司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

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相続人(その二の六)

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代襲する筈の孫が既に死亡していたり、また死亡していなくても相続権を失っているときには、孫に子があれば順次代襲します。

なお、同時に死亡した者相互間には相続は起こりません。

たとえば、父と子が一緒に旅行中に飛行機事故で死亡した場合には、同時死亡の推定がなされますから(民法32条の2)、父と子の間では相続は起こりませんが、子の子(孫)は、子を代襲して祖父を相続できます。

本条2項の「相続の開始以前」という文言は、同時死亡の場合を含んでいるからです。



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相続人(その二の五)

子を代襲する孫は、代襲される子が死亡、あるいは欠格・廃除になった時に生まれている必要はありません。

子が死亡した時に、未だ胎児であっても生きて生まれれば代襲相続できます。

子が欠格・廃除になった後に孫が生まれたり、子の養子になったりした場合にも、それらの者は子を代襲して、祖父を相続できます。

もっとも、祖父が死亡した時に、孫は存在していなければなりません。

胎児はすでに生まれたものとして取り扱われます。

当然のことながら、代襲する孫は、被代襲者である父に対しての相続権を有していなければなりません。


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相続人(その二の四)

相続人である子が早死にをした場合だけでなく、欠格、廃除によって相続権を失った場合でも,その者の子は代襲相続をします。

しかし、相続人が相続放棄した場合には,その者の子は代襲相続できません。
放棄は代襲原因とはなっていないからです。

したがって、子が全部放棄した場合には、その者の子ではなく、第二順位の直系尊属か兄弟姉妹が相続をすることになります。

また、兄弟姉妹が相続人である場合も、代襲原因が発生していれば、その子が代襲します。



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相続人(その二の三)


甲に乙、丙の二人の子があり、乙に乙1、乙2の二人の子があり、丙にも丙1、丙2の二人の子がある場合に、乙が父より先に死亡したとします。

その後に甲が死亡した場合には、第一順位の相続人は子ですから、丙だけが相続し、甲の孫である乙1、乙2は相続できないことになります。

それに比べて丙1、丙2は丙が甲を相続するので、丙を通して甲の遺産を承継することができます。

乙1、乙2にとっては、たまたま乙が甲より先に死亡したため、乙を通じて甲の遺産を承継するという期待が裏切られたことになります。

そのような状態は人情に反するため、本条2項では孫乙1、乙2は、死亡した乙に代わって、丙と並んで、祖父甲を相続できることにしています。

これを代襲相続といいます。

代襲相続は、自然の順序で相続が行われたならば、遺産を承継する期待を抱いている子孫を保護しようとする制度で、公平の原理に基づいたものです。


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相続人(その二の二)

父母が離婚した場合には、その未成年の子は、父母の何れかの戸籍に属し、またどちらかの親権に服します。

しかし、これらの事情は、子として父母双方に対する相続権には何らの影響は与えません。

嫡出でない子の母子関係は出生によって当然生じます。

一方、父子関係は、父の認知があれば生じます。

氏の異同に関係なく、親を相続できます。

もっとも、嫡出子とともに相続する場合には、相続分は嫡出子の2分の1となります(民法900条4号)。


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相続人(その二の一)

 
第887条子及びその代襲者等の相続権)
 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。


死亡した者の血族の中で、第一順位で相続人となる者は子です。

子が数人あるときは、共に相続人となります。

子とは、法律上の親子関係が認められているものであればよく、男女の性別、長幼、婚姻の有無、実子と養子、嫡出とそうでない者、戸籍の異同等の事情は、一切子の相続権の順位に影響を及ぼしません。

実子が普通養子になったり、婚姻して,親と氏を異にしていても、相続権には全く影響はありません。

養子も実子と全く同じ立場で、養親を相続します。

養子が普通養子である場合には、その養子は養親と実親の双方の相続ができます。

もっとも、特別養子の場合には、実親を相続できません。



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相続人(その一の三)

胎児が死産をすれば、最初からなかったものとして取り扱われます。

これは当然の規定ですが、一旦生きて生まれれば、たとえその直後に死亡しても、その子が相続し、さらにその子についての相続が開始されます。

なお、祖父母が死亡するまでに、父が相続資格を失っている場合には、祖父母の死亡時に胎児であった子も生まれれば、父に代わって祖父母を相続します。


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相続人(その一の二)

