司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

相続分(その三)

第902条(遺言による相続分の指定)
 被相続人は、前2条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。
2  被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。


被相続人は、遺言で共同相続人の相続分を指定することができますし、またこれを定めることを第三者に委託することもできます。
しかし、どちらの場合でも、遺留分に関する規定に違反することはできません。
なお、被相続人が共同相続人の一部の者についてだけ相続分を指定したり、あるいはその指定を第三者に委託した場合には、指定を外れた残りの相続人の相続分は900条、901条の規定に従って定めることになります。
相続人が数人ある場合、被相続人はそれらの者の職業、地位、年齢等の具体的な事情を勘案して、遺言で適当な相続分を定め、あるいは第三者に指定させることができるものとしているのです。
このように、法定相続分と異なる相続分を指定するのは、必ず遺言でしなければならないことになっています。
遺言という形式によらない場合は、無効となります。



From AIO of Yokohama

スポンサーサイト

PageTop

相続分(その二)


第901条  (代襲相続人の相続分)
第887条第2項又は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2  前項の規定は、第889条第2項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したり、あるいは891条から893条の規定により相続権を失ったりして相続できないときは、その者の子がこれを代襲して相続します。このように孫が子に代わって祖父を相続すること代襲といいますが、これは自然の順序で相続が行われれば、自分もまた遺産を受け継ぐ期待を有する子孫を保護しようとするもので、公平の原理に立脚しています。
ただし、被相続人と法律上の血族関係を有しない者は相続できません。
このように子に代わって相続するはずの者が、相続の開始以前に死亡していたり、あるいは相続権を失っていて相続できない場合は、その者の子が再に代襲相続します。

第三順位者の兄弟姉妹が、相続開始時に死亡していたり、相続権を失っていたりして相続できないときは、その者の子(被相続人の甥・姪)が代襲して相続人となります。
このように兄弟姉妹についても代襲相続が認められていますが、昭和55年の民法一部改正により、代襲相続人は兄弟姉妹の子に限られ、それ以降の世代は含まれないことになりました。
ところで、887条2項、3項によって親に代わって相続人となる者の相続分は、その親が相続するはずであった相続分と同じです。
もっとも、親に代わって相続する者が数人いる場合には、親が相続するはずの相続分について、前条の規定に従ってその相続分を定めることになります
兄弟姉妹に代わって、その子(被相続人の甥姪)が相続する場合も同様です。


From AIO of Yokohama

PageTop

「18歳成人」を答申、法制審

法制審議会は28日、現在は20歳と規定している民法の成人年齢について、「18歳に引き下げるのが適当だ」とする答申を千葉景子法相に提出しました。

PageTop

相続分(その一)

 第900条(法定相続分)
 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

被相続人が、遺言で相続人の相続分を定めていない場合には、各相続人の相続分は本条の規定により決まります(法定相続分)。
イ 配偶者と子供が相続人である場合
 配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2
ロ 配偶者と直系尊属が相続人である場合
 配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
ハ 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
 配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4
 なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。
また、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1となっています。
この規定が、憲法14条の定める「法の下の平等」に反しないかは論争されてきましたが、最高裁は民法が法律婚主義を採用したため、婚姻関係にある配偶者とその子を優遇する一方で、非嫡出子に対しても一定の保護を図ったものであるとして、憲法には反しないとしています(最大決平成7年7月5日)。
父母の一方だけが同じである兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じである兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続の効力(その四)

第899条
 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。

相続人の共有とされる遺産分割前の遺産に対する各相続人の持分は、相続分の割合によります。
通常の共有のように持分が等しいという推定は受けません。
この相続分は次条以下の規定によって定まります。



From AIO of Yokohama

PageTop

相続の効力(その三)

