある業種の開業の際に、約款に認可を要求するなどの仕組みにより。約款の内容に行政規制をかける方法です。

わが国においても、電気・ガス等の公共性の高い事業については、このような方法はすでに行われています。

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民法の改正(その二百三十四)

約款の組入れ要件は、約款に関する私法上の不可欠の規制です。

契約法についての一般法である民法に、そのことが規定されるのは理の当然であえて言を俟ちません。

次に不当条項規制に入ります。

内容の合理性を担保する第二の方法として、約款の内容自体にコントロールを及ぼそうとする方法が考えられます。

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民法の改正(その二百三十三)

ところが、前掲した内田貴氏は、「組み入れ要件を明示することは、約款を使う事業者にとってもメリットがある」と述べられています。

「日本の裁判所は、約款によって契約するという当事者の(黙示の)意志を比較的容易に認定し、約款が契約内容となることを広く認めてきたとされていますが、内容の公表されない裁判所での和解まで含めると、約款が必ずしも常に契約内容になることが認められているわけではないようです。
つまり、現状には、約款が契約内容になるかどうかについて、不安定さがみられます。」(民法改正・ちくま新書)

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民法の改正(その二百三十二)

そもそも、組み入れ規制のポイントは、「約款が開示され,双方の当事者がその約款を組み入れるという合意があって初めて,約款が契約の内容になる」というところにあります。

したがって、この点は、消費者契約・事業者間契約にかかわらず、約款が使用されている限り問題となります。

つまり、単に消費者保護の問題ではないのです。

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民法の改正(その二百三十一)

銀行に限らず、経済界には、バス,航空機あるいは電気,ガス,通信,こういう事業の約款については,個別具体的な法律によって充分規制されているから、一般法によるこれ以上の規制は不要だという意見が充満しています。

さらには、既存の法体系の中には,個別の行政法規以外にも消費者契約法もあり,事業者と個人消費者との関係において,約款はその規律の中に置かれている現状があると強調しています。

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民法の改正(その二百三十)

「約款を現実に見なくても、約款の適用を予想して契約する意思があると考えられ・・・」

何故、このような推論が成立するのかが、筆者には理解できません。

見たこともない約款の適用を予想して契約する顧客の存在を、慣習と称して公然と認め、

正当化する行為は、銀行側の思い上がりそのものを表象しています。

それは、銀行側の自己の信用に対する過剰な自信と、無知な顧客への蔑視のあらわれです。

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民法の改正(その二百二十九)

全銀協には、まず、契約の拘束力の原則に戻ってほしいと思います。

そもそも契約の拘束力は、双方の当事者が合意して初めて認められる性質のものです。

一方の当事者が作成した約款を相手方に見せもしないで,後になって、何か問題が生じた際に、この取引ではこの約款で処理することになっていると約款使用者側がいくら主張しても、民法の基本原則からしますと,そのような約款に拘束力が認められる理由は全くないことになります。

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民法の改正(その二百二十八)

「 一方で、個別の交渉を経て採用された条項は組入要件を問題とすべき約款には当たらず、契約の内容になるのは当然であると考える。
また、個別に交渉された条項がある場合には、交渉の機会があったわけであり、その条項を含む条項群の全体について組入要件を問題とすべき約款には当たらないと考えるべきであるという指摘もある。

上記のような指摘のほか、例えば、信用保証協会による保証付融資や日本政策金融公庫等の代理貸付等で、銀行が他者の作成した約款を使用し、当該他者への取次ぎを行う取引における約款の規律の取扱い(約款の開示は誰が行うのか等)も明確にする必要があるのではないかという指摘もある。」

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民法の改正(その二百二十七)

「このような契約類型の場合には、相手方は約款を現実に見なくても、約款の適用を予想して契約する意思があると考えられ、約款の組入れを広く認めても問題ないと考えられる。

なぜなら、この場合、相手方は、約款の適用を受けてもおよそ不合理な結果にはならないだろうという期待を相当程度有すると考えられるためである。

仮に、そのような期待を覆す結果となるような条項が含まれるならば、個別に当該条項の組入れを認めない、あるいは条項の効力を否定する等で柔軟な解決を図るのが適当と考えられる。」(続く)

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民法の改正(その二百二十六)

ところで、同協会は、「検討上の留意点」と題した一節で、次のように主張しています。

「特定の約款を用いることが慣習になっている場合は当然に、また、慣習とまでは言えなくても、約款によることが社会通念上周知の事実になっているような契約類型の場合には、約款の現実の開示や契約締結時までに相手方が知り得る状態に置く措置等がなくとも、約款の組入れが認められるべきである。

