司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

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遺留分(その二)


さらに、取り引きの安全を望む資本主義社会においては、自由に取引できる財産とそうではないものを区別することは好ましくありません。

以上の二つの事由により、被相続人には処分の自由のない財産があるとすることには、無理があります。

しかし、被相続人の財産は、それに依拠して生活をしてきた近親者の存在も無視できません。

また、財産が被相続人の所有名義になっていても、その財産形成過程において一定範囲の近親者の尽力があった場合も考えられます。

このような観点から、被相続人の財産処分権を一定限度で拘束し、その分を近親者のために確保しておく制度が設けられたのです。


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遺留分(その一)

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遺留分制度とは、被相続人が死亡して相続が開始した時に、相続財産の最小限度だけを一定範囲の近親者に遺しておこうとする制度です。

このようにして留保された相続財産の一定割合を遺留分と言います。

私的所有を建前とする資本主義社会においては、自己の財産は自由に処分できるという原則があります。
したがって、被相続人が自己の財産を将来相続人となるべき者以外の第三者に譲渡したり、将来相続人となるべき者のうちの特定な者に法定相続分以上の財産を与えることは本来自由であるべきです。


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遺言の撤回及び取消し(その六の二)

遺言の取消しの申立を却下する審判に対しては相続人から即時抗告をすることができます。

一方、取消しの審判に対しては受遺者その他の利害関係人から即時抗告をすることができます(家審規128条)。

なお、一部の負担だけが履行された場合には、その一部の履行だけでは遺言の目的を達成できないときは、遺言の取消しが認められます。

取消しが認められれば、遺贈は当初より無効となり、受遺者が受け取るはずの財産は相続人に帰属することになります。


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遺言の撤回及び取消し(その六の一)

第1027条(負担付遺贈に係る遺言の取消し)
 負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
 

負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができます。

この期間内になおも履行がない場合には、家庭裁判所に対して、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを請求することができます。

このような場合には、遺言者は遺贈を取り消すであろうという推測のもとに、本条により、相続人と遺言執行者には、遺贈の取消請求権が認められているのです。

もっとも、遺贈の取消しを、相続人と遺言執行者に任せておくと、相続人と受遺者とが通謀して負担の履行を怠り、それを理由にして、相続人が取り消せば、受益者の利益が不当に害されるおそれがあります。そのため、負担付遺贈の取消しを、家庭裁判所の審判手続きにかからしめているわけです(家審法9条1項甲類38号)。


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遺言の撤回及び取消し(その五)

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第1026条(遺言の撤回権の放棄の禁止)
 
遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。


遺言者は、自己の遺言を撤回する権利を放棄することは許されていません。

したがって、遺言者が第一の遺言で甲にある不動産を遺贈し、さらに第二の遺言でその不動産を乙に遺贈した場合には、甲はその不動産の取得を主張することはできないのです。

遺言者が遺言を撤回する権利を保有しているのは、遺言制度が遺言者の最後の意思を尊重し、それに法的効果を与えることを目的とし、あくまでもその趣旨を貫徹しようとしているのです。



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遺言の撤回及び取消し(その四の二)

第二の遺言が方式に反するために無効となった場合には、第一の遺言は撤回されたことになりませんから、その効力には影響はありません。

撤回行為が詐欺や強迫によったために取り消された場合には、遺言は復活します。

つまり、第二の遺言が詐欺・強迫によってなされたものである場合には、第二の遺言を取り消すことによって第一の遺言が復活することになります。

最高裁の判例(平9・11・13)によりますと、遺言者Aが甲遺言をした後に、乙遺言で甲遺言を撤回し、乙遺言を無効とし、甲遺言を有効とする丙遺言をした場合に、いったん撤回された甲遺言の効力が復活するかという問題について、最高裁は原遺言を遺言の方式によって撤回した遺言者がさらに、この撤回遺言を遺言の方式によって撤回した場合においては、遺言書の記載に照らして、遺言者の意思が当初の遺言の復活を希望することが明らかである場合には、当初の遺言の効力が復活すると解しました。


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遺言の撤回及び取消し(その四の一)

