司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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遺留分 (その七)

第1034条 (遺贈の減殺の割合)
 遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺する。
ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


本条は、数口の遺贈がある場合の減殺の方法について定めています。
遺言の効力発生時期が常に遺言者の死亡の時からですから、その数口の遺贈には、時間的先後は存在しません。
したがって、これらは同列に取り扱われ、遺贈の価額の割合によって按分するのが合理的です。
ただし、遺言者が異なった順序を定めている場合には、それに従います。


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遺留分 (その六)

第1033条(贈与と遺贈の減殺の順序)
 贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。


本条は、減殺の順序を遺贈、贈与の順に定めています。
これは、被相続人の財産処分行為は、時間的には常に贈与、遺贈の順となっていますから、減殺の順序としては、新しいものから古いものへ及ぼしていこうという趣旨です。


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遺留分 (その五)

第1032条  (条件付権利等の贈与又は遺贈の一部の減殺)
条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利を贈与又は遺贈の目的とした場合において、その贈与又は遺贈の一部を減殺すべきときは、遺留分権利者は、第1029条第2項の規定により定めた価格に従い、直ちにその残部の価額を受贈者又は受遺者に給付しなければならない。

本条は、条件付きの権利または存続期間の不確定な権利を贈与・遺贈の目的とした場合において、その贈与または遺贈の一部だけを減殺するときについて規定しています。
このような場合に、減殺の対象となったときは、条件の成就、存続期間の確定を待たずに、その評価を定めることになります(1029条2項)。
しかし、この一部しか減殺できないときは、このような権利を分割していたらいたずらに権利関係を錯綜させる原因になるため、その全部を減殺して、差額を現金で直ちに受贈者または受遺者に給付するという方法を定めています。


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遺留分 (その四)

第1031条(遺贈又は贈与の減殺請求)
 遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。


本条は、遺贈・贈与についての減殺請求に関する規定です。
 すなわち、遺留分権利者およびその承継人は,遺留分を保全する限度で遺贈・贈与の減殺の請求が可能だ,という規定です. 遺留分権利者が現実に受けた財産が,遺留分を侵害する遺贈・贈与の結果,遺留分が満たされないときに,遺留分権利者およびその承継人が,遺留分を保全するのに必要な限度で,その遺贈・贈与の減殺を請求する権利を有します.
この権利のことを遺留分減殺請求権といいます.
 つまり、遺留分を侵害する遺言は当然に無効になるわけではなく.遺留分減殺請求権が行使される限度で,遺留分を侵害する遺言の効力が否定されることになります。
このように遺留分を持つ相続人とその承継人は、減殺請求を行うことができますが、このような者のことを遺留分減殺請求権者と呼んでいます。
減殺の相手方は、受遺者や受贈者です。


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遺留分 (その三)

 
第1030条  

贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。

本条は、遺留分算定の基礎となる贈与の範囲について定めています。
すなわち、贈与は、相続開始前の1年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入するとしています。
この1年という計算は、贈与がなされた時を基準とします。
たとえば、農地を贈与する場合には、その効力は都道府県知事の許可があった時に発生しますが、それが相続開始前1年以内であっても、贈与の時が1年以前であれば、算入されません。
相続開始より1年以前の贈与は、被相続人と受贈者が、遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときに限り、算入することになります。
一般的には、「損害を加える可能性を知っていた」ことをこの場合の悪意としています。
ただし、贈与の時から時間が経過し、相続開始時において、相続人のために遺留分の範囲内の財産が残っていればよいのですから、若年時の被相続人がかなりの部分の財産を贈与しても、その後、財産を回復する可能性があれば、ここでいう悪意には該当しません。


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遺留分 (その二)

第1029条(遺留分の算定)
 遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。
2  条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。

