司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

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相続分(その七の一)

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第905条 (相続分の取戻権)
共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
2 前項の権利は、1箇月以内に行使しなければならない


共同相続人は、遺産分割前は、遺産全体の上に各自の相続分に対応した権利を有しています。

この相続人の権利は、譲渡することができます。

相続人の一人が、その相続分を他人に譲渡すると、その他人が相続人代わって遺産の管理や分割に参加することになります。

このような事態は、他の相続人にとっては好ましいものではありません。

そこで、他の相続人に、譲り受けた第三者から、それを買い戻す権利が与えられているのです。


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相続分(その六の五)

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寄与分を組み込んだ具体的相続分の計算は、特別受益者がある場合と同様です。

すなわち、遺産の価額から寄与分を差し引いた「みなし相続財産額」を算出し、これに各相続人の相続分を乗じて「本来的相続分」を計算し、それに寄与の価額を加えたものが寄与相続人の具体的相続額となります。



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相続分(その六の四)

寄与分の上限は、被相続人が死亡時に有していた財産の額から、遺贈した財産の額を差し引いた残額となります。

したがって、全財産が遺贈されている場合には、寄与分が主張される余地ないことになります。

すなわち、遺贈は寄与に優先します。

もともと、寄与は遺産分割時に具体的相続分を定める際に、考慮されるものですから、遺産から遺留分を差し引いた残額の範囲内で考慮されるのは当然のことです。

つまり、相続人の意思が寄与分の決定に優先することになります。



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相続分(その六の三)

特別の寄与をした相続人だけが寄与分を認められます。

したがって、包括受遺者は本来、相続人と同一の権利義務を有し、遺産分割にも参加しますが、遺贈を受けることによって、その貢献分は清算されるものとみて、寄与分を認める必要はないものとされています。

また、相続分の譲受人も、譲渡相続人の寄与分を主張できない、と考えられます。

寄与分は、特別な寄与をした相続人の一身専属的な性格を帯びているからです。

なお、夫婦間、親子間の通常の協力・扶助は、特別の寄与とはいえません。

夫婦は本来、相互に協力・扶助する義務を負っているからです。

直系血族および同居の親族も相互に扶助する義務があります。

いずれの場合も、一般的な義務の範囲を超えるものでなければ、特別の寄与とはいえません。


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相続分(その六の二)

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相続人による協議が調わないとき、またはなんらかの事由で協議ができないときは、寄与した者が、家庭裁判所に申立てを行います。

この場合、家庭裁判所は、寄与の時期、方法および程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分の額を定めます。

すなわち、寄与の額は、最初から確定しているものではなく、共同相続人の協議または家庭裁判所による諸般の事情を勘案したうえでの裁量によって、妥当な額が形成されることになるのです。



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相続分(その六の一)

第904条の2(寄与分)
 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4 第2項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。


 共同相続人中に、被相続人の事業に対して労務の提供したり、財産上の給付を行ったり、または被相続人の療養看護その他の方法によって被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者がある場合には、被相続人が相続開始の時に有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなすことになります。

そして、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額を、その者の相続分とします。


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相続分(その五の二)

天災や他人の行為により贈与を受け物が滅失した場合には、この計算には算入しません。

したがって、贈与を受けなかった者と同様に扱われます。

では、金銭の贈与を受けた場合は、どうなるのでしょうか。

金銭の価値は、物価の変動により大きく影響を受けます。

物を貰った場合には、物価の騰貴はそのまま評価されますが、金銭を貰って物を買った場合には、貰った金額のまま計算されるために、非常な不公平が生じます。

したがって、物価指数による換算が必要になります。

通説によると、評価は相続開始時の時価ということになります。

しかし、実際の評価は、遺産分割時になされますので、その時点での時価という方が妥当です。


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相続分(その五の一)

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第904条 前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。


生前に贈与された贈与の価額は、贈与を受けた者の行為により、その財産が滅失したり、または価格の増減があったりした場合でも、相続開始時において、なお贈与されたままの状態で存在するものとして、その時価で評価します。

