司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

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財産分離(その八の二)

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財産分離の制度は、限定承認とは異なり、相続債権者や受遺者が相続財産からだけ弁済を受けるわけではありません。

相続財産で全部の弁済を受けられなかった場合には、相続人の固有財産からも弁済を受けることを請求できます。

もっとも、相続人の債権者が存在するときには、その弁済期が到来するまでは、相続債権者や受遺者は待たなければなりません。

なお、破産法においては、相続財産管理人は、相続財産をもって相続債権者および受遺者に対する債務を完済することができないと認めるときは、直ちに相続財産に対する破産宣告の申し立てをしなければならないとされています(破産法224条)。



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財産分離(その八の一)

第948条(相続人の固有財産からの弁済)
 財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者は、相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行使することができる。この場合においては、相続人の債権者は、その者に先だって弁済を受けることができる。

財産分離の請求をした者や配当加入の申出をした者は、相続財産から全部の弁済を受けられなかった時に限って、相続人の固有財産からその残りの弁済を受けることができます。

もっとも、この場合には、相続人の債権者が弁済を受けた後に、はじめて弁済されることになります。



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財産分離(その七の二)

相続財産が、全債権者を満足させられない場合には、各債権者は各々の債権額の比例割合に応じて、配当を受けます。

この場合、ある債権が弁済期未到来であっても、同様に配当を受けることが許されています。

ただし、相続財産上に抵当権や質権を設定し、他の債権に優先して配当を受けることができる債権を有する債権者には先に配当しなければなりません。

もっとも、このような者も配当加入の申出をしていなければ、この扱いはなされません。
なお、相続財産の処分方法については、限定承認の場合の規定が準用されます。



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財産分離(その七の一)

第947条 (相続債権者及び受遺者に対する弁済)
相続人は、第941条第1項及び第2項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。
2 財産分離の請求があったときは、相続人は、第941条第2項の期間の満了後に、相続財産をもって、財産分離の請求又は配当加入の申出をした相続債権者及び受遺者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。
3 第930条から第934条までの規定は、前項の場合について準用する。


相続人は、941条1項および2項の期間が経過するまでは、相続債権者や受遺者に対して弁済することを拒むことができます。

これは一部の債権者の抜け駆けを防ぐための規定です。

ある特定の者が弁済を受けてしまうと、他の債権者との公平性が損なわれてしまいます。

もし、そのようなことを相続人がしたために、他の相続債権者や受遺者が損害を受けた場合には、損害賠償をしなければなりません(934条)。


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財産分離(その六)

第946条(物上代位の規定の準用)
 第304条の規定は、財産分離の場合について準用する。

物上代位の規定(304条)は、財産分離の場合に準用されます。
物上代位とは、ある物または権利の法的な属性が当該物や権利に関連する他の物や権利に及ぶことをいいます。

本条に関しての具体例としては、相続人が相続財産に属する不動産を、財産分離の登記をする前に、第三者に売却してしまったような場合の代金を相財産の中に組み入れて、それを相続債権者や受遺者への弁済に充ててもよいとするものです。

これには、相続財産中の動産を192条の要件を充たす第三者に売却された場合の代金、相続財産を賃貸しした場合の賃料、相続財産が滅失または損傷した場合に相続人に支払われた賠償金。保険金等も含まれます。

もっとも、相続債権者や受遺者が、この物上代位権を行使しようとする場合には、その代金や賠償金が相続人に払い渡される前に差押えをしておかなければなりません(304条1項但し書き)。


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財産分離(その五の三)


前述したように、この規定が置かれたのは、相続債権者や受遺者の利益保護の観点と、取引の相手方の保護との調整をとろうとしたものです。

では、動産についてはというと、やはり両者の利益の調整を図る必要性があります。

そのような意味合いから、動産については、第三者の善意取得は認めるという立場をとるべきです。



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財産分離(その五の二)

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財産分離の登記は次のように記録されます。

順位番号 ○
登記の目的 相続財産分離
受付年月日・受付番号 平成○○年○○月○○日第○号
原因 平成○○年○○月○○日相続財産分離
権利者その他の事項 権利者 ○○市○○町○番〇号 ○○○○

本条は動産については何も規定していませんから、動産に関しては第三者に対抗することについて制限がないことになります。
したがって、相続債権者や受遺者は、財産分離の請求のあった相続財産であることを立証して、返還の請求をすることができます。