本条は、遺留分計算の基礎となる被相続人の財産についての大綱を規定したものです。
すなわち、遺留分は、被相続人が死亡当時に有していた財産の評価額に、被相続人が既に贈与した財産の評価額を加算し、その合計額から債務の全額を控除して、計算するものとしています。
このように生前に贈与した財産を加算する理由は、もし生前に被相続人が全部の財産を第三者に贈与したような場合には、遺留分算定の基礎となる財産は存在しないことになり、遺留分はないことになります。
遺留分制度は、むしろこのような場合にこそ、その存在意義があるのです。
また、被相続人が生前に相続人となるべき者に贈与した場合でも、これを計算に入れたうえで、遺留分を定めることが相続人間の公平をはかることになり、結局は被相続人の意思に沿うことになると考えられるからです。
なお、遺贈された財産についての規定がないのは、相続開始時にはまだ、相続財産中に含まれていると考えられているからです。
相続開始時の被相続人の財産を確定するに当たっては、系譜、祭具、墳墓等の祭祀に関する財産は除外されます。
また、被相続人の一身専属的な権利も除外されます。
いずれも、相続の対象とはならないからです。
控除すべき債務には、被相続人が負担した私法上の債務だけでなく、税金等の公法上の債務も含まれます。
 条件付きの権利または存続期間の不確定な権利については、条件の成就の可能性、存続期間の見通し等によってその価値が左右されるため、公平を期するために、その評価は、家庭裁判所が選任した鑑定人に委ねることになっています。


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遺留分 (その一)

第1028条(遺留分の帰属及びその割合)
 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一


遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して、法的に留保された相続財産の割合をいいます。
すなわち、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人には相続開始とともに、相続財産の一定割合を取得しうるという権利が認められています。
この権利のことを遺留分権と呼んでいます。
そして、遺留分権を有するこれらの者のことを遺留分権利者といいます。
本来、私的所有を建前とする資本制社会においては、各人は自己の財産を自由に処分できるという原則があります。
したがって、被相続人が自分の財産を将来相続人となるべき者以外の第三者に譲渡することも自由であるべきです。
また、安全な取引を望む資本社会にあっては、自由に取引できる財産とそうでない財産とが区別されることは、決して好ましいことではありません。
しかし、一方では被相続人の財産は、これに依拠して生活してきた一定範囲の近親者にとっては生活の基礎という側面も有しています。
また、その財産は被相続人個人の所有名義になっていても、実際にはその財産の形成には近親者の力があずかっていることもあり得ます。
以上のような相対立する考え方の妥協の産物として遺留分制度は成り立っているのです。
ところで、本条では遺留分権利者になり得る者と、その遺留分の額が定められています。
遺留分の認められる者は、直系尊属、直系卑属、配偶者であり、被相続人の兄弟姉妹は認められていません。
胎児は、相続については生まれたものとみなされますから(886条)、
遺留分があります。
なお、相続人でなければ、遺留分は関係ありませんので、当然のことながら相続欠格者、相続を廃除された者、相続を放棄した者には遺留分はありません。
遺留分の額は、
① 相続人が直系尊属だけの場合は、被相続人の財産の3分の1
② その他の場合には、被相続人の財産の2分の1


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遺言の撤回及び取消し(その六)

第1027条(負担付遺贈に係る遺言の取消し)
 負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。


 負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人または遺言執行者が、相当の期間を定めてその義務を履行するよう請求し、強制執行をすることも許されています。
しかし、このようなケースでは、遺言者は遺言を取消すであろうという推測に基づいて、本条は相続人または遺言執行者に取消の請求権を認めています。
すなわち、相当な期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求し、取消しを家庭裁判所の審判手続きにかからしめたのです(家審法9条1項甲類38号)。


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遺言の撤回及び取消し(その五)

第1026条(遺言の撤回権の放棄の禁止)
 遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。

遺言者は、遺言を撤回する権利を常に保有しています。
遺言制度は、遺言者の最終意思を尊重し、それに法的効果を与えることを目的としたものです。
その趣旨を貫くために、遺言の撤回権の放棄を禁止しているのです。

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遺言の撤回及び取消し(その四)