前条においての計算を行うためには、贈与された財産の評価が必要なことはいうまでもありません。

本条では、贈与された財産が原状で存在するものとして、その時価で評価すると定めています。



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相続分(その四の六)

相続人の一部の者が受けた贈与や遺贈が多額な場合には、他の相続人の遺留分に食い込むことがあります。

そのような場合には、遺留分取戻の問題になります。

もっとも、本条の規定は、被相続人の意思を推測してのものですから、もし、被相続人が本条の趣旨とは異なった意思、たとえば贈与または遺贈を受けた者に対する特別な取分であるという意思表示を示している場合には、それに従うことになります。



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相続分(その四の五)

本条は、相続分の前渡しを受けた者と、そうではない者との間の公平を図る規定です。

本条による計算上の取分以上のものを前渡しされていた相続人は、現実の遺産に対する取分はないことになります。

したがって、そのことの証明があれば、他の相続人は、その者を除外して、遺産分割・相続登記ができます。

この証明書のことを、一般に903条証明書と呼んでいますが、実際には生前贈与を受けていない場合でも、この証明書により、相続放棄の手続きを省いて、事実上の単独相続が行なわれている例もみられます。

もっとも、各相続人の意思が合致していれば、必ずしも無効とは言えません。



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相続分(その四の四)

相続人の中に、前述した種類の贈与または遺贈を受けている者がある場合には、まず、被相続人が死亡時に有していた財産の価額に、贈与された財産の価額を加えて、その合計額を遺産と仮定します。この価額のことを「みなし相続財産額」といいます。

次に、それを基礎にして法定相続分または指定相続分によって計算し、各相続人の相続分額を算出します。この価額を「本来的相続分額」といいます。

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さらに、その中から各自が受けた贈与または遺贈の価額を差し引き、残額をその者の相続分額とします。
この額のことを「具体的相続分額」と呼んでいます。


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相続分(その四の三)


計算に算入する贈与とは、次のようなものです。
① 結婚または養子縁組のための贈与は、持参金、支度金、結婚の支度としての品物等です。
通常、挙式費用は含まれません。
② 生計の資本としての贈与には、分家のための贈与や新しく商売を始めるための資本だけでなく、給与生活者のための住宅建築資金も含まれます。
他の兄弟とは異なる特別な教育を受けた場合も、これに入ります。
③ 生命保険金、死亡退職金、遺族扶助料等の受取人が相続人の中にいる場合は、これを計算に算入するかどうかは議論が分かれています。
少なくとも、被相続人が払い込んだ保険料については、本来遺産となるべき財産から支出されたものとみるべきでしょう。
もっとも、裁判例の多くは、特別受益に当たらないとしています。
④ 通説によると、本条の計算の中には遺産中の債務は含まれないとしていまます。
しかし、債務の相続分に関しては、法定相続分によるもの、本条の計算の結果による遺産に対する相続分によるもの、贈与、遺贈、遺産分割も含めて、現実に取得した相続利益によるものとするもの、とする等の見解が分かれています。


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相続分(その四の二)

本条は、相続分額の計算に際して、各相続人が被相続人から受けた財産的利益を被相続人の意思に反しない限りで、計算に算入することによって、各相続人間の具体的な公平を図ろうとする規定です。

相続人の種類は問いませんから、代襲相続人も含まれます。

代襲相続の場合には、被代襲者の分も計算に算入します。
贈与を受けた時に、相続人となるべき地位にあったことは必要ではありません。

したがって、受贈者が、後に養子になった場合にも該当します。

相続を放棄した者は、相続人ではなかったことになりますから、その者の受けた贈与分は算入されません。
包括受遺者は、相続人と同様に扱われますから、その者の受けた贈与分は算入されます。



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相続分(その四の一)

第903条(特別受益者の相続分)
 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、または婚姻、養子縁組のためもしくは生計の資本として生前に贈与を受けた者がいる場合には、この者については相続分の前渡しを受けた者として取り扱うこととしています。