第898条(共同相続の効力)
 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

相続人が数人ある場合には、遺産は、相続開始時から遺産分割終了時まで、この数人の者、すなわち共同相続人の共有となります。
共有については、民法249条以下に詳細な規定がありますが、学説は、遺産の共有は、遺産分割という特別な目的のための暫定的、過渡的な共同所有であるから、一般的な共有の規定をそのまま適用することはできないとするものが多数を占めています。
ところで、相続されうる具体的な権利義務とは、①物権、②物権的権利、③債権、④取消権など形成権、⑤債務、⑥財産的な契約上の地位、⑦代理人の地位、⑧社員権、⑨生命保険金、⑩遺族年金等ですが、相続人が数人ある場合の、相続形態についての判例としては、次のようなものがあります。
イ)損害賠償請求 (最高裁判例 昭和29年04月08日)
相続人数人ある場合において、相続財産中に金銭の他の可分債権あるときは、その債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するものと解すべきである。
ロ)貸金請求(最高裁判例 昭和34年06月19日)
連帯債務者の一人が死亡し、その相続人が数人ある場合に、相続人らは、被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自その承継した範囲において、本来の債務者とともに連帯債務者となる。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続の効力(その二)


第897条(祭祀に関する権利の承継)
 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

現行民法は旧民法時代の家制度を廃止しましたが、祭祀財産については一般の相続とは別な特別の規定を設けています。
つまり、家系図、位牌、仏壇、墓石、墓地等については、それが祖先の祭のために使用される点を重視して、相続財産から除外して、相続人とは別に祭祀の主催者に受け継がせることとしているのです。
「祖先の祭祀を主宰すべき者」は、第1に被相続人の指定で決まります。、
指定がなければ、その地方の慣習により定まります。
最後には、家庭裁判所の審判によって決まります。
その資格に制限はなく、被相続人との関係では、必ずしも相続人には限らないとされています。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続の効力(その一)

第896条(相続の一般的効力)
 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。


相続とは、人が死亡した瞬間に、その者に属していた一切の財産上の権利義務が包括的に相続人に移転することです。
ただし、被相続人だけしか持つことのできない一身専属的な権利義務は除外されます。
民法上規定があるものとしては、例えば、使用借主の地位(559条)、委任者・受任者たる地位(653条)、組合員たる地位(679条)などはそれぞれ当事者の死亡によって消滅するので、相続されません。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その十)

第895条  (推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理)
推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。
2  第27条から第29条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が遺産の管理人を選任した場合について準用する。


廃除の審判が確定しないうちに、被相続人が死亡し、相続が開始した場合には、廃除されようとしている者は、その時点では相続資格を有しています。
しかし、廃除の審判が確定すると、相続開始時まで遡って相続資格を失うことになります。
このような不安定な地位にある相続人が、相続財産の管理、処分したり、遺産分割協議に参加したりすると、のちに審判が確定すると、正当な相続人は、相続回請求権によりその者から遺産を取り戻さなければならないことになります(884条)。
もし、遺産が第三者に処分されているような場合には、取引の安全も害することになります。
廃除取消の手続中に相続が開始された場合は、逆の意味での面倒が生じます。
そこで、そのような事態が発生することを防ぐために本条の規定がおかれているのです。
遺産の管理について必要な処分を家庭裁判所に請求できるのは、①被相続人の親族,
②利害関係人(被相続人の債権者、相続人の債権者、遺贈を受けた者、遺言執行者等の遺産の管理・保存に関して利害関係を有している者が含まれます。)、③検察官です。
本条にいう必要な処分とは、通常は遺産の管理人を定めることですが、遺産の処分禁止や占有移転禁止の処分の場合もあります。
この管理人の権限は、不在者の財産管理人と同じです。
管理人は将来確定する相続人の法定代理人としての任務につきます。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その九)

第894条(推定相続人の廃除の取消し)
 被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
2  前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。

廃除はいつでも取消すことができます。その場合には 被相続人は、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求しなければなりません。
廃除の請求をするのは被相続人の自由ですから、廃除された者を許すのも、また被相続人の自由です。
この際には、廃除の原因となった事実の存否は一切問われません。
取消請求の申立てが、被相続人の真意に基づくものであれば、必ず取消の審判は行われます。
この取消しの請求は遺言でもすることができます。この場合、遺言執行者が家庭裁判所に申し立てて、手続きを進行させるのは、前条の遺言による廃除の場合と同様です。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その八)

第893条(遺言による推定相続人の廃除)
 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

廃除は遺言でもできます。
なお、遺言中に「廃除したい」とか「相続権を取り上げる」といった明確な文言のない場合でも、廃除の意思が示されていれば、それで足ります。
廃除の遺言があったときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならなりません。
遺言による廃除の審判は、当然のことながら、相続開始後に確定しますが、その効力は被相続人の死亡の時にさかのぼって生じます。
From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その七)

