司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

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遺留分(その十五の十六)

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前掲判決の判旨は、「民法1042条にいう「減殺すべき贈与があったことを知った時」とは,贈与の事実及びこれが減殺できるものであることを知った時と解すべきであるから,遺留分権利者が,減殺すべき贈与の無効を信じて訴訟上抗争しているような場合は,贈与の事実を知っただけで直ちに減殺できる贈与があったことまでを知っていたものと断定することはできないというべきである。しかしながら,民法が遺留分減殺請求権につき特別の短期消滅時効を規定した趣旨に鑑みれば,遺留分権利者が訴訟上無効の主張をしさえすれば,それが根拠のない言いがかりにすぎない場合であっても時効は進行を始めないとするのは相当でないから,被相続人の財産のほとんど全部が贈与されていて遺留分権利者が右事実を認識しているという場合においては,無効の主張について,一応,事実上及び法律上の根拠があって,遺留分権利者が右無効を信じているため遺留分減殺請求権を行使しなかったことがもっともと首肯しうる特段の事情が認められない限り,右贈与が減殺することのできるものであることを知っていたものと推認するのが相当というべきである」となっています。


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遺留分(その十五の十五)


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しかし、遺留分権利者が,減殺すべき贈与の無効を訴訟上主張していても,被相続人の財産のほとんど全部が贈与されたことを認識していたときは,その無効を信じていたため遺留分減殺請求権を行使しなかったことにもっともと認められる特段の事情のない限り,右贈与が減殺することができるものであることを知っていたと推認するのが相当とする判例があります(最判・昭和57・11月・12)

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遺留分(その十五の十四)

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もっとも、このような未履行の遺贈に対する減殺請求権は、「抗弁の永久性」の法理によって時効にかからない、説く説もあります。

この説によれば、期間経過後の遺贈等の履行請求には、期間経過後も遺留分減殺請求の抗弁を認めうることになります。

なお、抗弁の永久性とは、たとえば取消権などの権利は、5年の消滅時効にかかるものであるが、取消権が防御的に抗弁として機能する場合には、時効にかからせるべきではないという考え方です。


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遺留分(その十五の十三)

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ここで、遺贈の場合について考えて見ましょう。

遺贈については、相続人が遺贈があった事実を知った時には、まだ履行されていない場合が多く見られます。

この場合には、その目的物が受遺者に引き渡されていないので、相続人あえて減殺請求と目的物の取り戻しをする必要に迫られません。

そこで、うかうかするうちに、すぐ1年の時効期間を徒過してしまいがちです。


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遺留分(その十五の十二)

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では、判例の立場はといいますと、当初は、民法1042条の規定の文言を理由にして、1説を採用しないことを明らかにしていましたが、2説ないし4説のいずれの立場に立つのかは明らかにしておらず(最判昭57・3・4)、学説の批判を浴びていました。

ところが、前述したように、物権的請求権が消滅時効にかかることがないことを根拠にして、2説を採用することを明らかにしました(最判平7・6・9第二小)。


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遺留分(その十五の十一)

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第1説 
遺留分減殺請求権とその行使によって生ずる返還請求権とが一体として民法1042条の期間制限に服するとする説(中川善之助、泉久雄各氏)です。 
第2説 
民法1042条の期間制限に服するのは遺留分減殺請求権そのものだけであり、その行使の効果として生じた物権的請求権は消滅時効にかからないとする説(谷口知平氏)です。
第3説 
民法1042条の期間制限に服するのは遺留分減殺請求権そのものだけであるが、目的物の返還請求権は、本質において不当利得返還請求権の性質を有するから、10年の消滅時効にかかるとする説(中川善之助、泉久雄各氏〕)です。 
第4説 
民法1042条の期間制限に服するのは遺留分減殺請求権そのものだけであるが、その行使の効果として生じた物権的請求権は民法884条の規定する相続回復請求権の消滅時効にかかるとする説(高木多喜男、中川淳各氏)です。


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遺留分(その十五の十)

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では本筋に戻って、判例の採用する減殺請求権は、形成権=物権的効果説に立つことを前提にして、遺留分減殺請求権を行使した結果生じた目的物の返還請求権等が時効により消滅することを認めるか否か、仮に認めるとしたら、それはどのような消滅時効に服するのかについて、学説は、以下に述べる4説に分かれていました。

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遺留分(その十五の九)

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 請求権説は、前述した形成権説が説くように、遺留分減殺請求権行使によっ
て、遺留分侵害行為の効力が消滅するのではなく、遺留分権利者は受遺者等に対して一定の給付を求めうる請求権を取得すると解しています。

本説によれは、未履行の場合には、遺贈等の債務を拒絶しうる抗弁権を取得することになります。


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遺留分(その十五の八)