第1025条(撤回された遺言の効力)
 前3条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。

前の3条の規定によって撤回された遺言は、その撤回の行為が、再び撤回されたり、取り消されたり、または効力を生じなくなったときであっても、その効力が回復することはありません。
つまり、いったん遺言を撤回する遺言者の行為があると、もとの遺言は復活しないのが原則ということです。
また、前の遺言である不動産をAに遺贈すると定めたが、後の遺言で同じ不動産をBに遺贈するとした場合、受遺者であるBが遺言者より先に死亡すると、民法994条によりBへの遺贈は効力を失いますが、「効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。」とうりますので、Aへの遺贈が復活することはあり得ません。
もし、遺言者が復活を望むのであれば、さらに法律上の方式に従って、あらたな遺言を作成したほうが正確が期されるからです。
もっとも、撤回遺言をさらに撤回する遺言が作成された場合、遺言者の意思が原遺言の復活を希望するものであることが明らかであるときは、原遺言の効力の復活を認めるのが相当とした判例があります。
なお、第二の遺言が詐欺又は強迫によりなされたものである場合には、第二の遺言を取消すことによって、第一の遺言が復活します。
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遺言の撤回及び取消し(その三)

第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。


遺言者が故意に遺言書を破り捨てたり、その一部を切り捨てたり、文字を判読できない程度に抹消したときは、その部分については遺言を撤回したものとみなすことになっています。
このような場合には、遺言者は遺言を撤回する意思を有すると推定できるからです。
しかし、遺言者が誤って破棄したり、第三者が遺言書を他の文書と間違えて破棄したような場合には、遺言書は破棄されたにもかかわらず、依然として効力を有します。
また、遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、その部分については同様に遺言が撤回されたものとみなされます。
この場合の破棄とは、目的物を焼却したり、破壊したり、あるいはその他の方法で本来の経済的価値を減損することを指します。


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遺言の撤回及び取消し(その二)

第1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)
 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2  前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

遺言は、遺言者の最終の意思表示ですから、遺言が時の前後を通じて相違するときは、つまり、 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなすことになっています。
これは、遺言者の意思を推定して、内容が矛盾する遺言をした場合には、後の遺言をもって最終意思としようとしていたとみることにしているのです。
また、遺言者が遺贈の目的としていた特定物を第三者に譲渡する等の遺言の内容とは矛盾することを知りながらした生前の処分行為については、遺言者は前の遺言を撤回する意思を有していたと推定することにしています。
これらは、前条に定める遺言の撤回方式を緩和するための便宜的規定です。
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遺言の撤回及び取消し(その一)

第1022条  (遺言の撤回)
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。


遺言者は、遺言の作成の時から遺言が効力を発生するまでに、その遺言の効力を発生させないようにできます。
この撤回は、何らの理由なしに自由に行えます。
撤回は遺言の全部にわたっても、その一部だけでも差支えありません。
ただし、遺言は厳格な要式行為とされていますから、その撤回も同様に要式行為によらなければなりません。
もっとも、撤回の遺言は前の遺言と同一の方式によることは求められていません。
したがって、自筆証書遺言の一部を公正証書遺言によって撤回することは何ら問題はありません。


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遺言の執行 (その十五)

第1021条  (遺言の執行に関する費用の負担)
遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。ただし、これによって遺留分を減ずることができない。

遺言の執行には、遺言書検認申請の費用、相続財産目録調整の費用、相続財産の管理費用、遺言執行者の報酬等の費用を要します。
これらの費用は相続財産が負担すべきものですから、相続財産の中から差し引かれることになります。
ただし、この費用負担によって遺留分を侵害することはできません。
遺留分を侵害するような事態が発生したときは、その侵害相当分は遺言で利益を受ける者の負担となります。


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遺言の執行 (その十四)

第1020条(委任の規定の準用)
 第654条及び第655条の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合について準用する。

