司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

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遺言の執行(その六)

第1009条 (遺言執行者の欠格事由)
未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。


行為能力を有しない未成年者が、財産の管理およびその事務を主要な職務とする遺言執行者になれないのは当然のことです。
また、破産者は、世間的に財産上の信用を喪失した者ですから、このような者に他人の財産の管理者としての職務を担当させることは穏当ではありません。
したがって、この両者は遺言執行者としての欠格事由を有しています。
なお、相続人が遺言執行者となれるかについては、争いがあります。


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遺言の執行(その五)

第1008条(遺言執行者に対する就職の催告)
 相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。

相続人その他の利害関係人は、態度を明らかにしていない遺言執行者に対し、相当の期間内に、就職を承諾するかどうかを確答するよう催告をすることができます。
もし、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなします。
遺言執行者に指定された者は、すみやかにその諾否を通知すべき義務を負っていません。
そこで不当な遅延を防ぐ目的で、利害関係人は、遺言執行者に指定された者に対して、就職の諾否を促す権利を認めているわけです。
ここでいう利害関係人とは、相続人、指定を委託された者、相続債権者、受遺者、受遺者の債権者等です。



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遺言の執行(その四)

第1007条(遺言執行者の任務の開始)
 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。

遺言執行者に指定された者は、それを承諾することによってはじめて遺言執行者となります。

承諾は遺言者が遺言で直接指定した場合には、相続人に対して行います。

また、指定の委託を受けた者が指定した場合には、その者に対して行います。
遺言執行者に指定された者が、就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならないとされています。

遺言執行者は、相続人との間で委任類似の法律関係が生じます。
そのため善良な管理者としての注意をもって任務を行うことになります。


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遺言の執行(その三の四)

遺言執行者の指定の委託を受けた者が、それを承諾すると指定する義務を負うことになります。

もし、その委託を断ろうとするときには、速やかに相続人に対して、その旨の通知をしなければなりません。

また、指定の委託を承諾する場合には、速やかに遺言執行者を指定して、そのことを相続人に通知しなければなりません。

指定された者が遺言執行者となることを承諾しない場合には、別人を指定しなければなりません。

いったん、指定された者が承諾したときは、指定した者は自由に指定を取り消すことはできません。



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遺言の執行(その三の三)

遺言の執行を必要としない事項を除けば、多かれ少なかれ遺言の執行を行ってくれる者が必要になります。
したがって、通常では遺言者自身が信頼できる者を遺言で直接に遺言執行者に指定します。

この指定は一人に限られるわけではありませんから、二人以上でも構わないことになります。
数人を指定した場合には、それらの者が共同して執行すべきだと指定することも,事項別に執行者がそれぞれに分担することを指定することもできます。

遺言者は、自ら遺言執行者を指定しないで、第三者に遺言執行者の選任を委託することもできます。
これは、遺言者が遺言する時に適当な者を見つけられない場合とか、遺言書作成時と効力発生時までに事情が変更することが想定されるような場合に、用いられる方法です。



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遺言の執行(その三の二)

遺言を実現するために、執行を要しないものとしては、次のようなものがあります。
① 未成年後見人、未成年後見監督人の指定(839条、848条)
② 相続分の指定および指定の委託(902条)
③ 特別受益者の相続分についての意思表示(903条3項)
④ 遺産分割の方法の指定および指定の委託(908条)
⑤ 遺産分割の禁止(908条)
⑥ 共同相続人間の担保責任の指定(914条)
⑦ 遺留分減殺の制限(1034条但書)

執行を必要とするもので、執行者の選任が求められるものとしては、次のようなものがあります。
① 子の認知(781条2項)
② 相続人の廃除およびその取消し(893条、894条)
このような事項は相続人に行わせると公正な執行は期待できないからです。



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遺言の執行(その三の一)

第1006条(遺言執行者の指定)
 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
2 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
3 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。