第1025条 (撤回された遺言の効力)
前3条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。

1022条から1024条のまでの規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回されたり、取り消されたり、または効力が生じなくなった場合でも、その効力は回復しません。
つまり、遺言者が第一の遺言で、特定物を甲に遺贈し、第二の遺言で同一物を乙に遺贈するとしたが、第三の遺言でこの特定物を乙に与えないとした場合には、第一の遺言は復活しないと本条は定めているわけです。
このような場合は、第二の遺言がさらに撤回されたり、取り消されたり、または効力が生じなくなったときに、遺言者が第一の遺言に効力を持たせると望んでいるとは考えにくいし、遺言者の意思が不明になるおそれがあります。
そこで、遺言者が第一の遺言を復活させようと望む場合は、このような便法に頼らず、むしろ法律上の方式に則って同じ遺言をさせたほうが,正確を期せられるとしたのです。



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遺言の撤回及び取消し(その三の二)

ただし、後の遺言おいて前の遺言を取り消さない旨の意思表示を遺言者がしている場合には、前の遺言と後の遺言の双方を含む内容の遺言となりますから、もちろん撤回にはなりません。
この結果、前の遺言と後の遺言の内容とが一部矛盾したり不法なものとなる場合には、その部分についての遺言は無効となります。
遺言には日付が必要だとされるのは、遺言の前後を定める基準として重要となるからです。
また、遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様に遺言の撤回をしたものとされます。
つまり、遺言者が遺言後に、生前に遺贈の目的とした特定物を第三者に譲渡するなど、遺言内容と矛盾することを知りながらの処分行為をしたような場合には、遺言者が前の遺言を撤回する意思を有していたものと推定して、遺言の撤回方式の緩和を便宜的に図っているのです。
遺言内容と生前処分が相矛盾するどうか、いかなる範囲で相矛盾するとみるべきかは、遺言の全趣旨と生前処分のなされた事情などを考慮し、双方の目的物の価格、当時の遺言者の資産、家庭状況をみて合理的に判断することになっています(大判昭18・3・19)。
もっとも、生前処分による遺言者の意思は尊重されるべきであるが、遺言の取消は相続人、受遺者の法律上の地位に重大な影響を及ぼすから、遺言者の意思表示では足らず、生前処分によって確定的に法律効果が発生していることが必要であるとする判例(最判昭43・12・24)があります。



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遺言の撤回及び取消し(その三の一)


第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。


遺言者が故意に遺言書を故意に破棄したときは、つまり遺言書全部を故意に破棄したり、または遺言書の一部の文字を抹消したりした場合には、遺言者はその破棄した部分については、遺言を撤回する意思を持つと推定することが合理的です。

したがって、本法は遺言の方式によらずして、その部分についての撤回を認めています。もっとも、文字を抹消した場合においては、もとの文字が読み取れるような状態の抹消であれば、それは破棄とは言えず、単なる訂正に過ぎません。

遺言の訂正は、一定の形式を備えなければなりませんので、それを備えていな場合には、もとの文字が効力を持っています


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遺言の撤回及び取消し(その二)

第1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)
 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

前後の遺言で、内容が抵触している場合には、その部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなすことになっています。

前条に規定されているように、遺言の撤回は、原則として遺言の方式に則って行われなければなりませんが、本条はその便法が規定されています。

遺言は本来、遺言者の最後の意思であることを要しますから、遺言者が時を違えて別な内容の遺言をした場合には、後の遺言をもって最終意思としようとしているとみなしているわけです。

さらに、この規定は、遺言者が遺贈の目的としている特定物を第三者に譲渡する等、遺言内容に抵触する遺言後の生前処分その他の法律行為をした場合にも準用されます。

すなわち、このような行為をする遺言者は前の遺言を撤回する意思を持っているものと推定して、遺言の撤回の方式の緩和を行っているのです。



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遺言の撤回及び取消し(その一)

 第1022条(遺言の撤回)
 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

本条は、遺言の撤回の自由とその方式について定めた規定です。

遺言者は、遺言の作成時から遺言が効力を発生する時までに、その遺言の効力を発生しないようにすることができます。

この撤回は、遺言者が何らの事由を要せず、自由に行うことができます。

撤回は、遺言の全部または一部について行えます。

もっとも、遺言は厳格な要式行為とされていますから、当然のことながら遺言の撤回にも要式行為によらなければなりません。

ただし、撤回の遺言は、前の遺言と同じ方式による必要はありません。

したがって、たとえば自筆証書遺言の一部を公正証書で撤回することもできます。



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遺言の執行(その十八)

第1021条(遺言の執行に関する費用の負担)
 遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。ただし、これによって遺留分を減ずることができない。

