司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

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遺言の執行 (その一)

第1004条(遺言書の検認)
 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2  前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3  封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。


遺言書の保管者だけではなく、事実上保管している者、このような保管者がいない場合には、遺言書を発見した相続人は、相続開始地または遺言者の住所地の家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません。
なお、秘密証書遺言のように封印のある遺言書の検認の場合には、開封が必要になりますが、検認に先立って、まず家庭裁判所に提出し、そこで相続人またはその代理人の立会のもとで開封する手続きを経なければなりません。
また、公正証書遺言については、公証人役場に保管されているため、偽造・変造のおそれはありませんし、公証人によりその内容形式が担保されていますから、検認は必要ありません。
家庭裁判所は遺言書の検認として、遺言書の形式、態様等の遺言の方式についての一切の事情を調査します。
そして、遺言の執行前の遺言書の現状を確証します。
これによって、遺言書の後日の変造・偽造を予防するために検認調書を作成します。
ただし、検認は、遺言の内容の真否、法律上の効力の有無等を判断する審判ではありません。
したがって、検認を経た遺言書でも、後に訴訟で争われて無効になる可能性はあります。

申立てに必要な書類
申立書1通
申立人,相続人全員の戸籍謄本各1通
遺言者の戸籍(除籍,改製原戸籍)(出生時から死亡までのすべての戸籍謄本)各1通
遺言書の写し(遺言書が開封されている場合)


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遺言の効力(その十九)

第1003条(負担付遺贈の受遺者の免責)
 負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


限定承認がなされて、遺産が相続債務に弁済に供されたために負担付遺贈された財産が減少したとき、または相続人の遺留分を侵害する負担付遺贈がなされたため、相続人が遺留分減殺請求権を行使したときは、受遺者はその減少した割合に応じて義務を免れます。
しかし、遺言者が遺言の中で別段の意思表示をしている場合には、それに従います。


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遺言の効力(その十八)

第1002条(負担付遺贈)
 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2  受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

 
受遺者に遺贈するが、その代りに一定の法律上の義務を負担させるという遺贈のことを負担付遺贈と言います。
ただし、負担は条件ではありませんから、負担を履行しないからといって遺贈を受けられないということはありません。 受遺者は、遺贈を承認することによって、遺贈の目的物である財産を取得し、同時に一定の法律上の義務を負担することになります。
ただし、受遺者の負担する義務の内容が、不能、不確定または不法の事項を目的としている場合には、その負担は無効となります。
その結果、遺贈は負担のないものになりますが、遺言者が負担がなければ遺贈しないという意思を遺言中で表している場合には、遺贈自体が無効となります。
負担付遺贈を受けた者が、その負担を履行しないときは、相続人、遺言執行者、遺言で履行請求者に指定された者は、その履行を請求できます。
 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的財産の価額の範囲内で、その負担した義務を履行する責任を負うことになります。
遺言者は、自己の単独行為で他人に不利益を負わせることは許されていませんから、受遺者は遺贈の利益を限度として、負担の履行責任を負うことになります。
受遺者は、自由に遺贈を放棄できます。
ただし、遺言者が遺言の中で別段の意思を表示、たとえば、「受遺者が放棄した場合には、他の第三者何某に遺贈する」というよような遺言している場合には、この負担付遺贈は、その第三者へ遺贈されることになります。



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遺言の効力(その十七)

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第1001条  債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、かつ、その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。
2  金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。

遺言者が、生前に遺贈の目的となった債権の弁済を受けていた場合には、それによって債権は消滅しますから、遺贈は不能となるはずです。
しかし、これを貫くと遺言者の意思に反することがあります、そこで、遺言者が弁済によって受領した物を保有している限り、その物を遺贈する積りであったと考えるのが遺言者の意思に適合するとした規定です。
もっとも、遺言者が受領した物が相続財産中から離脱した場合には、遺贈は中止されたものと推定されます。
相続財産から離脱する原因は第三者の行為であっても差し支えありません。
なお、遺言者が金銭債権の弁済を受けた場合には、その金銭が相続財産中に残存しないときでも、その金額を遺贈する意思であると推定されます。