第892条  (推定相続人の廃除)
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
被相続人が、遺留分を有する推定相続人に著しい非行の事実がある場合に、家庭裁判所に「推定相続人廃除調停申立て」をすることにより推定相続人の持っている遺留分を含む相続権を剥奪する制度のことを相続廃除といいます。調停が不調に終わると審判になります。
廃除を認める調停や審判が確定すると、その時点でその推定相続人は相続資格を失います。
ただし、欠格の場合と異なり、廃除された者は遺贈を受ける資格を失いません。
廃除の理由となりうる非行とは、被相続人に対する虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行に限られます。
虐待とは肉体的、精神的苦痛を与える行為であり、侮辱とは名誉または自尊心を傷つける行為のことをいいます。
具体的には、被相続人との身分関係に応じて個別に判断されることになります。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その六)

S10469.jpg


第891条(相続人の欠格事由)
 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

次に掲げる者は、相続人となることができません。
相続制度は、被相続人とその配偶者、一定の血族間に緊密な協同関係があることを前提としていますから、この関係を破壊するような非行者にまで相続権を認める必要はないからです。

1. 故意に被相続人又は相続について先順位 ・同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

過失で死亡させた場合や傷害致死の場合は含まれません。
被相続人が被害者の場合だけでなく、先順位または同順位相続人が被害者の場合も相続権を失います。

2. 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別 がないとき、又は殺害者が自己の配偶者・直系血族であるときは、この限りではありません

被相続人が殺害されたことを知っていながら、告訴、告発しなかった場合には、告訴・告発するのが
相続人の義務であるという考え方に基づいて、これを怠って犯罪の発覚を妨げたり遅らせたりした者に対して、その制裁として相続権を奪うものです。ただし、加害者が相続人の近親である場合には、人情的に告訴・告発を要求できないので除外されています。
また、相続人が事の是非を認識できないような者である場合も除かれます。

3. 詐欺・強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取消し、又は変更することを妨げた者

3番目と4番目の欠格事由は、相続人が被相続人を騙したり強迫したりして、相続に関する遺言の自由を妨げ、相続上の不当な利益を得ようとした相続人に対する制裁として相続権を奪うものです。

4. 詐欺・強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、変更させた者
5. 相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者

被相続人の相続に関する遺言を偽造とは、被相続人の名前を使って遺言書を作成することをいいます。
また、変造とは書き加えたり、削除したりしてその内容を変更することです。
破棄とは遺言書を破り捨てたり塗りつぶしたりして、遺言の効力を失わせることです。
隠匿には、遺言書の発見を妨げて、相続上有利な立場に立とうとする二重の故意が必要だとする判例があります(大阪高裁昭和61・1・14)。

欠格事由は、本条に掲げる五つに限られますから、その他の非行については、次条の廃除にゆだねられています。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その五)

第890条  (配偶者の相続権)
被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。


被相続人の配偶者は、常に相続人となることができます。
この場合において、887条または889条の規定により相続人となるべき者があるときは、配偶者は、その者と同順位で相続人となります。
これらの相続人がいないときは、配偶者は単独で相続人となります。
ここでいう、配偶者とは戸籍上の配偶者のことです。
配偶者は、血族相続人があるときでもないときでも、いつでも相続人となります。
これは、血族相続人とは、順位においても、相続分においても別系統ものだとされているからです。



From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その四)

140px-Go-shichi_no_kiri_crest_2_svg.png
第889条(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
 次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一  被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二  被相続人の兄弟姉妹
2  第887条第2項の規定は、前項第2号の場合について準用する。


本条は、第二、第三順位の相続人についての規定です。
被相続人に直系卑属がないか、あっても相続権を失っている場合や相続権を持つものすべてが相続放棄した場合には、次の者が次の順位で相続人となります。
第二順位者・直系尊属、つまり父母、父母がいなければ祖父母というように、親等の近い者か優先します。
第三順位・兄弟姉妹。
第三順位者である兄弟姉妹が、相続開始時に死亡していたり、相続権を失って相続できないときは、その者の子が第887条第2項と同じように代襲相続人となります。
第三順位者の兄弟姉妹が、相続開始時に死亡していたり、相続権を失っていたりして相続できないときは、その者の子(被相続人の甥・姪)が代襲して相続人となります。
このように兄弟姉妹についても代襲相続が認められていますが、昭和55年の民法一部改正により、代襲相続人は兄弟姉妹の子に限られ、それ以降の世代は含まれないことになりました。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その三)