辞任、解任等により遺言執行者の任務が終了した場合も、相続人の側で相続財産を管理できない急迫の事情があるときは、それができるようになるまで、遺言執行者は管理を継続し、必要な処分をしなければなりません。
遺言執行者は任務が終了すれば、それを相続人または受遺者に通知し、また、相続人または受遺者がそれを知ったときでなければ、これらの者にその終了を対抗することはできません。
この規定は、相続人または受遺者が、遺言執行者の任務が終了したことを知らずにいて、そのために不利益を受けることを防止する趣旨です。



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遺言の執行 (その十三)

第1019条(遺言執行者の解任及び辞任)
 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。
2  遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。

遺言執行者は、遺言者の指定または指定をするよう依頼を受けた者の指定あるいは家庭裁判所の選任によるものですから、たとえ任務を懈怠したような場合でも、相続人や受遺者から一方的に解任することは認められていません。
相続人、相続債権者、受遺者その他の利害関係人は、家庭裁判所へ解任を請求することができます。
家庭裁判所は、遺言執行者が任務を怠ったかどうか、あるいは解任するについて正当な事由があるかどうかを判断したうえで、解任の決定をくだします。
一方、遺言執行者は、正当な事由がある場合には、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。
ここでいう正当な事由とは、たとえば病気のために任務に耐えられないとか、他の職務が多忙であり十分に遺言執行者としての職責が果たせないなどのことをいいます。



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遺言の執行 (その十二)

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第1018条(遺言執行者の報酬)
 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。
2  第648条第2項及び第3項の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。


遺言執行には、かなりの法律的および経済的な素養が必要であり、かつ、相当な日時と手間を要するため、遺言執行者には報酬が支払われることになっています。
 家庭裁判所は、相続財産の範囲とその価格の状況、遺言に関する利害関係人の紛争の実情、解決の経過、その他の事情を総合的に考慮して遺言執行者の報酬を定めることができますが、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、それに従います。
この決定に対しては、原則的には即時抗告は許されません。
なお、遺言執行者が報酬を受ける時期や、遺言執行者の責めに帰すべからざる事由で、中途で任務が終了した場合の報酬額については、委任関係の受任者についての規定が準用されます。


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遺言の執行 (その十一)

第1017条  (遺言執行者が数人ある場合の任務の執行)
遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は、過半数で決する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
2  各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。


遺言執行者が数人いる場合には原則として、その任務の執行は多数決によるものとされています。
共同でなければ執行できないとすると、遺言執行が硬直化し、事務が停滞することをおそれての規定です。
そして、賛否同数の場合には、決が採れないため、家庭裁判所による執行者の選任を認めることになると解されています。
もっとも、遺言者が各執行者について任務の分担を定める旨の遺言をしている場合には、それに従うことになります。
また、ある事務に関しては共同遺言執行者が共同して執行するように定めているときには、それに従います。
なお、遺言執行者は、保存行為については単独ですることができることになっています。
保存行為とは、相続財産の滅失や毀損を防いで、その現状を維持する行為のことです。


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遺言の執行 (その十)

第1016条(遺言執行者の復任権)
 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2  遺言執行者が前項ただし書の規定により第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第105条に規定する責任を負う。


遺言執行者は、原則として自分で任務を遂行しなければなりません。
しかし、やむを得ない事由、たとえば病気であるとか、特別の知識や経験が必要な場合には、第三者にその任務を行わせることができます。
また、遺言者がその遺言で反対の意思表示、たとえば「遺言執行者に差し支えがある場合には、第三者に行わせてもよい」というような遺言をしている場合には、遺言執行者は自己の責任で第三者に任務を行わせることができます。
この場合には、第三者が遺言執行者の代わってその地位につき、遺言執行事務の全部または一部を執行します。
このように、遺言執行者が第三者にその任務を行わせる場合には、遺言執行者はその選任・監督について相続人に対して責任を負います(105条1項、106条)。
なお、遺言執行者が遺言者の指定した者を選任した場合には、その者が執行者として不適任または不誠実であることを知りながら、解任することを怠った場合にのみ責任を負うことになります(105条2項)。
遺言執行者は法定代理人にあたりますが、その職務権限は任意た代理人に近いため, 復任権については任意代理人と同一としてあるのです。



