司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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民法の改正(その九十)

学説の変換の発端は、吾妻光俊氏の「私法に於ける時効制度の意義」だといわれています。

吾妻論文はまず、「消滅時効は長期の権利不行使の場合、履行その他によって債務が消滅している蓋然性が高いという採証法則によるものなのに対し、除斥期間は権利の不安定の除去という公益的なものとして両者を峻別する。」と定義しています。

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民法の改正(その八十九)

しかし、立法の過程から、およそ昭和初期までの間は724条後段の20年の期間は一貫して消滅時効と解されていました。

ところが、その後一種の地滑り的な学説の変換が起こり、除斥期間説が通説化した過程は定かではないとされています。

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民法の改正(その八十八)

この最高裁判決により、以後の判例は除斥期間説に統一されましたが、その強引な画一的判断が批判され、学説上ではかえって時効説を多数説に導いてしまったといわれています。

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民法の改正(その八十七)

しかし、今日においては、除斥期間説が通説化し、最高裁もこの見解を採用していることは上述のとおりです。

もっとも、消滅時効説を採る学説も依然として存在し、平成元年の最高裁判決以前は、判例の間でも結論は一致していませんでした。

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民法の改正(その八十六)

では、かつては724条後段の期間制限規定についてはどのように解されているのでしょうか。

この20年の期間については、民法の起草者は消滅時効と解していました。

通説もそのように解していました。

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民法の改正(その八十五)

問題は、期間制限を定めている各規定を消滅時効と解するか、除斥期間と解するかについて、意見が錯綜していることにあります。

前述しましたように、現行民法の起草者は時効の場合にはその旨を明らかにするとしています。

ところが、今日では法文の文言にとらわれることなく、それぞれのケ-スで、権利の性質・規定の趣旨や目的等を考慮して 、実質的に判断すべきだと主張されています。

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民法の改正(その八十四)

以上の定義に従いますと、除斥期間については、当事者の援用は必要ありませんから、当然のことながら援用権の喪失という概念は存在しません。

したがって、除斥期間の経過の主張が権利の濫用ということにはなりません。

本件最高裁判決は、この論理を採用しているわけです。

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民法の改正(その八十三)

したがって、除斥期間には中断はありえません。

この点が、消滅時効との大きな違いです。 

また、裁判所は職権で権利の消滅を判断することが許されています。

当事者の援用を必要としません。

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民法の改正(その八十二)

今日、講学上では、除斥期間とは権利関係を速やかに確定しようとする目的で定められた権利行使期間を限定するものであると説かれています。

除斥期間が消滅時効と異なるのは、当事者の意思や行為を問題とせず、一定の期間内に権利を行使しないと、権利が消滅してしまうことにあります。

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民法の改正(その八十一)

消滅時効と除斥期間については民法の起草者は、権利の特に速やかな行使が求められる場合を、中断・停止の認められない除斥期間として時効から区別したといわれています。

時効の場合は、その旨を明文で示すことにしました。

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民法の改正(その八十)

しかし、控訴審は,信義則に照らし、本訴提起直前に至るまでXらにおいて知ったと認めるに足りないと断じています。

その上で更に、仮に加害者および損害の認識が被害者にあったとしても、国側の短期時効の援用は信義則違反・権利濫用であるとしています。

前述したように、信義則の二重の適用がされています。

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民法改正(その七十九)

控訴審は、加害者の認識については、T巡査が消防団員らに対して一定の指示をしていたことをXが認識をしていたことは明らかですから、一般人が当該不法行為が公権力の行使にあたる公務員がその職務を行うについてなされたものであると判断するに足る事実を認識したものとして、724条後段の加害者を知ったものという余地がないでもない、としています。

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民法改正(その七十八)

次に、3年の短期消滅時効の起算点に関してですが、この点については、最高裁は何も触れていません。

一方、控訴審は信義則を二重に適用して、国側の短期時効の適用を封じています。

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民法改正(その七十七)