遺言の執行には費用が必要です。たとえば、遺言書検認の費用、相続財産目録調製の費用、相続財産の管理費用、遺言執行者の報酬等の費用を要します。

これらの費用は相続財産の負担とされています。

もっとも、これによって遺留分を侵害することは許されていません。




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遺言の執行(その十七)

第1020条(委任の規定の準用)
 第654条及び第655条の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合について準用する。

遺言執行者の任務が終了した場合には、第654条および第655条の規定を準用します。

すなわち、任務の終了、死亡、破産宣告、辞任、解任等の事由で遺言執行者の任務が終了した場合でも、相続人の側で相続財産の管理ができないような急迫した事情が存在するときは、それが解消するまで遺言執行者の側で管理を継続し、必要な処分を行わなければなりません。

また、 遺言執行者の任務の終了は、終了したことを相続人または受遺者に通知したとき、
または相続人や受遺者がそれを知っていたときでなければ、これらの者に対して対抗することができません。
これは、遺言執行者の任務が終了したことを知らずにいたため、相続人や受遺者が不利益を受けることを防止する趣旨の規定です。


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遺言の執行(その十六の二)

解任の申立を却下する審判に対しては、利害関係人は即時抗告をすることができます(家審規127条1項)。

遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができます。

ここでいう正当な事由とは、たとえば病気で任務に耐えられなくなったことや、または他の職務が多忙になり任務を満足に果たせなくなったとか、遠隔地に居住することになり任務の遂行が困難になったとかの事由が考えられます。

家庭裁判所は、それらの事由を勘案して、辞任の許可を与えます。



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遺言の執行(その十六の一)

第1019条(遺言執行者の解任及び辞任)
 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。
2 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。

遺言執行者は、遺言者の指定または指定の委託を受けた者の指定あるいは家庭裁判所の選任により就職したものですから利害関係人からの一方的な解任を認めるべきではありません。

そこで、遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、相続人、受遺者、相続債権者その他の利害関係人から家庭裁判所に対して解任の請求を受けて、家庭裁判所は遺言執行者が解任するについての十分な理由があるどうかの判断を下してから解任の決定を行います。

具体的には、遺言執行者が任務を怠った事例としては、相続財産に属する家屋の家賃を催告すべき義務があるにかかわらず、これを怠ったような場合(大判昭2・9・17)があります。


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遺言の執行(その十五の二)

家庭裁判所が、遺言執行者の報酬を決定する際には、遺言に関する利害関係人の紛争の実情、その解決の経過、相続財産の範囲とその価額、受遺者と相続人双方の資産、その他の事情を総合的に勘案して具体的な額を決定します。

この額の決定に対しては、即時抗告は許されていません。

遺言執行者が報酬を受ける時期や遺言執行者の責に帰すべからざる事由で、中途で任務が終了した場合の報酬額については、委任に関する規定が準用されます(648条2項、3項)。

したがって、報酬は任務終了後に支払われ、中途で終了したときは、その割合により報酬額が定められます。



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遺言の執行(その十五の一)

第1018条(遺言執行者の報酬)
 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。
2 第648条第2項及び第3項の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。


遺言執行に際しては、遺言執行者はかなりの法律的・経済的な知識を必要とし、かつ相当の時間と手間を要します。

このような現状を鑑みて、遺言執行者には報酬が与えられることになっています。

この報酬額は、家庭裁判所が、裁量によって定めることが許されています(家審法9条1項甲類36号、家審規120条)。

もっとも、遺言者が定めているときは、それに従います。



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遺言の執行(その十四の二)

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遺言執行者が数人いる場合でも、相続財産の滅失や既存を防止する行為、保存行為については、各遺言執行者が単独できることになっています。

この保存行為とは、相続財産の現状を維持する行為のことで、例えば家屋の修繕とか、土砂崩れ防止の為の土砂留工事とか、腐敗してしまう物を換価処分するとか、消滅時効を中断する行為等が、それに当たります。



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言の執行(その十四の一)

遺第1017条 (遺言執行者が数人ある場合の任務の執行)
遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は、過半数で決する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
2 各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。


遺言執行者が数人いる場合は、その任務の執行は多数決によって定めます。

この場合、共同でなければ執行できないとすると、遺言執行に支障をきたすおそれがあります。
そこで、そのような不都合を免れるため、原則として共同遺言執行者の過半数の意思で定めることにしているのです。

もっとも、遺言者が遺言の中で特別な意思表示をしているときは、それに従います。



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遺言の執行(その十三の二)

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遺言執行者が復代理人を選任した場合には、その者は遺言執行者に代わってその地位につき、遺言執行事務の全部または一部を処理することになります。

