司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

Nintei-Shiho-Shoshi Lawyers are permitted to represent clients in various summary court proceedings such as civil trial, compromise and conciliation and so on.

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

遺言の方式 (その八)

140px-Go-shichi_no_kiri_crest_2_svg.png

第973条(成年被後見人の遺言) 

成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。


成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時には、成年後見人の同意を得ることなく遺言することができます。
したがって、 成年後見人は、同意がなかったことを理由に遺言を取り消すことはできません。
 ただし、この場合に成年被後見人が遺言するには、2人以上の医師の立ち会いが必要になります。
 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言するときに「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態」になかったことを遺言書に付記し、これに署名・押印しなければなりません。
一時的に遺言能力を回復した事実を、医師により証明してもらう必要があるのです。
 なお、秘密証書遺言による場合には、封紙に付記し、署名・押印します。



From AIO of Yokohama

スポンサーサイト

PageTop

遺言の方式 (その六)

第971条(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)
 秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第968条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。

秘密証書遺言として無効なときでも、遺言書が自筆証書遺言としての方式を備えている場合は、自筆証書遺言としての効力が認められます。
これは、秘密証書遺言も自筆証書遺言も、いずれも遺言書が遺言者によって真正に成立されることを確実にするための方式に過ぎませんし、遺言者自身も遺言書の効力発生を望んでいるものと考えられているからです。
例えば、秘密証書遺言の成立後、遺言者が故意に開封した場合には、秘密証書遺言としては無効になりますが、その内容が自筆証書遺言の方式を備えていれば、自筆証書遺言としての効力を生じます。
また、秘密証書遺言の証書に押印した印鑑と封印が異なっている場合は、秘密証書遺言としては無効ですが、自筆証書遺言としての方式が整ったものであれば、なお自筆証書遺言としては有効となります。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺言の方式 (その五)


第970条(秘密証書遺言)
 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一  遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二  遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三  遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四  公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2  第968条第2項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。



 秘密証書遺言は、公証人の関与により遺言の存在は明確にしながら、
その内容については秘密しておける遺言のことです。
まず、遺言者は証書に署名押印します。
証書の作成は、自筆が要求されていませんので、他人の代筆も、パソコンや点字機を使用しても作成者が分かればよいとされています。
もっとも、署名は自書が絶対的に必要とされています。
加除変更の形式については自筆遺言証書の場合と同じです。
加除変更するのは本人でなければなりません。
遺言者はその封書を封じ、証書に使用したのと同じ印鑑で封印します。
遺言者は、公証人および証人二人以上前に封書を提出し、自己の遺言であることと自筆でない場合には筆者の氏名・住所を申述します。
証人欠格については、公正証書遺言の場合と同じですから、 1.未成年者、2.推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族、3.公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人はなれません。(民法974条)。
公証人は証書を提出した日付および遺言者の申述したことを封書に記載した後に、遺言者および証人がともに署名押印します。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺言の方式 (その四)


第969条の2  (公正証書遺言の方式の特則)
口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第2号の口授に代えなければならない。この場合における同条第3号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2  前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第3号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3  公証人は、前2項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。
 

平成11年の民法改正により、手話通訳等による遺言が可能となりました。
すなわち、 民法改正法によって、民法第969条の2の規定が新設され、これによって、口がきけない者(言語機能障害を有する者)または耳が聞こえない者(聴覚渉外を有する者)が遺言公正証書の作成を嘱託した場合には、公証人は、「口述」、「口授」または「読み聞かせ」の手続に代えて「通訳人の通訳による申述」又は「自書」により、遺言公正証書を作成することができるとされました。
手話通訳等の通訳人は、遺言者において確保する必要がありますが(公証人法第39条)、必要に応じて、各都道府県の手話派遣協会等を通じて一定の水準の能力を有する手話通訳者を確保することができます。
遺言者が口がきけない者である場合は、証人2人以上の面前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述させ、または自書させて口授に代えます。
また、遺言者が耳が聞こえないものである場合は、遺言者の口述の内容を筆記し、その筆記内容を通訳人の通訳により嘱託人に伝え、または遺言者に閲覧させて、筆記の明確性を確保します。
 証人が耳が聞こえないものである場合には、通訳人の通訳または閲覧によって筆記内容を証人に伝えることができます。
なお、公証人は、以上に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならないものとされています。