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遺言の効力(その十六)

第1000条(第三者の権利の目的である財産の遺贈)
 遺贈の目的である物又は権利が遺言者の死亡の時において第三者の権利の目的であるときは、受遺者は、遺贈義務者に対しその権利を消滅させるべき旨を請求することができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。

本条は、遺贈の目的物は、遺言の効力が発生した時点で状態で、受遺者に移転するという原則を規定しています。
したがって、たとえは遺贈の目的としている不動産に抵当権が設定されているならば、受遺者は抵当権付きの不動産の所有権を取得することになります。
そのため、抵当権の実行により不動産は競売されるおそれがありますが、受遺者は、遺贈義務者に対しその抵当権を消滅させるよう請求することがはできません。
ただし、遺言者が、遺贈義務者にその抵当権を消滅させた上で受遺者に与えるよう遺言の中で指示している場合には、それに従わなければなりません。


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遺言の効力(その十五)

 第999条(遺贈の物上代位)
遺言者が、遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定する。
2  遺贈の目的物が、他の物と付合し、又は混和した場合において、遺言者が第243条から第245条までの規定により合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときは、その全部の所有権又は持分を遺贈の目的としたものと推定する。


たとえば遺贈の目的物である家屋が焼失して遺言者が火災保険金を請求出る場合には、この保険金を遺贈したものと推定されます。
このようなものには、一部の滅失や毀損の場合の損害賠償請求権も含まれます。
また、附合、混和、加工により目的物が第三者の所有に帰した場合や第三者による占有侵奪による賠償請求権についても同様です。
これらの請求権は遺言の効力発生と同時に受遺者に帰属します。
ただし、遺贈の目的物の滅失等が遺言の作成後に発生し、その償金請求権が存続していなければなりません。
遺贈の目的物と他の物との附合、または混和によって生じた合成物や混和物について、遺言者が単独所有者または共有者となった場合には、その所有権または共有健が遺贈の目的と推定されます。
本条2項は、動産の附合・混和についてだけ規定していますが、不動産の附合・加工についても同様に考えてもよいとされています。


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遺言の効力(その十四)

第998条  (不特定物の遺贈義務者の担保責任)
不特定物を遺贈の目的とした場合において、受遺者がこれにつき第三者から追奪を受けたときは、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じく、担保の責任を負う。
2  不特定物を遺贈の目的とした場合において、物に瑕疵があったときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物をもってこれに代えなければならない。


不特定物を遺贈の目的とした場合において、遺贈義務者が受遺者に目的物を引き渡した後で、それが第三者の物であるという理由で、その第三者から返還請求を受けた場合には、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じ担保責任として損害賠償義務を負わされます。
第三者は、遺贈義務者に対して、不当利得または不法行為に基づいて利得の返還または損害賠償を請求することになります。
遺贈義務者が追奪担保責任を負うのは、受遺者が悪意・過失で動産を取得した場合と、不特定物として不動産を遺贈した場合に限られることになります。
不特定物を遺贈した場合に、その物に瑕疵があったときは、遺贈義務者は他の同種の瑕疵のない物を代わりに給付しなければなりません。
もっとも、代替となる瑕疵のない物が相続財産中に初めからない場合には、特定物の遺贈の場合と同様に、遺贈義務者は責任を負うことはありません。
相続財産中に瑕疵のない物は存在したが、現在は処分されて存在しない場合には、遺贈義務者は損害賠償の義務を負うことになります。
損害賠償請求権の発生事由は、追完不能の不完全履行ですから履行不能に準じることになります。



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遺言の効力(その十三)

第997条  
相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。
2  前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


前条でも触れたように、遺言者がもともと自己の財産ではないことを知りながら、なお遺贈する意思のあることが明らかな場合には、その遺贈は有効であり、遺贈義務者はそれを取得して受遺者に与える義務を負います。
例えば、遺贈の目的である家屋に第三者が居住している場合には、遺贈義務者はその者から家屋の明け渡しを受けて、受遺者に所有権を移転する義務を負うことになります。
もっとも、遺贈の目的である権利を取得することができないとき、またはこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償すればそれで足りることになっています。
ただし、遺言者が、権利を取得できないときは類似のものでよい等の特別な意思表示している場合には、それに従わなければなりません。


