司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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相続の承認及び放棄(その十六)

第931条(受遺者に対する弁済)
 限定承認者は、前2条の規定に従って各相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない。

相続債権を遺贈に優先させるのは当然の理です。
遺言者の意思を推定しても、被相続人が債務の弁済に窮している場合には、遺贈を考える筈がないからです。
したがって、本条は相続債権を弁済してもまだ余裕があるときだけ、受遺者に弁済することを認めることにしているのです。


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相続の承認及び放棄(その十五)


第930条(期限前の債務等の弁済)
 限定承認者は、弁済期に至らない債権であっても、前条の規定に従って弁済をしなければならない。
2  条件付きの債権又は存続期間の不確定な債権は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って弁済をしなければならない。

相続財産の清算はできる限り早急に済ませてしまうのが適当だとされています。
そのため、限定承認者は、申出期間が満了した後は、弁済期のきていない債権であっても、全額支払わなければならないことになっています。
また、条件付きの債権や存続期間の不確定な債権についても、裁判所が選任した鑑定人の評価によって、その時価を定めて弁済しなければならないものとそれています。
条件付きの債権は、条件が成就する可能性の大小により、その価値が異なります。
しかし、条件が成就するまで待っていたのでは、いたずらに清算を遅らせてしまいます。
なお、存続期間の不確定な債権とは、たとえばある人が生きているあいだじゅう、被相続人から一定の金額の給付を受けることになっているようなものを指しますが、このような場合でも清算が早めに行われるのは望ましいとされているのです。


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相続の承認及び放棄(その十四)

第929条(公告期間満了後の弁済)
 第927条第1項の期間が満了した後は、限定承認者は、相続財産をもって、その期間内に同項の申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。

本条は、限定承認が行われた場合の配当の支払い手続きおよびその支払いを受ける者の優先順位について定めている規定です。
すなわち、限定承認者は、相続財産をもって、その期間内に権利の申出をした相続債権者その他判明している相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならないことになっています。
ただし、遺産の上に質権や抵当権のついている債権のように、他の債権に優先して弁済しなければならないものがある場合には、それらの債権に対しては、その全額を支払わなければなりません。


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相続の承認及び放棄(その十四)


第928条(公告期間満了前の弁済の拒絶)
 限定承認者は、前条第1項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。

限定承認が行われる場合は、相続財産は積極財産より消極財産の方が多いのが普通です。
この場合には、公告期間の満了までは、限定承認者は相続債権者および受遺者に対して
弁済を拒むことができることになっています。
本条は、このように申出が出揃うまで弁済を拒絶することによって、公平な弁済を担保しようとする規定です。
なお、債権申出期間経過後には、たとえ、相続した負債の総額や相続財産の価額がはっきりしない場合でも、もはや支払を拒絶することはできません。


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相続の承認及び放棄(その十三)

第927条(相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告)
 限定承認者は、限定承認をした後五日以内に、すべての相続債権者(相続財産に属する債務の債権者をいう。以下同じ。)及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
2  前項の規定による公告には、相続債権者及び受遺者がその期間内に申出をしないときは弁済から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、限定承認者は、知れている相続債権者及び受遺者を除斥することができない。
3  限定承認者は、知れている相続債権者及び受遺者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
4  第1項の規定による公告は、官報に掲載してする。

限定承認が行われることは、相続債権者や受遺者の利害に大きな関係を生じます。
したがって、限定承認をした者は、それらの者に限定承認をしたことと一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を官報で公告しなければならないものとされています。
というのは、相続債権者が誰か、どこに受遺者がいるのか、限定承認をした者には分からない場合が多いので、このように官報での公告をすることにしているのです。
公告の期間は、2か月以上であれば、限定承認した者が自由に定めることができます。
公告をする場合には、定められた期間内に申出をしなかった場合には、清算から除外されると付記しなければなりません。
ただし、限定承認者は分かっている相続債権者および受遺者を除外することはできません。
なお、 限定承認者は、この公告の他に、判明している相続債権者および受遺者には、個別にその申出するよう催告をしなければならないことになっています。


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相続の承認及び放棄(その十二)

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第926条(限定承認者による管理)
 限定承認者は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければならない。
2  第645条、第646条、第650条第1項及び第2項並びに第918条第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。