 
From AIO of Yokohama

PageTop

遺言の方式 (その三)

第969条(公正証書遺言)
 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一  証人二人以上の立会いがあること。
二  遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三  公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四  遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五  公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。


公正証書遺言とは、公証人によって遺言の公正証書を作成してもらい、それを公証人役場で保管してもらうもののことです。
証人二人以上の立会が必要となります。証人は遺言者が当人であるか、遺言が正しく成立したかを証明するとともに、公証人の職務を監視する役目を負います。
そのため、証人には一定の資格が要求されています。
すなわち、未成年者、 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族 、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人は証人となれません。

遺言者は、遺言の趣旨を公証人に直接口頭で述べます。
ただし、遺贈の場合に、遺言者が遺贈の物件を記した覚書を示して、口頭で述べることを省略してもよいという判例があります(大判大8・7・8)。
また、公証人があらかじめ遺言者の作成した遺言趣旨を記載した書面を受けとって、これに基づいて筆記を作っておき、その後遺言者に会って遺言の趣旨は前に交付した書面のとおりだという陳述だけを聞き、その筆記を原本として読み聞かせてもよいとされています(大判昭9・7・10)。
公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者および証人に読み聞かせることになります。
筆記は、遺言者の口述を一字一句もらさずに筆記する必要はありません。
公証人が自分で聴取したものを書記をして執筆させてもよいし、他人に清書させても差し支えありません。
遺言者と証人は筆記の正確なことを承認したのち、各自これに署名押印します。
遺言者が無筆、重病で署名することができない場合には、公証人が署名できない事由を付記して署名に代えることができます。
なお、公正証書遺言は、公証人役場で作成される必要はなく、公証人の出張を求めて病床で作成することもできます。
 公証人は、元検察官、裁判官、弁護士、法務局長などの法律実務家の中から、法務大臣が任命する公務員です。
 その公証人が公正証書の作成などをする場所が公証人役場です。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺言の方式 (その二)


第968条(自筆証書遺言)
 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2  自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

自筆遺言証書により遺言するためには、遺言者が、その全文、日付および氏名を自書し、それに印を押さなければなりません。
自筆証書遺言は、独りで秘密に作成できる最も簡単で手軽な方式ですが、それだけにかえって方式の不備が起り易いともいえます。
遺言者は自分で遺言全文を手書きしなければなりません。
代人による代書、パソコンや点字機により作成したもの、録音したもの等は、すべて無効です。
遺言者は、遺言作成日付を記載しなければなりません。
日付は遺言成立の時期を明らかにし、二つ以上の遺言の前後を明らかにする基準となるために重要なものです。
したがって、日付のない遺言書は無効です。
しかし、日付は遺言を作成した日が確定できればよいので、必ずしも暦日である必要はありません。
「第何回の誕生日」といったような年月日が確認できる場合には有効です。
「昭和41年7月吉日」のような場合には、日の記載がなされたとはいえないので、無効であるという判例があります(最判昭54・5・31)。
氏名も自書する必要がありますが、遺言の内容から本人が書いたことがわかるときは、氏だけか名だけ書いたものでもよい、という判例があります(大判昭12・2・22)。
遺言者は押印しなければなりません。
印は実印である必要はありません。
認印でも拇印でも構いません。
花押でも有効だとされています。
次に遺言内容の変更についてですが、厳格な要件が課されています。
変更箇所の上欄に「何字訂正」とか「何字加入」と記載するか、あるいは訂正、削除、加入と記載し、とくに署名し、かつその変更箇所に押印しなければなりません。
遺言の場合には、この方式に従っていない場合には、変更、削除の効力が生じないばかりか、場合によっては遺言自体が無効になることがあります。
ただし、誤記であることが明らかな場合には、その抹消が本条の方式を分でいなかっても、その遺言は有効とされる下級審の判例があります。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺言の方式 (その一)

 第967条(普通の方式による遺言の種類)
 遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。

遺言は要式行為ですから、遺言者が死亡の危急に迫っている場合のように特別なときを除いて、原則として自筆証書、公正証書、秘密証書の三方式のいずれかによらなければ、その遺言は効力を生じません。

From AIO of Yokohama

PageTop

遺言 (その七)

第966条(被後見人の遺言の制限)
 被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。
2  前項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、適用しない。