このように、遺言執行者が第三者を選任して、自己の任務を行なわせた場合には、遺言執行者はその選任・監督について相続人に対して責任を負うことになります(105条1項、106条)。

遺言執行者は本来、本人たる相続人の意思によって、その代理人になったわけではありませんから、法定代理人に当たります。

しかし、その職務権限は任意代理人に類似しているため、復任権に関しても任意代理人と同一にしているのです。



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遺言の執行(その十三の一)

第1016条(遺言執行者の復任権)
 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2 遺言執行者が前項ただし書の規定によって第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第105条に規定する責任を負う。

遺言執行者は原則として自ら任務を執行しなければなりません。

しかし、やむを得ない事情がある場合には、第三者にその任務を代わっておこなわせることができます。

ここでいうやむを得ない事情とは、たとえば家庭裁判所の辞任許可がでないとか、特別な知識経験が必要な場合とか、遺言執行者が病気の場合等を指します。

もっとも、遺言者が遺言の中で反対の意思を表示しているときには、この限りではありません。

つまり、遺言者が「遺言執行者に何らかの差しさわりが生じたときには、第三者に行わせてもよい」旨の遺言を残しているような場合が、これに該当します。



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遺言の執行(その十二)

第1015条(遺言執行者の地位)
 遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。


民法は、遺言執行者の行為の法的効果が、遺言者の地位を承継した相続人に帰属する点に着目して、遺言執行者を相続人の代理人とみなしています。
これについて、学説は実質的には遺言者の権利能力の一部が死後にも残存するのであるが、法律構成上のこのことを認めることができないので、遺言者の地位を承継する相続人に仮託して、財産上の行為のつじつまを合わせるため、遺言執行者を相続人の代理人としたと解しています。
そのため、遺言執行者は相続人廃除の遺言を執行するために相続人を廃除することができます。
また、相続人が遺贈の目的となっている不動産を自己名義に移転登記した場合にも、その相続人に対して、登記抹消の訴えが提起できます。
このように遺言執行者は相続人の代理人とみなされていても、もっぱら相続人の利益をはかることのみを任務とするものではないと解されています。



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遺言の執行(その十一)

第1014条(特定財産に関する遺言の執行)
 前3条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。

遺言が特定財産に関する場合には、その財産についてのみ1011条から1013条の規定が適用されます。

遺言が特定財産に関する場合と言うのは、遺贈が相続財産中の他の部分と区別し得る特定の一部に関係している場合のことを指します。

これは、特定財産の遺贈よりは広い意味ですから、たとえば、遺言者が不動産と動産を有している場合、不動産だけに関する遺言等がこれに含まれることになります。



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遺言の執行(その十の二)

相続人にとって禁止される行為とは、遺言の執行を妨げるような処分行為や管理行為です。

具体的には、遺贈の目的となっている不動産を第三者に譲渡したり、またはその上に担保権を設定したりする行為のことです。

さらに、遺産の目的となっている不動産が賃貸されている場合に、その賃料を受領する行為等がそれに当たります。
これらの行為は遺言執行者を含む全ての者に対して無効となります。

判例は、相続人が本条に違反して、遺贈の目的の不動産を第三者に譲渡し、またはこれに抵当権を設定してその登記を経たとしも、相続人のこの処分行為は無効であり、受遺者は、遺贈による目的不動産の所有権取得を登記なくして、この処分行為の相手方たる第三者に対抗することができるものと解する相当としています(大判昭5・6・26)。



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遺言の執行(その十の一)

第1013条(遺言の執行の妨害行為の禁止)
 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。

遺言執行者が指定されたり、選任されたりした場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることはできません。

遺言が適正に執行されるためには、遺言執行者の権限が尊重されなくてはなりません。

したがって、その職務の範囲においては、相続人は相続財産に関する管理・処分権を失い、
遺言の執行を妨げる一切の行為を禁止されます。

判例によると、「遺言執行者がある場合」について、遺言執行者として指定された者の就職承諾前をも含むと解するのが相当としています。

そして、相続人による処分は、遺言執行者の就職承諾前になされた場合であっても、その行為は効力を生ずるに由ないものというべきである、とされています(最判昭62・4・23)。


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遺言の執行(その九の三)

不特定物を目的とする遺贈の場合には、遺言執行者はその目的物を調達してきて受遺者に引き渡す義務を負っています。

そのためには、遺言執行者は必要であれば財産の処分の権限も有しています。
包括遺贈の場合は、受遺者は相続人と同一の地位を取得しますから、遺言執行者が介入する余地はありません。

