司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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行為能力(その六)

第9条(成年被後見人の法律行為)
 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

成年被後見人は、制限行為能力者ですから、その行った法律行為を本人である成年被後見人や代理人である成年後見人等は取り消すことができます。
ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、取り消すことはできません。
本人保護、本人の自己決定権の尊重の見地から、日用品の購入その他日常生活に関する行為に限って、成年被後見人が単独で行えるものとしています。
また、残存能力の活用という面からも、日常生活に関する軽度な法律行為については、本人に委ねることが妥当だとされているのです。


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行為能力(その五)

第8条(成年被後見人及び成年後見人)
 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。

後見開始の審判により、その審判を受けた本人は成年被後見人となり、その保護者として法定代理人である成年後見人がつけられます。
成年後見人は、家庭裁判所が一切の事情を考慮して選任します。
なお、法人も成年後見人となれます(843条4項)。
人数も複数でもかまいません(843条3項)。
成年後見の開始の審判がなされると、裁判所書記官の嘱託により登記所に備え付けられた後見登記等ファイルに所要の登記事項が記録されます(後見登記等に関する法律4条)。
戸籍簿への記載・記録はなされません。
後見登記等に関する法律
第4条(後見等の登記等)
 後見、保佐又は補助(以下「後見等」と総称する。)の登記は、嘱託又は申請により、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。第9条において同じ。)をもって調製する後見登記等ファイルに、次に掲げる事項を記録することによって行う。
一  後見等の種別、開始の審判をした裁判所、その審判の事件の表示及び確定の年月日
二  成年被後見人、被保佐人又は被補助人(以下「成年被後見人等」と総称する。)の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
三  成年後見人、保佐人又は補助人(以下「成年後見人等」と総称する。)の氏名及び住所(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)
四  成年後見監督人、保佐監督人又は補助監督人(以下「成年後見監督人等」と総称する。)が選任されたときは、その氏名及び住所(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)
五  保佐人又は補助人の同意を得ることを要する行為が定められたときは、その行為
六  保佐人又は補助人に代理権が付与されたときは、その代理権の範囲
七  数人の成年後見人等又は数人の成年後見監督人等が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことが定められたときは、その定め
八  後見等が終了したときは、その事由及び年月日
九  家事審判法 (昭和22年法律第152号)第15条の3第1項 の規定による審判(同条第5項 の裁判を含む。以下「保全処分」という。)に関する事項のうち政令で定めるもの
十  登記番号


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行為能力(その四)

第7条(後見開始の審判)
 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

自己の行為の結果についての意思能力を欠く者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人または検察官の請求により、後見開始の審判をすることができます。
認知症、知的障害等の精神上の障害により、自己の行為の結果について判断能力を欠く常況にある者が行った法律行為は無効ですが、それを主張する者はそれを証明しなければなりません。
特に、そのような常況にあっても、一時的に正気にもどるような場合には、その証明は甚だ困難です。
そこで、このような者については、恒常的に制限行為能力者としておくことが、本人にとっても相手方にとっても都合がよいことになります。
そのため、家庭裁判所による後見開始の審判制度が設けられているのです。
申立人の中に未成年後見人、未成年後見監督人が含まれているのは、未成年者が成年に達した場合に、直ちに申立をする場合に生じるであろう時間差をカバーするためです。
検察官は上記の者が請求しない場合に備えて、本人保護、取引の安全を図るために請求権者とされています。
その他、身寄りのない高齢の認知症患者、知的障害者、精神障害者に対する成年後見開始を制度的に担保するため、老人福祉法、知的障害者福祉法、精神保健及び精神障害者に関する法律により、市町村長に法定後見開始の審判の申立権が与えられています。
家庭裁判所は、明らかなその必要がないと認められる場合を除き、医師等に鑑定をさせ、その結果を踏まえて、本人の陳述を聴いて上で、要件を満たすときは後見開始の審判をしなければなりません(家事審判規則24条、5条)。
なお、本条とは別に、任意後見制度が設けられています。
任意後見契約が登記されている場合には、家庭裁判所は本人の利益のために特に必要があると認めるときに限り、法定後見開始の審判をすることができることになっています(任意後見契約に関する法律10条1項)。


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行為能力(その三)

第6条(未成年者の営業の許可)
 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2  前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第4編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

未成年者は原則として、法定代理人の同意によらなければ法律行為をすることはできません(民法第5条1項本文)。
ところで、本条では法定代理人から営業を許された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有し、その営業に関する法律行為は単独で有効にすることができると定めています。
ここで、「一種又は数種の営業」とあるのは、法定代理人が許可する営業は、一定の内容に特定されたものでなくてはならないことを意味しています。
許可する営業の内容が特定されず、包括的なものであれば、それは:制限行為能力者制度の趣旨から逸脱することになります。
営業内容が具体的に特定していれば、複数の営業を許可することも許されています。
この場合、営業を続行させることが未成年者にとって不利益になるような
事由が発生したときは、法定代理人は親族編の規定に従って、営業の許可を取り消し、またはこれを制限することができます。
営業許可の取消しと制限は、法定代理人が単独で行えますが、未成年後見人に未成年後見監督人がいる場合には、営業許可の取消しと制限には未成年後見監督人の同意が必要になります(民法857条但書)。
営業許可の制限と言うのは、数種の営業を許可していた場合に、その一つまたはいくつかの営業許可を取り消すということです。
なお、法定代理人が未成年者に商業をすることを許可した場合には、それを取消し、制限するには、その度ごとに登記をしておく必要があります(商法5条)。
この取消し・制限の効力を第三者に対抗するには、登記による公示が必要とされているのです(商法15条)。
なお、法文には「取り消し」と規定していますが、これは撤回の趣旨だと考えられています。
本条の取り消しは将来において効力を発揮するだけであり、営業許可の取り消し以前の営業行為には、その効力が及ばないからです。
したがって、営業許可がなされてから、営業許可が取り消されるまでになされた未成年者の行為が有効であることに変わりはありません。