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財産分離(その五の一)

第945条 (不動産についての財産分離の対抗要件)
財産分離は、不動産については、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。


財産の分離がなされたときは、不動産に関しては、その登記をしなければ、財産が分離されたことを第三者に対抗することはできません。

財産分離の請求が行なわれると、相続人は相続財産を処分することが禁止されます。

そして、相続人がそれを処分したとしても、原則として無効になります。

これは、相続債権者や受遺者の利益を損なわないようにする措置です。

しかし、この点を過剰に強調すると、事情を知らないで相続人と取引した第三者の保護に欠けることになります。

そこで、そのような取引の安全をおびやかすことがないように、この規定が置かれているのです。



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財産分離(その四の二)

相続人が、相続財産を管理するにあたって要求される注意義務の程度は、「その固有財産におけるのと同一の注意」です。

これは、659条にいう「自己のためにするのと同一の注意」と同じです。

相続人は自らすすんで、この管理を引き受けたわけではありませんから、注意義務の軽減が行なわれているわけです。

相続人は、相続財産を相続債権者や受遺者のために管理するのですから、受任者と同様な義務を負うものとされています。

 645条から647条までおよび650条第1項および第2項の規定は準用されます。

この場合は、受任者は相続人、委任者は相続債権者あるいは受遺者、事務の処理は相続財産の管理と読み替えます。

以上の規定は、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合には、適用されないことはいうまでもありません。



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財産分離(その四の一)

第944条(財産分離の請求後の相続人による管理)
 相続人は、単純承認をした後でも、財産分離の請求があったときは、以後、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理をしなければならない。ただし、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任したときは、この限りでない。
2 第645条から第647条まで及び第650条第1項及び第2項の規定は、前項の場合について準用する。

単純承認をした後であれば、本来、相続人は自由に財産を処分できるはずです。

しかし、財産分離の命令が出されると、その後は相続財産に関しては、相続債権者と受遺者に対する優先的弁済の目的に充当されることになります。

そこで、財産分離の請求があったときは、将来出されるであろう財産分離命令に備えて、相続財産は適当な管理下に置かれなければならないという社会的な要請が生じます。

本条においては、分離請求があった後には、まず一次的に、相続人が相続財産管理の責任を負うことを規定しています。


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財産分離(その三の二)


家庭裁判所が行なう処分の中には、相続財産の管理人を選任するという処分も含まれています。

このような管理人が選任されると、当然のことながら相続人の相続財産に対する管理義務はなくなります。

なお、民法27条から29条までの不在者の管理人に関する規定は、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用されます。


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財産分離(その三の一)

第943条(財産分離の請求後の相続財産の管理)
 財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。

2 第27条から第29条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する

財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分をすることができます。

相続財産の分離制度は、相続債権者、受遺者または相続人の債権者を保護するためのものです。

相続財産の分離の請求がだされると、それ以後は、相続人は自己の固有財産を管理すると同様な注意をもって相続財産を管理しなければならなくなります。

しかし、その管理を相続人に任せておくのが適当ではないと家庭裁判所が判断したときには、職権で相続財産の管
理に必要な処分を命じることができるのです。



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財産分離(その二)

第942条 (財産分離の効力)
財産分離の請求をした者及び前条第2項の規定により配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先だって弁済を受ける。

相続財産分離命令が出されると、財産分離の請求をした者と配当加入の申出をした者は、相続財産から相続人の債権者に優先して弁済を受けることになります。

この第一種の財産分離においては、その公告に応じて、配当加入の申出をしないと、たとえ相続債権者や受遺者であっても、優先的な弁済は受けられません。

もっとも、この申出を怠った者も、分離された相続財産の残部から、相続人の固有債権者とともに弁済を受けることはできます。

この制度は、限定承認の制度とは異なり、相続財産からだけでは全部の債権の弁済を受けられなかったときは、相続債権者や受遺者は、その分を相続人の固有財産から弁済してもらうことができるのです。



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財産分離(その一の三)

家庭裁判所が、財産の分離を命じたときには、その申立てをした者は、5日以内に、他の相続債権者と受遺者に対して、財産分離命令があったことと、一定の期間内に、配当加入の申立てをするようにと公告をしなければなりません。