このようにして特別の利益を受けた者のことを、特別受益者と呼んでいます。

そして、その特別受益者が受けた受益分をいったん遺産に戻してから、あらためて相続分を計算することを特別受益の持戻しといいます。
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相続分(その三の二)

なお、債務だけの相続分を別に指定することは許されていません。

債務者間の公平の面からも、対債権者との絡みからも妥当ではないからです。

被相続人の債権者は、相続分の指定に拘束されることはありません。

法定相続分に従って、各相続人に履行を請求することもできます(民899条)。

指定された相続分に従って分割すると、遺留分に満たない額しか受け取れない相続人が出た場合には、その相続人は不足分を取り戻すことができます。

遺留分の規定に反した相続分の指定は、>
無効となるわけではありません。



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相続分(その三の一)

第902条(遺言による相続分の指定)
 被相続人は、前2条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前2条の規定により定める。


被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を指定することができます。

または、第三者に委託して、この指定をすることもできます。

もっとも、この場合でも、遺留分の規定に違反する指定はできないことになっています。

相続人が数人ある場合には、それらの者はそれぞれ年齢、社会的地位、被相続人との親密さの度合い等に差があります。

そこで、被相続人が、それらの諸事情を勘案して、遺言で、適当と思われる相続分を自ら決め、または第三者に決めさせることができることにしたのです。


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相続分(その二)

第901条(代襲相続人の相続分)
 第887条第2項又は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系卑属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2 前項の規定は、第889条第2項の規定によって兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。


代襲相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じです。
つまり、親が相続したであろう相続分と同じだということです。

ただし、直系卑属が数人いるときは、その各自の直系卑属が受けるべきであった部分について、900条が定める法定相続分に応じて相続します。

兄弟姉妹を代襲して、その子、つまり被相続人の甥・姪が相続する場合も、相続分は1項の規定を準用します。



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相続分(その一の二)


相続分について、非嫡出子を差別するのは、法の下の平等(憲法14条1項)に違反するという批判が根強くありますが、最高裁は、合理的理由のない差別とはいえないとしています(最大決平7・7・5)。

① 配偶者がなくて、子だけであれば、子が全遺産を相続します。子が数人いれば、頭数で等分しますが、嫡出と非嫡出の差別があります。

② 配偶者と直系尊属が相続人である場合には、配偶者3分の2、直系尊属3分の1の割合で相続しますが、同順位の直系尊属が数人ある場合には、頭数で等分します。

③ 父母が死亡して、祖父母がいる場合は、父方母方の区別なく頭数で3分の1を等分します。

④ 配偶者がいない場合には、直系尊属だけで全遺産を等分して相続します。

⑤ 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合には、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1の割合で相続しますが、兄弟姉妹が数人いれば、4分の1を頭数で等分します。
ただし、全血か半血かによって差別されます。
実方の兄弟姉妹と養方の兄弟姉妹との間には、相続分の差別はありません。

⑥ 被相続人に血族の相続人がいないときは、配偶者が全遺産を相続します。


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相続分(その一の一)

第900条(法定相続分)
 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
1.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
2.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
3.配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
4.子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。


同順位の相続人が数人あり、遺言による相続分の指定がない場合には、相続分は次のようになります。
① 子と配偶者が相続人である場合には、子の相続分と配偶者の相続分は、それぞれ2分の1となります。

② 配偶者と直系尊属が相続人である場合には、配偶者の相続分は、3分の2で、直系尊属の相続分は、3分の1となります。

③ 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合には、配偶者の相続分は、4分の3で、兄弟姉妹の相続分は、4分の1となります。

④ 子、直系尊属、兄弟姉妹が数人ある場合には、各人の相続分は、平等になります。
もっとも、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1となり、父母の一方だけが同じである兄弟姉妹の相続分は、父母の双方が同じである兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。



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相続の効力(その四の三)