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行為能力(その二)

第5条(未成年者の法律行為)
 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2  前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3  第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

未成年者の行う法律行為は、その法定代理人の同意を得なければなりません。
未成年者の法定代理人とは、親権者または未成年後見人です 
もっとも、単に権利を得、または義務を免れる法律行為については、同意は必要ありません。つまり、贈与を受諾したり、債務の免除を受けるような未成年者にとって不利益にならない行為についは法定代理人の同意は不要だということです。
未成年者が法定代理人の同意を得ずして行った法律行為は、後日、その未成年者、またはその法定代理人によって、取り消すことができます。
法定代理人が自由に処分を許した財産については、未成年者は1項の規定にかかわらず、これを自由に処分できます。
また、法定代理人が使用の目的を指定して処分を許した財産は、その目的の範囲内であれば、未成年者は処分することができます。
このような場合は、後に取り消すことはできません。
ただし、未成年者が目的外の処分を行った場合は取り消すことができます。
なお、自由に処分することが許された場合とは、たとえば親が与えた小遣いで未成年者が買い物をする場合などです。
親が未成年者に対して、たとえば参考書を買うためという目的を定めて、金銭を与えた場合には、未成年者はその目的の範囲内でのみ自由な処分が許されるわけです。
同意を欠く法律行為が取消されれば、取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます。ただし、未成年者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負うことになります(120条)。
もっとも、未成年者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消す事は、許されません(21条)。


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行為能力(その一)

第4条(成年)
 年齢二十歳をもって、成年とする。

年齢の計算は、「年齢計算に関する法律」によって決められます。
本法においては、期間計算にあっては初日を省き翌日を起算日とする「初日不算入の原則」(民法140条)を、年齢計算に限り適用しない旨を定めています。
また、民法143条が準用されますので、週、月または年によって年齢を数え、暦にしたがって計算するとともに、加齢日は出生日に応当する日(誕生日)の前日であると規定しています。
さらに、この準用規定により、民法141条が適用されますので、加齢する時刻は誕生日前日の終了時(午後12時)となります。
なお、20歳未満の者であっても、結婚していれば、成年に達したものとみなされます。
このように未成年者であっても婚姻すれば、成年者と同様に行為能力者とみなすことを
成年擬制と呼んでいます。
したがって、婚姻した未成年者は親権者等の同意を得ずに単独で法律行為が可能になります。
なお、満20歳未満で結婚した者が、満20歳になる前に離婚しても、引き続き成年者として扱われます。
婚姻による成年擬制は、原則として民法以外の法律には適用されません。
したがって、この成年擬制の効果は少年法・公職選挙法・未成年者飲酒禁止法・未成年者喫煙禁止法などの公法領域には及びません。
なお、天皇、皇太子、皇太孫は、満18歳で成年者となります(皇室典範22条)。


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補助 (その五)


第876条の10(補助の事務及び補助人の任務の終了等)
 第644条、第859条の2、第859条の3、第861条第2項、第862条、第863条及び第876条の5第1項の規定は補助の事務について、第824条ただし書の規定は補助人が前条第1項の代理権を付与する旨の審判に基づき被補助人を代表する場合について準用する。
2  第654条、第655条、第870条、第871条及び第873条の規定は補助人の任務が終了した場合について、第832条の規定は補助人又は補助監督人と被補助人との間において補助に関して生じた債権について準用する。

補助人が、補助の事務を行う際には、受任者の注意義務を定める644条、複数の成年後見人に関する859条の2、居住用不動産の処分に関する家庭裁判所の許可を定める859条の3、支出金額の予定についての861条第2項、後見人の報酬に関する862条、後見事務の監督に関する862条が、それぞれ準用されます。
また、被補助人の意思の尊重と心身の状態ならびに生活の状況をは配慮する義務に関しては、876条の5第1項の規定が準用されます。
補助人が前条第1項の代理権を付与する旨の審判に基づき補助人を代理する場合には、親権者が子を代理する際に本人の同意を要することとする824条ただし書の規定が準用されます。
補助人の任務が終了した場合に関しては、委任終了時の緊急処分義務を定める654条、委任終了の対抗要件を定める655条、管理の計算に関する870条、後見監督人の計算への立ち会いに関する871条、後見人および被後見人の利息支払い義務に関する873条の規定が準用されます。
補助人または補助監督人と被補助人との間において補助に関して生じた債権については、親権者と子の間における債権の消滅時効を定める832条の規定が準用されます。
以上のように本条は、補助人の職務に関する規定ですが、その殆どが後見人、保佐人の規定を準用したものです。
なお、補助人が代理権を有する場合に、被補助人の行為を目的とする債務を生ずべきときには、本人の同意を得なければならないとありますが(824条準用)、同条ついては、子の行為と言うのは、事実上の行為であり、法律行為を含まないと解されていますので、雇用契約のように、契約の効果として子が一定の事実行為を要求される契約を締結する場合には子の同意を要すると解されています。
したがって、被補助人の行為も同様に解されるべきです。
補助人または補助監督人と被補助人との間において補助に関して生じた債権については、832条が準用されますから、管理権が消滅するまでは、その債権の消滅時効は進行しないものとし、管理任務終了後は、速やかな決済を促すために、5年の短期消滅時効にかかることとしています。