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相続開始時に胎児であった者に相続させる方法には次の二種類があります。

① まず、胎児を相続に関しては一人前に取り扱い、他の子供と一緒に相続させる方法があります。これは解除条件説と呼ばれるもので、母を胎児の法定代理人として遺産分割等を行うことになります。
しかし、民法には法定代理人についての規定は置かれていません。
胎児が死産した場合には、遺産分割のやり直しが必要になります。

② もう一つの説は、胎児が生きて生まれた際に初めて、一人前に取り扱って、遺産分割をする方法です。これは停止条件説といわれるものですが、この説に従えば、胎児が生まれる前に遺産分割がなされている場合には、胎児の持分を取り戻さなければなりません。

判例は、②の方法によるものとしています(大判昭7・10・6)。

学説の有力説は、①を支持しています。


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相続人(その一の一)

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第886条(相続に関する胎児の権利能力)
 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

相続開始時に胎児があれば、その胎児は相続については既に生まれた者として取り扱われます。

父が死亡した時に、母の胎内にいた子も生きて生まれれば他の子供と同様に、父の遺産を相続できるとすることは、人情に合致した規定です。

もっとも、被相続人が死亡した時に、その財産は直ちに相続人に移転するものとされていますから、相続人は相続開始時に財産を保有することのできる資格、つまり権利能力を有していなければなりません。
これを同時存在の原則と呼んでいます。

すべての自然人は、出生と同時に権利能力を取得することになっています(民3条1項)。

この条文をそのまま適用すると、胎児には権利能力がなく、相続はできないことになります。

そこで、特に規定を設けて、胎児も相続できることにしているのです。


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相続(その四の六)

遺産の管理清算のために使った費用でも、相続人が不注意であったため、特に必要になった費用は、その相続人が負担しなければなりません。

もっとも、相続財産に関する注意義務は軽微なものですから、実務上の利益のある規定とは思われません。
遺留分を侵害された相続人が取戻した財産からは、遺産の管理清算に使った費用を支出する必要はありません。

これは、遺留分の権利を有する相続人の保護規定ですが、それではその費用を,誰がどのようにして負担するかが
明らかにされていません。


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相続(その四の五)

限定承認、財産分離、遺産が債務超過で破産になった場合には、実際に清算が行われますから、遺産の管理・清算のために支弁した費用は、その清算の過程で相続財産から支払われます。

しかし、通常の相続においては、相続財産と相続人の固有財産とは区別されてはいませんから、そのどちらから費用を支出しようと問題にはなりません。

たとえば、相続人のうちの一人が立替え払いをしている場合には、遺産分割の際に相続人間で清算すればよいことになります。

また、未済の場合には、債権者は相続人の連帯債務として請求すればよい、といわれています。


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相続(その四の四)

葬儀費用については、学説・判例ともに一定していません。

葬式費用には、先取特権が認められていますから、それを理由にして相続財産の負担であると主張する説もあります。

また、葬儀は喪主が主宰するから、その費用は喪主が負担するとする説もあります。

葬儀費用は、慣習、条理により負担者が決まるとしても差し支えありません。

慣習によって決めかねるときは、条理によって相続人と負担となると考えられます。相続人が数人あれば分割負担します(東高決昭30・9・5)。

しかし、本来は葬儀費用は喪主その他の遺族が行う葬儀により発生する債務ですから、相続財産には含まれないと解すべきです。

そのため、原則的に負担の義務を負うのは喪主以下の相続人となります。

仮に 一時的に喪主が立替えて支払い後でも、相続人間の協議で、負担の割合を決めることができます。

つまり喪主が全額支払うことも、相続人全員で均等に分担するのも自由だということです。

もっとも、均等に負担することに決めたのであれば、相続財産から葬式費用を控除しても別に問題はないことになります。


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相続(その四の三)


遺産の管理に必要な費用に、相続税と葬式費用が含まれるかについては問題があります。

本来、相続税は相続の承認によって発生する相続人の債務ですから,字義どおり解釈すれば相続に関する費用とは言えません(仙台高決昭和38・10・30)。

もっとも、学説の中には、本条の趣旨からいって、相続税も相続財産に関する費用に入れるのが妥当であるとするものが多くみられます。

国税徴収上の事例では、相続税を第一次的に遺産から徴収することにはなっていません。

共同相続人が他の相続人の相続税を立替納付した場合には、遺産分割の際に清算すればよいことになっています。

この清算を認めるために、あえて相続税を相続財産に関する費用だという必要はありません。



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相続(その四の二)