もっとも、累積性・進行性の人身障害事件に関しては,判例・学説ともに揺れています。

起算点を損害発生時とする説もかなり有力です。

労働障害に起因する複数の障害の場合に関する判例は、複数の障害がすべて顕在化し、かつ、いずれの障害も当該障害自体として進行拡大が止まり固定した時点を起算点として一律に進行するとしています。

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民法改正(その七十六)

この20年の期間の起算点については、控訴審は、起算点は個々の損害発生日ではなく事故発生日であるとしています。

最高裁もこれを前提としています。

これは、一般不法行為に関しては、加害行為時とする判例・通説に沿ったものです。

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民法改正(その七十五)

本件事故については、公権力の行使にあたる警察官の過失に基づく事故であるから、国自体が損害賠償の責任を負うべき事件であったにもかかわらず、国家賠償法に基づく損害賠償は行われないままでした。

Xらが国家賠償法1条に基づく損害賠償を求めて訴えた時には、事故発生後すでに20年以上が経過していました。

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民法改正(その七十四)

これに対して本件最高裁判決は、民法724条後段を除斥期間と解したうえで信義則違反・権利濫用の主張を封じています。

要するに、最高裁は除斥期間説に基づいて、一刀両断的に信義則違反の検討は不要であると切り捨てたのです。>

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民法改正(その七十三)

控訴審は、民法724条後段の適用に当たって、その起算点を事故発生の昭和24年2月14日として、同日から本訴提起までにすでに20年以上を経過しているから長期時効がのしうる状態にあるとしたうえで、消滅時効の援用もしくは除斥期間の徒過の主張を信義則違反・権利濫用として退けることによって、Xらの損害賠償の一部を認めました。

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民法改正(その七十二)

「X1らの本件請求権は、すでに本訴提起前の右20年の除斥期間が経過した時点で法律上当然に消滅したことになる。
そして、このような場合には、裁判所は、除斥期間の性質にかんがみ、本件請求権が消滅した旨の主張がなくても、右期間の経過により本件請求権が消滅したものと解すべきであり、したがってXら主張に係る信義則違反又は権利濫用の主張は、主張自体失当であって採用の限りでない」として結論を同じくする一審判決を正当としました。

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民法の改正(その七十一)

「むしろ、同条前段の3年の時効は損害及び加害者の認識という被害者側の主観的な事情によってその完成が左右されるが、同条後段の20年の期間は被害者側の認識のいかんを問わず一定の時の経過によって法律関係を確定させるため請求権の存続期間を画一的に定めたものと解するのが相当であるからである。」

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民法の改正(その七十)

判決理由は、次のようなものです。

「民法724条後段の規定は、不法行為によって発生した損害賠償請求権の除斥期間を定めたものと解するのが相当である。けだし、同条がその前段で3年の短期時効について規定し、更に同条後段で20年の長期の時効を規定していると解することは、不法行為をめぐる法律関係の速やかな確定を意図する同条の規定の趣旨に沿わず、・・」

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民法の改正(その六十九)

上告理由は、その第一点として、民法724条後段所定の20年の期間は、「権利の存続期間を定めたもので、当事者の主張、援用を待たずに裁判所がそれに基づいて裁判をしなければならない除斥期間と解すべき」であり、「信義則違反や権利濫用の有無等主張の当否を論ずる余地がなく、まして援用権の濫用が問題となる余地のない」ものである、としています。

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民法の改正(その六十八)

国の出先機関係員などでさえ、国に本件事故の賠償責任があることに気づかずX1らの被害救済の申し出に対し徒に他の機関への出頭を促すことを繰り返し、いわゆるたらい回しにするのみで責任の所在すら判明しなかったなどの事情の下においては、「民法724条前段の短期消滅時効が被害者の感情の時の経過による回復を考慮したもので、その点にこそその特殊性があることに照らし、本来加害者の認識は単に知らねばならないというのみでは足らず、これを確知することを要するのが原則であるところ」、国の出先機関係員などでさえX1から本件事故の経緯を聞いても本件事故が国の公権力の行使である職務について行われたであることを知らなかった、あるいは判断できなかったものであるから、一般にその判断が可能な事実をX1らが知ったとはいえないし、自らその判断を誤らせる証拠を作成した国らにおいて、Xらに加害者が国であったことが認識し得たものとして、その判断の誤りを咎めることは信義則に照らして許されない。