第888条  削除

本条は、代襲相続の原則規定でしたが、昭和37年の民法改正によって前条が修正され、直系卑属の代襲相続についての規定が組込まれたので、削除されました。


From AIO of Yokohama

PageTop

 相続人(その二)


第887条(子及びその代襲者等の相続権)
 被相続人の子は、相続人となる。
2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。


死者の血族中第一番目に相続人となるのは、子です。
子が数人いれば共同して相続します。
男女の性別、実子と養子、嫡出と嫡出でない子等は子の相続権の順位には影響を及ぼしません。
実子が普通養子にいったり、結婚したりして、親と氏を異にしていても相続権には何ら影響はありません。
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したときや欠格や廃除によって相続権を失った場合には、その者の子が代襲相続します。
しかし、相続人が相続を放棄した場合には、その者の子は代襲相続できません。
放棄は代襲原因になっていないからです。
なお、被相続人の直系卑属でない者は代襲相続できません。
また、代襲者もまた、被相続人の死亡する以前に死亡したり、相続権を失っていたりして相続できないときは、その者の子がさらに代襲相続します。



From AIO of Yokohama

PageTop

相続人(その一)

第886条(相続に関する胎児の権利能力)
 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2  前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

相続開始時に胎児があれば、相続に関してはその胎児は、既に生まれたものとして扱われます。つまり、胎児の父親が、胎児の出生前に死亡した場合についても、その相続に関する関係においては、胎児は既に生まれており、権利能力を有していたものとして取り扱われるということです。
したがって、この結果として胎児も相続人となることができます。
ただし、その胎児が死産すれば、初めからいなかったものとして取り扱われます。
しかし、元来、相続ができるためには、相続開始時に権利能力を有していなければなりません。
権利能力は、出生により取得するものですから、胎児に相続権を与えるのはあくまでも例外的な擬制ということになります。
相続に関しては、胎児も、既に生まれたものとして取り扱うとすると、法律的な恒星が必要になります。
学説上では、解除条件説という考え方と、停止条件説という考え方が存在しています。
解除条件説とは、胎児を相続に関しては、権利能力を有したものとして一人前に取り扱い、他の相続人と同等に取り扱うという方法です。母が法定代理人として遺産分割等を行うことになります。この説によると、ただ、死産だった場合に限って、相続開始時に遡って権利能力を有していなかったことになります。
つまり、死産が解除条件となるわけです。しかし、民法には胎児の法定代理人についての規定はありませんし、胎児が死産したり、多胎児手であった場合には、遺産分割のやりなおしという問題が発生します。
一方、停止条件付説とは、胎児は、生きて生まれてくることを停止条件として、相続権を有するとするとする考え方です。
この説によると、生きて生まれてくるまでは、胎児には相続権は認められず、生きて生まれてきたときに、はじめて相続開始の時にさかのぼって相続権を有していたということになります。
これでは、生まれる前に遺産が分割されていたような場合には、胎児の持分を取り戻さなければならいという不便さが生じます。
判例は古くから停止条件説をとっています。
実際問題としては、胎児出生まで遺産分割の禁止を命じる審判をしてもらうことが望まれます。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続(その四)


第885条  (相続財産に関する費用)

相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。
2  前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によって得た財産をもって支弁することを要しない。


相続人が相続の限定承認をすれば、相続財産を清算した結果、負債が多ければ相続しないということになるので、相続財産を相続人固有の財産から区別して、相続財産に関する費用は、その中から支払わざるを得ないことになります。
本条は、このような場合に実益のある規定です。
相続財産に関する費用とは、その管理や清算に必要な費用のことですが、具体的には、管理人選任費用、保存登記手続等の保存に必要な費用、財産目録調整に必要な費用、管理・清算のための訴訟費用等が全て含まれます。
相続税、葬式費用については、問題があります。
判例によれば、相続税は相続財産に関する費用とはいえないとしています。
また、葬式費用については、判例・学説ともに一定していません。
なお、相続人が不注意であったため、特に必要となった費用は、その相続人の負担となります。
また、遺留分を侵害された相続人が、贈与の減殺によって得た財産からは相続財産に関する費用を支払う必要はありません。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続(その三)