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補助 (その四)

第876条の9(補助人に代理権を付与する旨の審判)
 家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2  第876条の4第2項及び第3項の規定は、前項の審判について準用する。

補助人に代理権を与えるか、どのような行為に代理権を付与するかについては、当事者の選択に任されています。
そのため、補助開始の審判とは別に、補助人に代理権を付与する旨の審判により、特定の法律行為についての代理権が補助人に付与されることになります。
なお、自己決定尊重の観点から、本人以外の者の申立てによって代理権を付与する旨の審判をするには、本人の同意が必要になります。
代理権付与の審判の申立権者は、補助開始の審判の申立権者に補助人、補助監督人を加えたもので、すなわち本人、配偶者、4親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官、市町村長となります。
代理権付与の審判は、補助開始の審判と同時に行われる必要はありません。
これも、自己決定尊重の見地から、必要に応じて選択できるようになっているのです。したがって、補助開始の時点で、同意権の付与だけを受けておいて、その後の状況に応じて、追加的に代理権付与の申立てをすることができます。
この場合の申立権者は、補助開始の申立権者に加えて、補助人、補助監督人となります。
代理権付与については、請求が必要であり、家庭裁判所が職権で代理権を付与することはできません。
これも、自己決定尊重の観点からの措置で、本人の権利に干渉する面を有する代理権を必要最小限度に留めるため、本人および請求権者の選択に委ねているわけです。
代理権付与の特定の法律行為とは、当事者が選択するものですから、当然のことながら個別的になります。
したがって、内容は個々の事案よって異なりますが、一般的には財産に関する法律行為と身上監護についての法律行為が考えられます。
これらの法律行為に関連する公法上の行為、たとえば、登記・供託の申請、要介護認定の申請等も代理権付与の対象になります。
あるいは、これらの事務から派生する訴訟行為の代理権も付与の対象となり得ます。
なお、代理権の付与審判の後に、その対象となった法律行為の全部または一部が補助人に代理してもらう必要がなくなった場合には、代理権付与の審判の全部または一部の取消の申立をすることができます。
この取消申立権者は、本条1項に掲げられた者です。
この代理権付与の審判の取消に関しても、請求が必要とされ、家庭裁判所が職権で代理権付与の審判を取り消すことはできません。
なお、代理権付与の審判の取消に際しては、被補助人以外の者からの請求があった場合でも、被補助人の同意は不要です。
この場合は、代理権付与の場合とは異なり、本人の権利に関する干渉が減ることになるからです。


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補助 (その三)

第876条の8  (補助監督人)
家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被補助人、その親族若しくは補助人の請求により又は職権で、補助監督人を選任することができる。
2  第644条、第654条、第655条、第843条第4項、第844条、第846条、第847条、第850条、第851条、第859条の2、第859条の3、第861条第2項及び第862条の規定は、補助監督人について準用する。この場合において、第851条第4号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被補助人を代表し、又は被補助人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。

家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被補助人、その親族もしくは補助人の請求によりまたは職権で、補助監督人を選任することができます。
補助監督人の選任は、成年後見監督人の場合と同様です。
したがって、成年後見人の場合と同様に、複数の監督人も選任できますし、また法人が就任することもできます。
補助監督人については、受任者の注意義務を定める644条、委任終了時の緊急処分義務についての654条、委任終了の対抗要件を定める655条、成年後見人の選任の際の考慮事由について定める843条4項、後見人の辞任に関する844条、後見人の解任についての846条、後見人の欠格事由を定める847条、後見監督人の欠格事由を定める850条、後見監督人の職務についての851条、複数の成年後見人に関する859条の2、居住用不動産の処分についての家庭裁判所の許可を定める859条の3、支出金額の予定に関する861条2項、後見人の報酬に関する862条の規定をそれぞれ準用します。
なお、この場合には、利益相反行為に関する851条4号中の「被後見人を代表する」とあるのは、「被補助人を代表し、又は被補助人がこれをすることに同意する」と読み替えることになります。


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補助 (その二)

第876条の7(補助人及び臨時補助人の選任等)
 家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは、職権で、補助人を選任する。
2  第843条第2項から第4項まで及び第844条から第847条までの規定は、補助人について準用する。
3  補助人又はその代表する者と被補助人との利益が相反する行為については、補助人は、臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、補助監督人がある場合は、この限りでない。