相続人は、相続が開始するとともに相続財産を管理する義務が生じます。
この義務は、相続人が単純承認をすれば消滅してしまいますが、限定承認をした場合には、管理義務はさらに継続します。
これは、限定承認が相続財産を分離して清算する制度ですから当然の結果です。
 第645条、第646条、第650条第1項及び第2項の各規定は、受任者の義務に関するものです。
限定承認した場合、相続財産は実質的には、相続債権者や受遺者のために管理され清算されるものですから、この管理者に対しては受任者の義務に関する規定が準用されているわけです。
また、家庭裁判所が遺産管理人を選任する手続については、第918条第2項および第3項の規定が準用されます。



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相続の承認及び放棄(その十一)

第925条(限定承認をしたときの権利義務)
 相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかったものとみなす。

本条は、 相続人が限定承認をしたときは、その者が被相続人に対して有していた権利義務は、消滅しなかったものとして取り扱われることを定めていますが、これは混同の規定を排除して、清算手続きを行うとしたものです。
そもそも、限定承認は、相続財産を相続人の固有財産と分離して清算する制度ですから、混同によって権利義務が消滅することを認めることはできません。
 その結果、被相続人が相続人に対して有していた債権は相続財産の一部とされ、反対に相続人が被相続人に対して有していた債権は相続債務の一部として取り扱われることになります。


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相続の承認及び放棄(その十)

第924条(限定承認の方式)
 相続人は、限定承認をしようとするときは、第915条第1項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。

相続人は、限定承認をしようとするときは、915条1項所定の熟慮期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をすることを申し出なければなりません。
財産目録は、いうまでもなく相続財産の内容を明らかにするものですから、相続財産に含まれるものは、全て記載しなければなりません。
もし、悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったときは、単純承認をしたものとみなされます(921条3号)。
限定承認の申し出は、被相続人の住所地または相続開始地の家庭裁判所へ書面をもってしなければなりません。
申出は、家庭裁判所が審判によって受理した時点で効力が発生します。
申出が受理されなかったときは、即時抗告ができます(家審規115条2項)。
なお、申出書の記載事項については、家審規114条2項に規定があります。



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相続の承認及び放棄(その九)

第923条(共同相続人の限定承認)
 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。

相続人が数人あるときは、限定承認は全員が共同しなければできません。
そのうちの一部の者だけが限定承認をすることを認めてしまうと、相続財産の清算が殆ど不可能になるからです。
したがって、被相続人の債務に責任を負いたくない相続人は、相続放棄をするほかはないことになります。



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相続の承認及び放棄(その八)

第922条(限定承認)
 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

相続人が、遺産相続する場合に、その相続財産を責任の限度において相続すること限定相続と呼んでいます。
つまり、相続財産をもって、相続した負債を弁済した後、もし余りが出ればそれを相続できるという制度のことです。
相続人は、自己の固有財産まで持ち出して被相続人の負債や遺贈を支払う責任を負わない、ということになります。
ただし、被相続人の負債の保証人の責任は、限定承認があっても縮まることはありません(東京控判昭12・9・25)。
また、相続債権者は、限定承認があった場合でも、相続人に対して負債の全額について請求することができます。ただ、強制執行に関しては相続財産のある限度までしかできません(大判昭7・6・2)。


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相続の承認及び放棄(その七)

第921条(法定単純承認)
 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一  相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二  相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三  相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。


本条は、相続人の意思にかかわらず、単純承認の効果を生じさせる規定です。
そのため、法定単純承認と呼ばれています。
つまり、本条各号に掲げる事由に該当する場合は、単純承認したとみなされることになっています。
まず、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、相続人は、単純承認をしたものとみなされることになっています。
相続人は、単純承認をしない以上、相続財産を処分できないはずです。
したがって、承認または放棄の意思表示を明らかにしない間に、相続財産の処分をした場合には、単純承認をする意思があると見るのが普通です。
これが本条1号の趣旨です。
また、相続人が915条1項の期間内に限定承認または相続の放棄をしなかったときも単純承認をしたものとして扱われます。
さらに、相続人が一応限定承認をした後であっても、相続財産の全部もしくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、または悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったときのように不誠実な行為をした場合には、限定承認の利益を奪うことが適当です。
また、放棄の場合でも、その放棄によって相続人となる者が承認する前に不誠実な行為をすれはば、やはり単純相続をさせるべきです。
これは民事的制裁の意味をもつ措置です。

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相続の承認及び放棄(その六)

