司法書士法人・土地家屋調査士法人我孫子総合事務所(横浜)測量・相続・遺言

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婚姻の効力(その五)

第754条(夫婦間の契約の取消権)
 夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

夫婦間でした契約については、夫婦である間は何時でも夫からでも妻の方からでも取消すことができます。
ただし、夫婦以外の第三者の権利を侵害することはできません。
この規定は、ある約束を夫婦のどちらかが取り消した場合に、相手方がその履行を求めて裁判所に訴えを提起するということは望ましくないという趣旨のものです。
夫婦とは愛情と信頼に基つく関係であるから、夫婦間の問題は夫婦の間で解決すべきであり、裁判所なおいて夫婦が争うのは好ましくないという趣旨です。
ただし、裁判所は、夫婦関係が破綻に瀕している場合には、夫婦間の契約を本条によって取消すことはできないと判示しています。



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婚姻の効力(その四)

第753条(婚姻による成年擬制)
 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。


未成年者が婚姻届をし、それが受付けられると、その時から成年に達したものとみなされます。
したがて、父母の親権はなくなり、独立して財産上の取引をすることができます。
そして、いったん婚姻により成年に達した者として取り扱われた以上、満20歳未満で離婚しても、未成年者として取り扱われることはありません。


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婚姻の効力(その三)

第752条  (同居、協力及び扶助の義務)
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。


夫婦が同居して、互いに協力扶助することは法律上の義務とされています。
夫婦の一方が同居せず、または協力扶助しないときは、他の一方は相手方に同居すること、あるいは協力扶助することを請求することができます。
夫婦が常に同居することが原則ですが、職業や病気等の理由で一時的に別居することは差し支えありません。
正当な理由がないのに同居しない場合には、相手方は裁判所に対して、同居することを請求することができます。
また、協力扶助とは互いに助け合って夫婦の共同生活を維持することを意味し、夫婦の一方が他方を扶助するということではありません。


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婚姻の効力(その二)

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第751条(生存配偶者の復氏等)
 夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。
2  第769条の規定は、前項及び第728条第2項の場合について準用する。


夫婦の一方が死亡した場合、残った配偶者が婚姻により氏を改めた者であるときは。婚姻前の氏に復することもできます。
この場合に、残った配偶者が承継した祭具等があるときは、更にこれを承継する者を769条に従って決めることになります。
夫婦の一方が死亡して、残った配偶者が死亡した配偶者の血族と姻族関係を終了させる届出をしたときも、これと同じ扱いをすることになります。
ここでの注意点は、復氏すること姻族関係の終了とは別物だということです。
すなわち、復氏しても姻族関係は残せますし、その逆も差し支えないということです。



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婚姻の効力(その一)

第750条(夫婦の氏)
 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

夫婦は、婚姻の際に決めた夫または妻の氏を称します。
夫婦が婚姻により同じ氏を称すると、両親の戸籍から除かれて、新しく夫婦を単位とした戸籍が作られます。
夫の氏を称するなら夫が、妻の氏を称するなら妻が、新戸籍の筆頭者となります。


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婚姻の無効及び取消し (その八)

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第749条(離婚の規定の準用)
 第728条第1項、第766条から第769条まで、第790条第1項ただし書並びに第819条第2項、第3項、第5項及び第6項の規定は、婚姻の取消しについて準用する。

婚姻を取消す場合には、子の監護、婚姻で氏を改めた者の復氏、財産分与の仕方、承継した系譜や墓、祖先を祭るための祭具等の処置等については、離婚の場合の規定を準用します。
婚姻の取消は夫婦関係を消滅させるのですから、離婚の場合とよく似ています。
そのため離婚の規定とほぼ同じ取り扱いをしているのです。


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婚姻の無効及び取消し (その七)

第748条  (婚姻の取消しの効力)
婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
2  婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければならない。
3  婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負う。

婚姻が取り消されても、その婚姻は過去にさかのぼって消滅するわけではありません。
したがって、取消されるまではあくまでも夫婦であり、その間に生まれた子は嫡出子です。
ただし、正当な婚姻ではないため、財産上の関係だけは消滅するものとしています。
この清算方法は、婚姻の当時、当事者がと取消原因があることを知っていたかどうかによって異なります。
すなわち、知らなかった者は、婚姻によって相手方から貰った財産や、死亡した配偶者から相続した財産で現に残っている物だけを返還すればよいのですが、知っていた者は、全額を返還しなければなりません。
また、一方が婚姻の取消原因があることを知っており、相手方が知らなかった場合には、取得した財産全額のほかに損害賠償もしなければなりません。