この場合には、申立てをできる期間は2か月以上としなければなりません。

この公告は、官報に記載してすることになります。

もっとも、この場合には、限定承認の場合のような、判明している債権者に対する個別な催告は必要とされていません。

財産分離の申立ては、限定承認や相続放棄があった後でも、所定の期間内であればすることができます。

これは、限定承認や相続放棄が後に無効となる可能性もあることを見込んでの措置です。

逆に、財産分離の申立てが行なわれた後でも、所定の期間内であれば限定承認や相続放棄をすることがきます。

もっとも、この場合においては、財産分離は意味を失いますので、その手続きは停止されます。

なお、家庭裁判所の財産分離の審判の結果について不服のある当事者は、5日以内に、高等裁判所に対して即時抗告をすることができます。


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財産分離(その一の二)


相続財産の分離は、相続開始後3か月以内に、家庭裁判所に申し立てることによってなされます。

の場合,申し立てが許されているのは、相続債権者と受遺者です。

もっとも、包括受遺者は相続人と同一の地位にありますから、申立ての相手方とはなっても、申立人にはなれません。

申立ての相手方は相続人ですから、相続人が数人ある場合には、その全員を相手にします。

また、相続財産と相続人の固有財産が混合していない間であれば、3カ月が経過していても申立てができます。
このように相続債権者や受遺者による財産分離請求によるものを第一種の財産分離と呼んでいます。



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財産分離(その一の一)

第941条(相続債権者又は受遺者の請求による財産分離)
 相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から3箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。
2 家庭裁判所が前項の請求によって財務分離を命じたときは、その請求をした者は、5日以内に、他の相続債権者及び受遺者に対し、財産分離の命令があったこと及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。
3 前項の規定による公告は、官報に掲載してする。


財産分離とは、関係債権者の公平をはかるために、相続財産と相続人の固有財産とを分離させ、相続財産を清算する制度のことです。

相続が開始すると相続財産と相続人の固有財産は混合して相続人のものとなります。

そこで、本来は相続財産だけから弁済が受けられるはずの相続債権者や受遺者は相続財産と相続人の固有財産の両方から弁済を受けることになります。

これと同様に、本来は相続人の固有財産だけから弁済を受けられるはずの相続人の債権者も、相続財産と相続人の固有財産の両方から弁済を受けられることになります。

このような場合でも、債権者平等の原則は作用しますから、相続人の債権者と相続債権者や受遺者の間には優劣はつけられていません。

そこで、たとえば相続人の固有財産が債務超過となっていた場合にも、相続人の債権者は相続財産からも弁済を受けられるので、有利になります。

ところが、これは相続債権者や受遺者にとっては、それだけ相続財産の内容が悪化しますので、不利益となります。

他方、相続財産が債務超過の場合には、逆に相続債権者や受遺者が有利になります。

そこで、相続が開始することによって関係する債権者間に不公平が生じないようにし、それぞれの債権者が本来有していた地位を保護するために設けられたのが、この財産分離の制度です。



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相続放棄(その三)

第940条(相続の放棄をした者による管理)
 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
2 第645条、第646条、第650条第1項及び第2項並びに第918条第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。


相続放棄をした者は、もはや初めから相続人ではなかったわけですから、相続財産については、何らの権利義務も有してはいないはずです。

しかし、相続財産を放置してしまうことは、つぎにその放棄によって相続人となった者のためにも、社会経済上の見地からも望ましいことではありません。

そこで、相続放棄者に、相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、相続財産の管理を続ける義務を負わせることにしているのです。

もっとも、相続放棄をした以上、相続財産は他人の物になっているため、相続放棄者の管理義務は「自己の財産におけるのと同一の注意」に軽減されています。
この義務に違反して相続人に損害を与えた場合には、損害賠償責任が生じます。

なお、相続放棄者には、645条、646条、650条1項、2項に定められている受任者の権利義務の規定が準用されます。

また、家庭裁判所は、918条2項、3項を準用して遺産の管理人を選任することができます。



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相続放棄(その二の二)


相続放棄者は、最初から相続人とならなかったものとみなされますから、放棄者以外の他の相続人が初めから相続人であったことになります。

相続の第一順位者は子ですから、孫は子の代襲相続権者に過ぎません。

したがって、子がすべて放棄した場合には、放棄者の子である孫は相続できません。

また、放棄者は初めから相続人ではなかったのですから、その子には代襲相続権はありません。

このことは、相続欠格者や廃除者の子に代襲相続権があることとの対比では、不公平感は免れません。



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相続放棄(その二の一)