第920条(単純承認の効力)
 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

相続人は、単純承認をしたときは、被相続人の権利義務を無限に承継することになります。
無限にというのは、無条件・無制限にという意味です。
したがって、相続財産が債務超過の場合には、自己の固有財産をもって、その債務の弁済に当たらなければなりません。
単純承認については具体的な方式は不要です。


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相続の承認及び放棄(その五)

第919条(相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)
 相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない。
2  前項の規定は、第一編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。
3  前項の取消権は、追認をすることができる時から六箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。相続の承認又は放棄の時から十年を経過したときも、同様とする。
4  第2項の規定により限定承認又は相続の放棄の取消しをしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。


相続の承認・放棄は多数の人の利害に関係することですから、相続人が一度それを決めた以上、たとえ熟慮期間内であっても、相続関係は確定したものとして、撤回は許さないことにしています。
ただし、この規定は、第一編(総則)および前編(親族)の規定により相続の承認または放棄の取消しをすることを妨げることはありません。
ところで、第一編(総則)に規定により取り消せる場合とは、①未成年者が法定代理人の同意を得ないでしたこと(4条)、②成年被後見人がしたこと(9条)、③被保佐人が保佐人の同意を得ないでしたこと(12条1項6号)、④被補助人が補助人の同意が必要であるにもかかわらず同意なしでしたこと(16条1項、12条1項6号)、⑤詐欺あるいは強迫によってさせられたこと(96条)等があります。
また、前編(親族)の規定により取り消されるのは、後見監督人がある場合に、後見人が後見監督人の同意を得ないで被後見人を代理して承認・放棄をしたとき、およびこのような条件のもとで、後見人が未成年者に同意を与え、その同意によって未成年者が承認・放棄をしたときです(864条、865条)。
以上の取消権は、追認をすることができる時から6か月間行使しないときは、時効によって消滅します。また、相続の承認または放棄の時から10年を経過したときも、同様に消滅します。
取消権の時効は、通常5年とされています(126条)が、本条においてそれが短縮されているのは、影響の大きさを考慮して、短期間での相続関係の確定を図るためです。
限定承認・放棄は、家庭裁判所に対する申出によってなされますから、それと対比して、その取消しも家庭裁判所の申立て事項としているのです。


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相続の承認及び放棄(その四)

第918条(相続財産の管理)
 相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、本条
2  家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。
3  第27条から第29条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。


本条は、相続財産の管理上の注意義務に関する規定です。
すなわち、相続人は相続財産に関しては、相続によって取得した財産ではなく、もともと自分が持っていた固有の財産と同一の注意をもって管理しなければならないと定めています。
相続人の遺産管理についての注意義務を、通常の善良な管理者の注意より軽減しているのは、相続財産は法律上当然に相続人が取得するものであるため、これに対して善良な管理者の注意義務を課するのは、無理であると考えられているからです。
相続人が数人あるときは、共有の規定に従って管理を行うものとします。
この管理義務を怠って相続財産を減少させた場合には、管理について利益を持つ者に対して、損害賠償の責任を負わなくてはなりません。
管理に利益を者とは、限定承認をした場合の相続債権者、放棄をした場合のそれによって相続人となった者、財産分離の請求があった場合の相続債権者または相続人の債権者のことを、それぞれ指します。
なお、本条1項ただし書には「相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。」とありますが、承認または放棄しても、管理義務が全くなくなるわけではありません。
すなわち、限定承認をした場合には、同一の注意義務をもって管理しなければなりません(926条)。
また、放棄をした場合には、その放棄によって相続人となった者が管理を始めることができるまで、管理を続けなければなりません(940条)。
なお、単純承認した場合には、相続財産を固有財産と区別する理由がなくなりますから、管理義務は消滅しますが、この場合でも、財産分離の請求があれば、同一の管理義務が:継続することになります(944条、950条)。
 家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求があれば、いつでも、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができることになっています。
家庭裁判所が管理人を選任した場合には、その管理人は、民法27条から29条までの規定の準用により、不在者の管理人と同じ権限を持つことになります。



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相続の承認及び放棄(その三)

 第917条  
相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、第915条第1項の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。
本条も熟慮期間の特例です。
相続人が未成年者または成年被後見人の制限行為能力者であるときは、915条1項の熟慮期間は、その法定代理人が相続の開始を知った時から、3か月が起算されます。
したがって、制限行為能力者のために相続が開始した時に、その者に法定代理人がないときは、法定代理人が定められた後に、その法定代理人が相続の開始を知った時点から、3か月が起算されることになります。
また、法定代理人が相続開始を知った後、3か月経過しないうちに承認・放棄をしないで、その地位を去った場合には、後任の法定代理人が就職した時から、改めて3か月が起算するものと解されるべきです。
本条の趣旨は、同一人について3か月の熟慮期間を与えるもの解されるからです。