家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは、職権で、補助人を選任します。
したがって、補助人選任の申立ては必要ありません。
補助人が欠けた場合、選任されている場合に更に選任するとき、選任に際して考慮すべき事情等については、843条2項から4項までの規定が準用されます。
また、補助人の辞任、そのときに新たな補助人の選任を家庭裁判所に請求する義務、補助人の解任、補助人の欠格事由等については、844条から847条までの規定が準用されます。
補助人またはその代表する者と被補助人との利益が相反する行為については、補助人は、臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。
もっとも、補助監督人がある場合は、臨時補助人選任の必要はありません。


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補助 (その一)


第876条の6(補助の開始)
 補助は、補助開始の審判によって開始する。

補助制度は、平成11年の改正によって新設されたものです。
従来の判断基準である「心神耗弱」の程度に至らない者に範囲を広げ、軽度の痴呆、知的障害、精神障害等にある者を保護するための制度として、補助制度が導入されました。
補助の対象者は、「精神上の障害により,事理を弁識する能力が不十分である者」です。
すなわち、保佐制度の対象には至らない、比較的判断能力の程度の高い者が対象となります。
補助制度の審判の申立権者は、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、検察官、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人、市町村長となります。
後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人が請求権者となっているのは、後見または保佐が開始している本人が、補助段階まで能力を回復した場合に、円滑に補助へ移行できるようにするためです。
なお、本人以外の者からの請求によって補助の開始の審判をする場合には、本人の同意が必要になります(15条2項)。
補助の場合には、判断能力が高いことから、本人の自己決定を尊重するためです。
家庭裁判所は、補助開始の審判をする際には、本人の精神状況についての医師の診断の結果、その他適当な者の意見を聴かなければなりません(家審規30条の9)。

 家庭裁判所は、補助開始の審判の申立てがあつた場合において、本人の財産の管理または本人の監護のため必要があるときは、申立てにより、または職権で、担保を立てさせないで、補助開始の審判の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任し、または事件の関係人に対し、本人の財産の管理もしくは本人の監護に関する事項を指示することができます(家審規30条の8第1項)。
また、家庭裁判所は、保佐開始の審判の申立てがあつた場合において、本人の財産の保全のため特に必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、保佐開始の審判の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、本人の財産上の行為(民法第13条第1項に規定する行為に限る。)について、財産の管理者の保佐を受けるべきことを命ずることができます(家審規30条2項)。
補助開始を請求する場合には、これと同時にまたは請求後遅滞なく、本人の状況に応じた同意権または代理権の範囲を特定して、その付与を請求することが必要です。
補助制度においては、補助開始の審判がなされ、補助人が選任されても、補助開始の審判と同時に、補助人の同意権または代理権付与の審判が必要とされています。
これは、補助人の権限が法定されていないためです。


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保佐 (その五)

第876条の5(保佐の事務及び保佐人の任務の終了等)
 保佐人は、保佐の事務を行うに当たっては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
2  第644条、第859条の2、第859条の3、第861条第2項、第862条及び第863条の規定は保佐の事務について、第824条ただし書の規定は保佐人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人を代表する場合について準用する。
3  第654条、第655条、第870条、第871条及び第873条の規定は保佐人の任務が終了した場合について、第832条の規定は保佐人又は保佐監督人と被保佐人との間において保佐に関して生じた債権について準用する。

保佐人は、保佐の事務を行う際には、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態および生活の状況に配慮しなければなりません。
本規定は、保佐人の一般的身上配慮義務を定めています。
すなわち、保佐人は、自己決定尊重の観点から、本人の意思を尊重する義務を有し、保佐の事務を行うに当たっては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、被保佐人の心身の状態および生活の状況に配慮して職務を遂行する義務があることを定めているのです。
保佐の事務については、受任者の注意義務を定める644条、複数の成年後見人についての859条の2、居住用不動産の処分に関する家庭裁判所の許可を定める859条の3、支出金額の予定につての861条3項、後見人の報酬に関する862条、後見事務の監督についての863条の規定が準用されます。
また、保佐人が代理権を付与されている場合、被保佐人の行為を目的とする債務を生ずべきときには、本人の同意を得なければなりません。親権者が子を代理する場合に本人の同意を要することとする824条但書が準用されます。
保佐人の任務が終了した場合については、委任終了時の緊急処分義務を定める654条、委任終了の対抗要件を定める655条、管理の計算についての870条、後見監督人の計算への立ち会いに関する871条、後見人および被後見人の利息支払義務についての873条の規定が、それぞれ準用されます。
なお、保佐人または保佐監督人と被保佐人との間で保佐に関して生じた債権については、親権者と子の間においての債権の消滅時効を定める832条が準用されます。



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保佐 (その四)

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第876条の4(保佐人に代理権を付与する旨の審判)
家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2  本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3  家庭裁判所は、第1項に規定する者の請求によって、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