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遺言の効力(その十二)

第996条(相続財産に属しない権利の遺贈)
 遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない


例えば、遺贈の目的である不動産が、遺言作成時に、抵当権が設定されていて、遺言者の死亡時には競売に付されて第三者が取得していたような場合には、そこの遺贈は無効になります。
さらに、遺贈の目的物が遺言作成当時から相続財産の中になかった場合には、同様に無効です。
しかし、遺言者がもともと自己の財産ではないことを知りながら、なお遺贈する意思のあることが明らかな場合には、その遺贈は有効であり、遺贈義務者はそれを取得して受遺者に与える義務を負います。

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遺言の効力(その十一)

第995条(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)
 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

受遺者が遺言者より先に死亡したり、停止条件付遺贈において条件成就前に受遺者が死亡したり、また受遺者の欠格の場合には、遺贈は効力を生じません。
なお、遺贈が放棄された場合には、その遺贈は無効となります。
このような場合には、いずれも遺贈は効力を生じませんが、遺贈の目的となった財産は、相続財産から逸出することなく留まりますから、遺言者の相続人に相続されることとなります。
ただし、遺言者がその遺言に特別の意思を表示したときは、その意思に従うことになっています。


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遺言の効力(その十)

第994条  (受遺者の死亡による遺贈の失効)
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
2  停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


遺贈は、遺言者の死亡の時から効力を生じます。
ただし、遺贈は遺言者が受遺者自体に着目して行う財産処分行為ですから、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、遺贈はその効力を生じなくなります。
受遺者の相続人はその地位を承継することはありません。

 停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、これと同様に遺贈は効力を生じません。
ただし、遺言者が特別な意思表示をしている場合には、その意思に従うことになります。
たとえば、遺言者の条件が成就する前に受遺者が死亡した場合には、その相続人に与えるという遺言があれば、それに従います。


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遺言の効力(その九)

第993条(遺贈義務者による費用の償還請求)
 第299条の規定は、遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合について準用する。
2  果実を収取するために支出した通常の必要費は、果実の価格を超えない限度で、その償還を請求することができる。

たとえば、遺言者の死亡後、遺言義務者が遺贈の目的物である家屋を占有していた場合には、善意・悪意を問わず、その家屋を受遺者に引き渡すまでに、保存、維持のために支出した必要費の償還を受遺者に請求することができます。
また、その家屋を改良するために支出した有益費については、むその価格が現存する場合に限って、受遺者の選択によって増加額がまたは支出した費用のいずれかを償還させることができます。
また、遺贈義務者が家賃等の果実を収取するために支出した通常必要費は、その家賃等の果実の価格を超えない限度内で償還を請求することが許されています。


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遺言の効力(その八)

第992条  (受遺者による果実の取得)
受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

特定財産の受遺者は、遺言者死亡の時(期限付き遺贈の場合には期限到来の時、停止条件付遺贈の場合には条件成就の時)に、その物または権利について、権利を取得し、その履行を請求できますが、その遺贈の目的物から、賃料や利息等の果実を生じる場合には、その時期以降の果実も取得することになります。
遺贈義務者がその果実を受け取った場合には、受遺者にそれを引き渡す債務を負うことになります。これを怠ったときは履行遅滞の責任を負担しすることになります。
ただし、遺贈者が遺言で、果実は渡さないとしている場合には、当然のことながら受遺者は果実を受け取ることはできません。


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遺言の効力(その七)

第991条(受遺者による担保の請求)
 受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができる。停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様とする。