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相続の承認及び放棄(その二)

第916条  
相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第1項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。


本条は、熟慮期間の特例の一つです。
すなわち、相続人が前条の熟慮期間内に放棄も承認もせずに死亡した場合には、その相続人の相続人が承認・放棄する地位を受け継ぎますから、相続人に代わって承認・放棄ができますが、この場合には、相続人の相続人は、自分がその立場になったことを知った時から3か月以内にこの承認・放棄をすればよいことになっています。
期間が短すぎて、相続財産の調査を十分にできないという不利益から相続人の相続人を保護するための規定です。
なお、限定承認および放棄は、家庭裁判所が申出を受理したことによって効力を生じますから、受理の審判のある前に死亡したときは、本条の適用があります。


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相続の承認及び放棄(その一)

第915条  (相続の承認又は放棄をすべき期間)
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2  相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

ある人が死亡すれば。相続が行われます。
この相続の効果は、法律上当然に発生するものですから、相続人が自分が相続人となったことを知っているか否かに関係ありません。
したがって、相続人の意思にも関係ないことになります。
相続が行われると、それまで被相続人に属していた一切の権利・義務は相続人に相続されることになります。
しかし、その権利の部分が常に債務より多いとは限りません。
もし、債務の方が多ければ、そのような相続は相続人とってむしろ迷惑となります。
そこで、相続人に相続を拒否する途を開いておくのが、相続放棄の制度です。
相続放棄は、相続の効果を否認するものです。
もし相続の放棄をしないのであれば、それは相続の承認となります。
この承認には単純承認と限定承認があります。
なお、制限行為能力者が相続の承認・放棄をする場合には法定代理人の同意が必要になります。
相続人は、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に、相続の単純承認または限定承認あるいは相続の放棄をしなければなりません。
この期間のことを熟慮期間と呼んでいます。
もっとも、この期間は利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所において、その期間を伸長することができます。
ここでいう利害関係人とは、相続人は当然として、その他被相続人の債権者、または相続人の債権者等を指します。
期間が伸長される場合としては、相続財産の内容が複雑で、3か月の期間内では承認するか放棄するかの判断が困難な場合等が考えられます。
また、相続人は承認または放棄する前に、相続財産の調査をする権利を有しています。


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遺産の分割 (その九)

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第914条(遺言による担保責任の定め)
 前三条の規定は、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、適用しない。

被相続人が、遺言で特別の意思表示をしたときは、911条から913条までの規定は適用されず、その遺言のとおりに扱われます。
前三条と異なる特別な意思表示としては、たとえば、共同相続人間で全く補償の責任を負わなくてもよいとするもの、あるいは一部の相続人に限って、その責任を負わせるものなどが考えられます。
この特別な意思表示は、遺言で明示的に表わされてなくても差し支えありません。
たとえば、相続人の一人に殆どの財産を与えている場合なとどは、他の相続人の責任を免除する意向とみてもよいと推定されます。


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遺産の分割 (その八)

第913条(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)
 担保の責任を負う共同相続人中に償還をする資力のない者があるときは、その償還することができない部分は、求償者及び他の資力のある者が、それぞれその相続分に応じて分担する。ただし、求償者に過失があるときは、他の共同相続人に対して分担を請求することができない。

911条、912条で担保の責任を負う共同相続人中に、無資力のために自己の負担分を支払うことができない者があるときは、その支払えない部分については、他の相続人が相続分の割合に応じて分担することになります。
ただし、分担を求める相続人に過失があったため支払ってもらえなくなった場合には、他の共同相続人に対して分担を求めることはできません。
過失とは、早く請求すれば弁済を受けることができたにもかかわらず、それを怠ったために無資力となった場合などのことです。


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遺産の分割 (その七)

第912条(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)
 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、その分割の時における債務者の資力を担保する。
2  弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。