遺産の管理や清算に必要な費用としては、次のようなものが考えられます。


① 管理人選任の費用
② 遺産中の不動産についての保存登記手続きのような遺産の保存のために必要な費用
③ 鑑定・換価・弁済その他清算に必要な費用
④ 財産目録調製に必要な費用
⑤ 管理・清算のための訴訟費用
その他遺留分減殺の主張によって生じた費用、破産管財人が遺産についてなすべき管理処分に必要な費用があります。


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相続(その四の一)

第885条(相続財産に関する費用)
 相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。
2 前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によって得た財産をもって支弁することを要しない。


遺産の管理や清算など相続財産に関して支出した費用は、遺産の中から支弁します。

もっとも、相続人が不注意であったために必要になった費用は、その相続人の負担とします。

通常の相続においては、遺産と相続人の固有財産とを区別する必要はありません。

いずれも、相続人が自由に処分できる財産という点では変わりがありませんから、遺産の管理費をどちらから支弁しようと問題はありません。

しかし、相続人が相続の限定承認をすれば、遺産を相続人の固有財産から区別して、管理し、清算しなければなりません。

この場合には、必然的にその費用は遺産から支弁されなければなりません。

本条の実益は、このように遺産を相続人の固有財産から区別して処理しなければならない場合にあります。

遺産を区別して管理する場合としては、限定承認の他に相続放棄、財産分離、遺留分減殺請求がなされたとき、遺産の債務超過による破産などがあります。


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相続(その三の十一)

判例はまた、「共同相続人のうちの一人若しくは数人が、他の共同相続人がいること、ひいて相続財産のうちその一人若しくは数人の本来の持分をこえる部分が他の共同相続人の持分に属するものであることを知りながらその部分もまた自己の持分に属するものであると称し、又その部分についてもその者に相続による持分があると信ぜられるべき合理的な事由(たとえば、戸籍上はその者が唯一の相続人であり、かつ、他人の戸籍に記載された共同相続人のいることが分明でないことなど)があるわけではないにもかかわらずその部分もまた自己の持分に属するものである称し、これを占有管理している場合は、もともと相続回復請求制度の適用が予定されている場合にあらず。」としています。

そのため、このような相続人は、他の相続人からの遺産分割請求に対して、相続回復請求権の消滅時効を援用できず、この相続人から遺産を譲り受けた第三者も、消滅時効を援用ではない、としています(最判平7・12・5)。

なお、旧法の家督相続においては、相続回復請求権は放棄できないものとされていました。

しかし、現在の遺産相続権は、旧法時代のそれとは異なり、全くの財産権ですから、相続回復請求権放棄を禁止する理由はどこにもありません。


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相続(その三の十)

しかし、上記の判例は、「自ら相続人でないことを知りながら相続人であると称して、またはその者に相続権があると信ぜらるべき合理的な事由があるわけではないにもかかわらず自ら相続人であると称して、相続財産を占有管理することによりこれを侵害している者は、本来、相続回復請求制度が対象としている者にはあたらないものと解するのが、相続の回復を目的とする制度の本旨に照らし、相当というべきであり・・・・その当然の帰結として相続回復請求権の消滅時効の援用を認められるべき者にあたらないというべきである。」
としています。

このように、判例は単に相続人を僭称するにすぎない者は、本条の消滅時効により保護される表見相続人から除外しています


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相続(その三の九)

共同相続人間での遺産の取戻しも、ここでいう相続回復請求であるのかという問題があります。

たとえば、共同相続人の一人が、他の相続人を排除して、遺産を独占したような場合に、除け者にされた他の相続人が自己の相続分にあたる財産の取戻し、相続登記の抹消・更正、遺産分割のやり直しを請求するのも、相続回復請求に該当するのかという問題です。

というのは、被相続人の遺産は、通常被相続人と同居していた共同相続人が事実上管理することになりますから、このような場合にも本条の適用があるものとすれば、遺産を管理している相続人を信頼して、遺産分割を放置していた他の相続人は、その遺産に対する権利を失ってしまうことになります。