家庭裁判所は、家庭裁判所は、11条本文に規定する者または保佐人もしくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができることになっています。
どのような行為について代理権を付与するかは、当事者の選択に任されています。
したがって、保佐開始の審判によって一定の範囲の代理権が保佐人に付与されるのではなく、別に保佐人に代理権を付与する旨の審判によって、保佐人に特定の法律行為についての代理権が付与されることになります。
なお、自己決定尊重の観点から、 本人以外の者の請求によって、この審判をするには、本人の同意がなければなりません。
実務的には、保佐審判の申立てとともに、法律行為を特定したうえで、代理権付与の審判の申立てを行い、保佐開始の審判とともに代理権付与の審判を受けることとなります。
この場合の代理権付与の審判の申立権者は、保佐開始の審判の申立権者です。
つまり、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人、検察官、市町村長です。
もっとも、保佐開始の審判とともに、代理権付与の審判を受けた後に、他の法律行為についても代理権を付与してもらう必要が生じた場合には、追加的に代理権付与の審判の申立てをすることになりますが、この場合の代理権付与の申立権者は、保佐開始の審判の申立権者の他に、保佐人もしくは保佐監督人も含まれます。
また、保佐開始の審判だけを受けた後に、保佐人に特定の法律行為を代理してもらう必要が生じたときは、追加的に代理権付与の審判の申立てをすることになりますが、この場合の申立権者も、保佐開始の際の申立権者も、保佐開始の審判の申立権者の他に、保佐人もしくは保佐監督人となります。
代理権付与の対象となる特定の法律行為とは、当事者の選択により個別的に決まるものですが、一般的には、財産に関する法律行為と身上監護に関する法律行為が含まれます。
代理権付与の審判後に、その対象となった法律行為の全部または一部について、保佐人が代理する必要ガなくなった場合には、代理権付与の審判の全部または一部の取消の申立をすることができます。
この申立権者は、11条本文に規定する者または保佐人もしくは保佐監督人です。


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保佐 (その三)

第876条の3(保佐監督人)
 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族若しくは保佐人の請求により又は職権で、保佐監督人を選任することができる。
2  第644条、第654条、第655条、第843条第4項、第844条、第846条、第847条、第850条、第851条、第859条の2、第859条の3、第861条第2項及び第862条の規定は、保佐監督人について準用する。この場合において、第851条第4号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被保佐人を代表し、又は被保佐人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。

 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族もしくは保佐人の請求によりまたは職権で、保佐監督人を選任することができます。
保佐監督人については、委任者の注意義務を定める644条、委任終了時の緊急処分義務についての654条、委任終了の対抗要件を定める655条が準用されます。
また、保佐監督人の選任方法は、成年後見監督人の場合と同じです(849条の2)。
成年後見監督人と同様に、保佐監督人は複数でも差し支えありません(859条の2)。
また、法人の就職も許されています。
辞任、解任、欠格事由についても、成年後見監督人と同様で、844条、846条および847条がそれぞれ準用されます。
保佐監督人の職務や権限についても、おおよそ成年後見監督人の場合と同様です。
ただし、保佐人は後見人に比べて職務の範囲が狭いため、監督人の監督の範囲もそれに応じたものになります。
居住用不動産の処分に関する家庭裁判所の許可を定める859条の3、支出金額の予定に関する861条2項、後見人の報酬に関する862条の規定は、保佐後見人に準用されます。
なお、利益相反行為についての851条4号は、「保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為について被保佐人を代表し、又は被保佐人がこれをすることに同意する。」と読み替えることになっています。

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保佐 (その二)

第876条の2(保佐人及び臨時保佐人の選任等)
家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任する。
2  第843条第2項から第4項まで及び第844条から第847条までの規定は、保佐人について準用する。
3  保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、保佐監督人がある場合は、この限りでない。

家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任します。
保佐人が欠けたとき、選任をされている場合に更に選任をするとき、あるいは選任に関して考慮すべき事情については、843条2項から4項までの規定を準用します。
また、保佐人の辞任、その際に新しい保佐人の選任を家庭裁判所へ請求する義務、保佐人の解任、保佐人の欠格事由等については、844条から847条までの規定を準用します。
保佐人が欠けた場合には、家庭裁判所は,被保佐人もしくはその親族その他の利害関係人の請求によって、または職権で、保佐人を選任します。
保佐人が選任されている場合でも、家庭裁判所は必要があると認めるときは、被保佐人、その親族その他の利害関係人、もしくは保佐人の請求によって、または職権で、更に保佐人を選任することができます。
保佐人を選任するには、保佐人の心身の状態並びに生活および財産の状況、保佐人となる者の職業および経歴並びに被保佐人との利害関係の有無(保佐人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と被保佐人との利害関係の有無)、保佐人の意見その他一切の事情を考慮しなければなりません。
保佐人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができます。
 保佐人が辞任したことによって新たに保佐人を選任する必要が生じたときは、その保佐人は、遅滞なく新たな保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。
 保佐人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、保佐監督人、被保佐人もしくはその親族もしくは検察官の請求によりまたは職権で、この者を解任することができます。
未成年者、 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人 、破産者、
被後見人に対して訴訟をし、またはした者並びにその配偶者および直系血族 、行方の知れない者 は、保佐人になることはできません。
 保佐人またはその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならないことになっています。
ただし、保佐監督人がある場合は、その必要はありません。
保佐監督人は、保佐人の行為については、被保佐人の利益を念頭に置いて判断しますから、保佐監督人の判断に従えば特に問題はないと考えられているからです。
保佐監督人は、保佐人と被保佐人の利益が相反する場合には、被保佐人の行為を代理し、また被保佐人がそれを行うことに同意を与えます。