第939条(相続の放棄の効力)
 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

相続人が、相続放棄をすれば、その相続人は初めから相続人とならなかったものとして取り扱われます。
相続が開始すれば、相続財産はいちおう相続人に帰属します。

しかし、放棄すれば、その相続財産は一度も相続人のものにはならなかったものとされるのです。

これは、負債についてもまったく同様です。

したがって、放棄した相続人は、その相続に一切関係しなかったものとみなされることになります。



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相続放棄(その一の二)

家庭裁判所は、申述書に記載されている事項が形式的に整っているかどうか、また相続放棄が本人の真意に出たものであるかどうかを審査することができます。

しかし、実際には本人を呼び出して,その者の真意を確かめることは殆ど行ってはいません。

そのため、相続財産を共同相続人の一部の者に相続させるために、この放棄の申述が本人の真意に出ないままになされる場合も見受けられます。

なお、放棄の申述が却下されたときは、即時抗告ができます(家審規115条2項)。

もっとも、申述が受理審判された場合には、明確な定めはなく、即時抗告はできないとされています(大阪高:決昭38・10。1)。



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相続放棄(その一の一)

第938条(相続の放棄の方式)
 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

相続の放棄の申述をするには、家庭裁判所に申述書を差し出さなければなりません。
 相続の放棄の申述書には、次の事項を記載し、申述者または代理人がこれに署名押印しなければなりません(家事審判規則99条、114条1項)。
① 申述者の氏名及び住所
② 被相続人の氏名及び最後の住所
③ 被相続人との続柄
④ 相続の開始があつたことを知った年月日
⑤ 相続の放棄をする旨



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相続の承認及び放棄(その二十三の三)

921条の1号によって、共同相続人の中の一部の者が、承認または放棄する前に、相続財産の全部または一部を処分したときは、その本人は単純承認をしたものとみなされますが、他の共同相続人は限定承認をする権利を奪われません。

また、共同相続人が共同して限定承認した後に、その中の一部の者が相続財産の全部または一部を隠匿し、私に消費し、または悪意でこれわ相続財産目録に記載しなかったときも、921条3号により、単純承認したと同様に取り扱われます。


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相続の承認及び放棄(その二十三の二)

相続人が数人ある場合には、その全部の相続人が共同しないと限定承認をすることは許されていません(923条)。

したがって、もし共同相続人の中の誰かが、法定単純承認をしたものとみなされた場合には(921条)、問題が生じます。

このような場合に、全員を単純承認したものとみなすことは、他の相続人にとって酷な取り扱いになります。

そこで、他の全員はなお限定承認をすることができることにし、単純承認をしたとみなされた者だけに、単純承認の責任を負担させることにしているのです。

民法は、このようにして921条と923条との調和を図っているわけです。


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相続の承認及び放棄(その二十三の一)

第937条(法定単純承認の事由がある場合の相続債権者)
 限定承認をした共同相続人の一人又は数人について第921条第1号又は第3号に掲げる事由があるときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、当該共同相続人に対し、その相続分に応じて権利を行使することができる。

限定承認をした共同相続人の中の一人または数人の者が、921条1号にあげられているような、相続財産の全部または一部を処分した場合や、同条3号にあげられている遺産の隠匿等の行為をした場合には、限定承認がなされたために相続財産から一部の弁済しか受けられなくなっている相続債権者は、その未払額を法定単純承認の事由がある共同相続人から、それぞれの相続分に応じて取立てることが許されています。


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相続の承認及び放棄(その二十二の二)

相続人が数人ある場合は、限定承認の申述書を受理した家庭裁判所は、職権で相続財産の管理人を選任しますが、この管理人が全相続人を代表して。相続財産の管理・清算を行うことになります。

この管理人は他の相続人の代理人ということになりますから、訴訟法上も他の相続人の法定代理人として訴訟を遂行します(最判昭47・11・9)。

したがって、管理人が選任されると、他の相続人は相続財産の管理・清算の権利義務を失います。

926条から935条までの規定に定められたことは全てこの管理人が行ないます。

もっとも、927条1項の公告は、管理人に選任された後10日以内にすればよいことになっています。



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相続の承認及び放棄(その二十二の一)