この問題についての学説は分かれていました。

判例によれば、「共同相続人の一人甲が、相続財産のうち自己の本来の相続分を超える部分につき他の共同相続人乙の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続分に属すると称してこれを占有管理し、乙の相続権を侵害しているため、乙が侵害排除を求める場合には、民法884条の適用がある」としています(最判昭53・12・20)。


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相続(その三の八)

5年または20年という期間が経過すると、相続人は他の請求権、たとえば所有権に基づく請求権による遺産の取戻もできなくなります。

相続回復請求は、家庭裁判所の手続ではなく、通常の裁判所の民事訴訟手続きで行われます。

もっとも、調停前置主義の適用がありますから、訴訟提起前に家庭裁判所へ相続回復請求の調停を申し立てなければなりません(家審法18条、17条)。

なお、相続回復の請求は保存行為ですから、相続人が数人いる場合でも、その一部の相続人だけでもできるものと解されています。


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相続(その三の七)

判例によれば、甲が乙の相続権を侵害している場合に、乙が回復請求せずに死亡したときは、乙の相続人丙が甲に対して回復請求することができますが、20年の期間は、丙が相続した時点からではなく、乙が相続した時から起算することになっています(最判昭39・2・27)。

しかし、5年の期間は回復請求する丙が、自己のために相続が開始した事実を知った時から起算します。

したがって、数次の相続が行われたときは、5年の期間は更新されますが、その更新は、最初の相続から20年の期間内においてだけ意味を有することになります。


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相続(その三の六)

5年の短期消滅時効は、相続人が自己の相続権を侵害された事実を知った時から計算します。
つまり、被相続人が死亡し、その者について相続が開始したことを知っただけではなく、その者との関係で自分が相続人であるという事実も知らなければならないことになります。

また、20年の期間は、被相続人が死亡した時、すなわち相続が開始した時から起算します。
相続人が相続の開始を知らなかったにしても、また、相続権の侵害が何時生じたにしても、相続開始から20年たてば、相続回復請求は認められないとされています(最判昭23・11・6)。

判例は、一般の時効と同様に、時効の中断を認め、完成した時効の利益を放棄することもできるとしています。

しかし、学説はこの20年の期間を除斥期間と解していますから、中断は考えられません。


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相続(その三の五)

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相続回復請求の相手方に表見相続人が含まれることはいうまでもありませんが、遺産が第三者に譲渡された場合に、その第三者に対する取戻請求も相続回復請求かという点では見解が分かれています。

かっては、表見相続人は無権利者であるから、譲渡を受けた第三者も権利を取得できないという理由で、すなわち所有権に基づく返還請求によって取戻を請求できるものとしていました(大判大5・2・8)。

したがって、真正相続人の相続回復請求権の消滅時効期間が経過した後でも、第三者は取戻される危険を負担することになります。、

ところが、近年では、第三者も相続回復請求権の消滅時効を主張して、相続人からの取戻し請求を防ぐことができるという見解が支配的になっています(最判昭54・7・10)。



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相続(その三の四)

真正相続人が、表見相続人に対し、遺産の取戻を請求できることに関しては、特に問題はありません。

真正相続人は、自分が相続人であることを主張・証明できれば、それで足ります。

もし、自分が相続人であることが戸籍に記載されていないときは、被相続人との間に自分と親子関係のあることの確認を受けたり、あるいは認知の請求をしたりすることによって、自分が相続人たり得る親族関係を有することの確認を受けることが必要になります。

これらの手続は、真正相続人が未成年者等の制限能力者である場合には、親権者や後見人が代理して行うことになります。

相続回復請求することなく死亡した者の相続人も相続回復請求をすることができます。

なお、相続人以外の者は、相続回復請求権の行使はできません。

これについては、次のような判例があります。
伯父から家屋の生前贈与を受けて使用していた相続人ではない甥は、伯父の死後、他人の子でありながら伯父の子として出生届が出されていた表見相続人から、この家屋を競落しして移転登記を経た第三者に対し、表見相続人の相続の無効を理由として、抹消登記を請求することはできない、とする判例です(最判昭32・9・19)。


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相続(その三の三)