もっとも、この場合にも移転登記手続や譲渡行為と言う執行行為が必要であるとする判例もあります。
遺言執行者は必要な範囲内で、相続財産を管理し、また処分する権限を有します。
執行に要しない相続財産の一部については相続人に管理権を譲渡することができます。

また、相続人側からもそれを請求することができます。
遺言執行者は、他人のための事務を処理する者ですから、委任関係に類似しているところから、委任の規定を準用しています。

委任者が誰であるかについては、争いがあり、相続人と受遺者とするものと相続人のみであるという説があります。

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遺言の執行(その九の二)

特定不動産の遺贈の場合には、受遺者に対して被相続人名義から受遺者名義に移転登記をしなければなりませんが、この登記に際しては遺言執行者が登記申請人となり手続を進めます。
したがって、特定不動産の受遺者から、遺言の執行としての目的不動産の所有権移転登記手続きを求める訴えの被告適格を有する者は遺言執行者に限られます(最判昭43・5・31)。
特定不動産について、特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言がなされた場合は、当該特定相続人は被相続人の死亡とともに当該不動産の所有権を取得し、単独で相続を原因とする所有権移転登記手続きをすることが可能ですから、遺言執行者は遺言執行手続きとして登記手続きをする義務を負うものではありません(最判平7・1・24)。
更に、判例は、特定の不動産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言をした遺言者の意思は、相続人自身が相続開始と同時に当該不動産の占有・管理をすることとにあり、遺言執行者があるときでも、遺言書に当該不動産の管理および相続人への引き渡しを遺言執行者の職務とする旨の記載があるなどの特段の事情がない限り、遺言執行者は当該不動産の管理する義務や相続人に不動産を引き渡す義務を負わないと解されるとしています。
そして、当該不動産についての賃借権請求確認訴訟の被告適格は遺言執行者ではなく、当該不動産を取得した相続人であると判示しています(平10・2・27)。



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遺言の執行(その九の一)

第1012条(遺言執行者の権利義務)
 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2 第644条から第647条まで及び第650条の規定は、遺言執行者について準用する。

遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。
遺言執行者の権限は遺言執行に必要な範囲内に限られますか、その範囲は当然のことながら、遺言の内容によって異なります。
① 認知をする遺言であれば、遺言執行者は単に戸籍の届出をすれば、それで足ります。
② 相続人の廃除およびその取消しの遺言の場合は、遺言執行者は家庭裁判所に対して廃除およびその取り消しの申立をすることになります。
③ 特定物を遺贈する遺言の場合には、それらの財産は、遺言の効力発生と同時に当然に受遺者に移転しますから、改めて遺言執行者の意思表示は必要ありません。
ただし、遺贈の目的物が動産であればその引き渡し、不動産であれば受遺者名義に移転登記する義務を、それぞれ負います。



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遺言の執行(その八)

第1011条(相続財産の目録の作成)
 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。
2 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。

遺言執行者は,善良な管理者の注意をもって相続財産を管理する義務を負っています。
そして、遺言の内容を実現するために、その執行の対象となる財産の状態を明らかしておく必要があります。
そのために、遺言執行者にはすみやかに相続財産目録を作成し、それを相続人に渡すことが義務付けられています。

もっとも、遺言の内容が財産に関係ないものであれば、その作成は不要です。

相続財産目録の作成に当たって、相続人の請求があるときは、その立会いのもとで、遺言執行者は財産目録を作成することになります。
遺言執行者が、公証人に作成させる場合には、公証人は相続人を立ち会わせなければなりません。

財産目録の形式には特別な制限はありませんが、できるだけ詳細に記載して、作成日付と遺言執行者の署名を付けて、相続人に引き渡すことになります


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遺言の執行(その七)

(遺言執行者の選任)
第1010条 遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。

遺言執行者がないとき、またはなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、遺言執行者を選任することができます。
具体的には、遺言執行者が必要にもかかわらず、遺言者が遺言執行者を指定していなかったとき、遺言者の指定または指定の委託はありましたが、指定された者が就職を拒否したとき、遺言執行者が死亡・解任されたとき、または遺言執行者が破産宣告や後見開始の審判がなされたときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、遺言執行者を選任することができます。
この場合、家庭裁判所は、遺言執行者に選任しようとする者の意見を聴いて、審判によって選任することになります(家審規125条)。


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