ある相続人が遺産分割により受け取った債権が債務者の無資力により、取り立てができなかったときには、分割時に回収すればできたであろう額を基準にして、他の共同相続人は、相続分の割合で、その損失を負担します。
遺産の中に債権があっても、その債権が実際に回収できるかどうかわからなければ、相続人の中の誰もがその債権を受け取りたいとは思わないでしょう。
そこで、本条はもこのような場合には、相続人同士が瑕疵担保責任を負い合わなければならないと定めているのです。
この規定は、相続人間の公平を期するためのものです。
なお、遺産分割時にまだ弁済期が到来していない債権と条件が成就していないため取り立てができない債権については、取り立てができるようになった時に、回収すればできたであろう額を基準として不足額を補償することになります。


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遺産の分割 (その六)

第911条(共同相続人間の担保責任)
 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。

分割された財産に瑕疵があった場合には、各共同相続人は他の共同相続人に対し売主と同じく、その相続分に応じて担保責任を負担することになります。
分割の効果は、相続開始時に遡って生じますから、各相続人は被相続人から直接、財産を承継したことになりますが、実質的には遺産分割の際に共有持分を交換したのと同じことになります。
そこで、法律は売主の担保責任の規定によって、相続分に応じて、他の相続人が補償することにしているのです。
ところで、売主担保責任の内容は代金減額、解除および損害賠償ですから、遺産分割の場合にもそれが反映されます。
減額請求については、瑕疵ある財産を現物分割によって取得した相続人が、金銭による代償分割を得た相続人に対して請求することができます。
では解除についてはどうかというと、分割の遡及効の趣旨から判断すると、遺産分割は相続のときに遡って相続人らの財産上の権利の帰属を創設的に認める処分的合意と解されるため、本質的には売買のような財産法上の契約とは異なるとして、それを否定する見解が多数説です。
損害賠償については、売主の瑕疵担保責任の規定に従って、数量の不足していた場合、分割した遺産の全部または一部が他人の物であったため、取り戻された場合、物に隠れた瑕疵があり、当初の評価より低い価値しかない場合等は、他の相続人はその損失を負担することになります。
なお、債務負担の方法による分割の場合は、債務額の減額が考えられます。


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遺産の分割 (その五)

第910条(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)
 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

遺産分割協議は、共同相続人全員によって行われなければならず、これに反した協議は無効です。
したがって、遺産分割協議の終了後に、認知の訴え(787条)によって共同相続人になった者が出現すると、その認知の効果は出生の時に遡りますから(784条)、遺産分割協議は無効であり、遺産分割のやり直しをしなければならないことになります(907条)。
そこで、民法はこの場合にも遺産分割協議の効果を維持しつつ、新たな共同相続人の利益をも保護するために、本条の規定を置いているのです。
すなわち、このような者が、遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、自己の相続分に相当する価額のみによる支払の請求権を有することとしています。
なお、これとともに相続人として相続分に応じた債務も負担することはいうまでもありません。
民法は、このように規定して既に行われていた遺産分割の安定性を保護しているのです。
価額の算定は、請求時の時価によります。


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遺産の分割 (その四)

第909条  (遺産の分割の効力)
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

本条は、遺産分割の効力(遡及効)とその例外について規定しています。
共同相続人は、相続開始時から、各自の持ち分に応じて、遺産の中の全ての財産を共有するものとされています。
その後、遺産分割を行うと、各財産の上の持分が相互に移転して、それぞれの財産がそれぞれの相続人の単有とになることになります。これを分割の移転的効力と呼んでいます。
ところが、本条は、遺産分割によって各相続人が取得した財産は、被相続人が死亡した時に、直接その者から承継したことになるとしています。
これを分割の宣言的効力といいます。
つまり、分割までの共有はなかったものとして取り扱っているのです。
したがって、共同相続人の一人に分割された財産は被相続人から直接相続によって、その相続人に移転したものとして、その者の単独所有名義にすることができます。
ただし、判例は、分割により不動産を取得した者に登記を要求し遡及効を制限しています。
• 遺産分割と登記(最高裁判例 昭和46年01月26日)
• 相続財産中の不動産につき、遺産分割により権利を取得した相続人は、登記を経なければ、当該不動産につき分割前に権利を取得した第三者に対し、分割後に法定相続分をこえる権利の取得を対抗することができない。
ところで、このように分割の効果を相続開始時まで遡らせると、第三者との関係では問題が生じます。
例えば、ある相続人の債権者が、その相続人のある財産上の持分に対して差押えをかけていたり、またある相続人が自己の持分を第三者に譲渡していたりすると、分割の結果、その相続人は、その財産上に何らの持分も有していなかったという結果も考えられますから、その差押えや譲渡は無効となってしまいます。
そこで、本条但書きで、第三者を保護することにしているのです。
ただし、不動産その他対抗要件を要する財産にあっては、相続人の一人から持分の譲渡を受けた者は、分割によってその財産の単独所有者となった他の相続人に対しては、対抗要件を備えていなければ、自己の持分を主張することはできません。
第三者は、その遺産を取得した相続人と、その財産を共有することになり、その相続人に共有物の分割を請求できます。