未成年者や成年被後見人の後見人が、その任務が終了した後、後見中の財産管理の計算を終える前に、被後見人が後見人やその配偶者またはその直系卑属の利益になるような遺言をしたときは、その遺言は無効となります。
ただし、被後見人の、直系血族、配偶者または兄弟姉妹が後見人であるときは、この限りではありません。
本条の趣旨は、たとえば未成年者は元来、後見人の補助を受けてはじめて有効な法律行為をなし得るのであり、遺言事項によれば本当に自由に遺言をする能力があるかどうか疑わしい場合もあります。そこで、後見人が被後見人である未成年者に不当な影響を与えることを防ぎ、後見人による財産管理の状態を明確にするために、被後見人が後見人やその者に密接な関係のある者に対してした有利な遺言を無効としているのです。
ただし、後見人が被後見人の直系血族、配偶者や兄弟姉妹であれば、被後見人に対して不利益なことをするのは考えにくいことでもあり、これらの者は推定相続人である場合もあるため、遺言により遺贈を受けることもまでも制限する必要はないので、この場合の遺言は有効であるとされているのです。


From AIO of Yokohama

PageTop

賃貸住宅の更新料「違法」と認定

250px-Kyoto-District-Court-01.jpg

賃貸住宅の契約更新の際に更新料を要求するのは消費者契約法違反だとして、借が家主に更新料など46万円の返還を求めた訴訟で、京都地裁は23日、請求全額の支払いを命じました。

PageTop

遺言 (その六)

第965条(相続人に関する規定の準用)
 第886条及び第891条の規定は、受遺者について準用する。

遺言者が死亡したとき、胎児であれば相続の場合と同様に、遺贈の場合においてもすでに生まれた者とみなされます。
本来、受贈者は、遺言者が死亡した時に遺贈された物を取得するに足る権利能力を有していなければなりません。
したがって、胎児は受贈者となる資格はないわけですが、それでは胎児にとって不利益になるため、相続の場合と同様に、胎児は既に生まれたものとみなされることにしているわけです。
また、891条(相続人の欠格)によって相続権をはく奪されるような行為をした者は、遺贈の場合も同様に、遺贈を受ける資格を失います。
例えば、相続に関する遺言書を秘匿するような行為をした者は、遺贈を受ける能力がないものとされています。
From AIO of Yokohama

PageTop

遺言 (その五)

第964条(包括遺贈及び特定遺贈)
 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。


遺言者は、包括名義または特定名義で、自己の財産の全部または一部を処分することができます。
ただし、その遺贈は相続人の遺留分を侵害するようなものであってはなりません。
遺言によって財産を処分することを遺贈といいます。
遺贈と死因贈与との違いは、遺贈が遺産をもらう相手方(受遺者)の承諾を必要としない遺言者の一方的な単独行為であるのに対し、死因贈与は、遺産をもらい受ける者(受贈者)との間で、あらかじめ契約を交わしておかなければ成立しませんので、生前に受贈者の承諾が必要という点です。
ところで、包括遺贈とは、財産を特定して受遺者に与えるのではなく、抽象的な割合を示して遺贈する財産を指定する遺贈のことです。
一方、特定遺贈とは、特定の財産を示して遺贈するやり方です。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺言 (その四)

第963条  
遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。


遺言者は、遺言をする時において、遺言の内容とその結果生ずる法律効果を理解し判断することのできる意思能力を有していなければなりません。
これを一般に遺言能力と呼んでいます。
このように遺言する時に遺言能力があれば、その後に遺言能力を失っても、いったん有効に成立した遺言が効力を失うことはありません。



From AIO of Yokohama

PageTop

 遺言 (その三)

第962条  

第5条、第9条、第13条及び第17条の規定は、遺言については、適用しない。

遺言については、第5条(未成年者の能力)、第9条(成年被後見人の能力)、第13条(被保佐人の能力)、第17条(被補助人の能力)の規定は適用されません。
未成年者は満15歳に達していれば法定代理人の同意がなくても、完全に遺言をすることができます。
成年被後見人も、本心に復している時(事理を弁識する能力を一時回復した時)は、成年後見人の同意がなくても自由に遺言をすることができのす。
成年被後見人が遺言した時に、本心に復していたことは、医師二人以上の立会によって証明されなければなりません。
また、被保佐人が保佐人の同意なくしてした遺言も、常に取消すことはできません。
被補助人の場合も同様です。