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次に、形成権=債権的効力説とは、遺留分減殺請求権の効力を遺留分侵害行為の効力を消滅させるという点においては形成権=物権的効力説と同様ですが、物権的効力説とは異なって、遺留分侵害行為の目的物上の権利は、当然には遺留分権利者に復帰しないと説くものです。

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遺留分(その十五の七)

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最高裁は、昭和35年7月19日の判決で遺留分減殺請求によって目的財産たる不動産の所有権が当然復帰するとし、形成権=物権的効力説の立場をとりました。

さらに最高裁昭和57年3月4日判決は、「遺留分減殺請求権は、形成権であって、その行使により遺贈又は贈与は遺留分を侵害する限度において失効し、受贈者又は受遺者が取得した権利は右の限度で当然に遺留分権利者に帰属する」と判示しました。

これにより、判例が形成権=物権的効力説を採用することが確定したといえます。


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所得税最高税率 4000万円超で調整

自民・公明両党は、45%に引き上げる方針の所得税の最高税率について、年間所得が4000万円を超える人に適用する方向で、民主党と調整することにしています。

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遺留分(その十五の六)

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ところで、遺留分減殺請求権の法的性質については、学説上の争いがあります。

それは、形成権説と請求権説に別れ、さらに形成権説は、物権的効果説、債権的効果説に区分されます。

つまり、学説としては、形成権・物権的効果説(通説)、形成権・債権的効果説、請求権説の3説が対立していたことになります。


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相続税の基礎控除3000万円で自公合意

 自民、公明両党は18日、相続税で課税を免除される基礎控除額を現行の5000万円から3000万円に引き下げ課税対象者を増やす方針を決めました。

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自民党 贈与税5~10%引き下げ検討

自民党税制調査会は、平成25年度の税制改正で、高齢者から若い世代への資産の移転を促すことで消費の拡大を図るため、親から子、祖父母から孫に資産を贈与する場合にかかる贈与税を、おおむね5%から10%引き下げる方向で検討しています。
具体的には、課税対象となる贈与額が300万円を超えて3000万円以内までを引き下げるとしていて、600万円を超え1000万円以内の場合の税率は、今の40%を30%に、1000万円を超え1500万円以内の場合は今の50%を40%に、1500万円を超え3000万円以内の場合は今の50%を45%に引き下げるなどとしています。

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遺留分(その十五の五)

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ところで、遺留分権利者が減殺請求により取得した不動産の所有権または共有持分権に基づく登記請求権は、時効によって消滅することはない、とする判例があります。

これは、最高裁判所第二小法廷平7・6・9判決ですが、その判決要旨は、遺留分権利者が特定の不動産の贈与につき減殺請求をした場合には、受贈者が取得した所有権は遺留分を侵害する限度で当然に右遺留分権利者に帰属することになるから(最高裁昭和50年(オ)第920号同51年8月30日第二小法廷判決、最高裁昭和53年(オ)第190号同57年3月4日第一小法廷判決)、遺留分権利者が減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記手続請求権は、時効によって消滅することはないものと解すべきである。これと同旨の原審の判断は是認することができ、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない、としています。


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遺留分(その十五の四)

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減殺請求権は、1年という短期間で消滅時効にかかってしまうため、実際の事件では、この1年の起算点の採りかたについて争いが生じがちです。

民法は、消滅時効の起算点について、特に、「減殺をなすべき贈与または遺贈があったことを知った時」と定めています。

つまり、相続人が贈与または遺贈があった事実を知っただけでなく、これに加えて、これらの贈与または遺贈が遺留分を侵害するという事実を知った時から起算されるのです。


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遺留分(その十五の三)

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遺留分減殺は、既に被相続人が生前に行った贈与まで含めて、その結果の覆すわけですから、1年という短い期間を定めて、その権利を消滅させて、取引の安全の要求と間ての調整を図ろうとするのが本条の趣旨です。

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遺留分(その十五の二)

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 まず、相続の開始を知った時とは、「相続は、死亡によって開始」(882条)しますので、被相続人が死亡したのを知った時ということになります。

次に、減殺すべき贈与を知った時とはいつでしょうか。
 
判例は、減殺すべき贈与を知った時とは、遺留分権利者が単に減殺の対象とされている贈与のあったことを知るだけでは足りず、贈与が遺留分を侵害し、減殺することができるということまで知る必要があるとしています(大判明38・4・26)。


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遺留分(その十五の一)

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第1042条(減殺請求権の期間の制限)
 減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

本条は、減殺請求権の時効について定めています。

遺留分減殺請求権は、相続の開始と減殺をなすべき贈与または遺贈があった、という事実を知った時から、1年間行使しないときは、時効にかかり消滅します。

また、相続開始の時から10年経過すると、同様に消滅します。


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遺留分(その十四の三)

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目的物価額の算定基準時については、判例は相続開始時ではなく、訴訟での事実審口頭弁論終結時としています(最判昭51・8・31)。