例えば、契約締結時までに相手方の求めに応じて約款を開示できる状態にあれば足りると考えられる。」(続く)

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民法の改正(その二百二十五)

この全国銀行協会の反論は、筆者には的外れの論議のような気がします。

中間試案の組み入れ要件についての提案は、約款は相手方がアクセスできるところに開示しておく、契約書には約款を添付する等の方法での開示を求めているだけのものです。

約款を読もうと思った相手方が、何処に約款が置いてあるのかわからず、約款がある所へ行ってもなかなか見せてもらえないというのでは、とても合意による契約とはいえなくなります。

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民法の改正(その二百二十四)

全国銀行協会は、改正提案に対する意見として次のように主張しています。

「約款の組入れ要件の検討に当たっては、約款の機能を十分に認識する必要があり、現行約款の利用が不可能または著しく困難になるような規定の創設には強く反対する。

現行約款が契約として柔軟に認められ、無用な疑義を生じさせないような運用が可能な規定であれば、約款の法的安定性確保の観点から積極意見もあり得る。」

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民法の改正(その二百二十三)

次は、「組入要件」に移ります。

現在改正が検討されている民法では、約款を法律上定義したうえで、契約として法的拘束力をもたせるための要件(組入要件)に関する規定を置くことが検討されています。

中間試案は、約款の組入要件の内容について次のとおり述べています。

契約の当事者がその契約に約款を用いることを合意し,かつ,その約款を準備した者(以下「約款使用者」という。)によって,契約締結時までに,相手方が合理的な行動を取れば約款の内容を知ることができる機会が確保されている場合には,約款は,その契約の内容となるものとする。

(注)約款使用者が相手方に対して,契約締結時までに約款を明示的に提示することを原則的な要件として定めた上で,開示が困難な場合に例外を設けるとする考え方がある

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民法の改正(その二百二十二)

全国銀行協会の意見書は、次のような理由を述べています。

【理由】

契約当事者の一方が了知していない条項が取引において有効に適用されることに理論的根拠を与えることから、約款の定義および約款の組入要件を設けることに賛成する。

規定を設けるとしても、例えば銀行取引約定書のように、交渉および個別の合意が予定されている契約書ひな型は、本定義に該当するようにも読めるが、これらは組入要件によらずとも契約の内容となっているものであり、このようなひな型が「約款」に含まれないことを明確化すべきである。

そのような定義が困難である場合には、組入要件によらずに契約の内容となっている「約款」については、次項以下の約款規制が及ばないことを明確にすべきである。

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民法の改正(その二百二十一)

「契約書ひな型」を約款から外すことには、筆者も同意します。

何故なら、ひな型は単なる「たたき台」であり、個別の交渉、合意が予定されているものだからです。

ひな型のような契約書の標準モデル書式は、基本的な条件が盛り込まれているにすぎず、交渉の結果、その修正・加筆は当然に予想されています。

一方的な押し付けという性格を有する約款とは明らかに異なっています。

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民法の改正(その二百二十)

ところで、一般社団法人全国銀行協会は、その意見書の中で。約款の定義について次のような意見を述べています。

【意見】
「約款」の定義に、交渉および個別の合意が予定されている契約書ひな型が含まれないことが明確化されるか、または、組入要件によらずに契約の内容となった条項については、本約款規制が及ばないことが明確になることを前提に、中間試案に賛成する。

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民法の改正(その二百十九)

中間試案は、約款を定義して次のように述べています。

「約款とは,多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって,それらの契約の内容を画一的に定めることを目的として使用するものをいうものとする。」

もっとも、「約款」の定義にあたる場合でも、個別交渉による修正が実際に行われた条項については、「通常の合意による契約と異ならない」ため、やはり約款規制は適用されないと考えられます(「補足説明)。

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民法の改正(その二百十八)

約款について、契約法によるコントロ-ルが及ぶことについて経済界は根強い警戒心を抱いているように感じられます。

経済同友会の意見書は、「そもそも、約款とは対等な私人間の契約とは異なる性質を持っており、契約法理に当てはめて説明することが難しい要素もあるように思われる。」と述べています。

しかし、それだからこそ、約款を特別な形態の契約として、契約法で定義し、約款に法的根拠を与えて、その透明性を確保しておく必要があるのではないでしょうか。

これだけ、取引業界に拡散した約款について、一般法である契約法が一言半句も触れていないという状態が果たして正常なのでしょうか。

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