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婚姻の無効及び取消し (その六)

第747条(詐欺又は強迫による婚姻の取消し)
 詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
2  前項の規定による取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。

詐欺や強迫によって婚姻をさせられた者は、本来、自己の自由意思によって婚姻したとはいえないので、その婚姻を取消すことができるものとしたのです。
この規定は、あくまでも婚姻させられた者の自由意思を尊重するためのものですから、取消すことのできるのは本人だけであって、それ以外の者は取消すことはできません。
また、詐欺を発見した後や、強迫からのがれた後では、その者は婚姻に対する自由な判断ができる状態に置かれることになります。
その後、何時までも取り消せるような不安定な状態で放置することは好ましくないため、3か月を経過するか、その期間内であっても自由な判断に基づいてその婚姻を承認してしまったときは、取消すことができなくなります。


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婚姻の無効及び取消し (その五)

第746条(再婚禁止期間内にした婚姻の取消し)
 第733条の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から六箇月を経過し、又は女が再婚後に懐胎したときは、その取消しを請求することができない。

再婚禁止期間を無視した婚姻であっても、女性が前の夫と死別したり、離婚したり、あるいは前婚が取り消された日から6か月を妊娠することなく経過すれば、その後に生まれる子は再婚した夫の子であることは明らかであるため、その婚姻の取消を請求することはできなくなります。
また、女性が再婚後に懐胎したときも、その子は再婚した夫の子であることは明らかですから、同じく婚姻の取り消し請求は認められません。

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婚姻の無効及び取消し (その四)

第745条(不適齢者の婚姻の取消し)
 第731条の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消しを請求することができない。
2  不適齢者は、適齢に達した後、なお三箇月間は、その婚姻の取消しを請求することができる。ただし、適齢に達した後に追認をしたときは、この限りでない。


不適齢者の婚姻についても、その者が適齢に達すれば、法律上の要件を満たすことになり、もはや社会的に好ましくないとは言えなくなります。
そこで、適齢に達したときは、その取消しを請求することができないものとしています。
ただし、 不適齢者は、適齢に達した後、3か月間の熟慮期間に限り、その婚姻の取消しを請求することができます。



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婚姻の無効及び取消し (その三)

第744条(不適法な婚姻の取消し)
 第731条から第736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
2  第732条又は第733条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。

:
結婚適齢期前の婚姻、重婚、近親者間の婚姻、再婚禁止期間内の婚姻は、社会的秩序を重んじる面からは不適当であるため、原則として取消さなければなりません。
そのため、これらの婚姻の当事者や前婚姻の配偶者が取り消しの請求をすることができます。
その他、当事者の親族や公益代表として検察官も取消すことができるものとしています。
ただし、これらの婚姻の当事者の一方が死亡した後には、検察官はその婚姻の取消しを請求することはできません。
これは、一方の死亡により反社会的な婚姻は消滅するからが、その理由となっています。
また、重婚については、後の婚姻の配偶者からも前の婚姻の配偶者からも取消しの請求ができることになっています。
再婚禁止期間を無視した婚姻については、その配偶者や前の婚姻の配偶者からも取消しの請求ができます。


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婚姻の無効及び取消し (その二)

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第743条(婚姻の取消し)
 婚姻は、次条から第747条までの規定によらなければ、取り消すことができない。

いったん成立した婚姻を取消すことは、夫婦関係だけでなくその他の身分関係の安定を脅かすことになりかねません。
そこで、民法は、731条から736条までの規定に違反した婚姻だけを取消すことができるものとしています。
婚姻の取消はすべて裁判によらなければなりません。
ただし、家庭裁判所へ先ず調停を申出なければなりません。


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婚姻の無効及び取消し (その一)

第742条(婚姻の無効)
 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一  人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二  当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第739条第2項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。