なお、価額弁償後の目的物帰属については、遺留分減殺により特定の財産を取り戻すと、目的物は相続人に復帰するが、金銭による支払いがされても、目的物は受贈者に帰属したままである、としています(最判平4・11・16)。


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遺留分(その十四の二)

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遺留分に基づく減殺請求は、特定の財産の取り戻しを認めています。

しかし、遺留分は本来、相続財産に対する一定の割合額を意味するものですから、民法は本条によって、減殺の相手方は、金銭でもって特定財産の価格支払うことによって、目的物の返還を免れることができる旨を定めています。


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遺留分(その十四の一)

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第1041条(遺留分権利者に対する価額による弁償)
 
受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。
2  前項の規定は、前条第一項ただし書の場合について準用する。

受贈者および受遺者は、減殺請求を受けた場合に、その目的物を返還することに代わって、減殺を受ける限度で、贈与または遺贈された目的物の価額を遺留分権利者に弁償することによって、責任を免れることができます。


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遺留分(その十三の十)

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本条は、遺贈の目的物が第三者に譲渡されたり、その上に権利が設定されている場合については何も規定していません。

しかし、遺贈の場合にも本条を類推適用すべきだと説く説もあります。

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遺留分(その十三の九)

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なお、価額弁償すべき額については、次のような判例があります。

遺留物減殺請求を受けるよりも前に遺贈の目的を譲渡した受遺者が遺留分権利者に対して価額弁償すべき額は、譲渡の価額がその当時において客観的に相当と認められるべきものであったときは、右価額を基準として算定すべきである(最判平10・3・10)としています。


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遺留分(その十三の八)

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本条2項は、受贈者が贈与を受けた財産に権利を設定した場合に準用すると定めていますが、その趣旨は、たとえば受贈者が、その不動産の上に地上権や抵当権を設定した場合に、原則として、地上権や抵当権が付いたままで返還させ、これらの権利が設定されたために不動産の価格が下がった分を金員で返還させるというものです。

したがって、第三者は地上権や抵当権をそのまま保持できることになります。

もっとも、受贈者・第三者が遺留分侵害むを知っていた場合には、1項但書を準用して、これらの地上権や抵当権をも減殺して、消滅させることができます。


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遺留分(その十三の七)

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さらに、この最高裁判例は、相続人の一部減殺によって取得された相続人の持分に関しては、受贈者は無権利者ですから、転得者がこの持分について権利を取得する謂れはまったくなく、したがって、対抗要件の問題が生じる余地はない、と批判されています。

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遺留分(その十三の六)

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この判決に対しては、反対説が唱えられています。

すなわち、受贈者から転得者への譲渡があった後に、減殺請求がなされた場合には、遺留分権利者の登記の有無にかかわらず、不動産を減殺して取り戻せるのに(1項但書)、受贈者への減殺請求後に譲渡がなされると事情が全く異なることは理解できないし、そのように扱う理由はないと説いています。

そして、むしろ後者の方がより遺留分権利者が保護されてしかるべきである、と論じています。


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遺留分(その十三の五)

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このような事実関係のもとで、最高裁は最判昭33・10・14を引用して、相続が介在した二重譲渡の関係、つまりCがBへ不動産を譲渡したのに、DかCを相続したのちに、この不動産をEに譲渡した関係と同じで、Bに持分取得登記がなければ敗訴としました。

つまり、受贈者に対して相続人が贈与不動産の減殺を請求しにもかかわらず、その後、受贈者からさらに転得者に譲渡され、登記を経た場合に、相続人が転得者へ減殺と登記請求をしても、相続人の受贈者に対する減殺は一部減殺であり、これによって相続人と受贈者との不動産の共有関係が成立し、相続人のこの持分取得は登記がないため、転得者に対して対抗できないと判示したのです。


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遺留分(その十三の四)

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本条は、受贈者から転得者への譲渡があったのちに、相続人が減殺請求をした場合を想定しています。

それでは、相続人が受贈者に減殺請求をしたのちに、受贈者が目的物を得者に譲渡した場合には、果たして本条1項但書の適用があるのでしょうか。

判例は、同但書の適用を退けています(最判昭35・7・19)。

すなわち、Aの相続人Bは遺留分8分の2を侵害されたとして、Aから不動産の贈与を受けたCに対して減殺請求をしました。

ところが、Cが死亡してDが相続し、Eに再譲渡し移転登記もすませました。

BはEに対しても減殺請求をし、登記の抹消を求めました。


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遺留分(その十三の三)


1項の但書きは、第三者と受贈者が悪意であれば、取引の安全よりも遺留権利者の保護が優先するという趣旨の規定です。

そのため、第三者からの減殺による返還を認めたものです。

したがって、相続開始前1年内の贈与であれば、減殺の対象となります。

また、第三者が悪意であれば、受贈者の善意・悪意を問わず、第三者から減殺が可能であるとされています。

なお、本条1項の規定は、受贈者が贈与された財産に権利を設定した場合に準用されます(2項)。



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