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保佐 (その一)

第876条(保佐の開始)
 保佐は、保佐開始の審判によって開始する。

平成11年の民法改正により、法定後見制度が禁治産・準禁治産の2類型から、後見・保佐・補助の3類型に改められ、それと同時に任意後見制度が創設され、また戸籍に代わる後見登記制度が新設されました。
保佐制度は、準禁治産制度を改正したものですが、浪費者は除外されました。
保佐は、保佐開始の審判によって開始されます。
審判手続きは、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人または検察官の請求によって始まります。
なお、保佐審判開始の請求権者はこのほかに、任意後見受任者、任意後見人または任意後見監督人(任意後見契約法10条)と市町村長(老人福祉法32条等)です。
審判手続は、家庭裁判所の職権で開始されることはありません。
すべて請求によります。
家庭裁判所は、保佐開始の審判をするには、本人の精神の状況について医師その他適当な者に鑑定をさせなければなりません。
ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りではありません(家審規30条の2、24条)。
また、保佐開始の審判の申立てがあつた場合において、本人の財産の管理または本人の監護のため必要があるときは、家庭裁判所は、申立てにより、または職権で、担保を立てさせないで、保佐開始の審判の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任し、または事件の関係人に対し、本人の財産の管理・監護についての事項を指示することができます(家審規30条1項)。
さらに、保佐開始の審判の申立てがあつた場合において、本人の財産の保全のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、その申立てをした者の申立てにより、保佐開始の審判の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、本人の財産上の行為(民法13条1項に規定する行為に限る)について、財産の管理者の保佐を受けるべきことを命ずることができることになっています(家審規30条2項)。


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後見の終了(その六)


第875条(後見に関して生じた債権の消滅時効)
 第832条の規定は、後見人又は後見監督人と被後見人との間において後見に関して生じた債権の消滅時効について準用する。
2  前項の消滅時効は、第872条の規定により法律行為を取り消した場合には、その取消しの時から起算する。


後見人または後見監督人と被後見人との間において、後見財産の管理に関して生じた債権は、832条の規定の準用により5年の消滅時効にかかります。
832条の規定は、親権を行った者とその子との間で、子の財産の管理について生じた債権は、管理終了後、5年の短期消滅時効によって消滅することを定めていますが、後見人または後見監督人と被後見人との間において、後見財産の管理に関して生じた債権についても同様に5年の短期消滅時効にかかるものとしています。

時効の起算点は、後見が絶対的終了をした場合には、その時から、また相対的終了をした場合には、後任の後見人が就職した時、あるいは未成年後見人が成年者となり、もしくは成年後見審判が取り消された時となります。
この消滅時効は、872条の規定により、 未成年被後見人が成年に達した後、後見の計算の終了前に、その者と未成年後見人またはその相続人との間でした契約や単独行為を取り消した場合には、その取消の時から時効期間の計算を始めることになります。



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後見の終了(その五)

第874条(委任の規定の準用)
 第654条及び第655条の規定は、後見について準用する。

後見が終了した場合に、急迫の事情があるときは、後見人、もし後見人が死亡しているのであればその相続人または法定代理人が、被後見人、もし被後見人が死亡している場合には、その相続人または法定代理人が財産管理事務を処理することができるようになるまで、必要な処分をしなければならないことになっています(654条)。
なお、 後見が終了した場合には、その理由がどちら側にある場合でも、それを相手方に通知するか、または相手方がこれを知ったときでなければ、後見の終了を相手方には対抗できません(655条)。
後見人と被後見人との間の法律関係は、委任者と受任者のとの関係に類似しているため、委任に関する 654条と655条の規定が、後見について準用されることになっています。



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後見の終了(その四)

第873条(返還金に対する利息の支払等)
 後見人が被後見人に返還すべき金額及び被後見人が後見人に返還すべき金額には、後見の計算が終了した時から、利息を付さなければならない。
2  後見人は、自己のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費の時から、これに利息を付さなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。


後見人が被後見人に返還する金額、逆に被後見人が後見人に返還すする金額には、後見の計算が終了した時から、利息を付けなければなりません。
 後見人は、自分のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費の時から、これに利息を付けて支払わなければなりません。
そのうえ、損害を与えていた場合には、その損害の賠償もする必要があります。
後見人の管理していた被後見人の財産は、当然のことながら後見が終了すれば返還しなければなりません。
もっとも、その額は管理の計算が終了するまで確定しませんから、その時点から利息を付することにしているのです。
利率は法定利率の年5分となります。
後見人は、被後見人の扶養義務者であるとは限りませんから、被後見人の財産管理、監護教育、療養看護についての費用を自らの財産から支出する必要はありません。
そこで、後見人が後見事務の執行のために自分の財産を支出し、その返還を請求することができる場合には、管理計算の終了した時以降の利息が付けられることになっているのです。
なお、後見人が管理していた被後見人の財産を自己の利益のために消費した場合には、その消費の時から利息を付けることにし、さらに被後見人に損害を与えた場合には、その損害を賠償しなければならないものとしています。