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遺産の分割 (その三)

第908条(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)
 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

被相続人は、遺言で遺産の分割の方法を指定し、もしくは遺産分割の方法を指定することを第三者に委託しておくことができます。
また、相続開始の時から五年以内のある時期まで遺産の分割を禁止することができます。
分割方法を指定した結果、それに従って分割すると法定相続分と合致しなくなる場合には、相続分をも指定したことになります。
遺産分割の方法を指定することを第三者に委託した場合には、この第三者は、相続分及び906条の基準に従って分割方法を定めなければなりません。
被相続人は、必要があれば5年という期間内で遺産分割の禁止を遺言で定めることが認められています。
例えば、相続人である未成年の子が,成年に達して自分の意思で遺産分割ができるようになるまで、遺産分割を禁止しておくような場合が考えられます。
なお、5年を超える期間を定めても、その超過分は無効となります。

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遺産の分割 (その二)

第907条(遺産の分割の協議又は審判等)
 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。
2  遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
3  前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。


-本条は、遺産分割の方法・手続についての規定です。
遺言による分割方法の指定のない場合には、本条による手続により遺産分割を行います。
相続開始後何時でも、共同相続人は、全員の協議によって、自由に遺産分割ができます。
そして、その結果を分割協議書に作成し、全員が署名押印します。
この協議による分割は相続分に応じて906条の基準に合うようにするのが法律の趣旨ですが、全員の合意の上であれば、どのような遺産分割をしても無効ではありません。
共同相続人間の協議がまとまらない場合や一部の者の行方不明等の理由で協議ができない場合、あるいは協議に応じない者がいる場合には、家庭裁判所に分割の審判を申し立てることになります。
遺産分割を申し立てることができるのは、相続人です。
申立ては、相続人の一人からでもできます。
申立てをするには、共同相続人、利害関係人を示し、遺産目録を提出しなければなりません(家審規104条)。
遺産分割の方法としては、現物分割、換価分割、債務負担による方法、共有による方法等があります。
家庭裁判所は、遺産の全部または一部について分割しないでおく方が適当であると考える特別な事情がある場合には、期間を定めて分割を禁止する審判をすることができます。
遺産の一部の分割を禁止するというのは、具体的に特定の財産の分割を禁止するということです。
分割を禁止した後で、事情が変わった場合には、相続人の申立てによって、いつでもその審判の取消しまたは変更ができます(家審規112条)。


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遺産の分割 (その一)

第906条(遺産の分割の基準)
 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。


遺産は、個々の価値を有する財産として存在します。
したがって、遺産分割に際しては、相続分といった抽象的な割合で処理できるものではありません。
遺産には通常、不動産、動産、債権その他多様のものが含まれており、また一口に土地といっても宅地、山林、農地等によって全く性質が異なります。
その上、また、相続人も年齢、職業、性別、収入等によって生活環境も様々です。
そのため、遺産分割においては、これら多様な事情を考慮して分割することが必要になります。
また、各相続人にとっても有用な財産は個々の事情によって異なってきます。
このような分割基準について、さまざまな遺産をあらゆる事情の違う相続人間で分割する場合に適合するように、一般的抽象的に定めたのが本条です。


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相続分(その七)


第905条(相続分の取戻権)
 共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
2  前項の権利は、一箇月以内に行使しなければならない。

共同相続人は、遺産分割前は、債務も含めた遺産全体のうえに各自の相続分に応じた権利を有しています。
この権利も財産的価値を有するものですから、他人に譲渡することができます。
しかし、他人が相続人に代わって遺産の管理や分割に加わることは、他の相続人にとって決して好ましいことではありません。
そこで、民法は他の相続人に、相続分を譲り受けた第三者から、それを買い戻す権利を与えました。
買い戻すためには、相続分の評価額と譲り受けた者が支出した費用を提供して、買い戻しの意思表示をすれば足ります。
相手方の承諾は不要です。
この買い戻しの権利は、相続分が第三者に譲渡されたときから、1か月以内に行われなければなりません。