不可分債権の場合には、各相続人は他のすべての相続人のために、債務者に全部の履行を求めることができます。

債務の場合も、金銭債権等の可分債務は、各相続人が、各自の相続分の割合で分割された債務を負うとするのが判例の立場です。

また、連帯債務の場合も同様であるとしています。

この判例の立場に対しては、学説の強い反対があります。

特に、連帯債務が分割承継されるとすれば、連帯債務の実益が相続により失われてしまうことになるという点が非難されています。

不可分債務は、一体として不可分的に相続されますから、債権者は相続人の一人に対しても、全部の履行を請求できます。


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相続の効力(その四の二)

被相続人が死亡した時、貸金債権があり、それを二人以上の相続人が相続した場合には、その貸金債権は、各自の相続分の割合によって準共有されることになります。

したがって、各自が債務者に対してその額を請求できることになります(最判昭29・4・8)。

判例の立場は、このように相続人が数人ある場合には、遺産中の金銭債権その他の可分債権は、法律上当然に分割され、各相続人がその者の相続分の割合に応じて権利を承継するとしています。

これに対して、有力説は、可分債権でも遺産分割が行われるまでは、一個の債権として不可分的に相続人全員が承継するとしています。

その理由は、債務者側の立場としては、各相続人に対して、その相続分に応じてそれぞれ支払わなければならないのはわずらわしいことであり、かつ相続分を正確に知ることは困難であるから、ある相続人に超過払いをしたときには、二重払いをさせられるおそれがあるというものです。



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相続の効力(その四の一)

第899条 
各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。


相続人の共有である分割前の遺産に対する各相続人の持分は、相続分の割合によります。

通常の共有のように、持分が等しいと推定されることはありません。

相続人は遺産中の動産、不動産、無体財産権等について、相続分の割合で共有します。
もっとも、債権・債務については、多数当事者の規定との関連で、いろいろと問題があります。


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相続の効力(その三の三)

遺産中の土地について、第三者に対して妨害排除の請求をしたり、登記の移転や抹消を求めたりする場合は、それらは保存行為ですから、相続人の一人から行うことができます(最判昭31・5・10)。
分割前に個々の財産を処分することは、相続人全員の合意に基づかなければなりません。

遺産中の不動産を、共同相続人の一人が勝手に処分した場合には、それ譲り受けた者が有効に取得できるのは、譲り渡した相続人の持分だけです。

たとえ、譲受人が譲渡人の単独所有だと信じて買受け、登記を経由したとしても、登記には公信力がありませんから、他の相続人は自己の持分を主張できます。

したがって、譲受人が全部の移転登記を受けている場合は、他の相続人は、譲渡人である相続人の持分に対応する持分登記に更正させることができます(最判昭38・2・22)。

相続分の指定がある場合には、相続開始時からその割合で共有していることになりますから、法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人が、遺産の中の不動産について法定相続分に応じた共同相続登記を、自己の持分を第三者に譲渡し移転登記を経たとしても、第三者はその相続人の指定相続分に応じた持分しか取得できません(最判平5・7・19)。

なお、遺産の中の動産については、共同相続人の一人が、勝手に売却した場合には、買手が192条の要件をみたしていれば、即時取得によって保護されることになります。



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相続の効力(その三の二)

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民法は、本条において遺産は共同相続人の共有となると定めました。
共有については、民法249条以下に規定が置かれています。

それでは、これらの規定が遺産の共有に関してもすべて当てはまるかというと、それには疑問があります。
学説の多数は、一般の共有の規定をそのまま適用することはできないとしています。

その理由は、持分権、遺産分割、遺産の利用等の規定から判断して、遺産の共有は、遺産分割という目的のために設けられた暫定的で過渡的な共同所有であるからだ、としています。


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相続の効力(その三の一)