 遺言者は、遺言で、一人または数人の遺言執行者を指定し、または遺言執行者の指定を第三者に委託することができます。
 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、速やかに、遺言執行者の指定をし、それを相続人に通知しなければなりません。
 遺言執行者の指定の委託を受けた者が、その委託を断ろうとするときは、速やかにその旨を相続人に通知しなければなりません。
もちろん、遺言の内容によっては、執行を必要としないものもありますし、執行を必要とするものについても、遺言執行者の選任を要するものと、そうでないものがあります。


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遺言の執行(その二)

第1005条(過料)
 前条の規定によって遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、5万円以下の過料に処する。

第1004条の規定による遺言書の提出を懈怠したり、検認を経ないで遺言を執行したり、または家庭裁判所の外で遺言書を開封した者は、5万円以下の過料に処せられます。なお、実務上でも、検認を経ていない自筆証書である遺言書を、相続を証する書面として申請書に添付した場合には、不動産登記法第49条8号(現行法25条9号)の規定により却下すべきであるとされています。
(平成7年12月4日民三第4343号民事局第三課長回答)


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遺言の執行(その一)

第1004条(遺言書の検認)
 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

遺言の保管者は、遺言人の死亡したことを知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません。
保管者には、遺言書の保管を委託された者だけではなく、事実上保管していた者も含まれます。
このような保管者がいないときは、遺言書を発見した相続人は、相続開始地または遺言者の住所地の家庭裁判所(家審規120条)に検認の請求をして、その審判を受けなければなりません。
また、秘密証書遺言のように封印がしてある遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ、開封することができないことになっています。
したがって、検認に先だって家庭裁判所へ遺言書を提出しておいて、開封することになります。
開封においては、家庭裁判所は期日を定めて、相続人またはその代理人を呼び出します。
呼び出しに応じないときは、立会人なしで開封できます。
公正証書遺言は、公証人役場に保管されていますので、偽造・変造のおそれがありませんし、その内容・形式が公証人により確実にされていますから、検認の必要はありません。
家庭裁判所は、遺言書の検認においては、遺言書の形式、その態様等の遺言書の方式に関する一切の事情を調査します。
そして、遺言の執行前の遺言書の現状を確証して、後日の偽造・変造の予防し、遺言書の保存を確実にするため検認調書を作成します。
検認には、検認の申立人、相続人、その他の利害関係人を立ち会わせますが、これらの者が立ち会わなかったときは、これらの者に検認した旨の通知がなされます。


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遺言の効力(その十九)

第1003条(負担付遺贈の受遺者の免責)
 負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

限定承認がなされ、または相続人が遺留分減殺請求権を行使したため、負担付遺贈の目的の財産の価額が減少したときは、受遺者はその減少の割合に応じて負担した義務も免れます。
遺言者の意思は、受遺者がある財産を受領することを前提として、ある価額の負担を課したのですから、遺贈の目的の財産が減少したときは、その割合に応じて負担額を減らす趣旨だとみることができます。

もっとも、遺言者が遺言の中で格別の意思表示をしているときは、それに従います。
たとえば、遺言者がこのような場合の負担減少について、別にその割合を定めたり、減少を認めなかったりしたときは、その遺言者の意思に従うという意味です。

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遺言の効力(その十八)

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第1002条(負担付遺贈)
 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


一定の法律上の義務を負担させる遺贈のことを負担付遺贈とよんでいます。
負担は遺贈の条件ではありませんから、負担の履行が行われないからといって、遺贈の目的物を受領できないわけではありません。
受遺者は、遺贈を承認することによって、遺贈の目的物ため財産を取得し、その一方では一定の給付義務の履行を行う債務を負担することになります。
受遺者の負担する義務の内容が不能や不法のものであったりする場合には、負担は無効となり、受遺者は負担のない遺贈を受け取ることになります。
もっとも、遺言者がそれと異なった意思表示をしている場合には、それに従います。
負担付遺贈を受けた受遺者が、その負担を履行しないときは、相続人、遺言執行者等はその履行の請求をすることができます。
遺言者は、自己の単独行為をもって他人に不利益を課することはできませんから、負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負うことになります。
受遺者は自由に遺贈の放棄が許されていますから、受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができることになっています。
これは受遺者の義務の履行によって利益を受ける者を保護する規定です。
もっとも、遺言者がその遺言に別段の意思表示をしているときは、その意思に従うことになります。