From AIO of Yokohama

PageTop

遺言 (その二)

第961条(遺言能力)
 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。


遺言は人の最終の意思表示ですから、できるだけ多くの人に遺言をしてもらうために、普通の行為能力の年齢要件を低くして、満15歳になれば誰の干渉を受けることなく自由に遺言をすることができることにしているのです。
これは、一応15歳になれば他人の影響になしに自由な遺言をすることができる意思能力を備えるに至っているであろうとみたのです。


From AIO of Yokohama

PageTop

 遺言 (その一)

 第960条(遺言の方式)
 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。

遺言の方式については、民法は厳格な要件を定めています。
その理由は、口頭での遺言は、周囲の者への遠慮から必ずしも遺言者の真意でないおそれがあり、また、本人が適正な判断力を失った臨終での遺言は、しばしばその内容に明瞭性を欠くおそれがあります。
さらに、決定的なことは遺言がなされて、それが効力を発生するまでにかなりの日時を経る場合が多いため、その遺言が本人の真意であったかどうかを確かめることが困難なことです。
民法の定める遺言の方式は、次のとおりです。
① 自筆証書遺言
② 公正証書遺言
③ 秘密証書遺言
④ 特別方式
 死亡の危急に迫った者
 伝染病で隔離された場所にある者
 船舶中にある者
 船舶遭難者の遺言
上記①、②、③は普通方式の遺言と呼ばれていますが、通常の遺言書はこの3方式のいずれかによって作成されます。


From AIO of Yokohama

PageTop

離婚(その九)


第771条(協議上の離婚の規定の準用)
 第766条から第769条までの規定は、裁判上の離婚について準用する。

裁判上の離婚であっても、協議離婚における子の監護、氏の復帰、財産分与、祭具等を承継する者を定める規定が準用されます。
離婚後の子の監護、財産分与については離婚の訴えと併せて提起できます。
この場合には、裁判所は離婚の判決と同時にこれらについても判決を下します。


From AIO of Yokohama

PageTop

離婚(その八)

S10469.jpg


第770条(裁判上の離婚)
 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一  配偶者に不貞な行為があったとき。
二  配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三  配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四  配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五  その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2  裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。


裁判による離婚は、法律上一定の原因のある場合に認められます。
本条1項は、五つの裁判で認められる離婚原因をあげています。
ただし、1号から4号までは例示的に列挙されているだけであり、5号にあるように「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときにも離婚が認められます。
(1) 配偶者に不貞行為があったとき
これは、配偶者にいわゆる不倫行為、つまり配偶者以外の者と肉体関係を持ったことがあったことを意味します。
(2) 配偶者から悪意で遺棄されたとき
これは、夫婦間の同居義務や扶助義務に違反した行為があったこと、つまり一方の配偶者が正当の理由なく別居したり、相手方に対して生活費を支給しなかったりするというなどの事実の存在を意味します。
この場合、たとえ生活費を入れても、家に寄り付かないようなときには、悪意の遺棄となります。
(3) 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
これは、配偶者の生死不明の状態が3年以上継続していることを意味しています。
(4) 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
このような離婚を認めるのには問題がありますが、破綻主義の立場からは認めざるを得ないのです。ただし、最高裁判例は、精神病にかかった当事者の離婚後の療養、生活などに具体的な方策が講じられ、その見込みがついたうえでなければ離婚は認められないとしています。
(5) その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
旧民法では、このような抽象的な規定でなく、具体的な離婚原因をあげていましたが、そのうちには、配偶者から同居に耐えないような虐待や侮辱を受けたとき、配偶者が破廉恥な罪で刑に処せられたりその他の罪で3年以上の刑に処せられたとき、配偶者の直系尊属から重大な虐待や侮辱をうけたとき、配偶者から自分の直系尊属が重大な虐待や侮辱をうけたとき、などが離婚原因にあげられていました。
このような原因は、現在でも離婚原因となり得ることもあるでしょう。
判例によれば、夫にその能力がありながら働く意思がない場合、性交不能の場合、性格の不一致などが離婚原因とされています。