遺言者が、死亡後何年か後にある者にある物を与える旨の遺言をして死亡した場合には、
 受遺者は、その物に対し物権的あるいは債権的に権利を取得しますが、遺言者の死亡後指定された期間は、相続人や包括受遺者などの遺贈義務者が占有していて、
これらの者が、それ処分してしまい、引き渡しが不可能になる場合も想定されます。
そこで、受遺者の権利を保護するため、 受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができることとしています。
また、ある者が結婚したら、ある不動産を与えるというような停止条件が付いている場合も、結婚するまでの間は、 受遺者は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することが許されています。
なお、遺贈義務者が数人あるときは、 受遺者はその各人に対してそれぞれの相続分に応じてだけ、担保を請求することができます。


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遺言の効力(その六)

第990条  (包括受遺者の権利義務)
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。

包括遺贈とは、財産を特定せず遺産の何割とかを与えるという遺贈です。
この場合には、積極財産だけではなく、消極財産もその割合で承継することになります。
したがって、包括受遺者は実質上は相続人と殆ど変らない立場にあります。
そこで、民法は包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有するとしているのです。
したがって、包括受遺者は、遺言者の一身に専属した権利義務を除いて、相続財産中の権利義務を当然に承継します。
包括受遺者が包括遺贈を承認・放棄する場合には、それは相続人と同様な方法、手続きによって行われ、特定遺贈に関する規定には従いません。
包括受遺者は、遺言者が死亡し、遺言書に自己のための遺贈があることを知った時から、3か月以内に遺贈の単純もしくは限定承認または放棄をすることができます。
この期間を経過すれば、遺贈を承認したものとみなされます。


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遺言の効力(その五)

第989条  (遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)
遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。
2  第919条第2項及び第3項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。


本条によって遺贈の承認・放棄は撤回することが禁止されています。
承認・放棄は単独の法律行為ですから、恣に撤回を許すことは法的な安定を害することとなるからです。
しかし、遺贈の承認・放棄についても意思表示としての欠陥がある場合には、無効ないし取消されることは言うまでもありません。
しかし、この取消権は、追認をすることができる時から6t月間行使しないときは、時効によって消滅しますし、また、遺贈の承認又は放棄の時から10年を経過したときも、同様に消滅します。


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遺言の効力(その四)

第988条(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)
 受遺者が遺贈の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、遺贈の承認又は放棄をすることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


特定受遺者が遺贈の承認も放棄もしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内でその遺贈を承認することも放棄することもできます。
つまり、特定受遺者の相続人は、その承認・放棄の権利も相続人として承継し、各相続人はそれぞれ独立して、その相続権の範囲内で承認・放棄をすることができるのです。
しかし、遺言者が遺言の中で特別の意思表示をしている場合には、それに従います。



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遺言の効力(その三)

第987条(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
 遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。

前条による特定遺贈の放棄・承認には期限の制限がつけられていません。
そのため、遺言者の死亡後には何時でもすることができることになっています。
しかし、これでは受遺者が放棄も承認もしないで未確定のままの状態が続く可能性があります。
そのような事態は遺贈義務者や利害関係人にとっては迷惑至極です。
そこで、これらの者は受遺者に対して相当な期間を定めて、その期間内に承認するのか放棄するのかを催告して、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなすものとして、法律関係の安定を図っているのです。



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遺言の効力(その二)

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第986条(遺贈の放棄)
 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2  遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

遺贈は、遺言者の死亡によって当然に効力を発生します。
それは受遺者の意思とは無関係に発生するものです。
しかし、遺言内容がたとえ受遺者の利益になるものだとしても、当人の意志を無視することは適当ではないため、遺言者の死亡後いつでも放棄できるものとしています。
ただし、受遺者が負担する債務を免除する遺贈に関しては、債務免除は単独行為であることから、放棄は許されないこととされています。
本条の適用は特定遺贈に限り、包括遺贈については別に規定されています。
この承認・放棄は遺言者の死後であれば何時でもすることができ、特別な方式は要求されていません。
意思表示の相手方は、判例によれば遺贈義務者に対してなすべきだとされています。
放棄がなされると
、その効果は遺言者の死亡の時にさかのぼり、最初から遺贈を受けなかったことになります。

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遺言の効力(その一)

第985条(遺言の効力の発生時期)
 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2  遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