第884条(相続回復請求権)
 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。

本条は、真実の相続人が、表見相続人から遺産を取り戻す権利(相続回復請求権)の短期消滅時効について定めています。
そして、その前提として、本条は真正相続人に相続回復請求権という特別な権利を与えています。
もっとも、この権利の内容については、他に規定がないため、全て学説・判例による解決に委ねられています。
ところで、この相続回復請求権という特殊な権利を相続人に認める理由としては、①表見相続人が遺産の管理処分を行っている場合に、真正相続人に対して、遺産の中の財産を一括して取り戻すことができる便宜を与える,②この場合、相続人は相続人であることを主張・立証すれば、それで足りる、③ただし、長年月を経てからの取り戻しを認めると、法的安定性を乱すため、比較的短期の消滅時効を定めるものとしています。
5年の短期消滅時効は、相続人が自らの相続権を侵害された事実を知った時から計算します。
この意味は、被相続人が死亡したこと、つまり、その者について相続が始まったことを知っただけで、その者との関係で自分が相続人であることを知らなければならいということです。
また、20年の期間は、相続が開始した時から計算します。
したがって、相続人が相続が開始したことを知らなかったにせよ、相続権の侵害が何時生じたにせよ、相続が開始してから20年経過すれば、遺産の取り戻しは認められません(最判23・11・6)。


From AIO of Yokohama

PageTop

相続(その二)



第883条(相続開始の場所)
 相続は、被相続人の住所において開始する。

この規定は、相続を取り扱う裁判所を決めるためのものです。
相続に関する訴えは、相手方の住所地の裁判所のほかに、被相続人の住所地の裁判所にも提起できます。
また、相続や遺言に関する審判は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てなければなりません(家審規99条、120条)。



From AIO of Yokohama

PageTop

相続(その一)

S10469.jpg
第882条  (相続開始の原因)
相続は、死亡によって開始する。

相続は、人の死亡によって、その時点から始まります。
つまり、相続が開始するのは、人の死亡した瞬間です。
したがって、普通の死亡の場合には、死亡届に添付する医師の死亡診断書等により決まることになります。
相続人としての権利や義務は、相続が開始してから初めて発生します。



From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十七)

第1044条(代襲相続及び相続分の規定の準用)
 第887条第2項及び第3項、第900条、第901条、第903条並びに第904条の規定は、遺留分について準用する。

本条は、代襲相続人および相続分の規定の準用を定めています。
887条は、代襲相続権の規定です。この規定の準用により、代襲相続権者も遺留分を有することになります。
また、900条は法定相続分に関する規定です。
この規定の準用により、これを基準にして1028条で定まった遺留分を、各共同相続人間で配分を行うこととなります。
901条は、代襲相続分の規定です。
この規定の準用により、代襲相続人の遺留分を決める基準が定まります。
903条は、特別受益者の相続分に関する規定です。
この規定の準用により、その特別利益が、遺留分計算の基礎となる財産の中に算入され、特別受益者にとっては、その贈与は相続分を決める対象となり、かつ、遺留分侵害を定める基準ともなります。
904条の規定は、特別受益者の相続分を算定する際に、その贈与の評価方法を定めたものです。
この規定の準用により、一般的に遺留分算定の基礎となる財産に算入される贈与を評価する場合にも、その基準になりえます。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十六)

第1043条(遺留分の放棄)
 
相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
2  共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。

相続開始前に、相続人となるべき者が遺留分を放棄するためには、家庭裁判所の許可が必要となります。
この趣旨は、たとえば親が子に遺留分の放棄を無理強いさせるような事態を避けるために、家庭裁判所に後見的な役割を担わせて、それを制御しようというものです。
なお、相続人となるべき者が数人いる場合に、その中の一人が遺留分の放棄をしても、他の共同相続人の遺留分には影響を及ぼさず、他の相続人の遺留分が増えるわけではありません。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十五)

 

第1042条(減殺請求権の期間の制限)