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後見の終了(その三)


第872条(未成年被後見人と未成年後見人等との間の契約等の取消し)
 未成年被後見人が成年に達した後後見の計算の終了前に、その者と未成年後見人又はその相続人との間でした契約は、その者が取り消すことができる。その者が未成年後見人又はその相続人に対してした単独行為も、同様とする。
2  第20条及び第121条から第126条までの規定は、前項の場合について準用する。


未成年被後見人が成年に達した際に、まだ後見の計算の終了する前に、その者と未成年後見人またはその相続人との間でした契約は、その未成年被後見人者が取り消すことができます。
また、その未成年被後見人が、未成年後見人またはその相続人に対してした単独行為も同様に取り消すことができます。
この場合、取り消しできる行為の相手方が有する催告権については20条が準用されます。
また、取消の効果、追認の効果、取消・追認の方法、追認の要件、法定追認、取消権の消滅時効についての121条から126条までの規定は、この場合にも準用されます。
未成年後見人が成年に達したり、あるいは婚姻をして成年者として取り扱われるようになると後見は終了します。
しかし、その管理計算も終了しないうちに、被後見人であった者が、後見人またはその相続人との間で契約を締結することは、成年に達したばかりで、まだ後見人の威力から完全に脱していない状態であり、かつ、まだ未経験で十分な財産管理能力を取得していないため、後見人またはその相続人が在職中の不正な職務行為を糊塗したり、または不当な利益を貪るおそれもあり得ますので、それを防ぐ目的で上記の契約を禁止しようというのが本条です。
したがって、債務免除のような単独行為も取り消すことができるものとしています。



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後見の終了(その二)


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第871条  後見の計算は、後見監督人があるときは、その立会いをもってしなければならない。

後見人が、後見財産に関して、その現状を確定し変動を明確にする管理計算をする際には、後見監督人がある場合には、その者の立ち会いのもとで行わなければなりません。
もし、後見人が後見監督人の立ち会いなしで管理計算をした場合の効力については、明文は置かれていませんが、853条2項との兼ね合いから、立ち会いを欠いた計算は効力を生じないと解するべきです。
この場合は、立ち会いによる適法な計算を請求できると解すべきです。


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後見の終了(その一)

 第870条(後見の計算)
 後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、二箇月以内にその管理の計算(以下「後見の計算」という。)をしなければならない。ただし、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる。


 後見人の任務が終了したときは、後見人またはその相続人は、2か月以内に、後見財産の変動を明確にし現状を確定したうえで、それを報告しなければなりません。
ただし、この2か月という期間は、事情によって家庭裁判所の審判によって伸長することができます(家審法9条1項甲類22号、家審規82条)。
後見の任務が終了するのは、後見が必要なくなった場合と、後見その者は終了しないが、その後見人が後見の職務を辞める場合の二つがあります。
これらは、それぞれ絶対的終了および相対的終了と呼ばれています。
絶対的終了については、未成年後見の場合としては、被後見人の死亡、失踪宣告、成年到達、婚姻、親権者が親権または管理権を回復すること、親権または管理権喪失宣告の取消、親権者のない未成年者の養子縁組等があります。
また、成年後見の場合には、被後見人の死亡、失踪宣告、成年後見開始審判の取消等があります。
次に相対的終了については、未成年後見の場合として、未成年後見人の死亡、失踪宣告、辞任、解任、欠格があります。
成年後見の場合には、成年後見人の死亡、失踪宣告、辞任、解任、欠格等のほかに、成年被後見人の婚姻、夫婦の一方が成年後見人になっている場合の婚姻の取消または離婚があります。
後見が終了すると、10日以内に後見終了の届出をしなければなりません。
届出人は、絶対的終了の場合は、後見人であった者(戸籍法84条)、相対的終了の場合には、後任の後見人となります(戸籍法82条)。
管理計算の義務を課せられているのは、後見人の死亡・失踪宣告を後見終了の事由としている場合には、後見人の相続人となります。
それ以外の場合は、後見人です。
報告の相手方は、絶対的終了のうち未成年者の成年到達および婚姻、成年後見開始審判の取消の場合には、被後見人であった者となります。
また、被後見人の死亡・失踪宣告の場合は被後見人であった者の相続人、未成年後見については、親権者の出現の場合は、その親権者となります。
相対的終了の場合には、後任の後見人です。
なお、家庭裁判所はいずれの場合でも、管理の計算を要求できます(863条)。



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後見の事務 (その十八)

第869条(委任及び親権の規定の準用)
 第644条及び第830条の規定は、後見について準用する。


後見人は、善良なる管理者の注意をもって後見事務を行い、また、被後見人に第三者が無償で財産を与えて、後見人に管理させない意思表示をした場合には、その財産は後見人の管理に属しないものとされます。
被後見人は、後見の本旨に従って、善良なる管理者の注意をもって後見事務を行う義務を負っています。
この義務は、親権者が自己のためにすると同一の注意(827条)を払えばよいとされているのに比較して、より重いものになっています。
第三者が無償で被後見人に財産を与えて、その財産の管理を後見人にさせないという意思表示をした場合には、後見人の財産管理権は、その財産には及ばないことになります。
この場合には、先ず第三者が指定した者が財産の管理をしますが、これがないときは、家庭裁判所が選任した者がその財産の管理にあたります(家審法9条1項甲類11号)。