遺言は、遺言者が一定の様式に従って遺言書を作成した時に成立し、遺言者が死亡した時に効力を生じます。
遺言により財産を受けることになっている者の地位はそれほど強いものではありません。
遺言者は何時でも遺言を取消すことができますから、その地位は単なる期待権に過ぎません。
また、遺言の内容が遺言者の単独の意思表示だけでは効力を生じない種類のものである場合には、遺言者の死亡という事実だけでは、その内容に従った効力は生じません。
相続人の廃除、またはその取消をする遺言は、遺言執行者がその遺言に基づいて家庭裁判所の審判を得た時に、その効力が発生します。
遺言に停止条件が付いている場合には、その効力の発生時期について学説はわかれています。
通説によりますと、遺言者の死亡の時に遺言の効力が停止条件付権利として発生し、権利が成就したときに、無条件の遺言としての効力を生じると解しています。
また、解除条件付の遺言の場合には、遺言は遺言者の死亡の時から効力を生じます。
遺言者が死亡の時期に、すでに条件が成就している場合には、当然のことながら遺言は目的とする効果は生じません。
遺言者の死亡後に条件が成就すれば、その時から遺言は効力を失います。
遺言の内容に期限を付することができるときには、期限付遺言も可能となります。
それには、始期付遺言と終期付遺言があります。
始期付遺言については、遺言は遺言者の死亡の時から効力を生じます。
しかし、その履行は、期限が到来してからはじめて請求しうると解されています。
終期付遺言については、遺言は遺言者死亡の時から効力を生じ、期限到来によりその効力を失います。


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遺言の方式 (その十九)

第984条(外国に在る日本人の遺言の方式)
 日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行う。

在外日本人が、公正証書や秘密証書による遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行うことになります。
領事の駐在する地に在る日本人とは、その地に住所・居所を有する者に限られるわけではありません。滞在者や旅行者も含まれます。



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第983条(特別の方式による遺言の効力)

 第976条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは、その効力を生じない。

特別方式の遺言は、遺言者が普通方式によって遺言することができるようになった時から、
6か月生存する場合には、その効力を失います。
特別方式の遺言は、やむを得ない事情のもとで、普通方式による遺言が困難な場合のために臨時的に方式を緩和し、簡易化したものです。
したがって、確実さの点では疑問が残るため、普通方式の遺言ができるようになったときは、その効力が失われるとしたのです。
なお、普通方式による遺言ができるようになった時とは、一般臨終遺言の場合には死亡の危急を免れた時、伝染病隔離者の遺言の場合には交通遮断の行政処分が解かれて他の場所への移動が自由になった時、船舶中にある者の遺言の場合には本国または日本領事の駐在する外国の領土に上陸した時、難船臨終遺言の場合には死亡の危急を免れかつ本国または
日本領事の駐在する外国の領土に上陸した時のことを指します。


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遺言の方式 (その十七)

第982条(普通の方式による遺言の規定の準用)
 第968条第2項及び第973条から第975条までの規定は、第976条から前条までの規定による遺言について準用する。


普通方式の遺言らする場合について定められている事項のうち、遺言書の加除、変更、訂正の手続き、立会人または証人となる資格、成年被後見人の遺言、共同遺言の禁止については、特別方式による遺言をする場合に準用されます。
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遺言の方式 (その十六)

第981条  (署名又は押印が不能の場合)
第977条から第979条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。

伝染病等で隔離された者の遺言、船舶の中にある者の遺言、船舶遭難に際しての危急時遺言の場合に、署名または印を押すことのできない者があるときは、立会人または証人は、その理由を遺言書に付記しておかなければなりません。
いずれの場合も、隔絶地にある者の遺言ですから、証人または立会人の選択の余地が限られているための便宜的な措置です。


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遺言の方式 (その十五)

第980条(遺言関係者の署名及び押印)
 第977条及び第978条の場合には、遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。

伝染病等で隔離された者の遺言、船舶の中にある者の遺言については、遺言者、筆者、立会人および証人は、それぞれ遺言書に署名し、押印しなければなりません。
これらの二つの遺言の方式の場合には、遺言者は死亡の危急に迫っているわけではありませんから、遺言者にも署名・押印が要求されているのです。
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遺言の方式 (その十四)