このように、5号の何が重大な事由かは、裁判所の判断に任せられています。
しかも、1号から4号にあげられた原因がある場合でも、裁判所が2人に婚姻を継続させた方がよいと判断した場合には、離婚を認めなくてもよいのです。
我が国の民法は、有責主義を採らず、破綻主義を採用しています。
つまり、双方に道徳上非難すべき理由が特別に存在しなくても、それ以上夫婦生活を続けていかれない何かの理由があれば、離婚を認めているのです。
離婚の訴えを起こそうとする場合には、まず家庭裁判所へ調停の申立てをしなければなりません。そして、調停が成立しないときには、はじめて通常の裁判を起こします。
ただし、本条1項3号のような場合には、いきなり審判に入ります。
なお、家庭裁判所が職権で審判に回し、審判を起こす場合もあります。


From AIO of Yokohama

PageTop

離婚(その七)


第769条(離婚による復氏の際の権利の承継)
 婚姻によって氏を改めた夫又は妻が、第897条第1項の権利を承継した後、協議上の離婚をしたときは、当事者その他の関係人の協議で、その権利を承継すべき者を定めなければならない。
2  前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。


婚姻によって氏を改めた夫または妻が、系譜、祭壇、墳墓などの権利を受け継いだ後に離婚した場合には、夫婦やその権利に関係のある者の間で、その権利を受け継ぐ者を決めなければなりません。
この協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、家庭裁判所が、その権利を受け継ぐ者を決めます。


From AIO of Yokohama

PageTop

離婚(その六)

第768条(財産分与)
 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2  前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3  前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。


離婚をした者の一方は、相手方に対して財産分与を請求することができます。財産分与とは、二つの要素があるといわれています。一つには夫婦の協力で、それまでの生活において形成した財産を離婚時に清算、分配するという意味があります。
第二には、離婚後の配偶者の生活扶養の意味も含んでいます。
また、以上の意味のほかに慰謝料の要素も含まれているという説もあります。
現実に、財産分与を請求するのは妻の方が多いのですが、請求する額は、夫の財産や収入、社会的地位、婚姻の継続期間、財産を得るに至った夫婦の協力の程度、妻の職業や収入、妻の離婚後の生活方法、年齢、子の有無や子の年齢、離婚するにいたった責任の有無等の諸々の要素を考慮した上で決定されます。
財産分与は現物でも金銭でも構いません。
金銭の場合に、一時払いが困難なときは、長期にわたる分割払いの方法をとることもできます。
どのような方法をとるかは、二人の間で協議します。
もし、二人の間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、
財産分与を請求する者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。
ただし、離婚後2年を過ぎれば、この請求はできません。


From AIO of Yokohama

PageTop

離婚(その五)

第767条(離婚による復氏等)
 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
2  前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。

本条1項は、婚姻により夫の氏を称した妻、あるいは妻の氏を称した夫は、離婚により婚姻前の氏に復するという原則を定めています。
ただし、離婚の日から3か月以内に限って復氏した夫または妻から離婚の際に称した氏を称したい旨の届出が戸籍法の定めにに従って届け出されたときは、それが認められることになっています。

From AIO of Yokohama

PageTop

離婚(その四)


第766条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者その他監
護について必要な事項は、その協議で定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。
2  子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の監護をすべき者を変更し、その他監護について相当な処分を命ずることができる。
3  前2項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。


監護は親権の内容の一部で、監督・保護の意味です。
現実には、手元に置いて、子の心身の成長の面倒を見ることをいいます。
父母の離婚後、親権者となった者が監護することが普通です。
原則としては、父母の協議によって、監護者を定めます。
協議では決まらないときは、家庭裁判所が定めることになります。
家庭裁判所の決定の基準においては、子の年齢、父母の資力、職業、監護能力等が考慮されます。
家庭裁判所は、子の利益のために必要があるときは、子を監護する者を変更したり、その他を監護についての適宜な処分を命じることができます。
本条は、子の福祉を重要とする趣旨ですから、監護者は父母に限定することなく、適当な者があり、その承諾があれば、監護者とすることができます。
なお、注意すべき点は、監護以外の父母の権利義務については変わりはないことです。
すなわち、扶養の権利義務や相続に関する権利義務はそのまま父母に残ります。


From AIO of Yokohama

PageTop

離婚(その三)

第765条(離婚の届出の受理)
 離婚の届出は、その離婚が前条において準用する第739条第2項の規定及び第819条第1項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。
2  離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても、離婚は、そのためにその効力を妨げられない。