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後見の事務 (その十七)

第868条(財産に関する権限のみを有する未成年後見人)
 親権を行う者が管理権を有しない場合には、未成年後見人は、財産に関する権限のみを有する。

 親権を行う者が管理権を有しない場合には、つまり親権を行う者が財産管理権の喪失を宣告され(835条)、または管理権を辞退した場合(837条)には、未成年後見人は、財産に関する権限のみを有するものとなります。
未成年者に対して後見が開始するのは、親権を行う者がいない場合と、親権を行う者が財産管理権を有していない場合です。
親権を行う父または母は、親権のうち財産管理権のみを失い、身上監護権は依然として保有しているわけですから、この場合においては、後見人は財産管理権だけを持つことになります。
財産管理権のみの後見人は、被後見人の財産の管理に関する一切の事務権限および財産上の法律行為の代理および同意権を有します。


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後見の事務 (その十六)

第867条(未成年被後見人に代わる親権の行使)
 未成年後見人は、未成年被後見人に代わって親権を行う。
2  第853条から第857条まで及び第861条から前条までの規定は、前項の場合について準用する。

本条は、後見に服する未成年被後見人が婚姻外の子を有し、その子に親権を行使する場合には、未成年後見人が親権を未成年被後見人に代わって行使するとしたものです。
もっとも、後見人が親権を代行する場合は、本来の親権者がその子の親権を代行する場合とはだいぶ異なるところがあります。
そこで、本条は、後見人の親権代行については、未成年後見においての親権の延長としての後見事務を行う場合の制限規定を準用しています。
すなわち、853条から857条までおよび861条から866条までの規定が、この場合には準用されます。


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後見の事務 (その十五)

第866条(被後見人の財産等の譲受けの取消し)
 後見人が被後見人の財産又は被後見人に対する第三者の権利を譲り受けたときは、被後見人は、これを取り消すことができる。この場合においては、第20条の規定を準用する。
2  前項の規定は、第121条から第126条までの規定の適用を妨げない。

後見人の本来的な性格から、被後見人の財産や被後見人に対する第三者の権利を譲り受けることは決して好ましいことではありません。
そこで、このような行為は利益相反行為として制限を加えるほかに(860条)、さらに本条でその譲り受け行為を取り消すことができるものとしています。
すなわち、後見人が、 後見人が被後見人の財産または被後見人に対する第三者の権利を譲り受けたときは、被後見人はその行為を取り消すこともできますし、または追認することもできます。
なお、被後見人が取り消すか、追認するか不明な状態で、後見人または第三者が長く放置されることは好ましいことではないため、後見人は被後見人の後見監督人または特別代理人もしくは行為能力者となった後の被後見人に、1か月以内の期間に確答するよう催告することが許されています。
この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなされることになっています(20条)。
この場合には、取消の遡及効、追認の結果、取消・追認の方法、追認の要件、法定追認および取消権の消滅時効については、121条から126条までの規定を適用することができます。



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後見の事務 (その十四)


第865条  
後見人が、前条の規定に違反してし又は同意を与えた行為は、被後見人又は後見人が取り消すことができる。この場合においては、第20条の規定を準用する。
2  前項の規定は、第121条から第126条までの規定の適用を妨げない。


後見人が、前条の規定に違反して、後見監督人の同意を得ないでした代理行為や、被後見人に同意を与えた行為は、被後見人又は後見人が取り消すことができます。
取消が行われると後見人の代理行為、被後見人の行為は最初から無効であったことになります。
もっとも、被後見人または後見人が、後見監督人の同意を得て追認すると、その行為が有効であったことが確定します。
 制限行為能力者(未成年者、成年被後見人等)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。)となった後にその者に対し、または後見人に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答するように催告をすることができます。この場合において、その者がその期間内に確答をしないときは、その行為を追認したものとみなされます。
この場合には、取消の遡及効、追認の結果、取消・追認の方法、追認の要件、法定追認および取消権の消滅時効については、121条から126条までの規定を適用することができます。


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後見の事務 (その十三)

第864条(後見監督人の同意を要する行為)
 後見人が、被後見人に代わって営業若しくは第13条第1項各号に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、同項第1号に掲げる元本の領収については、この限りでない。


後見人は、被後見人の財産上の行為について代理兼を有していますし、かつ、未成年後見の場合には同意権も有しています。
しかし、これらの権限の行使を無制限に許すと弊害が生じるおそれがありますので、本条は、後見監督人があるときは、その同意がなければ、後見人が営業や13条1項各号に掲げる重要な財産上の行為を代理したり同意したりすることはできないものとしています。
なお、日用品の購入その他日常生活に関する行為は、同意権の対象からは除外されています。
重要な財産的行為とは、営業、元本の利用、借財または保証、不動産または重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為、訴訟行為、贈与・和解・仲裁契約、相続の承認・放棄または遺産の分割、贈与もしくは遺贈の拒絶または負担付きの贈与または遺贈の受諾、新築・改築・増築・大修繕および602条に定めた期間を超える賃貸借となっています。
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