第979条(船舶遭難者の遺言)
 船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。
2  口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。
3  前2項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
4  第976条第5項の規定は、前項の場合について準用する。


船舶が遭難したときに、その船舶中にあって死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立ち会いをもって口頭で遺言することが許されています。
口がきけない者が、この方式の遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならないことになっています。この遺言には証人が、その趣旨を筆記して、これに署名・押印しなければなりません。
証人のうち、署名、押印することができないものがいる場合には、他の証人、立会人がその事由を付記すればよいとされています。
そして、証人の一人または利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じないとされています。
家庭裁判所は、第976条第5項の場合と同様にして、この確認を行います。


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遺言の方式 (その十三)

第978条  (在船者の遺言)
船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

ここでいう船舶とは航海中のものに限られます。
ただし、船舶である限り、航海中、港湾停泊中は問わないことになっています。
船舶中にある者とは船員、乗客であり、単に停泊中の船舶へ訪れた者は含まれません。
事務員とは、船員法に言う職員のことを指し、具体的には航海士、機関長、機関士、船舶通信士およびその他の海員をいいます。


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遺言の方式 (その十二)

第977条(伝染病隔離者の遺言)
 伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

遺言者が伝染病にかかっている場合は当然ですが、伝染病ではない者でも隔離されている場合には、この方式によって遺言ができます。
この方式では、遺言者が遺言書を作成しなければなりませんが、自書の必要はありません。
遺言者、証人および立会人は、各自遺言書に署名、押印しなければなりません。
しかし、署名・押印ができない者がある場合には、立会人または証人は、その事由を付記することによって、それを省略することができます。
また、この遺言方式による遺言には家庭裁判所の確認は必要ありませんが、検認は要します。


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遺言の方式 (その十一)

第976条  (死亡の危急に迫った者の遺言)
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。
2  口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。
3  第1項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。
4  前3項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
5  家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。


条文には、「疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った」とありますが、必ずしも客観的に死亡の危機が切迫していることを要しない、と解されています。
すなわち、判例によれば、疾病その他の事由がある場合に、遺言者が自分の死亡の危急が迫っているものと自覚してなされればよい、とされています。
遺言の口述があったというためには、立会証人が遺言者に遺言をする意思があることを確かめるに足る程度の口述があればよいとされています。
 口がきけない者が遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、口授に代えなければなりません。
また、遺言者または他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授または申述を受けた者は、その筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者または他の証人に伝えて、読み聞かせに代えることができるものとされています。

証人は氏名を自署しなければならず、代署は許されません。
遺言した日付または証書を作成した日付の記載は、遺言の有効要件ではありません。
遺言書の訂正変更は、自筆証書遺言の場合と同様の方式によります。
訂正変更の付記と署名押印は、筆記した者だけではなく、証人全員が署名・押印しなければなりません。
この臨終遺言は、遺言の日から20日以内に証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、無効になります。
この方式は、証人3人の立会さえあればよいので、親族が相謀って有利な遺言をさせるおそれがあるため、家庭裁判所に申し立てて、その遺言が遺言者の真意によるものかどうかの確認を受けなければならないものとしているのです。



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遺言の方式 (その十)




第975条(共同遺言の禁止) 

遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

2人以上の者が、同一の証書で遺言を行うことを共同遺言といいます。
民法は共同遺言を禁じています。
もし、共同遺言を認めると、遺言条項が複雑化したり、各遺言者が遺言を撤回、変更できる範囲が曖昧になって、遺言の自由を制限するおそれがあるなどの種々な不都合が生じるからです。
したがって、甲と乙とが同一の用紙にそれぞれ独立した自筆証書遺言を作成し、切り離せば二つの遺言書となるような場合とか、二者の別々の遺言書が同一の封書に入れてあった場合等は、共同遺言ではありません。
つまり、「同一の証書」の解釈にあたっては、各遺言者の遺言部分が証書として容易に分離できるか否かが基準となっています。


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