かりに、加害者および損害の認識が国側主張のとおりであるとしても、国の時効の援用は「信義則に反し、かつ権利の濫用として許されない」。

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民法の改正(その六十七)

④また、短期時効については次のように判示しています。

加害者の認識について、「加害者ヲ知リタル」とは、国家賠償法1条の場合、被害者らにおいて、国又は公共団体ならびに
これと不法行為者である公権力の行使に当たる公務員との間に使用関係がある事実に加えて、一般人が当該不法行為が国等の公権力の行使たる職務を行うについてなされたものであると判断するに足る事実をも認識することをいう(最判昭和44・11・27民集23巻11号2265頁参照)としました。

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民法の改正(その六十六)

一方、X1らは、本件事故後、鹿児島市役所、鹿児島県庁等国の出先等に何度となく被害の救済を求めており、権利の上に眠る者とはいえない。

「本件のように国が損害賠償義務を履行していないことが当事者間に争いがなく明白な場合には時効などの保護を与える必要性に乏しく、時効等はできるだけ制限して解釈するのが相当であることに照らし以上各事由を総合して考えると」、国がX1らに本件損害賠償請求権につき20年の長期の消滅時効を援用ないし除斥期間の徒過を主張することは信義則に反し、権利の濫用として許されない(最判昭和51・5・25民集30巻4号554頁参照)。

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民法の改正(その六十五)

本件事故当時、占領軍給付金規定に基づく給付金の支給を担当した防衛施設庁の係員は国の損害賠償義務を知らなかった。

しかし鹿児島地区警察署係員は国の損害賠償義務を知り、または容易に知り得べかりし状況にあった。

したがって、給付金支給の際に国が損害賠償義務が国にあることを知らなかったことには過失がある。

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民法の改正(その六十四)

③時効援用権の濫用については次のように判断した。

国政は国民の厳粛な信託によるものであり、国は国民に対し信義誠実を旨としてその国務を遂行すべきであり、いやしくも事故の損害賠償責任が明らかであるのにその責任を免れるため加害行為への関与を隠蔽するような公文書を作成す
事故直後に、鹿児島地区警察署長名で同署が本件不発弾処理に全く関与せず不意に駐在所に訪れた米軍兵士2名を派出所巡査が案内したにすぎないという事実に反した被害調書が作成されたため、その後の責任の所在が不明となり、所管部局も判明しないことになった。

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民法の改正(その六十三)

②その起算日については、同条後段の「不法行為の時」という法文や長期時効設定の趣旨からみて加害行為の時であり、その後の個々の損害の発生日ではないとした。

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民法の改正(その六十二)

控訴審の判旨は次のようなものです。

① 民法724条後段については時効説を採用した。

「民法724条後段所定の20年の期間は、その「20年ヲ経過シタルトキ亦同シ」として前段の「時効ニ因リテ消滅ス」を承けた規定の文言、立法者の消滅時効であるとの説明、加害者及び損害の認識を前提とした不法行為に独特の3年の短期時効を補充するものであること、時効の中断、停止、援用を認めないと
被害者に極めて酷な場合か生ずることなどに照らし、消滅時効を定めたものと考える。
たとえ、これを除斥期間を定めたものと解するとしても、被害者保護の観点から時効の停止、中断を認めるいわゆる弱い除斥期間(混合除斥期間)であるというべきである。

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民法の改正(その六十一)

X1・X2(X1の妻)は、国に対して、本件事故の発生の日から28年10か月余りを経過した昭和52年12月17日、国家賠償法に基づき、本件事故による損害賠償を求めて本訴を提起した。

第一審はX1らの請求を棄却した。

控訴審はX1らの請求を一部認容した。

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