婚姻を成立させることも法律上の行為ですから、その無効や取消す場合があることは当然のことです。
しかし、いったん婚姻が成立すると、両人間には夫婦関係が生じ、共同生活が開始されます。
もし、その後で婚姻が法律上効力を有しないものだと判明しても、夫婦関係が存在しなかったとすることはできません。取消しの場合も同様です。
そのため、婚姻の無効や取り消しは、民法総則の無効、取消しの規定によらず、特別の規定に従うことになっています。
婚姻が無効となるのは、本条の場合だけです。
すなわち、婚姻の届け出がされたものの、届け出られた人が間違っていたりして、届出人間に婚姻する意思が場合は、その婚姻は無効となります。
なお、2項には「届出しないとき」とありますが、婚姻は届け出をしないと成立しないのですから、この場合は無効というより婚姻は当初から成立していないというべきです。
したがって、この2項の規定は、届出が婚姻する男女と成年の証人2人以上の口頭または署名した書面で届け出るという要件を備えていなくても、届出が受付けられれば、その婚姻は無効になることはないという意味です。
しかし、これらの婚姻は、本来法律の認めない婚姻ですから取消さなければならないものです。


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婚姻の要件(その十一)

第741条(外国に在る日本人間の婚姻の方式)
 外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。この場合においては、前2条の規定を準用する。

外国にいる日本人同士で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使または領事に婚姻届を提出することができます。この場合には、民法739条、740条が準用されます。
そのほか、直接本籍地の市町村長または区長に届出を郵送することもできます。


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婚姻の要件(その十)

第740条(婚姻の届出の受理)
 婚姻の届出は、その婚姻が第731条から第737条まで及び前条第2項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。

婚姻届を受けとった市町村長または区長は、その届出を審査し、婚姻成立の要件に違反していないかどうかを確かめ、違反していなければこれを受理します。
そこで、婚姻が成立するのです。
この審査は形式上の審査であり、実体に踏み込んでの審査は許されていません。


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婚姻の要件(その八)

第738条(成年被後見人の婚姻)
 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。

 成年被後見人は、自分で財産上の取引行為をすることができず、全て成年後見人が代わっておこないます。
しかし、婚姻については他の者が代わって意思表示をすることはできません。
成年被後見人が婚姻をするのは本心に復した時に限られますので、その意思を尊重し成年後見人の同意は必要ないことにしているのです。


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婚姻の要件(その七)

第737条  (未成年者の婚姻についての父母の同意)
未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
2  父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。


憲法24条は、婚姻は両性の合意にのみ基づくと宣言しています。
それに従って、民法は、成年者の婚姻については誰の同意も必要はないとし、未成年者の婚姻についてのみ父母の同意が必要であるとしています。
未成年者は十分な思慮に欠けているため、軽率な婚姻をするおそれがあるので父母の同意が必要だとされています。
父母の同意については、戸籍法の定めにより、婚姻届出書に、その同意を証する書面を添付することになっています。
この書面がないと婚姻届は受け付けられませんが、もし受け付けられたら有効に成立します。
後からの取消しもできません。


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婚姻の要件(その六)

第736条(養親子等の間の婚姻の禁止)
 養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第729条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。

 養子、その配偶者、養子の直系卑とその配偶者と養親、その直系尊属との間では、
離縁によって養子関係が終了した後でも、婚姻することは許されていません。
養子とその直系卑属と養親とその直系尊属とは直系血族関係にあります。
養子やその直系卑属の配偶者と養親とその直系尊属とは直系姻族関係にありますから、前2条により婚姻できません。
本条では、これらの者の間では、養親と養子との間が離縁により法律上も事実上も親子関係がなくなった後でも、婚姻できないと定めています。
この制限は、親子関係にあった者が夫婦関係を結ぶことは、親子関係と夫婦関係との混乱が起こるため望ましくないとする考えに立脚しています。


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婚姻の要件(その五)

第735条(直系姻族間の婚姻の禁止)
 直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第728条又は第817条の9の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする。

直系姻族の間では婚姻することはできません。
なお、離婚した後、死亡した配偶者の血族と親族関係を終了させる届出をした後、特別養子縁組によって親族関係がし終了した後でも婚姻することは許されていません。
直系姻族間では本来の親子ではなくても、親子に準ずる関係にあるため、その者たちの間では婚姻はできないものとされているのです。
また、姻族関係が終了した後でも、婚姻することができないとしたのは、姻族関係にあったときの親子に似た感情を重視したからです。


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婚姻の要件(その四)

第734条(近親者間の婚姻の禁止)
 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
2  第817条の9の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

近親婚を禁止するのは、優生学上の理由に基づくものですが、同時に倫理・道徳上の理由もあります。
養子関係は、血のつながりはありませんが、家族生活を通じて親子感情が育成されますので、養父母、その両親と、養子およびその子孫との間では婚姻が認められません。養子と養子縁組によって生じた傍系血族との間は婚姻することができます。
なお、婚姻解消後、前夫の兄弟や前妻の姉妹との婚姻は差し支えありません。
また、特別養子縁組によって養子と実父母およびその血族との間の親族関係が終了した後でも、婚姻することはできません。