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遺言の執行 (その九)

第1015条(遺言執行者の地位)
 遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。


遺言執行者の法律的地位については争いがあります。
遺言執行者を遺言者の代理人とみて、遺言者がその死後も権利能力が残るはずもなく、遺言執行者を遺言者の代理人とみるのは不適切です。
また、遺言執行者を相続財産の代表者と考えても、遺言は相続財産に関しない場合もあるため問題が生じます。
そこで、本条は、遺言執行者は相続人の代理人とみなしたわけです。
遺言執行者の行為の法的効果は、相続人に帰属する点に着目したからです。


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遺言の執行 (その八)

第1014条(特定財産に関する遺言の執行)
 前3条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。


遺言が特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ、1011条から1013条までの規定が適用されます。
遺言が特定財産に関する場合とは、遺贈が相続財産中の他の部分と区別することができる特定の一部に関係している場合を指しています。
たとえば、遺言者が不動産、動産を所有している場合に、不動産だけに関する遺言等はこれに含まれます。


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遺言の執行 (その八)

第1013条(遺言の執行の妨害行為の禁止)
 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。

遺言執行者が指定されたり、選任されたりした場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行の妨害行為をすることができなくなります。
遺言を適正に執行するため、遺言執行者は相続財産を管理し、かつ、処分する権限を有しています。
したがって、その範囲内において相続人は相続財産に対する管理処分権を失います。
相続人に禁止される行為は、遺言の執行を妨げるような物権的な管理行為や処分行為であり、相続財産に直接的な効果を生じさせない債権的な行為については制約を受けるわけではありません。


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遺言の執行 (その七)


第1012条(遺言執行者の権利義務)
 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2  第644条から第647条まで及び第650条の規定は、遺言執行者について準用する。

 
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を持っています。
このように遺言執行者の権限は、遺言執行に必要に範囲に限られ、その範囲は遺言の内容により異なります。
例えば、認知をする遺言では、遺言執行者は戸籍の届出をすることで足ります。
また、相続人の廃除およびその取消の遺言では、遺言執行者は家庭裁判所に廃除およびその取消の申立てをすれば、それで足ることになります。
特定物を目的とする遺贈であれば、それらの所有権は遺言の効力発生と同時に受遺者に当然に移転しますから、あらためて遺言執行者が意思表示をする必要はありません。
ただし、遺贈の目的物が動産であれば、それを受遺者に引き渡さなければなりませんし、不動産であれば受遺者名義に移転登記する必要があります。
遺言執行者は、執行に必要な範囲で、相続財産を管理し、処分する権限を有します。
また、遺言執行者は、他人の事務を処理するという点で、委任の関係に類似しています。
そのため、委任の規定が準用されています。
したがって、遺言執行者は相続人に対して善良な管理者の注意義務を怠った場合の損害賠償義務、執行状況、執行終了の報告義務、執行によって受け取った金銭その他の物、果実の引き渡し・権利移転義務を負います。
相続人に引き渡すべき金銭または相続人の利益のために用いられるべき金銭を自分のために消費した場合の利息の支払い損害賠償義務、遺言執行の費用償還請求権、遺言執行のための債務の弁済、賠償の請求権を有しています。


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遺言の執行 (その六)


第1011条(相続財産の目録の作成)

 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。
2  遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。

遺言執行者は善管注意義務をもって相続財産を管理し、遺言の内容を適切に執行しなければなりません。
そのためには、その管理対象となる財産の状態を明確にする目的で財産目録を遅滞なく作成しなければならないことになっています。
そして、それを相続人へ交付しなければなりません。
財産目録の作成にあたって、相続人の立会の請求があれば、遺言執行者はその立会いのもとで財産目録を作成します。
なお、この場合に遺言執行者は、公証人にこれを作成させることができますが、公証人は相続人を立会わせなければならないとされています。


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遺言の執行 (その六)