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相続分(その六)

(寄与分)第904条の2
 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2  前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3  寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4  第2項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。

 
本条では、被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与・貢献をした相続人がいる場合には、共同相続人間の公平を図るために、その者の法定相続分または遺言による指定相続分に、その者の寄与に相当する価額を加えた財産の取得をその者に認めています。
たとえば、父の営む事業を子の一人が手伝っていた場合、その子がその労働に見合うだけの
賃金を貰っていないようなときは、実質的には父の財産にはその子の労働の成果が含まれており、これも他の子に分けるとすれば、共同相続人間の公平を害することになるからです。
本来の相続分を超えて加算される部分のことを寄与分といい、このように特別の寄与や・貢献のあった相続人のことを寄与者と呼んでいます。
寄与分を主張できるのは、相続人に限られます。
したがって、相続放棄者、相続欠格者、被廃除者は寄与分を主張できません。
代襲相続人は、自分の寄与分とともに、被代襲相続者の寄与分も請求できます。
被相続人の財産の維持・増加のために、特別の寄与があったと認められる場合とは、例えば夫婦間にはもともと協力義務がありますから、通常期待されるような貢献をしても「特別の寄与」とはなりません。
したがって、通常期待される程度を超える貢献があった場合に、はじめて「特別の寄与」と言うことができるのです。
具体的には、共働きの夫婦間で、お互いに婚姻費用を分担しつつ、一方が他方の事業に金銭の出資その他の方法で協力した場合にはじめて「特別の寄与」と言えます。
つまり一般的な義務の範囲を超えるものでなければなりません。
寄与の有無及び額は、まず共同相続人全員の協議で定めます。
共同相続人全員の意思が一致しないとき、または相続人中に行方不明者があるなどして協議ができないときは、寄与者の請求により家庭裁判所が決めることになります。
家庭裁判所に調停を申し立て、調停が成立しない場合は審判に移行します。
寄与者からの申立ては、907条2項の遺産分割の申立てがあった場合、または910条に規定する被相続人の死後に認知されて相続人となった者からの申立てがあった場合にもすることができます。
なお、寄与分の計算方法は、相続開始時の遺産の価額から寄与分の価額を差し引いた残りの価額を法定相続分、または指定相続分で分配し、 寄与者には更に寄与分を加算します。
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相続分(その五)

第904条  前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。

903条の計算をするためには、そそ贈与された財産を評価しなければなりません。
その評価のやり方は、贈与された財産がそのまま相続開始時に存在するものとして時価で評価するのが原則です(通説)
ただし、実際には遺産分割の時点での時価評価になるものと思われます。


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相続分(その四)

第903条(特別受益者の相続分)
 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2  遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3  被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

本条は、相続分の計算にあたって、各相続人が被相続人から受けた財産的利益を、被相続人の意思に反しない限り、計算に入れることによって、各相続人間の具体的公平を図ろうとする趣旨のものです。
すなわち、相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、または婚姻、養子 縁組のためもしくは生計の資本として生前に贈与を受けた者がいる場合には、この者については相続分の前渡しを受けた者として取り扱うこととしているのです。
このように特別の利益を受けた者のことを特別受益者といいます。
その 受益者分を遺産に戻して相続分を計算することを特別受益の持戻しと呼んでいます。
相続人の種類は問いません。代襲相続の場合には、被代襲者の分も計算に入れます。
計算に算入する贈与とは、次のようなものです。
結婚または養子縁組のための贈与の場合は、持参金・支度金、結構志度の品物等です。
生計の資本としての贈与の場合には、分家や商売の元手等に限らず、給与生活者が住宅を建ててもらった場合もこれに含まれます。
大学等の学費の場合も、他の兄弟と異なって特別な教育を受けたのであれば、これに入ります。
遺贈は全部計算に入れます。
特別受益者がいる場合の相続分の計算方法は、被相続人が死亡時に有していた財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなして、これを基礎にして900条から902条の規定にしたがって相続分を計算します。
次に相続分の中からその者が受けた遺贈または贈与の価額を控除した残額が、その者の相続分となります。
この場合にその者が受けた遺贈または贈与の価額が、相続分の価額に等しいか、またはこれを超えるときは、その者は、相続分を受けることができません。
ただし、被相続人が、本条の1項、2項の規定とは異なった意思表示をしたときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない限り、その意思表示どおりの相続が認められます。


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