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遺言の効力(その十七)

第1001条(債権の遺贈の物上代位)
 債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、かつ、その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。
2 金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。


遺言者が生前に遺言の目的となった債権の弁済を受けていたときは、その債権は消滅し、遺贈は不能となります。
本来であれば、遺贈は効力を失いますが、それでは遺言者の意思に反することも考えられます。
そこで、法は遺言者が受け取った物が、なお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定することにしています
つまり、遺言者が弁済によって受け取った物を保有している限り、その物を遺贈するつもりであったとみるのが、遺言者の意思に適合するとしているのです。
ただし、金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、遺贈者が生前に弁済を受けたときには、その受領した金額が相続財産中に残存していなくても、その金額を遺贈の目的としたものと推定することになっています。



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遺言の効力(その十六)


第1000条(第三者の権利の目的である財産の遺贈)
 遺贈の目的である物又は権利が遺言者の死亡の時において第三者の権利の目的であるときは、受遺者は、遺贈義務者に対しその権利を消滅させるべき旨を請求することができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。

本条は、遺贈の目的物は、遺言が効力を発生した時点の状態で受遺者に移転するという原則を表わしています。
したがって、たとえば遺贈の目的とされる不動産の上に抵当権や用益権が設定されている場合であれば、受遺者はそれらが設定されたままで所有権を取得することになります。
これらの第三者の権利が成立するのは、遺言の効力発生前であれば遺言作成後でも
かまいません。
しかし、遺言者が遺贈義務者にそれらの第三者の権利を消滅させた後に受遺者に与えるような趣旨の遺言をしたときは、それに従うことになります。


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遺言の効力(その十五)

第999条(遺贈の物上代位)
 遺言者が、遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定する。
2 遺贈の目的物が、他の物と付合し、又は混和した場合において、遺言者が第243条から第245条までの規定により合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときは、その全部の所有権又は持分を遺贈の目的としたものと推定する。

 遺言者が、遺贈の目的物の滅失もしくは変造またはその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定されます。
たとえば、遺贈の目的物である家屋が焼失して遺言者が火災保険金を請求できるときは、その保険金を遺贈したものと推定されます。
また、附合、混和、加工により目的物が第三者の所有に帰した場合の償金請求権や第三者の占有侵奪による損害賠償請求権についても同様に、遺贈の目的としたものと推定できます。
これらの請求権は、遺贈の効力発生と同時に受遺者に帰属します。
もっとも、遺贈の目的物の滅失、変造、占有の喪失が遺言の作成後に生じ、その償金請求権が存続していることが条件です。
遺言者の死亡後に善意の第三者が、この償金の弁済を受けた場合には、受遺者はこの第三者に不当利得の返還請求ができます。
 遺贈の目的物が、他の物と付合または混和によって生じた合成物または混和物について、遺言者が、その単独所有者または共有者となったときは、その全部の所有権または持分が遺贈の目的としたものと推定されます。



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遺言の効力(その十四)

第998条(不特定物の遺贈義務者の担保責任)
 不特定物を遺贈の目的とした場合において、受遺者がこれにつき第三者から追奪を受けたときは、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じく、担保の責任を負う。
2 不特定物を遺贈の目的とした場合において、物に瑕疵があったときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物をもってこれに代えなければならない。


遺贈義務者が受遺者に対して目的物を後に、それが第三者の物であるという理由で、受遺者が第三者から返還請求を受けた場合には、遺贈義務者は物の売主と同様に担保責任として、その損害賠償義務を負担させられます。
第三者は遺贈義務者に対して、不当利得または不法行為による利得の返還または損害賠償を請求することになります。
もっとも、目的物が動産である場合には、それが第三者の物であっても、受遺者は即時取得で所有権を取得することが多いでしょうから、この場合は本条の適用はありません。
不特定物の遺贈においては、遺贈された物に瑕疵があれば、他の同種の瑕疵のない物を代わりに給付しなければなりません。
しかし、瑕疵のない物が相続財産中に当初から存在しなかった場合には、遺贈義務者の責任は生じません。
相続財産中に無瑕疵の物が存在したが、現在は処分されていて存在しない場合には、遺贈義務者は追完不能の不完全履行として損害賠償責任を負うことになります。