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婚姻の要件(その三)

第733条(再婚禁止期間)
 女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2  女が前婚の解消又は取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

この規定は、女が再婚する場合に、生まれた子が前夫の子であるか、後夫の子であるか分からなくなることを防ぐためのものであると解されています。
したがって、前の婚姻が解消する前に妊娠している場合には、その子は前夫の子であることは明らかですから、この規定は適用しないと定めているのです。
この期間を待婚期間もしくは再婚禁止期間と呼んでいます。



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婚姻の要件(その二)

第732条(重婚の禁止)
 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。

この規定は、一夫一婦制度のもとでは当然のものです。
ここでいう婚姻とは法律上の婚姻ですから、戸籍上夫婦である者が、別個に婚姻届をすることができない旨を定めているわけです。
このような届が受付けられることは考えられませんが、たとえば離婚・再婚した場合、前の離婚が無効であると重複結婚となります。このような婚姻は無効ではありませんが、後の婚姻は取消さなければなのません。


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婚姻の要件(その一)

第731条  (婚姻適齢)
男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。

法律上婚姻が成立するためには、婚姻意思と、法定の形式的要件が必要です。
本条は早婚防止のための規定です。
この規定に反した届出は認められませんが、誤って受付けられたときは、その婚姻は有効に成立します。
しかし、後で取消すことができます。

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 特別養子 (その十)

第817条の11(離縁による実方との親族関係の回復)
 養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。

特別養子縁組の離縁の審判が確定すると、その特別の効果として、 養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生じます。
したがって、原則として、消滅前と同一の内容の親族関係が復活することになり、実父母との実親子関係、血族との親族関係、姻族との姻族関係が生じ、相互の扶養、相続関係も生じます。
離縁による特別効果の発生は、離縁の日、すなわち当事者を離縁させる審判の確定した日から将来に向かって効力が発生し、離縁の日以前には遡及することはありません。
特別養子縁組の離縁の場合には、以上の特別効果以外に、普通養子縁組の離縁と同一の効果を生じます。
したがって、養親の嫡出子たる地位を失い、縁組前の実親の氏に復し、実親の親権に服することとなります。


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 特別養子 (その九)

第817条の10(特別養子縁組の離縁)
 次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
一  養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二  実父母が相当の監護をすることができること。
2  離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。

本条は、特別養子縁組の離縁について、特別の事由のある場合に限り、審判によってのみ離縁を認められることを定めています。
これは、特別養子縁組が実親子関係と同様な親子関係の形成を目的としている以上、たとえ、養子関係が悪化したとしても、原則として実親子関係における場合と同様に、親権喪失、再縁組等の方法で対処すべきであり、縁組の解消は極めて限られた特別な事由のある場合に限定すべきだとの趣旨によるものです。
すなわち、離縁を認める特別な場合とは、
① 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること
② 実父母が相当の監護をすることができること、
③ 養子の利益のために特に必要と認められる場合
でなければなりません。

① は、養親の双方または一方による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由がある場合です。
② については、養親に代わって子の監護養育をなすべき実父母が、現実に子を健全に養育しうる能力と意思を持っている場合のことです。
ここでいう、実父母とは特別養子縁組成立前の実父母のことをいいます。
特別養子縁組の離縁の審判申立てができるのは、養子、実父母又は検察官です。
養親には、この請求権は認められていません。
養子は15歳未満でも意思能力がある限り、自ら離縁の請求をすることができます。
家庭裁判所は、離縁に関する審判に際して、まず養親、養親の後見人、養子、養子の後見人、養子に対して親権を行う者で養親以外の者および実父母の陳述を聴かなければなりません。
審理の結果、申立てが相当であれば、養子と養親を離縁させる審判がなされます。
その離縁審判に対しては、陳述を聴くべき者のうちから申立人を除いた者から即時抗告ができます。
また、申立棄却の審判に対しては、申立人から即時抗告ができます。


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特別養子 (その八)

第817条の9(実方との親族関係の終了)
 養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第817条の3第2項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。