第898条 (共同相続の効力)
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。


相続人が数人いる場合は、遺産はその共同相続人の共有となります。

各人の相続分は、法定されていますが、その割合に応じて、誰がどの財産を取得するのが確定するのは、相続人全員の協議によって遺産の分割をした時点です。


遺産分割の結果、誰が何を取得するかが決まると、その財産は相続開始時に遡って、被相続人から直接承継したものとして取り扱われます。


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相続の効力(その二の二)


承継者は相続人以外の者でもかまいません。

特別な事情がない限り、一人に限られます。

祭祀に関する権利は、遺産から除かれますから、たとえ相続人の一人がこの承継者になっても、その相続人の相続分に変動はありません。

もっとも、祖先の祭祀行なう者に対し、その負担を労う目的で、被相続人が承継者を指定する際に、遺贈の形で、遺産の一部を与えることは差し支えありません。

この相続人が相続放棄や限定承認をしても、祭祀の権利の承継には影響しません。

これらの祭祀用の道具等にも通常の財産として所有権が成立しますから、承継した者は、自己の所有物として処分ができます。

なお、遺骨は、慣習にしたがって、祭祀を主宰する者に帰属します(最判平18元・7・)。



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相続の効力(その二の一)

第897条(祭祀に関する権利の承継)
 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。


家系図、位牌、仏壇、墓石、墓地等の先祖の祭祀に用いる道具や墳墓には、経済的価値のあるものもありますが、相続財産からは外されています。

それらは相続人とは別に、祭祀の主宰者に承継されることになっています。

承継者は先ず、被相続人の指定によって定まります。

この指定の方式は特に定められていませんので、口頭でもかまいません。

次に、指定がなければ慣習に従います。

慣習が明らかでない場合には、家庭裁判所が定めます。


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相続の効力(その一の十二)

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香典は、死亡した者の葬儀その他の出資を補てんするために、喪主に贈られるものですから、遺産には含まれません
特定の身分に基づく権利は、たとえ財産的なものであっても相続されません。

たとえば、父が子と孫を扶養していたとき、子が死亡しても孫は子の扶養請求権を相続することはありません。

また、扶養義務も相続されません。

もっとも、既に発生した扶養料は、相続されます。
これは一般の金銭債務と同様です。

財産分与請求権については、判例は、慰謝料請求権の相続の場合と同様に、請求の意思表示が表示されていれば、相続されるとしています(名古屋高決昭27・7・3)。
財産分与義務も相続されます(仙台高判昭34・10・14)。

相続に関する権利義務、たとえば相続回復請求権、遺留分減殺請求権等は、相続されます。


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相続の効力(その一の十一)

退職金については、退職後に死亡した場合は、退職金は相続人に承継されます。

しかし、労働者が退職前に死亡し、退職金が直接、遺族に支払われる場合は、会社の就業規則で受取人が定められていることがあります。

判例は、支給規定に,受給権者の範囲、順位につき民法の規定する相続人の順位決定の原則と場合はもちろん、定めがない場合でも特段の事情がない限り、死亡退職金は遺産に属するものではなく,受給権者である遺族固有の財産であるとして、その相続制を否定しています(最判昭55・11・27)。

これは、死亡退職金の有する遺族の生活保障的性格を重視した判断であるといえます。

もっとも、相続税は課税されることになっています。



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相続の効力(その一の十)

第三者に不動産を譲渡して、まだ移転登記を経ないうちに死亡した場合には、相続人は死亡した譲渡人と同一の地位に立ちます。

代理人の地位は相続されません(111条1項1号)。

生命保険金請求権は、保険者と保険契約者との契約により、被保険者の死亡を原因として、保険金受取人について生じます。

この場合、受取人が保険契約によって個別的に定められていれば、相続人が受取人であっても、相続による取得とはいえないとされています(最判昭40・2・2)。

遺族年金は、特別法によって、死亡した者と一定の関係のある生存者に対して、年金の形で支給されるもので、年金の受給者およびその順序は法定されています。

したがって、それらの者は自己の固有の権利として年金を受け取るのであって、死亡した者の権利を承継するわけではありません。



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