第1010条  (遺言執行者の選任)
遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。


遺言の執行を必要とするのにもかかわらず、遺言者が遺言執行者を指定していない場合や遺言執行者の指定または指定の委託はあったが、指定された者が辞退した場合や、あるいは遺言執行者が解任されたり死亡したりまたは破産宣告がされたときなどには、家庭裁判所は利害関係人の請求により、遺言執行者を選任することができます。
選任に当たっては、遺言執行者に選任しようとする者の意見を聴いて、審判によって選任しなければなりません。
したがって、候補者は選任された場合でも、拒絶することが許されています。


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遺言の執行 (その六)

第1009条  (遺言執行者の欠格事由)
未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。

無能力者が、財産の管理や事務を担当する遺言執行者になれないのは当然のことです。
破産者は、社会的に財産上の信用を失った者ですから、このような者に他人の相続財産の管理を託すのは不穏当だからです。


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遺言の執行 (その五)

第1008条(遺言執行者に対する就職の催告)
 相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。


相続人やその他の利害関係人は、就任を承諾するかどうかを明らかにしていない遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます。
この場合に、もし遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなされることになっています。
ところで、遺言執行者に指定された者は、速やかに諾否を返答すべき義務を有してはいません。
そのため、遺言執行の不当な遅延を防止するため、利害関係人には遺言執行者に指定された者に対して、その就職の諾否を促す権利が認められているのです。
この催告をする権利を有する者は、相続人、指定の委託を受けた者、相続債権者、受遺者、受遺者の債権者等です。
なお、遺言者により指定された場合には、相続人以外の者から催告されても、確答は相続人に対して行わなければなりません。
就職の諾否により、相続人との間に委任類似の関係の成否が確定してしまうからです。
一方、指定を委託された者から指定された場合には、その者に確答すれば、相続人に対してしたのと同じ効力を持つとみなされます。


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遺言の執行 (その四)

第1007条(遺言執行者の任務の開始)
 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。

遺言執行者に指定された者は、その指定を承諾することによってはじめて遺言執行者となります。
この承諾は、遺言者が遺言によって遺言執行者を直接指定した場合には、相続人に対して行うべきです。また、指定の委託を受けた者が指定した場合には、その委託を受けた者に対して行うことになります。
遺言執行者に指定された者が、就任を承諾すれば、相続人との間に委任に類似した法律関係が発生しますから、善良な管理者の注意をもって、直ちに遺言の執行を行わなければなりません。


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遺言の執行 (その三)

第1006条遺言執行者の指定)
 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
2  遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
3  遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。


遺言者は、遺言で、一人または数人の遺言執行者を指定したり、またはその指定を第三者に委託することができます。
もっとも、遺言の内容によっては、遺言を実現するために執行を必要としないものもあります。
また、執行を要するものにしても遺言執行者の選任を必要としないものもあります。
遺言執行者を必要とする場合には、通常、遺言者自身が信頼できる者を遺言によって遺言執行者に指定することになります。
この指定は一人に限らず、数人でも差支えありません。
数人を指定した場合には、その数人の遺言執行者が共同して執行するべきものとして指定することもできますし、あるいは各自事項別に分担してに執行するように指定することもできます。
ただし、遺言執行者の指定は遺言によらなければなりません。
遺言者が、遺言する際に適当な遺言執行者を見つけられないような場合には、第三者に遺言執行者の選任を委託することができます。
この依頼を受けた者が、それを承諾したときは、速やかに遺言執行者を指定して、そのことを遺言者に通知しなければなりません。
なお、遺言執行者の選任の委託を受けた者は、直ちに遺言執行者を選任する義務を負うわけではなく、承諾することによってはじめて義務を負うことになります。
したがって、委託を断ろうとする場合には、速やかにその旨を相続人に通知しなければなりません。


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遺言の執行 (その二)

第1005条  (過料)
前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

1004条の規定により遺言書の提出を怠ったり、遺言書の検認を受けないで遺言の執行をしたり、あるいは家庭裁判所外で遺言書を開封した者は、5万円以下の過料に処されることになっています。



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