本条は、特別養子縁組の成立による特別な効果を定めています。
すなわち、特別養子縁組の審判が確定する養子と実方の父母およびその血族との親族関係は終了するものとされます。
これは、特別養子縁組の最大の特徴です。
この親族関係終了の効果は、特別養子となった者と実方の親族との間の相互の扶養、相続関係が消滅することにあります。
ただし、夫婦の一方が他方の連れ子を特別養子とした場合には、養子とその実親およびその血族との間の親族関係は終了しません。
特別養子縁組は、養子縁組の特別類型ですから、普通養子縁組についての一般的効果も生じます。
すなわち、特別養子縁組の成立によって、養子は縁組の日から養親の嫡出子たる身分を取得し、養親の氏を称します。
また、養親の親権に服し、養子と養親および養親の血族との間では、縁組の日から実際の血族間と同一の関係が生じます。
戸籍については、届出により,実親の戸籍に養親との間に特別養子縁組が確定した旨が記載され、除籍されます。
続いて、特別養子を筆頭者とする養親の氏を称する単身戸籍が編成されます。
特別養子はこの戸籍から養親の戸籍に入籍します。
そして、単身戸籍は除籍されます。
養親の戸籍においては、特別養子の父母欄には実父母の氏名は記載されません。
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 特別養子 (その七)

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第817条の8(監護の状況)
 特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。
2  前項の期間は、第817条の2に規定する請求の時から起算する。ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。


本条は、養親となる者について、監護能力その他養親としての適格性を判断する場合の基準を定めたものです。
すなわち養親となる者が養子となる者を6か月以上の期間監護した状況を考慮しなければ、特別養子縁組を成立させることができないとされています。
つまり、養親となる者が養子となる者を6か月以上監護した実績に基づいて判断すべきものとしているのです。
この試験養育中の養育状況については、家庭裁判所により、あるいは児童相談所に゛委嘱することにより調査がなされます。
この6か月以上の期間は、養親となる者が特別養子縁組の審判を申立てた時から起算されます。
ただし、里親が里子を特別養子とする場合のように、審判申立以前から監護が行われていて、その状況が明らかである場合には、その監護開始の時から6か月以上の期間の監護が行われていたらそれで足ります。


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 特別養子 (その六)

第817条の7(子の利益のための特別の必要性)
 特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。


本条は、特別養子縁組成立に際しての判断基準を定めています。
第一に、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であるなど特別の事情が存在すること、第二に、特別養子縁組を成立させることがその子の利益のために特に必要があると認めることです。
第一の要件については、父母の精神的または身体的故障などにより子の健全な成育を図ることが不可能または著しく困難な状態にある場合や、子の虐待、監護の放棄など子の利益を著しく害する場合が問題になります。
第二の要件は、子の側の事情に関するものです。
子の健全な育成のため特に必要があると認められる場合です。
養親との親子関係設定により養子の監護養育の状況が永続的に向上とすることに加えて、実父母との親子関係の終了が養子の利益となることが必要です。


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特別養子 (その五)

第817条の6  (父母の同意)
特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。


本条は、特別養子の要件として、養子となる者の父母の同意が必要とするとしています。
養子となる者は、それまで父母のもとで看護養育されており、特別養子縁組の成立により、その実親子関係が断絶されてしまいます。
このように、父母は最も利害関係の深い立場の者ですから、それらの者の同意が必要であると考えられたのです。
他方、父母でない者は、養子となる者の親権代行者や後見人であっても、その同意は求められていません。
ただし、父母の同意を得ることが、逆に養子となる者の利益を著しく害する結果となる場合には、その必要はないことにされています。
そのような場合として、民法は第一に、父母がその意思を表示することができない場合をあげています。
これには、父母が心神喪失の常況にある場合のほか、所在不明のため事実上同意を求められない場合も含まれます。
第二には、父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合です。
これは、養子となる者を、精神的、肉体的に苛酷に扱い、正当な理由なく監護養育を放棄し、その他養子となる者の健全な成育に著しい妨げとなる事由が存在する場合のことを指しています。



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特別養子 (その四)

 第817条の5(養子となる者の年齢)
 第817条の2に規定する請求の時に六歳に達している者は、養子となることができない。ただし、その者が八歳未満であって六歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は、この限りでない。

養子となるには、家庭裁判所に養子縁組の審判請求をする際に原則6歳未満でなければなりません。
ただし、6歳前から養親となる夫妻にすでに監護されている場合には、請求する際に8歳未満であればよいとされています。
これは、特別養子制度は、養親が実親として養育することが予定されている制度であるため、子に物心がついていないことが必要だとされているからです。


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