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遺言の効力(その十三)

 
第997条 
相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。
2 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

相続財産に属しない権利の遺贈が、前条により有効と認められる場合には、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負います。
この場合に、その権利を取得することができないとき、またはこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければなりません。
もっとも、遺言者が遺言の中で特別の意思表示をしているときは、その意思に従います。
たとえば、遺言者が不相当な費用を要する場合でも、できる限り遺贈を行え、と意思表示をしている場合には,それに従わなければなりません。


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遺言の効力(その十二)

第996条 (相続財産に属しない権利の遺贈)
遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない。

遺贈の目的である権利が、遺言者の死亡時に相続財産に属していないときは、遺贈は効力を生じません。
しかし、遺言者がその権利が相続財産に属していないにもかかわらず、なおこれを遺贈するつもりであったと認められるときは、遺贈は効力を生じます。
遺贈の目的物が遺言作成当時から相続財産に属していなかった場合、または、一旦属していたが遺言者の死亡時には属していなかった場合は、その遺贈は無効となります。
遺言者が、遺言作成当時は自己の財産であったものを、その後処分してしまった場合は、遺言の取消しがあったものとみなされ(1023条)、遺贈は効力を失います。
しかし、遺言者がもともと自己の財産ではないことを分かっていながら、なお遺贈する意思のあることが明らかな場合には、その遺贈は有効であり、遺贈義務者はその財産を購入して受遺者に移転する義務があります。



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遺言の効力(その十一)

第995条(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)
 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

遺贈が効力を生じなかったとき、または遺贈の放棄によって効力を失ったときは、受遺者が受ける筈であった財産は相続人に帰属します。
もっとも、遺言者が遺言の中で特別な意思表示をしている場合には、それに従います。
受遺者が遺言者より先に死亡したり、停止条件付遺贈で受遺者が条件成就前に死亡したり、あるいは受遺者の欠格の場合(965条)には、その遺贈は効力を生じません。
また、遺贈が放棄された場合も、その遺贈は無効となります。
これらの場合には、遺贈は効力を生じませんが、遺贈の目的物が相続財産の中に留まっていますから、遺言者の相続人に相続されることとなります。



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遺言の効力(その十)

第994条(受遺者の死亡による遺贈の失効)
 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。

2 停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


受遺者が、遺言者が死亡する以前に死亡したときは、その遺贈は効力を生じません。
遺贈は本来的に、遺言者が受遺者本人に注目して行われる財産処分ですから、受遺者が遺言者より先に死亡するような事態が発生したときは、その遺贈は効力を生じなくなります。
したがって、受遺者であった者の相続人がその地位を承継することはありません。
また、停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、同様にその遺贈は効力を生じません。
この場合、遺言者の死亡後、受遺者が条件の成就前に死亡したときは、受遺者は既に条件付権利を取得していますが、法は遺言者の意思は特定の個人である受遺者に遺贈しようとしていると推測し、停止条件付遺贈も効力を生じないとしているのです。
もっとも、遺言者がその遺言に別段の意思を表示していた場合には、その意思に従うことになります。


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遺言の効力(その九)


第993条(遺贈義務者による費用の償還請求)
 第299条の規定は、遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合について準用する。
2 果実を収取するために支出した通常の必要費は、果実の価格を超えない限度で、その償還を請求することができる。

遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合には、299条に準じて、受遺者にその費用の償還を請求することができます。
また、遺贈義務者が果実を収取するために支出した通常の必要費は、果実の価格を超えない範囲で、受遺者にその費用の償還を請求できます。
具体的には、遺贈義務者が遺贈の目的物である家屋を占有している場合に、その家屋を受遺者に引き渡す前に、その家屋の保存、維持のために支出した修繕費、税金等の全額の償還を受遺者に対して請求できます。
また、遺贈義務者が家賃を取り立てるために支出した交通費、通信費等の果実を収取するための通常の必要費は、その家賃を超えない範囲内で、受遺者に請求できます。


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遺言の効力(その八)

第992条(受遺者による果実の取得)
 受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

特定受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から、遺贈の目的である物または権利から生じる果実を取得します。
特定受遺者は、遺言者死亡の時から、目的たる物または権利についての権利を取得し、遺贈義務者に対して遺贈の履行を請求できます。
ただし、期限付き遺贈の場合は期限到来の時、停止条件付き遺贈ではその条件成就の時から、権利を取得し、遺贈の履行を請求できます。
その遺贈の目的が賃貸中の土地・建物、預金、株式等であって、賃料、利息、配当金等の果実を生じる場合は、これらの果実を取得することになります。
この時期以降、遺贈義務者が果実を収受した場合には、受遺者にそれを引き渡す債務を負担します。
もっとも、遺言者がその遺言の中で別段の意思表示したとき、たとえば、果実は受遺者にやらないとしている場合は、その意思に従うことになります。



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遺言の効力(その七)

第991条(受遺者による担保の請求)
 受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができる。停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様とする。
遺贈の目的物が、相続人や包括受遺者などの遺贈義務者によって占有されている間に、それが処分される可能性も考えられます。

そこで、受遺者の権利を保護するために、その者は遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して、相当の担保を請求することができることになっています。
もっとも、遺贈義務者と相続人が数人あるときは、受遺者はその各人に対して、それぞれの相続分に対応した限度でしか担保を請求することができません。
また、停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様に受遺者は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができます。


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遺言の効力(その六)


第990条(包括受遺者の権利義務)
 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。

包括受遺者は、実質的には相続人とほとんど変わりはありません。
そのため、包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有するものとされています。
したがって、包括受遺者は、遺言者の一身に専属した権利義務を除いて、相続財産中の権利義務を当然に承継します。
包括受遺者が、遺贈を承認するかまたは放棄するかは自由です。
それは、相続人と同様な方法・手続で行われることになります。
特定遺贈に関する規定(986条以下)には従いません


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遺言の効力(その五)

第989条(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)
 遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。
2 第919条第2項及び第3項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。

本条により、遺贈の承認および放棄の撤回が禁止されています。
承認も放棄も単独の法律行為ですから、恣意的に撤回を許すことは、法律関係の安定を著しく害するおそれがあります。
そこで、原則として禁止されたわけですが、遺贈の承認や放棄の意思表示に欠陥が存する場合には、無効ないし取消されることがあります。
しかし、取消権も追認をすることができる時から6か月間行使しないときは、時効によって消滅します。また、遺贈の承認または放棄の時から10年を経過したときも、同様に消滅します。



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遺言の効力(その四)

第988条(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)
 受遺者が遺贈の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、遺贈の承認又は放棄をすることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

特定受遺者が遺贈の承認または放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、遺贈の承認も、または放棄もすることができます。
もっとも、遺言者が特別な意思表示をしているときは、その意思に従います。
たとえば、妻Zと子丙丁を持つ甲が、遺言者である場合に、甲が妻にある財産を遺贈する旨の遺言をし、死亡した後に、妻乙がこの遺贈の承認も放棄のいずれもしないうちに死亡した場合には、子丙丁は甲の相続人であるとともに、特定受遺贈者である母乙の承認・放棄する権利を相続人として承継することになります。
丙丁は独立して、それぞれ2分の1の範囲内で承認または放棄することができます。
なお、甲が遺言内で、乙が遺贈を承認または放棄しないで死亡した場合は、丁に遺贈する、としているときは、乙の死後、当該財産は丁が取得することになります。



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遺言の効力(その三)

第987条(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
 遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。