第819条第1項の規定とは、父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない、とするものです。
したがって、未成年者の子がある場合には、父母のどちらかを離婚後の親権者と定めて、それを離婚届に記載しない限り、その届出は受け付けられません。
ただし、このような規定に違反して届出が受理されたときは、離婚の効力は生じます。


From AIO of Yokohama

PageTop

 離婚(その二)

第764条(婚姻の規定の準用)
 第738条、第739条及び第747条の規定は、協議上の離婚について準用する。

成年被後見人の協議離婚については738条、協議離婚の届出については739条、協議離婚の取消については747条をそれぞれ準用します。
すなわち、成年被後見人が協議離婚するには成年後見人の同意は不要であり、協議離婚は、戸籍法の規定に従い、市町村長または区長に離婚届を提出し、その届出が受け付けられたら成立します。
協議離婚は、本条で準用する739条1項により、戸籍法の定めるところにより離婚届を提出し、それが受理されることによって効力が生じます。
民法764条で準用する739条2項により、その届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、またはこれらの者から口頭で、しなければならないと定められています。

また、離婚が取り消されるのは、詐欺または強迫による場合だけで、婚姻の場合のようにそれ以外の理由で取消されることはありません。
したがって、離婚の取消しを請求できるのは、その離婚をした当事者だけです。
From AIO of Yokohama

PageTop

 離婚(その一)

第763条(協議上の離婚)
 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。

離婚とは、婚姻関係にある生存中の夫婦が、有効に成立した婚姻を将来に向かって解消することをいいます。
民法は、離婚の形態として、協議離婚、調停離婚、審判離婚および裁判離婚を規定しています。
夫婦は話し合いによって離婚することができます。
これには特別な理由は必要とされていません。
ただし、夫婦双方に離婚の意思が存在しなければなりません。
夫婦の一方に離婚の意思がないにもかかわらず、他の一方が離婚届を提出しても、その離婚は無効であり、離婚は成立しません。


From AIO of Yokohama

PageTop

夫婦財産制 (その八)

140px-Go-shichi_no_kiri_crest_2_svg.png


第762条(夫婦間における財産の帰属)
 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
2  夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

本条は、夫婦別財産制を宣言したものです。
夫並びに妻が婚姻前から所有していた財産と婚姻中に自分の名で取得した財産は、それぞれの個人財産(特有財産)であり、夫婦のどちらの物であるか分からない財産(共同生活における家具などの生活必需品)は夫婦の共同所有であると推定すると定めています。


From AIO of Yokohama

PageTop

夫婦財産制 (その七)

第761条(日常の家事に関する債務の連帯責任)
 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

本条では、たとえば、妻が食事のために食料品を購入したときに、代金を後払いの約束をした場合に、夫は妻が食料品を買ったのであり、自分ではないという理由で支払いを免れることはできない、ということが定められているのです。
「日常の家事」の範囲に、食料品、衣料等の購入、光熱費の支払等が含まれるのは異論のないところですが、借家をすること、借金をすることなどについては問題となります。
まず、借家については、夫婦が同居生活を営むために家を借りることは広義の日常の家事に属することであり、夫婦の一方がその家屋を賃借した場合には、反対の予告がない限り、他の一方もその賃借から生じる賃料支払義務について連帯債務を負うという下級審の判例があります。
また、借金になると、判例には、目的をはっきりさせず借財をするようなことは日常の家事に属さないとするものなどがあり、借金の額や目的等により判断をくだしているようです。


From AIO of Yokohama

PageTop

夫婦財産制 (その六)

第760条(婚姻費用の分担)
 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

本条は、「法定財産制」における総則を定めたものです。
すなわち、夫婦は同等の権利を有し、互いに扶助する義務を負うため、夫婦の共同生活に必要な費用は、夫婦が分担することになっています。
ただ、夫婦が全く均等に、経済的な婚姻費用の分担をすることを定めたものではありません。
ここで、「資産、収入その他一切の事情を考慮して」とあるのは、資産や収入がある者は、その資産や収入で、資産や収入のない者は、それ以外のものでという意味です。
判例によると、夫婦共同生活に必要な費用とは、夫婦とその未成熟な子を中心とする家族が、その財産、収入、社会的地位に応じた必要な費用とされています。