相続権のない者が遺産を管理処分している事実が存する場合には、真正な相続人は相続回復請求ができます。

これには、次のようなケースが想定できます。
① 表見相続人だけが遺産を管理処分している場合、たとえば長男が遺産の全部を支配し、弟妹からの分割申出を受け付けないが、実はその長男は欠格または廃除されていて相続権がないケースが考えられます。
また、内縁の配偶者が遺産全部を支配している場合などがあります。

② 表見相続人が、真正相続人と一緒に遺産を管理処分している場合、たとえば、相続人である子供たちのうちに、欠格者や廃除された者があり、それらの者が一緒に相続人として取り扱われ、遺産の分配までも受けているときが、これに該当します。

③ 真正な相続人の中で、一人または数人が除外され、残りの者だけで遺産を分配した場合、たとえば、長男が事実上、全遺産を支配し、他の子たちには分配しないときなどが、これに当たります。



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相続(その三の二)

では、なぜ相続回復請求権という特別な権利が相続人に与えられているのでしょうか。

表見相続人が遺産の管理処分を行っているような場合に、真正な相続人に対して、遺産を一括して取り戻すできる便宜が与えられたのです。

この場合に、相続人は自らから相続人であることを主張し立証さえすれば、それで事足り、
自己の権利を被相続人のそれまで遡って証明する必要はありません。

しかし、長年月を経てから、このような権利が行使されると、相続人であると誤信していた者や、その者から財産を譲り受けた者たちにとっての法的安定性を害することが甚だしいため、この取戻権を比較的短期な消滅時効にかけているのです。


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相続(その三の一)

第884条 (相続回復請求権)
相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする。

相続回復請求権とは、真正相続人が表見相続人から遺産を取り戻す権利のことです。

本条は、この権利についての短期消滅時効を定めています。

それと同時に、その前提として相続人には、自分が相続した財産を取り戻すことのできる特別な権利があることを認めています。

ところが、その権利の内容に関しては、他に規定を設けてはいません。

そのため、その詳細については全て、学説と判例による解決に任されています。



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相続(その二)

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第883条 (相続開始の場所)
相続は、被相続人の住所において開始する。

相続は、被相続人の住所で開始します。
この規定の主な目的は、その相続に関する訴訟を取り扱う裁判所を定めることです。
すなわち、相続や遺言に関する審判は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てなければなりません(家審規99条、120条)。

なお、相続に関する訴訟は、相手方の住所地を管轄する裁判所のほか、被相続人の住所地の裁判所へも提起できます(民事訴訟法5条14号)。


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相続(その一の三)

相続人としての権利や義務は、いうまでもなく相続が発生してから初めて発生します。
すなわち、ある人が死亡すれば相続人となれる地位にある人(推定相続人)は、その人が死亡しない限り、その人の有する財産に対して何らの権利も持っているわけではありません。
それに関して、次のような判例があります。
養親が所有財産の半分に相当する不動産の所有権を他人に移転登記しても、養子は単に将来養親が死亡すれば相続手できるという期待権を有するだけで、現在はまだ、養親の財産に対して何らの権利を持つものではないから、養親のした仮装売買の無効確認や所有権移転登記の抹消を請求することはできない、というものです(最判昭30・12・26)。



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相続(その一の二)

相続の開始は、人の死亡した瞬間です。

死亡の時期は、相続関係に大きな影響を与える場合があります。

たとえば、夫婦双方が旅行中に交通事故で死亡した場合に、子供がないとすれば、両親が相続人になります。

ところが、夫が妻より少しでも早く死亡したとすれば、夫の財産の2分の1は妻が相続し、それを妻の両親が相続することになります。

反対に妻が先に死亡したとすると、その逆のことが起こります。

このように場合には、実際にどちらが先に死亡したか立証することは困難ですから、民法は同時に死亡したものと推定することにしています(32条の2)。

同時に死亡した夫婦の間では相続関係は発生しませんから、夫の財産の全部は夫の両親へ、妻の財産の全部は妻の両親が相続することになります。



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相続(その一の一)

第882条(相続開始の原因)
 相続は、死亡によって開始する。

相続は人の死亡によって開始されます。

旧民法においては、戸主が生前に隠居し、子供に相続させる制度がありましたが、現行の民法では、相続開始原因は人の死亡だけです。

もっとも、生死不明者に失踪宣告が下されると、死亡したものとして取り扱われますから、この場合にも相続が開始します。


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