特定遺贈の放棄・承認には期間の制限がありません。
そのため、受遺者がいつまでも態度を明確にしない可能性もあります。
このような未確定な法律関係を継続することは、遺贈義務者や利害関係人にとって迷惑なことです。
そこで、これらの者は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認または放棄するのかを催告をすることができることになっています。
そして、その期間内に受遺者が、その意思表示をしないときは、遺贈は承認したものとみなされます。
なお、遺贈義務者とは、具体的には相続人、包括受遺者、相続人不存在の場合の相続財産法人のことをいいます。
遺贈義務者が数人いるときは、その一人に対して意思表示をすれば足ります。


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遺言の効力(その二)

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第986条 (遺贈の放棄)
受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

遺贈は、遺言者の死亡により当然に効力が発生します。
これは受遺者の意思とは関係なく起こってしまいます。
たとえ、遺言の内容が受遺者の利益になることであっても、当人の意思を無視して強制させることは適当ではありません。
そこで、遺言者の死後、いつでも遺贈の放棄ができるものとしています。
ただし、受遺者の負担を免除する遺贈は、放棄が許されていないと解されています。債務免除は単独行為とされているからです(519条)。
なお、本条の適用があるのは特定遺贈に限られています。
この承認・放棄は、遺言者の死後であればいつでもよく、特段の方式も求められていません。
判例によると、放棄は遺贈義務者に対してなすべきだとされています(大判大7・2・2)。
なお、放棄されると、それは遺言者の死亡時までさかのぼり、遺贈は最初からなかったことになります。



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遺言の効力(その一)

第985条(遺言の効力の発生時期)
 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

遺言は、遺言者が一定の方式に従って遺言書を作成した時に成立しますが、その効力は遺言者の死亡の時から発生します。
もっとも、遺言の内容が表意者の単独の意思表示だけでは効力を生じない性質のものである場合は、遺言者の死亡だけでは、その内容にしたがった効力を生じません。
たとえば、甲が婚姻をしたら、遺産の中のある土地を与えるという停止条件付きの遺言をした場合には、その遺言は遺言者死亡の時に効力を発生し、甲は将来婚姻したらその土地を貰えるという権利を取得することになります。
そして、婚姻により土地の所有権を取得することになります。
遺言者が死亡する以前に、甲が婚姻を行っていた場合には、甲は遺言死亡と同時に無条件で土地の所有権を取得することになるのはいうまでもありません。
なお、特定の物または権利を遺贈する遺言が効力を発した場合には、特に意思表示がないときは、遺言が効力を生じると同時に、物または権利は直接に受遺者に移転すると解されています(大判大5・2・8)。



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遺言の方式・ 特別の方式(その八)

第984条(外国に在る日本人の遺言の方式)
 日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行う。

在外日本人が、公正証書または秘密証書によって遺言をしようとするときは、その地に駐在する日本領事が公証人の職務を行うことになります。
 日本の領事の駐在する地に在る日本人とは、その地に住所・居所を有する者に限らず、滞在者や旅行者も含まれます。


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遺言の方式・ 特別の方式(その七)

第983条(特別の方式による遺言の効力)
 第976条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から6箇月間生存するときは、その効力を生じない。
特別方式の遺言は、遺言者が特殊な環境と状態下にあるため、厳格な方式を求められる普通方式の遺言が困難な場合であるため、特に臨時に方式を簡易化したものです。
そのため、遺言の確実性が損なわれている可能性も考えられます。
したがって、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになってから、
6か月間生存するときは、その効力を失うものとしています。
普通の方式によって遺言をすることができるようになった時とは、一般の臨終遺言の場合には、死亡の危急を免れた時と言う意味です。
伝染病隔離者の遺言に関しては、交通遮断の行政処分が解除され、遺言者の移動の自由が回復した時のことです。
また、船舶中にある者の遺言の場合には、本国または外国領土に上陸した時のことをいいます。
遭難船の中にある者の臨終遺言については、死亡の危急を免れ、本国または日本領事の駐在する外国領土に上陸した場合を指します。



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