第936条(相続人が数人ある場合の相続財産の管理人)
 相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の管理人を選任しなければならない。
2 前項の相続財産の管理人は、相続人のために、これに代わって、相続財産の管理及び債務の弁済に必要な一切の行為をする。
3 第926条から前条までの規定は、第1項の相続財産の管理人について準用する。この場合において、第927条第1項中「限定承認をした後5日以内」とあるのは、「その相続財産の管理人の選任があった後10日以内」と読み替えるものとする。

相続人が数人ある場合は、全員が共同しなければ限定承認はできません(923条)。

したがって、限定承認した場合の相続財産の管理・清算は共同してしなければならないことになります。
しかし、これは現実的にはまことに不便ですから、限定承認の申述書を受理した家庭裁判所は、相続人の中から相続財産の管理人を選任しなければならないものとしています。


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相続の承認及び放棄(その二十一の二)

本条でいう「残余財産」とは、債権申出期間内に申し出た債権者、申出をまたずに判明している債権者・受遺者および相続財産上に特別な担保を有している債権者に弁済した残りの財産のことです。

相続財産について特別な担保を有する者とは、留置権、特別先取特権、質権、抵当権を有する者のことです。
これらの者に対しては、限定承認者は最優先して弁済しなければなりませんし、弁済を受けられない場合には、それらの目的物に対して担保権の実行ができることはいうまでもありません。



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相続の承認及び放棄(その二十一の一)

第935条 (公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者)
第927条第1項の期間内に同項の申出をしなかった相続債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかったものは、残余財産についてのみその権利を行使することができる。ただし、相続財産について特別担保を有する者は、この限りでない。


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限定承認者は、一定期間内にその権利を申し出た相続債権者と申し出がなくても知れたる相続債権者に対して、相続財産から弁済をしなければなりません(929条)。

次に、同様な条件の受遺者に対して、遺贈された財産の引き渡しや遺贈された金額の弁済をしなければなりません(931条)。

最後に、第927条第1項の期間内に、申出をしなかった相続債権者および受遺者の中の限定承認者に知れなかった者については、「残余財産」についてだけしか弁済を受けることができないとされています。


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相続の承認及び放棄(その二十の二)


限定承認者が、誤った清算手続きをしたことを知っていながら弁済を受けた相続債権者や受遺者は、他の相続債権者や受遺者から求償されることになります。

弁済を受けた者たちは、限定承認者の義務違反を承知しながら受領したわけですから、その制裁措置として当然の規定です。

求償額は、弁済を受けた相続債権者や受遺者が公正な弁済額以上に弁済を受けた額あるいは他の相続債権者や受遺者の蒙った損害額の相当額です。

本条1項の場合も2項の場合も、724条の規定が適用されます。

724条は不法行為による損害賠償請求権の短期消滅時効の規定ですから、1項の損害賠償請求権も2項の求償権も、3年または20年の時効にかかることになります。




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相続の承認及び放棄(その二十の一)

第934条(不当な弁済をした限定承認者の責任等)
 限定承認者は、第927条の公告若しくは催告をすることを怠り、又は同条第1項の期間内に相続債権者若しくは受遺者に弁済をしたことによって他の相続債権者若しくは受遺者に弁済をすることができなくなったときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。第929条から第931条までの規定に違反して弁済をしたときも、同様とする。
2 前項の規定は、情を知って不当に弁済を受けた相続債権者又は受遺者に対する他の債権者又は受遺者の求償を妨げない。
3 第724条の規定は、前2項の場合について準用する。

限定承認者が、清算手続きを誤った場合の責任について、本条は規定しています。

すなわち、 限定承認者が、第927条の公告や催告をすることを怠り、または同条第1項の期間内に相続債権者や受遺者に弁済をしたことによって他の相続債権者や受遺者に弁済をすることができなくなったときは、これらの者に対して、その損害を賠償しなければなりません。

また、929条から931条までの規定に違反した場合も、同様です。

限定承認者が、以上のような誤った清算手続きをおこなったときは、その限定承認者は、民法所定の義務に違反したことになりますから、そのことによって損害を受けた相続債権者や受遺者に対して損害を賠償する責任が生じるのは当然のことです。


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