From AIO of Yokohama

PageTop

夫婦財産制 (その五)

第759条(財産の管理者の変更及び共有財産の分割の対抗要件)
 
前条の規定又は第755条の契約の結果により、財産の管理者を変更し、又は共有財産の分割をしたときは、その登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。

前条の規定や夫婦財産契約の内容に従って、財産の管理者を変更したり、共有財産の分割をしたときは、その旨の登記をしなければ、これを夫婦の相続人や第三者に主張することはできません。


From AIO of Yokohama

PageTop

夫婦財産制 (その四)

第758条(夫婦の財産関係の変更の制限等)
 夫婦の財産関係は、婚姻の届出後は、変更することができない。
2  夫婦の一方が、他の一方の財産を管理する場合において、管理が失当であったことによってその財産を危うくしたときは、他の一方は、自らその管理をすることを家庭裁判所に請求することができる。
3  共有財産については、前項の請求とともに、その分割を請求することができる。

本条は、 婚姻後における夫婦財産契約を原則不変項とし、その例外としての変更の場合を規定しています。
まず、婚姻の届出後には、夫婦の財産関係については変更することはできないことになっています。
つまり、夫婦財産契約は、婚姻届出後には夫婦の合意による解約はもちろんのこと、内容の変更もできないものとされています。
なお、婚姻届出前に締結した夫婦財産契約の中で、夫婦の一方または双方の意思によって改廃できる旨の特約をつけても、それは認められません。
この趣旨としては、従来から夫婦財産関係を婚姻後に変更させないことによって第三者の取引の安全を保護すること、次に婚姻成立後は夫婦の愛情と威圧により自由意思による夫婦財産契約の締結が保障できないこと、でした。
この夫婦契約不変項の原則は、旧民法の規定がそのまま継承されたものですが、この原則から生じる不都合を救済するため本条2項、3項は例外が認められています。
① 管理の失当による変更
夫婦の一方が他方の財産を管理するような取り決めをしている場合、その管理において財産が危うくなったときは、管理者の変更を家庭裁判所に請求することができます。
管理の失当とは,故意または過失により、婚姻共同生活の維持についての共通の信頼と了解に反する不適当な管理のことだとされています。
② なお、共有財産については、管理者の変更の請求とともに、共有財産の分割を家庭裁判所へ請求できることになっています。
これは、共有財産については、管理者の変更があったとしても、その後も失当な管理をしてきた管理に不適当な相手方と共同管理をしなければならないからです。


From AIO of Yokohama

PageTop

夫婦財産制 (その三)

第757条  削除

夫婦の一方、またはその両方が外国人の場合には、それぞれの国の慣習により夫婦財産契約を結ぶことが少なくなかったため、民法はその対抗要件としての1条を設けていました。
「外国人が、夫の本国の法定財産制と異なる契約をした場合において、婚姻の後、日本の国籍を取得し、又は日本に住所を定めたときは、一年以内にその契約を登記しなければ、日本においては、これを夫婦の承継人又は第三者に対抗することができない。」
しかし、平成元年の法例の改正により、その趣旨が取り入れられたため、本条は削除されました。

法例
第15条 前条ノ規定ハ夫婦財産制ニ之ヲ準用ス但夫婦ガ其署名シタル書面ニシテ日附アルモノニ依リ左ニ掲ゲタル法律中其何レニ依ルベキカヲ定メタルトキハ夫婦財産制ハ其定メタル法律ニ依ル
一 夫婦ノ一方ガ国籍ヲ有スル国ノ法律
二 夫婦ノ一方ノ常居所地法
三 不動産ニ関スル夫婦財産制ニ付テハ其不動産ノ所在地法
 外国法ニ依ル夫婦財産制ハ日本ニ於テ為シタル法律行為及ビ日本ニ在ル財産ニ付テハ之ヲ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ此場合ニ於テ其夫婦財産制ニ依ルコトヲ得ザルトキハ其第三者トノ間ノ関係ニ付テハ夫婦財産制ハ日本ノ法律ニ依ル
 外国法ニ依リテ為シタル夫婦財産契約ハ日本ニ於テ之ヲ登記シタルトキハ前項ノ規定ニ拘ハラズ之ヲ第三者ニ対抗スルコトヲ得



From AIO of Yokohama

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。