減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

遺留分に基づく減殺は、被相続人が生前に行った贈与も含めて、その結果を覆すものです。
そこで、1年という短期間にその権利を消滅させて、取引の安全との調整を図ろうとしているのです。
すなわち、減殺の請求権は、1年間行使しないでいたら、消滅時効にかかり、もはや遺留分に基づく権利を主張することはできなくなってしまうのです。
この消滅時効の起算点は、遺留分権利者が、相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時、と定められています。
また、相続開始の時から10年を経過したときも、同様な扱いがなされます。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十四)

第1041条(遺留分権利者に対する価額による弁償)
 受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。
2  前項の規定は、前条第1項ただし書の場合について準用する。


 受贈者および受遺者は、減殺を受けた場合には、その目的物の代わりに、減殺を受けるべき限度内で、贈与または遺贈の目的物の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができます。
遺留分による減殺請求は、特定の財産の取り戻しを認めていますが、本条により、 減殺の相手方である受贈者および受遺者は、金銭をもって特定財産の価格を支払えば、目的物自体の返還義務を免れることになります。
このことは、遺留分が相続財産に対する一定の割合額を指すのであり、特定財産を意味するのではないことを明らかにしています。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十三)

第1040条(受贈者が贈与の目的を譲渡した場合等)
 
減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、遺留分権利者にその価額を弁償しなければならない。ただし、譲受人が譲渡の時において遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、遺留分権利者は、これに対しても減殺を請求することができる。
2  前項の規定は、受贈者が贈与の目的につき権利を設定した場合について準用する。


贈与された物が、既に遺留分侵害を知らない善意の第三者に譲渡されていると、その第三者に対して減殺を請求して目的物を取り戻したり、価額による返還を請求することはできません。
これは、取引安全との調整をはかったものです。
なお、第三者と受贈者が悪意である場合には、取引の安全より、もはや遺留分権利者の保護が優先するものとして、第三者からの減殺による返還を認めています。
また、相続開始後1年内の贈与であれば、減殺の対象となり、この場合には第三者が悪意であれば、受贈者の善意・悪意は問題とならず、第三者からの減殺は可能となります。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十二)

第1039条(不相当な対価による有償行為)
 不相当な対価をもってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものに限り、これを贈与とみなす。この場合において、遺留分権利者がその減殺を請求するときは、その対価を償還しなければならない。

時価と比べて不当に安い価格で被相続人がその財産を処分したような場合とか、不当に安い対価で債務を免除したような場合には、当事者が遺留分侵害の事実を知っていたときに限って、これを贈与とみなして、遺留分算定の基礎に算入し、減殺請求の対象として取り扱います。
減殺して、その財産を取り戻したときは、対価として被相続人が受け取ったものは返還しなければなりません。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十一)


第1038条  (負担付贈与の減殺請求)
負担付贈与は、その目的の価額から負担の価額を控除したものについて、その減殺を請求することができる。


負担付贈与については、贈与財産の価額から、負担の価額を控除した額を減殺請求することができます。
具体的な例で言えば、被相続人が死亡前1年内に、Aに400万円を贈与し、Bに300万円を贈与したが、Bはその際に200万円の債務を引き受けたものとし、減殺額が150万円だとします。
この際、Aへの贈与が、Bへの贈与より先になされたときは、まずBへの贈与から、減殺されます(1035条)。
この場合、その価額300万円の中から負担の価額200万円を控除した100万円だけが減殺されます。
そして、残りの50万円はAへの贈与から減殺されます。
次に、AとBとの贈与が同時にされたものであるとすると、各自が贈与によって受けた利益に応じて按分して減殺を受けます。
この例でいえば、400対100の割合で150万円の減殺を受けることになります。
つまり、Aへの贈与は120万円、Bへの贈与は30万円ずつ減殺されることになります。



From AIO of Yokohama

PageTop

遺留分 (その十)

第1037条(受贈者の無資力による損失の負担)
 減殺を受けるべき受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。

減殺を受けるべき受贈者が無資力であるために、遺留分権利者が満足を受けることができない場合でも、その損失は遺留分権利者が負担すべきであって、さらに他の贈与を減殺することは許されません。
減殺請求の範囲は客観的に定まっているものであり、遺留分権利者の恣意に委ねられているわけではありません。

From AIO of Yokohama

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。